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3.魔法の森
3.夜の帳が下りる頃
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日が傾いていく。
今日はもう野宿だろう。雨風が凌げるところを探さなければならない。もしくは造るか。
「どこかに洞窟でもあればいいんだがな」
コストイラが叢を掻き分けて見渡すが、早々見当たるものではない。
ピチャリと何か水っぽいものを踏んだ。
「ん?」
コストイラが何かを踏んだ。嫌な予感しかない。というか軽いトラウマだ。暗いから少しわかりづらいが、何となく分かってしまう。目を凝らす。
これは……泥だ。見間違うことなく泥だ。やっぱり泥だ。え?また泥なの?また泥にまみれんの?
コストイラは嫌な思い出を思い起こされる。汗を垂らす。泥があるってことは絶対アイツはいるじゃん。
『ゴォオオオオオ!!』
「やっぱり?」
潜んでいたマッドスライムが雄たけびを上げ、泥を撃ち出してくる。コストイラは咄嗟に炎を展開し、軌道を逸らす。
「え?何?」
「うわ、マッドスライム!?」
「っ!後ろにも!」
後ろの陰からは捻じれた角を一本携えた一角獣が上半身だけ出していた。
夜になると現れやすくなるナイトビーストという魔物だ。ゴブリン、スライムと同等ほどに一般の人でも見たことのある魔物の代表格だ。その割にはナイトビーストの下半身を見たあるものがいない。影の中に生き、陰に潜む魔獣としても知られている。子供が夜中に外に出歩いたり、夜更かししないようにするためのお話にもよく出てくる。
ナイトビーストは闇に乗じて同色の色をした爪を剥き出し、繰り出す。しかし、シキが易々と往なす。
マッドスライムは炎に当てられ、泥が固まっていき、動けなくなってしまう。よし、これなら泥にまみれない。そう思ったが、コストイラの足首あたりは、すでに撥ねた泥がこびり付いていた。
まぁこれぐらいなら、とコストイラは許容し、刀を振り下ろす。マッドスライムの固まった表皮に刃が入り込み、罅を作り、殻を割る。中の泥が飛び出した!
「わっぷ!」
唐突に飛び出した泥の壁、いや、泥の大波に思考と動きが停止する。コストイラは泥をかぶった。
「結局被ったよ」
コストイラはぺっぺっと泥を吐きながら、悪態も口から出てくる。完全に不貞腐れた。
シキとアシドは前衛に立ち、爪と角を往なしていく。
ナイトビーストは中々攻撃が通らないことに痺れを切らし、吠える。振るわれる爪の威力が少し上がっているが、当たらなければどうということはない。シキは顔色一つ変えずに往なしていく。
「さよなら」
アストロが囁くように口ずさむと天から雷が落ちてくる。
ナイトビーストは斃れると溶けていなくなっていった。
今日はもう野宿だろう。雨風が凌げるところを探さなければならない。もしくは造るか。
「どこかに洞窟でもあればいいんだがな」
コストイラが叢を掻き分けて見渡すが、早々見当たるものではない。
ピチャリと何か水っぽいものを踏んだ。
「ん?」
コストイラが何かを踏んだ。嫌な予感しかない。というか軽いトラウマだ。暗いから少しわかりづらいが、何となく分かってしまう。目を凝らす。
これは……泥だ。見間違うことなく泥だ。やっぱり泥だ。え?また泥なの?また泥にまみれんの?
コストイラは嫌な思い出を思い起こされる。汗を垂らす。泥があるってことは絶対アイツはいるじゃん。
『ゴォオオオオオ!!』
「やっぱり?」
潜んでいたマッドスライムが雄たけびを上げ、泥を撃ち出してくる。コストイラは咄嗟に炎を展開し、軌道を逸らす。
「え?何?」
「うわ、マッドスライム!?」
「っ!後ろにも!」
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まぁこれぐらいなら、とコストイラは許容し、刀を振り下ろす。マッドスライムの固まった表皮に刃が入り込み、罅を作り、殻を割る。中の泥が飛び出した!
「わっぷ!」
唐突に飛び出した泥の壁、いや、泥の大波に思考と動きが停止する。コストイラは泥をかぶった。
「結局被ったよ」
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「さよなら」
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ナイトビーストは斃れると溶けていなくなっていった。
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