メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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2.癒院

5.降りしきる雨

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 ギルドはどこの街とも連携が取れるように繋がっており、登録されている冒険者や、捕まった賞金首、強い魔物の討伐状況などの情報が共有されている。そのため、冒険者が別の街に移住した時にも、すぐに自分の身分を証明できる。ゆえにすぐに依頼を受けることができる。



 受付嬢のオレリアは閑散としたギルドの中で肘をついて、客を待っていた。治癒院にくる冒険者はたいてい湯治に来ているのでギルドに寄るものが少ない。



「はぁ。全然人来ない」



 オレリアは溜め息を吐き、少し伸びをするために席から立ち上がる。伸びをして席に座ると、依頼掲示板の前に人がいるのが目に入った。



「どれにしましょうか」



「なるべく屋内で済むものが良いな」



 珍しい。冒険者かしら。雨が降っているのに依頼を受けるなんてお金に困っているようね。



 青年と少年の中間くらいの年齢の茶髪の男と赤髪の青年が依頼を選んでいた。二人ということはバディだろうか?



「これにしましょう」



 茶髪が掲示板に貼られている羊皮紙の一枚を指さす。ここからでは見えないが赤髪は嫌そうな顔をしている。



「いや、雨降ってんぜ」



「でも、雨が降っているからといって冒険はやめられませんよ」



「目が本気なのが怖ェな」



 赤髪は頭を掻く。



「や、まぁオレは良いんだけどよ。アイツらは説得できんのか?」



「何とかなりますよ」



 あいつらということはバディではないということか。茶髪は羊皮紙を一枚剥がし、こちらに持ってくる。羊皮紙には”ワーアメーバの討伐”と書かれている。今は雨が降っているが大丈夫だろうか。まぁ私には関係ない。



「受理いたしました。本日は雨が降っておりますので、お体にはお気を付けください」















 すでに使われていない街道を歩きながら全員が思った。



 防雨具、邪魔だな。視界が狭まるし、動きづらい。これは雨の中で依頼するときは屋内にするべきだと学んだ。



「ごめんなさい、皆さん」



「学んだんならオッケーだろ」



「気持ち切り替えてこ」



「後悔はするな。反省はしたのならそれでいい」



「罰を受けなさい」



 周りが何故か滅茶苦茶優しい。こういう時は何か裏がありそうな気がしてならない。考えすぎか?



 アストロはがっつり怒っていた。



 ばしゃ、ばしゃ。



 水をはたくような音を立てながら、目前にミラーストーンが翼をはばたかせている。羽が水を吸ってしまい重たくなってしまったのか、地面すれすれにいる。



「オレが行かせてもらうぜ。確かめたいこともあるしな」



 コストイラが刀を抜きながら前に出る。



「っらぁっ!」



 力強い一撃がミラーストーンに刺さる。しかし、コストイラの顔が顰められる。



「やっぱりだ。雨のせいでオレの火力が落ちてやがる。アシドの火力は上がってるかもな」



「にゃるほど」



 アシドはコストイラの前に立ち、ミラーストーンに突貫する。コストイラと違い、素早い一撃。加え、コストイラの言う通り少し威力が上がっているように思える。個々の能力は環境によっても変わるのか。これは調べておかなければなさそうだ。特に、闇や光、理属性は環境によって変わるのだろうか?
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