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第二話 11 ねん の つきひ▼
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――と、そんな懐かしい夢を見た。
あれから11年。古びた小屋の軋む音、土と草の匂い、焚き火の温もり、そして、毒キノコのピリピリとした刺激。
ギデオン・シルバーハート37歳。元冒険者、現・森の番人。これが俺の今の日常だ。
「こ、腰が痛てぇ……」
左腕で腰のあたりを抑えながら大きく伸びをする。バキバキと音が鳴り、どこかしらの筋肉が石みたいに固まっているのが分かった。
冒険者を引退して、もう11年になる。肩の可動域は、あの頃の半分も残っちゃいない。使い込んで体に馴染んだ革鎧は、とっくの昔にカビ臭い匂いを放ち始め、今では物置の肥やしだ。鏡を見れば、疲れ目を擦る、くたびれた中年男が、情けない顔でこっちを見ている。……あの頃の俺は、もっとマシな顔をしていたはずだ。少なくとも、こんな死んだ魚みたいな目じゃなかった。なんなら死んだ魚より黒い。目つきも悪いしクマもすごい。
気付けば俺も37歳。大いにおっさんだ。現在は故郷であるエルムントの街外れ、エルフィニアの森の近くに建てた、古びた掘っ立て小屋で森の見回りをして暮らしている。スローライフ……ほど響きの良いもんじゃないが、そう悪くもない。ようは、世捨て人みたいな自給自足生活だ。
家の周りには、俺が仕掛けた罠がいくつかある。簡単な罠だけど、小動物くらいなら捕まえられる。 小屋の裏手にある小さな畑では、薬草や野菜を育てている。土いじりは嫌いじゃない。
種を蒔き、水をやり、芽が出て、花が咲き、実がなる。その過程を見ていると心が安らぐ。土地柄なのかちょっとだけ毒々しい色をしているが、個性と思えばいける。たまに害虫や病気に悩まされることもあるけど、それもまた自然の摂理ってやつだ。
たまにリーシャが顔を出してくれるのが、最近の楽しみだ。エルムントの宿屋の看板娘。森で迷子になっていた彼女を助けてからというもの、今の今まで付き合いがある快活な少女だ。
「ギデオーーーン! いるーーー?」
お、噂をすればなんとやら、だ。
「おー、リーシャ。いらっしゃい」
亜麻色の髪を三つ編みにした、快活そうな少女がこちらに駆けてくる。
「ちょっと顔見に来ただけだよ。……また難しい顔してた」
「そ、そうか? 元からとかじゃないか?」
「そうだよ。はい、差し入れ」
右腕のことを心配してくれているのか、リーシャは不思議と俺によくなついてくれた。バスケットの中には、焼きたてのパンと、エルムントハーブを使ったサラダ、それに温かいスープが入っていた。パンの香ばしい匂いとハーブの爽やかな香りが食欲をそそる。一回り以上年下の少女に餌付けされているようで情けないが、うまそうなのだからしょうがない。気付けば彼女は料理の腕をめきめきと上げ、週に何度か食事を持ってきてくれるようになっていた。
「気が利くね。いつも助かるよ」
「ふふん、リーシャ特製だからね!……ねえ、ギデオン。どうしてそんなに森の近くに住んでるの?危ないじゃない」
「ここが落ち着くんだ。それに、この森には色々な薬草やキノコがある。俺は毒にも詳しいからな、薬師ギルドにも卸せる。俺の庭みたいなもんだからな」
「もう、またそんなこと言って。…でも、気をつけてね。最近、物騒だから」
「ああ、分かってる」
リーシャは心配そうに俺の顔を覗き込む。彼女の優しさが胸に染みる。そんなに心配することもあるまいに。
昼食が終われば、当然仕事の続きだ。軽くキノコに着いた土を落としてから、ちぎって舌にのせる。すると口の中がピリピリとする感覚がして、品種と品質が理解できる。たまにエルムントハーブと呼ばれる珍しい薬草が手に入る。エルフィニアの森の特定の場所にしか自生しない貴重なもので、高値で取引されるのが嬉しい。
毒キノコを採取しては薬師ギルドに卸し、薬草を育ててポーションを作り、たまに森に入って狩りをする。冒険者時代の貯金もあるし、生活には困っちゃいない。ただ、たまに、無性に寂しくなる時がある。街で所帯持ちの友人を見ると、胸が締め付けられるような――いや、これは見なかったことにしよう。温かい家庭、か。俺には縁のない話だな。
おまけに、俺はこの世界には存在しないはずの"ゲーム知識"を持つ、転生者ときた。
そう、俺は知っている。この世界が、かつて俺がやり込んだRPG「ブレイブ・クロニクル」そのものだと。そして、俺がゲーム内の取るに足らないサブキャラ、ギデオン・シルバーハートとして生を受けたのだと。
……順を追って説明しよう。俺、ギデオン・シルバーハートは、元・日本のどこにでもいるフリーターだった。まあ、どこにでもいる、ってのは少し嘘になるか。俺は、重度のゲームオタクだった。特に、「ブレイブ・クロニクル」ってRPGには、人生の全てを捧げたと言っても過言じゃない。徹夜でレベル上げ、レアアイテム探し、隠し要素のコンプリート。あの頃の俺は、間違いなくゲームの中に生きていた。
赤ん坊の頃に自分の名前を聞いた時はさすがに興奮した。「ギデオン・シルバーハート」だぜ? 銀の心臓。……厨二病心をくすぐる、格好良すぎる名前じゃないか。誰だって主人公だと思うだろ。
その割にはまあ、俺のステータスは見事に平均値。HPもMPも、攻撃力も防御力も、見事に並。よくこれで冒険者やってたな、って自分でも思うよ。原作知識である程度はマシなステータスにはなったが、素質の壁は厚くてな……レベリングだって試したものの、完全に名前負けだ。時々掲示板で"ギデオン・シルバーハートを救いたい"みたいなスレッドが立つんだよ。スレ画に真顔の俺の立ち絵があってな。色々言ってるわけだ、掲示板の住民が。うん。
完全に名前一本でネタキャラになってしまった男、それがゲームの中での俺だ。ゲームの中では本当にただのサブキャラなんだ。街道沿いの街で、冒険者に薬草を売ってるだけの、地味な男。まさかそんな奴に転生するなんて、神様も粋な計らいをしてくれるもんだ。……神様、俺のこと嫌いなのか?
幸い、俺は毒が効かない。ゲームの中では戦闘シーンを見たことがないから、これが転生特典ってやつなのか元々ギデオンが身に着けたスキルなのかはわからないが……まあ、地味ながらも生存に役立つスキルがあるだけ、まだマシなのかもしれない。おかげで毒キノコを食っても腹を下すことはないし、毒を武器にするモンスター相手にはまず負けない。もうちょっと派手なスキルが欲しかった、ってのが本音だけどな。毒キノコでもむしゃむしゃ食えるスキルってなんだよ。「ファイアボール!」とか叫んでみたかったよ、俺だって。いや、叫べはするけどさ、出ねえんだもん。ファイアボール。
そんなわけで、この世界に来て37年。それなりに楽しくやってきた。昔の仲間とは時々会うし、貯金もある。まあ、結婚適齢期を過ぎている、ってのは……うん、なるようになる。少なくとも、ブラック企業に使い潰されたり、窓際社員として肩身の狭い思いをしたりするよりは、100倍マシな人生だ。前向きに、前向きに考えよう。
「ギデオン、また難しい顔してる。悩み事なら、いつでも聞くよ?」
「ありがとう、リーシャ。でも大丈夫だ。街まで送っていこうか?」
「ううん、大丈夫! 今日は、ギルドの人に頼まれて、これを渡しに来ただけだから」
リーシャは、そう言って、俺に一枚の羊皮紙を差し出した。
「ギルドからの……依頼書?」
「うん。最近、森の奥で、強力な魔物が出没するようになったんだって。それで、ギルドが討伐隊を組織することになったらしいんだけど……」
「人手が足りない、ってことか」
「うん……。ギルドの人も、ギデオンのこと、頼りにしてるみたい」
「……」
俺は、複雑な思いで依頼書を受け取った。正直、もう冒険者に戻るつもりはなかった。でも、リーシャの不安そうな顔を見ると、断ることもできなかった。
「……分かった。引き受けるよ」
「ギデオン……! ありがとう。でも、無理はしないでね」
「ああ、心配すんな。俺を誰だと思ってるんだ?」
俺は、そう言って笑ってみせたが、内心では不安でいっぱいだった。
――やめときゃよかったかな……。
ギデオン・シルバーハートは、少々情けない人間だった。
あれから11年。古びた小屋の軋む音、土と草の匂い、焚き火の温もり、そして、毒キノコのピリピリとした刺激。
ギデオン・シルバーハート37歳。元冒険者、現・森の番人。これが俺の今の日常だ。
「こ、腰が痛てぇ……」
左腕で腰のあたりを抑えながら大きく伸びをする。バキバキと音が鳴り、どこかしらの筋肉が石みたいに固まっているのが分かった。
冒険者を引退して、もう11年になる。肩の可動域は、あの頃の半分も残っちゃいない。使い込んで体に馴染んだ革鎧は、とっくの昔にカビ臭い匂いを放ち始め、今では物置の肥やしだ。鏡を見れば、疲れ目を擦る、くたびれた中年男が、情けない顔でこっちを見ている。……あの頃の俺は、もっとマシな顔をしていたはずだ。少なくとも、こんな死んだ魚みたいな目じゃなかった。なんなら死んだ魚より黒い。目つきも悪いしクマもすごい。
気付けば俺も37歳。大いにおっさんだ。現在は故郷であるエルムントの街外れ、エルフィニアの森の近くに建てた、古びた掘っ立て小屋で森の見回りをして暮らしている。スローライフ……ほど響きの良いもんじゃないが、そう悪くもない。ようは、世捨て人みたいな自給自足生活だ。
家の周りには、俺が仕掛けた罠がいくつかある。簡単な罠だけど、小動物くらいなら捕まえられる。 小屋の裏手にある小さな畑では、薬草や野菜を育てている。土いじりは嫌いじゃない。
種を蒔き、水をやり、芽が出て、花が咲き、実がなる。その過程を見ていると心が安らぐ。土地柄なのかちょっとだけ毒々しい色をしているが、個性と思えばいける。たまに害虫や病気に悩まされることもあるけど、それもまた自然の摂理ってやつだ。
たまにリーシャが顔を出してくれるのが、最近の楽しみだ。エルムントの宿屋の看板娘。森で迷子になっていた彼女を助けてからというもの、今の今まで付き合いがある快活な少女だ。
「ギデオーーーン! いるーーー?」
お、噂をすればなんとやら、だ。
「おー、リーシャ。いらっしゃい」
亜麻色の髪を三つ編みにした、快活そうな少女がこちらに駆けてくる。
「ちょっと顔見に来ただけだよ。……また難しい顔してた」
「そ、そうか? 元からとかじゃないか?」
「そうだよ。はい、差し入れ」
右腕のことを心配してくれているのか、リーシャは不思議と俺によくなついてくれた。バスケットの中には、焼きたてのパンと、エルムントハーブを使ったサラダ、それに温かいスープが入っていた。パンの香ばしい匂いとハーブの爽やかな香りが食欲をそそる。一回り以上年下の少女に餌付けされているようで情けないが、うまそうなのだからしょうがない。気付けば彼女は料理の腕をめきめきと上げ、週に何度か食事を持ってきてくれるようになっていた。
「気が利くね。いつも助かるよ」
「ふふん、リーシャ特製だからね!……ねえ、ギデオン。どうしてそんなに森の近くに住んでるの?危ないじゃない」
「ここが落ち着くんだ。それに、この森には色々な薬草やキノコがある。俺は毒にも詳しいからな、薬師ギルドにも卸せる。俺の庭みたいなもんだからな」
「もう、またそんなこと言って。…でも、気をつけてね。最近、物騒だから」
「ああ、分かってる」
リーシャは心配そうに俺の顔を覗き込む。彼女の優しさが胸に染みる。そんなに心配することもあるまいに。
昼食が終われば、当然仕事の続きだ。軽くキノコに着いた土を落としてから、ちぎって舌にのせる。すると口の中がピリピリとする感覚がして、品種と品質が理解できる。たまにエルムントハーブと呼ばれる珍しい薬草が手に入る。エルフィニアの森の特定の場所にしか自生しない貴重なもので、高値で取引されるのが嬉しい。
毒キノコを採取しては薬師ギルドに卸し、薬草を育ててポーションを作り、たまに森に入って狩りをする。冒険者時代の貯金もあるし、生活には困っちゃいない。ただ、たまに、無性に寂しくなる時がある。街で所帯持ちの友人を見ると、胸が締め付けられるような――いや、これは見なかったことにしよう。温かい家庭、か。俺には縁のない話だな。
おまけに、俺はこの世界には存在しないはずの"ゲーム知識"を持つ、転生者ときた。
そう、俺は知っている。この世界が、かつて俺がやり込んだRPG「ブレイブ・クロニクル」そのものだと。そして、俺がゲーム内の取るに足らないサブキャラ、ギデオン・シルバーハートとして生を受けたのだと。
……順を追って説明しよう。俺、ギデオン・シルバーハートは、元・日本のどこにでもいるフリーターだった。まあ、どこにでもいる、ってのは少し嘘になるか。俺は、重度のゲームオタクだった。特に、「ブレイブ・クロニクル」ってRPGには、人生の全てを捧げたと言っても過言じゃない。徹夜でレベル上げ、レアアイテム探し、隠し要素のコンプリート。あの頃の俺は、間違いなくゲームの中に生きていた。
赤ん坊の頃に自分の名前を聞いた時はさすがに興奮した。「ギデオン・シルバーハート」だぜ? 銀の心臓。……厨二病心をくすぐる、格好良すぎる名前じゃないか。誰だって主人公だと思うだろ。
その割にはまあ、俺のステータスは見事に平均値。HPもMPも、攻撃力も防御力も、見事に並。よくこれで冒険者やってたな、って自分でも思うよ。原作知識である程度はマシなステータスにはなったが、素質の壁は厚くてな……レベリングだって試したものの、完全に名前負けだ。時々掲示板で"ギデオン・シルバーハートを救いたい"みたいなスレッドが立つんだよ。スレ画に真顔の俺の立ち絵があってな。色々言ってるわけだ、掲示板の住民が。うん。
完全に名前一本でネタキャラになってしまった男、それがゲームの中での俺だ。ゲームの中では本当にただのサブキャラなんだ。街道沿いの街で、冒険者に薬草を売ってるだけの、地味な男。まさかそんな奴に転生するなんて、神様も粋な計らいをしてくれるもんだ。……神様、俺のこと嫌いなのか?
幸い、俺は毒が効かない。ゲームの中では戦闘シーンを見たことがないから、これが転生特典ってやつなのか元々ギデオンが身に着けたスキルなのかはわからないが……まあ、地味ながらも生存に役立つスキルがあるだけ、まだマシなのかもしれない。おかげで毒キノコを食っても腹を下すことはないし、毒を武器にするモンスター相手にはまず負けない。もうちょっと派手なスキルが欲しかった、ってのが本音だけどな。毒キノコでもむしゃむしゃ食えるスキルってなんだよ。「ファイアボール!」とか叫んでみたかったよ、俺だって。いや、叫べはするけどさ、出ねえんだもん。ファイアボール。
そんなわけで、この世界に来て37年。それなりに楽しくやってきた。昔の仲間とは時々会うし、貯金もある。まあ、結婚適齢期を過ぎている、ってのは……うん、なるようになる。少なくとも、ブラック企業に使い潰されたり、窓際社員として肩身の狭い思いをしたりするよりは、100倍マシな人生だ。前向きに、前向きに考えよう。
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「ありがとう、リーシャ。でも大丈夫だ。街まで送っていこうか?」
「ううん、大丈夫! 今日は、ギルドの人に頼まれて、これを渡しに来ただけだから」
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「ギルドからの……依頼書?」
「うん。最近、森の奥で、強力な魔物が出没するようになったんだって。それで、ギルドが討伐隊を組織することになったらしいんだけど……」
「人手が足りない、ってことか」
「うん……。ギルドの人も、ギデオンのこと、頼りにしてるみたい」
「……」
俺は、複雑な思いで依頼書を受け取った。正直、もう冒険者に戻るつもりはなかった。でも、リーシャの不安そうな顔を見ると、断ることもできなかった。
「……分かった。引き受けるよ」
「ギデオン……! ありがとう。でも、無理はしないでね」
「ああ、心配すんな。俺を誰だと思ってるんだ?」
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