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アザラシの華
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ある日、ヒカルの母親は、「話がある。」と突然ヒカルを呼んだ。
「どうした?」
ヒカルが素直に尋ねた。
「落ち着いて聞いて欲しいんだけど…
もしよかったら…私の皮を返して欲しい。」
母親が言いにくそうに、息子に申し出た。
「え⁉︎なんで⁉︎」
ヒカルは、うろたえた。本来海を気ままに泳ぎ回り自由に暮らす生き物の母親は、陸での暮らしは窮屈だと感じるのかな?やっぱり、母親にとっては、子供のことより、自分の自由の方が大事なのかな?
「兄のことについて、色々考える中で思ったんだけど、ヒカルがたとえどんなにうまくあの皮を隠したとしても、他人には見つからないという保証はない。そして、万が一、他人の手へ渡ってしまうと、取り返しのつかないことになる。
あの皮を盗られてしまうと、私は自分のことを自分では、全くコントロール出来なくなる。要するに、ヒカルのことも、守れなくなる。あの皮を私の手で守ることは、自分を守ることであると同時に、ヒカルを守ることにもなる。
だから、お願いすることにした。」
母親が切実にヒカルに訴えた。
「でも、返したら、海に帰らないといけないでしょう?」
ヒカルが尋ねた。
母親が悲しそうに頷いてから、言った。
「帰らないといけないけど、自分の皮を自分の手に持つ限り、私は自分の主だから、前みたいにあなたに会いに来れる。あの皮を盗られてしまったら、もう2度と、あなたには会えないかもしれない…。」
ヒカルは、しばらく黙って考えた。母親の言っているは、よくわかる。筋は、通っている。いわゆる、正論というものである。自分が母親の考えに、反対する理由はただ一つ、寂しくなるからだ。しかし、それは、単なる我儘であることに気づいた。長い間を置いてから、ヒカルはようやく頷いた。
「わかった…返すよ。」
静かにヒカルの返事を待っていた母親は、目に涙を浮かべて、ヒカルを誇らしく見た。
「わかってくれて、ありがとう。」
「残念だけど…僕のアザラシの華がまだ見つかっていないし…。」
ヒカルがつぶやいた。
「たった今、見せてもらったよ。」
ヒカルの母親が嬉し涙を流して、言った。
ヒカルの母親が旅立った日は、ホタルも、一緒に見送りに行った。
「アドバイス、ありがとう。」
「いえいえ、一応兄の子だから。」
ヒカルの母親が笑顔で言った。
「じゃ、ヒカル、またいつでも呼んでね。呼んでくれたら、ちゃんと来るから。あなたも、またね。」
ヒカルの母親が二人に挨拶をした。
ヒカルが頷くと、ヒカルの母親はすぐに波へ姿を消した。
母親の姿が見えなくなっても、いつまでも洋々と広がる碧海を物欲しそうに眺め続けるヒカルを見て、ホタルが彼の肩に手を掛けた。
「また会えるよ、きっと。」
「どうした?」
ヒカルが素直に尋ねた。
「落ち着いて聞いて欲しいんだけど…
もしよかったら…私の皮を返して欲しい。」
母親が言いにくそうに、息子に申し出た。
「え⁉︎なんで⁉︎」
ヒカルは、うろたえた。本来海を気ままに泳ぎ回り自由に暮らす生き物の母親は、陸での暮らしは窮屈だと感じるのかな?やっぱり、母親にとっては、子供のことより、自分の自由の方が大事なのかな?
「兄のことについて、色々考える中で思ったんだけど、ヒカルがたとえどんなにうまくあの皮を隠したとしても、他人には見つからないという保証はない。そして、万が一、他人の手へ渡ってしまうと、取り返しのつかないことになる。
あの皮を盗られてしまうと、私は自分のことを自分では、全くコントロール出来なくなる。要するに、ヒカルのことも、守れなくなる。あの皮を私の手で守ることは、自分を守ることであると同時に、ヒカルを守ることにもなる。
だから、お願いすることにした。」
母親が切実にヒカルに訴えた。
「でも、返したら、海に帰らないといけないでしょう?」
ヒカルが尋ねた。
母親が悲しそうに頷いてから、言った。
「帰らないといけないけど、自分の皮を自分の手に持つ限り、私は自分の主だから、前みたいにあなたに会いに来れる。あの皮を盗られてしまったら、もう2度と、あなたには会えないかもしれない…。」
ヒカルは、しばらく黙って考えた。母親の言っているは、よくわかる。筋は、通っている。いわゆる、正論というものである。自分が母親の考えに、反対する理由はただ一つ、寂しくなるからだ。しかし、それは、単なる我儘であることに気づいた。長い間を置いてから、ヒカルはようやく頷いた。
「わかった…返すよ。」
静かにヒカルの返事を待っていた母親は、目に涙を浮かべて、ヒカルを誇らしく見た。
「わかってくれて、ありがとう。」
「残念だけど…僕のアザラシの華がまだ見つかっていないし…。」
ヒカルがつぶやいた。
「たった今、見せてもらったよ。」
ヒカルの母親が嬉し涙を流して、言った。
ヒカルの母親が旅立った日は、ホタルも、一緒に見送りに行った。
「アドバイス、ありがとう。」
「いえいえ、一応兄の子だから。」
ヒカルの母親が笑顔で言った。
「じゃ、ヒカル、またいつでも呼んでね。呼んでくれたら、ちゃんと来るから。あなたも、またね。」
ヒカルの母親が二人に挨拶をした。
ヒカルが頷くと、ヒカルの母親はすぐに波へ姿を消した。
母親の姿が見えなくなっても、いつまでも洋々と広がる碧海を物欲しそうに眺め続けるヒカルを見て、ホタルが彼の肩に手を掛けた。
「また会えるよ、きっと。」
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