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家族の形
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志穂は、家に戻り,父親が帰宅するのを待った。
父親の足音が聞こえ,「志穂!」と呼ぶ声がした途端,階段を駆け降り,子供の頃のように,父親の腕の中へ飛び込んだ。
父親は、声をあげて,泣いた。
「もう,戻って来ないかと思った…。」
「ごめんなさい。何も言わずに出て行って悪かった…すぐ戻って来るつもりだったけど,色々あって…もう,いきなりいなくなったりしないから,安心して!」
志穂が満面の笑顔で言った。
「なんで,戻って来てくれた?」
父親は、志穂が自分の腕の中にいるのは,未だに半信半疑のようだった。
「離れてみて,やっぱり,ここがいいと思ったから…警察とか呼ばなかった?」
志穂が尋ねた。
「呼んでいない…。」
「なんで?」
志穂が訊いた。
「止める権利はないと思ったから。」
父親が言った。
志穂は、次に、仏壇の母親と祖母の位牌の前に座り,手を合わせた。
一時期、知らない方が幸せなのに、あえて貝殻のことを死に際に自分に話した祖母を、自分を不幸にしてしまったと恨んだ。しかし,今の自分には,もうその気持ちはない。
祖母が貝殻のことを話さなかったら,自分の居場所や自分の家族を疑うことは、まずなかった。しかし,疑わなかったら,本当の意味で,見つけることもなかったのかもしれないと思った。疑って初めて,確実なものになった。その気がした。
ここが自分の居場所なのだ。そして,ここにも,海にも,自分の家族がいるのだ。
「ただいま。」
志穂が笑顔で二つの位牌に向かって,言った。
父親の足音が聞こえ,「志穂!」と呼ぶ声がした途端,階段を駆け降り,子供の頃のように,父親の腕の中へ飛び込んだ。
父親は、声をあげて,泣いた。
「もう,戻って来ないかと思った…。」
「ごめんなさい。何も言わずに出て行って悪かった…すぐ戻って来るつもりだったけど,色々あって…もう,いきなりいなくなったりしないから,安心して!」
志穂が満面の笑顔で言った。
「なんで,戻って来てくれた?」
父親は、志穂が自分の腕の中にいるのは,未だに半信半疑のようだった。
「離れてみて,やっぱり,ここがいいと思ったから…警察とか呼ばなかった?」
志穂が尋ねた。
「呼んでいない…。」
「なんで?」
志穂が訊いた。
「止める権利はないと思ったから。」
父親が言った。
志穂は、次に、仏壇の母親と祖母の位牌の前に座り,手を合わせた。
一時期、知らない方が幸せなのに、あえて貝殻のことを死に際に自分に話した祖母を、自分を不幸にしてしまったと恨んだ。しかし,今の自分には,もうその気持ちはない。
祖母が貝殻のことを話さなかったら,自分の居場所や自分の家族を疑うことは、まずなかった。しかし,疑わなかったら,本当の意味で,見つけることもなかったのかもしれないと思った。疑って初めて,確実なものになった。その気がした。
ここが自分の居場所なのだ。そして,ここにも,海にも,自分の家族がいるのだ。
「ただいま。」
志穂が笑顔で二つの位牌に向かって,言った。
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