【配信】無能だと追放された僕の『最適化』スキル、実は神級だった件〜落ちぶれた勇者パーティを尻目に、Sランク冒険者になって人生逆転します〜

桃我タロー

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第60話 鋼鉄の惑星と最初の接触

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 次元跳躍(ワープ)を終えた僕たちの目の前に、不気味な光を放つ、巨大な惑星が浮かんでいた。
 惑星全体が、継ぎはぎだらけの、灰色の金属で覆われている。所々から、赤い光が漏れ、まるで、巨大な機械の心臓が、ドクドクと脈打っているかのようだ。
 あれが、僕を呼んでいた、最初の目的地、『鋼鉄の惑星』ヴォルクス。
「……ひどい星だ。生命の気配が、全く感じられない」
 リナが、顔をしかめて言った。
 彼女の『風の力』は、生命の息吹も感じ取ることができる。だが、この星からは、ただ、冷たい、無機質な反響しか、返ってこないらしい。
「エリアナさん、この星の情報を」
「はい。……データベースに、該当する情報はありません。完全に、未知の文明です。ですが、強力なエネルギー反応が、惑星全土から、多数、確認できます。おそらく、すべて、敵性存在です」
 エリアナさんの報告に、操縦室の空気が、緊張する。
 その時、船の警報が、けたたましく鳴り響いた。
「敵襲! 前方より、多数の高速接近物体!」
 ギデオンが叫ぶ。
 船のメインスクリーンに、無数の、小さな戦闘機の群れが映し出された。
 その形状は、昆虫のようでもあり、鋭い刃物のようでもあり、僕たちが知る、どんな兵器とも、異なっていた。
 それらは、すべて、自律して動く、機械生命体の兵士たちだった。
「ようこそ、有機生命の諸君。我らは、ヴォルクス統合意思体。この宇宙の、新たなる支配者である」
 船内に、直接、合成音声が響き渡る。
 テレパシーによる、通信だ。
「君たちの存在は、我々の宇宙にとって、不要な『バグ』である。よって、ここで、消去(デリート)する」
 問答無用で、敵の戦闘機群から、無数のレーザーが、僕たちの船へと、放たれた。
「シールド、最大出力!」
 ギデオンが叫び、船の周りに、エネルギーの障壁が展開される。
 レーザーの雨が、シールドに叩きつけられ、船体が、激しく揺れた。
≪いきなり戦闘かよ!≫
≪敵の数、多すぎだろ!≫
≪アークライト号、耐えてくれー!≫
 配信の向こう側でも、悲鳴に近いコメントが飛び交っている。
 このままでは、シールドが破られるのも、時間の問題だ。
「アルク! 何とかしろ!」
 リナが叫ぶ。
 僕は、必死に『最適化』で、この状況を打開する、最適解を探っていた。
 敵の攻撃パターン、数、そして、僕たちの船が持つ、武装。
 それら、すべての情報を、統合し、解析する。
 そして、答えは、見つかった。
「ギデオンさん! 船の武装、『エーテル・キャノン』を使います!」
「何!? あれは、エネルギー消費が激しすぎて、まだ試射もしていない兵器だぞ!」
「大丈夫です! 僕の『最適化』で、エネルギー効率を、300%まで引き上げます! リナさん、あなたの『風の力』で、キャノンのエネルギー奔流を、収束させてください! 一点に、集中させるんです!」
 二人は、僕の無茶な要求に、一瞬、目を見開いたが、すぐに、力強く頷いた。
 僕たちは、もう、互いの力を、疑ったりはしない。
「エーテル炉、最適化プロセス、開始!」
 僕が、機関室のコンソールを操作すると、船の心臓部から、凄まじいエネルギーが、船首にある主砲へと、流れ込んでいく。
 リナが、祈りを捧げると、主砲の先端に、見えない風のレンズが、形成された。
「エネルギー充填、120%! 風の収束、完了!」
「目標、敵艦隊、中央!」
 ギデオンが、照準を定める。
「――撃て(ファイア)ッ!!」
 僕たちの声が、一つになった。
 『アークライト号』の主砲から、純白の、巨大な光の奔流が、放たれた。
 それは、リナの風によって、極限まで収束され、一本の、巨大な槍と化していた。
 光の槍は、星々の間を、一直線に駆け抜け、敵艦隊の、ど真ん中を、貫いた。
 一瞬の静寂。
 そして、次の瞬間、敵艦隊は、中心から、連鎖的に、大爆発を起こした。
 僕たちの、たった一撃で、あれほどいた敵の群れが、宇宙の塵となって、消滅したのだ。
 船内は、歓喜に包まれた。
 僕たちは、最初の戦いに、見事、勝利したのだ。
 だが、僕たちの表情は、すぐに、引き締まった。
 これは、始まりに過ぎない。
 惑星ヴォルクスの地表には、今、僕たちを迎え撃つために、さらに巨大な、絶望的な数の、機械の軍勢が、起動を始めていた。
 僕たちの、本当の戦いは、これからだ。
 僕たちは、固唾をのんで、眼下に広がる、鋼鉄の戦場を、見据えていた。
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