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愛を育む

「愛してる」

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僕の愛しい君へ。

たくさんの「愛してる」を伝えたい。


君の手を握るこの冷たい指先から
腕を伝って君に、
僕の心臓の音は聞こえているのかな?


君へのこと気持ちは本物なんだって、
君に知ってほしい。


でも、知られたくない。


矛盾したこと気持ちが苦しく、心地よい。




あぁ、これが恋なんだなぁって。




この気持ちを知れて、
僕は本当に幸せだ。


そう、心の底から思えるんだ。


僕の冷たいはずの指先が、

ほんのり少しずつ熱を持って、

それは全身へと伝わる。





君は人のいいところを知っている。


僕のいいところを見つけてくれた。

僕のいいところを知ってくれた。


初めは本当、それだけで良かった。

良かったはずなのに…。



どんどん欲張りになる。


君に僕だけ見て欲しくてたまらなくなる。


幸せだと思っていたあの頃が、
まるで夢のように思えて仕方が無い。


贅沢なのは分かってる。



頭では分かっているんだけど、
心がそれに追いつかない。


僕には君だけなんだと、

そう伝えたいと思う気持ちは、

君には届いているのかな…?



君はただ笑っているけれど、

僕はこの気持ちを無駄にしたくないから、



今から君に伝えるよ?



この世界どこを探しても
見つからないような愛の告白を。



僕の気持ちの限り、
尽きることのないこの気持ちを、


今すぐ君に。




僕の大好きな君へ。

「愛してる」
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