メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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3.魔法の森

12.死に至る悲鳴

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 アレン達は夜を明かす場所を探していた。同時に食料も探していた。治癒院で買いそろえたものもできるだけ消費を押さえたいのだ。



「これは食用として使えますね」



 アレンは山菜を採取しながら嬉しそうな声を出す。心なしか目がキラキラしているように見える。



「アイツ、前にも鉱石の採取の時にもテンション上がってたよな」



「そうね。好きなんじゃない?」



「つーか、見分けられるアイツの眼ズルいな」



 コストイラとアストロは生暖かい目で見守る。2人もそれなりに山菜を採取できている。多く採りすぎると消費しきれないのでほどほどにしている。



 レイドはアレンが採取した山菜を見て、似たものを採取する。ただし、それが食用とは限らない。



「あれ?レイド、これ違くね?ホラ、木の葉の裏のところとか、ちょっと尖ってるぜ」



「ん?んん?あぁ、本当だ。あまりやったことがないことは見極めが難しいな」



 アシドに指摘され、レイドが恥ずかしそうに頬を掻く。



「ま、最初は慣れねェことは失敗するもんさ。気にすんのは勝手だが、あんま落ち込みすぎるなよ」



 アシドはレイドにアドバイスをするとその場から立ち去った。



 レイドは大丈夫な山菜と自分の手にしている山菜を見比べ、慎重に山菜のようなものを抜こうとする。



「これは……大丈夫……だよな?」



 レイドは不安そうに声を出しながら、摑んでいる茎を引っ張る。ズボリと抜けたのは明らかに山菜ではない。球根のように膨らんでおり、その部分は顔のような器官がある。



「あ?」



 レイドが間の抜けた声を出す。



 引き抜かれた植物はカッと目を見開き、絶叫する。



 間近で聞いたレイドは泡を吹いて倒れ、他の者は耳を塞ぐことを強制される。マンドラゴラの絶叫は10分も聞けば人命に関わってくる。近付けばレイドのように倒れかねない。遠距離から仕留めたいが、両手を話すのも危険だ。しかも、マンドラゴラの近くにはレイドの体がある。巻き込みかねない。



 アストロは耳を肩で塞ぎつつ、左手をマンドラゴラに向ける。何をするのか見守っていると、親指の指輪から赤い魔力を撃ち出す。アストロは指輪の力を借り、擬似的にファイアーボールを作り出した。赤い魔力は見事にマンドラゴラに着弾し、絶叫が止む。啼き止んだ瞬間にコストイラ、アシド、シキが動き出す。



 マンドラゴラが再び叫びを上げようとすると口を開けると、槍が中に侵入する。構わず絶叫しようとすると、シキのナイフが体を斬り、上下で分かつ。















「とりあえず、こいつを運ぶか」



 コストイラはレイドを背負い、皆と合流する。



「か、か、か、回復はしますが、え、えっと、お、おき、起きるかどうかは本人次第です」



「別にいいよ、後は寝床探すだけだし」



 エンドローゼがおずおずと告げると、コストイラは欠伸をしながら手をひらひらと返す。しかし、実際はその通りにはいかない。上空にはレッドドラゴンとワイバーンが飛んでいた。一同は攻撃が来るより早く気付く。上から炎が降ってくる。炎は木々に着弾し、森を燃やし、空気を焼いていく。



「ここまで追ってきたのか!?」



「驚いている暇はないわ。身を隠しない」



 翼竜達はアレン達を見失うが関係ない。森ごと燃やしてしまうばいい。炎は地面にも着弾し、地面を抉っていく。己の顔と武器を灼熱の色に染める火球に、アレンは限界まで見開かれる。いつまでも隠れていることは出来ない。



 アレンが焦っていると、奥に洞窟を発見する。あそこに逃げ込めれば何とかなるかもしれない。しかし、中に煙が充満してしまうと危ない。



「どうした?」



 悩むアレンを見て、アシドが声を掛ける。



「あの奥の逃げるかどうかを考えていました」



「ふむ」



 アシドも2択に悩み始める。



「行きましょ」



 アストロはゴーサインを出す。短期決戦を望んでいるようだ。こそこそと動き、洞窟の方へ向かうが、空から見えてしまう場所を通らなければならない。



「駆け抜けるぞ」



 人一倍荷物の多いコストイラは汗を浮かべながら号令を出す。



「行くぞ」



 駆け抜けようとするアレン達をワイバーンが捕捉する。ワイバーンは逃がさないように火球を吐き出した。
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