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3.魔法の森
11.嘆きの森
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「ぷっはー。生き返るぜ」
アシドは口元を拭いながら感想を述べる。現在、アレン達は水辺で休憩していた。すでに日が傾いており、雨風の凌げる場所を探していた。その途中で見つけた水辺で一時的に休憩を入れており、木に背を預け体を休めていた。
「ん?」
「どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
アレンは何か泉の向こうで動く影を目撃した気がしたが、気のせいか。もう一度見ると、そんな影は見つからなかった。やっぱり気のせいだったか。
『あなた達はだ~れ?』
後ろから声を掛けられる。振り返ってみると緑色の肌をした女の子がいた。緑色というより植物の肌だ。ただ、その肌よりも普通ではないのは女の子の下半身だ。植物の体をしているのだ。見るからに魔物かもしれないと思ったが、流暢に言葉を話し、異形の姿のヒトも存在しているので一概に魔物とは言えない。
『だ~れ?』
もう一度訊かれてしまった。
「僕は冒険者だよ」
『ひっ、冒険者!?』
女の子は怖がって、涙目で自身の肩を抱いた。
『でも、お兄さんは恐そうじゃない』
どうやらアレンは冒険者の中でも弱そうに見えているらしい。女の子は遊んでくれそうな雰囲気を受け取ったのか、嬉しそうに笑顔で体を揺らしていた。
緑の女の子、アルラウネはこちらが敵対しない限り、物理的な危害を加えることはない。しかし、通りかかる旅人に対して、強烈な庇護欲を抱かせる行動をとり、その身の近くへと誘う。それは非常に抗いがたく、一度情が移ると死ぬまで囚われてしまう。善良な者ほど離れることができない。アレンはというとアルラウネだと分かってしまったうえでも離れることができなくなりつつある。これ以上近付いたらもう戻れない。
エンドローゼはこちらに気付いたようで、可愛いを小声で連発している。アストロも顔を綻ばせ、頬を両手で挟んでいる。アシドとレイドはこちらをちらちらと見ている。シキは無表情だが、頬が赤くなっている。シキもこういうのが好きなのだろうか。
コストイラは真顔でこちらに近付いてくる。
「え?コストイラさん?」
『あなたも遊んでくれるの?』
アルラウネは近付いてくる赤毛の男が何をしてくるのかと期待する目で見つめる。コストイラはアルラウネに優しそうに微笑みかけ、居合する。アルラウネは驚いた顔をしたまま、宙を舞う。
「こいつヤバメのやつなんだろ?」
コストイラは情とか持ち合わせていないのだろうか。エンドローゼの顔は割と絶望に染まっていた。後でメンタルケアしておかなければ。
コストイラは唐突に振り返る。収めかけていた刀を抜き、何かを弾く。
木の枝、いや木の蔓だった。
その根元ではダークトレントが顔を顰めていた。
『オォン!』
ダークトレントは蔓を鞭のようにしならせるが、コストイラは蔓の下に潜り込みすり抜け刀を届かせる。しかし、ダークトレントはその頃には仕留められていた。眉間にナイフが刺さっている。
「は?え?」
コストイラの刀が死体に刺さる。
「おいおいおいおい。オレは囮かよ!?」
コストイラは激怒した。必ず、かの無表情な少女を折檻せねばならぬと決意した。コストイラには少女の考えていることなどわからぬ。コストイラは、街のただ人である。刀を振り、他の悪ガキたちと共に遊んで暮らして来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感である。
と、ここまで考え、後ろから肩を摑もうとする。シキは振り返ることなく、手首をつかみ投げ、地面に叩きつけると腕を捻じり固める。
「何でオレこんなことしてんだ」
「こっちのセリフ」
アシドは口元を拭いながら感想を述べる。現在、アレン達は水辺で休憩していた。すでに日が傾いており、雨風の凌げる場所を探していた。その途中で見つけた水辺で一時的に休憩を入れており、木に背を預け体を休めていた。
「ん?」
「どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
アレンは何か泉の向こうで動く影を目撃した気がしたが、気のせいか。もう一度見ると、そんな影は見つからなかった。やっぱり気のせいだったか。
『あなた達はだ~れ?』
後ろから声を掛けられる。振り返ってみると緑色の肌をした女の子がいた。緑色というより植物の肌だ。ただ、その肌よりも普通ではないのは女の子の下半身だ。植物の体をしているのだ。見るからに魔物かもしれないと思ったが、流暢に言葉を話し、異形の姿のヒトも存在しているので一概に魔物とは言えない。
『だ~れ?』
もう一度訊かれてしまった。
「僕は冒険者だよ」
『ひっ、冒険者!?』
女の子は怖がって、涙目で自身の肩を抱いた。
『でも、お兄さんは恐そうじゃない』
どうやらアレンは冒険者の中でも弱そうに見えているらしい。女の子は遊んでくれそうな雰囲気を受け取ったのか、嬉しそうに笑顔で体を揺らしていた。
緑の女の子、アルラウネはこちらが敵対しない限り、物理的な危害を加えることはない。しかし、通りかかる旅人に対して、強烈な庇護欲を抱かせる行動をとり、その身の近くへと誘う。それは非常に抗いがたく、一度情が移ると死ぬまで囚われてしまう。善良な者ほど離れることができない。アレンはというとアルラウネだと分かってしまったうえでも離れることができなくなりつつある。これ以上近付いたらもう戻れない。
エンドローゼはこちらに気付いたようで、可愛いを小声で連発している。アストロも顔を綻ばせ、頬を両手で挟んでいる。アシドとレイドはこちらをちらちらと見ている。シキは無表情だが、頬が赤くなっている。シキもこういうのが好きなのだろうか。
コストイラは真顔でこちらに近付いてくる。
「え?コストイラさん?」
『あなたも遊んでくれるの?』
アルラウネは近付いてくる赤毛の男が何をしてくるのかと期待する目で見つめる。コストイラはアルラウネに優しそうに微笑みかけ、居合する。アルラウネは驚いた顔をしたまま、宙を舞う。
「こいつヤバメのやつなんだろ?」
コストイラは情とか持ち合わせていないのだろうか。エンドローゼの顔は割と絶望に染まっていた。後でメンタルケアしておかなければ。
コストイラは唐突に振り返る。収めかけていた刀を抜き、何かを弾く。
木の枝、いや木の蔓だった。
その根元ではダークトレントが顔を顰めていた。
『オォン!』
ダークトレントは蔓を鞭のようにしならせるが、コストイラは蔓の下に潜り込みすり抜け刀を届かせる。しかし、ダークトレントはその頃には仕留められていた。眉間にナイフが刺さっている。
「は?え?」
コストイラの刀が死体に刺さる。
「おいおいおいおい。オレは囮かよ!?」
コストイラは激怒した。必ず、かの無表情な少女を折檻せねばならぬと決意した。コストイラには少女の考えていることなどわからぬ。コストイラは、街のただ人である。刀を振り、他の悪ガキたちと共に遊んで暮らして来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感である。
と、ここまで考え、後ろから肩を摑もうとする。シキは振り返ることなく、手首をつかみ投げ、地面に叩きつけると腕を捻じり固める。
「何でオレこんなことしてんだ」
「こっちのセリフ」
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