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第1章
32.女子会①
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ところ変わって、ヒナはシャリス、ルテラと共に東地区の中央を歩いていた。
「リアは旅のための物資を集めてって言ったけど、何を買えばいいのかしら。」シャリスが腕を組んで考える様子を見せる。すると、ヒナがそれに答えた。
「携帯食料とか、治療キットとかですかね。あ、その前に装備をしっかりしないといけないですね。ここから先、草原を超えたら、魔獣が出ますし。」
「魔獣!?逃げる…は無理よね。」
「ええ。魔獣からの逃走は難しいかと…。シャリス様は、武術の経験はあるのですか?」
「いえ、そっちはからっきしで…でも魔法なら少しはできるわ。」
この世界には魔法が存在するが、一般的とは言えない。才能にかなり左右される技術な上に、学ぶには莫大な金が必要だ。貴族や王族が学ぶ学問であると人々は認識しているだろう。
「それは心強いです。ルテラさんは?」
「…え?」ルテラは突然話しかけられて戸惑う。二人が話している間、後ろに黙ってついてきていたが、話しかけられるとは思っていなかったのだろう。
「ルテラさんは魔獣に出会ったときに戦うことはできる?」
「ええっと…。剣術を少しは。独学ですけど。」それを聞いたヒナは「え?」と言いたげにルテラを見る。
「そうなんですね、でも武器を持ってないですよね。」すると、ルテラは悲しそうにうつむく。
「その、捕まった時に没収されてしまってるので…キース様でも回収は難しかったようです。」
「そうなんだ…。」ヒナが悩むそぶりを見せる。すると、シャリスが突然手を合わせた。
「そうだ!せっかくだし、3人で装備を買いに行きましょう!服もですけど、武器も!」
「いいですね。でもそんなに買えるかな…」ヒナが自分の財布をみてうなだれる。ルテラは絶望的な表情をしている。しかしシャリスは得意げに笑った。
「ふふふ、実はリアから経費分としていくらか預かってますわ。だから大丈夫!」
ヒナは自慢げに腕を組むシャリスを見てルテラと顔を見合わせる。そして、笑ってしまうのだった。
「な、なにを笑ってるのよー!」
(…よかった、少しずつでも溶け込んでもらえれば…。)シャリスは二人に突っ込みを入れながら、ルテラの笑顔が見れたことにほっとするのだった。
さかのぼること昨日。キースに最後に会ったとき、つまり、ルテラを預けられたとき、シャリスはキースに言われたのだ。
「ここではルテラは罪人だが、お前たちと外に出てしまえば、ただの旅人だ。この王都でつらい思いをしている分、思いっきり羽を伸ばさせてやってくれ。悪い子じゃないんだ。」
シャリスは、なぜキースがあんなにルテラを気にかけているのか、謁見の間での話も含めて疑問は多く残っていた。しかし、目の前のルテラという年下の少女を見ていると、守ってあげなくてはならないという気持ちになってしまうのだった。
「よし、じゃあまずは服を買いましょー!」
「おー!」シャリスが手を上げると、それに続いてヒナが手を上げ、ルテラの手も握る。
「お、おー?」ルテラは戸惑いつつも、二人と一緒に手を上げるのだった。
「リアは旅のための物資を集めてって言ったけど、何を買えばいいのかしら。」シャリスが腕を組んで考える様子を見せる。すると、ヒナがそれに答えた。
「携帯食料とか、治療キットとかですかね。あ、その前に装備をしっかりしないといけないですね。ここから先、草原を超えたら、魔獣が出ますし。」
「魔獣!?逃げる…は無理よね。」
「ええ。魔獣からの逃走は難しいかと…。シャリス様は、武術の経験はあるのですか?」
「いえ、そっちはからっきしで…でも魔法なら少しはできるわ。」
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「それは心強いです。ルテラさんは?」
「…え?」ルテラは突然話しかけられて戸惑う。二人が話している間、後ろに黙ってついてきていたが、話しかけられるとは思っていなかったのだろう。
「ルテラさんは魔獣に出会ったときに戦うことはできる?」
「ええっと…。剣術を少しは。独学ですけど。」それを聞いたヒナは「え?」と言いたげにルテラを見る。
「そうなんですね、でも武器を持ってないですよね。」すると、ルテラは悲しそうにうつむく。
「その、捕まった時に没収されてしまってるので…キース様でも回収は難しかったようです。」
「そうなんだ…。」ヒナが悩むそぶりを見せる。すると、シャリスが突然手を合わせた。
「そうだ!せっかくだし、3人で装備を買いに行きましょう!服もですけど、武器も!」
「いいですね。でもそんなに買えるかな…」ヒナが自分の財布をみてうなだれる。ルテラは絶望的な表情をしている。しかしシャリスは得意げに笑った。
「ふふふ、実はリアから経費分としていくらか預かってますわ。だから大丈夫!」
ヒナは自慢げに腕を組むシャリスを見てルテラと顔を見合わせる。そして、笑ってしまうのだった。
「な、なにを笑ってるのよー!」
(…よかった、少しずつでも溶け込んでもらえれば…。)シャリスは二人に突っ込みを入れながら、ルテラの笑顔が見れたことにほっとするのだった。
さかのぼること昨日。キースに最後に会ったとき、つまり、ルテラを預けられたとき、シャリスはキースに言われたのだ。
「ここではルテラは罪人だが、お前たちと外に出てしまえば、ただの旅人だ。この王都でつらい思いをしている分、思いっきり羽を伸ばさせてやってくれ。悪い子じゃないんだ。」
シャリスは、なぜキースがあんなにルテラを気にかけているのか、謁見の間での話も含めて疑問は多く残っていた。しかし、目の前のルテラという年下の少女を見ていると、守ってあげなくてはならないという気持ちになってしまうのだった。
「よし、じゃあまずは服を買いましょー!」
「おー!」シャリスが手を上げると、それに続いてヒナが手を上げ、ルテラの手も握る。
「お、おー?」ルテラは戸惑いつつも、二人と一緒に手を上げるのだった。
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