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6.紅い館
3.南東の森
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アレン達は人生何度目かの森へと入っていった。しかし、他の森と違うのは、ちゃんとした人工の道があることだろう。人工の道があるということは、どこかに休める場所があるということだろう。アレンはアストロに殴られずに済みそうなので少し機嫌がいい。アストロはそんなアレンを見て非常に殴りたくなった。拳を強く握るが殴れる機会はあるのだろうか。
先頭を歩くレイドが右手を上げる。
「何か怪しげな鎧が落ちている。正体が分かるか」
「魔物ですね。リビングアーマーというらしいです」
アレンは瞳に集まった魔力を散開させ、ガレットの書をめくり出す。
リビングアーマー。浮遊する鎧兜。光属性。弱いくせに無駄に硬い体をしている。作戦などあったものでもない正面からの突撃しかしてこない。倒しても可食部がないので倒す意味がない。
「あいつ、何でも食うな」
「ちょっと尊敬するわ」
コストイラとアストロは渋い顔をする。だが、魔物と分かれば対処しなければならない。鎧だから矢は聞きづらいだろうと考え、アストロに頭を下げる。
アストロはアレンのことを鋭く睨み付ける。分かりやすく舌を打ち左手を突き出す。光属性が相手では、闇属性の付いた攻撃は半減されてしまう。そんな事とっくに知っているアストロは火属性の魔力を撃ち出す。火は全く動かない鎧に着弾し、起動させる。少し明るく光る魔力を纏い鎧兜が浮遊し始める。
「そう言えば」
コストイラが刀を抜こうとして大事なことに気付く。
「相手は鎧兜しかないけど何をしたら勝ちなんだ?」
「あ…………」
アストロとエンドローゼは気付かされた声を出し、アレンとアシドは迂闊に手を出してしまったことを恥じ、レイドとシキは反応がない。アレンは焦りつつ再び瞳に魔力を集め、相手のステータスを確認する。
「だ、大丈夫です。攻撃していれば体力が尽きてしまうので倒せます」
アレンはリビングアーマーの体力を目視して判断する。2639と書かれている総量から2482に減っていた。硬いが倒せないことはないのだろう。
アレンの言葉を聞き、コストイラは刀を抜き、思いっきり叩く。兜は鎧から離れてピンボールのように地面を跳ねる。兜は宙をグルグルと回り、エネルギーを溜める。その光景にコストイラは舌を打ちバックステップを踏もうとするが、その前にエネルギーを放出する。
急速に近づく兜にガード態勢を取り、受け止める。跳ね返ってなお回転を続ける兜に舌をもう一度打ち、アシドと交代する。
アシドは槍で野球のバットのようにし、兜を打ち返す。
交代したコストイラは真っ直ぐに鎧の方に向かう。コストイラは刀を握り締め、鎧を力一杯に蹴り飛ばす。速度の付いた鎧は一度地面でバウンドし、レイドの元に向かう。レイドは両手で大剣の柄を持ち、振り上げて待ち構えていた。鎧がレイドの元に辿り着くと、レイドは大剣を振り下ろす。大剣は胸のあたりを捉え、罅を入れへこませる。
よろよろと鎧と兜は合体する。そのうえで兜が横回転していく。何かの感情表現なのか、何かの攻撃の兆候なのか、よく分からないがどっちにしろ隙であることに違いない。レイドは固く握りしめた拳をへこみに当てる。見事に貫通し絶命へと至らしめる。
騒ぎを聞きつけたのか叢からシールドリザードが顔を出す。のっそのっそと歩いて草から体を抜き取り顔を左右に振ると、コストイラ達の姿を捉える。シールドリザードは一度間抜けな顔を晒し、慌てて叢へ帰ろうとする。こけながらもたどたどしくガサガサ戻っていく。
「……追うか?」
「いえ、えっと、追わなくてもいいんじゃないですかね。罠だったりするかもしれないですし」
「…………そうだな」
コストイラがシールドリザードに疑問を持ちながら質問をし、アレンは忘れようとしながら答える。シキはシールドリザードの消えた叢を見つめる。逃げるようにいなくなったシールドリザードに眼には明確に恐怖があった。まるでいじめてくる相手に出会った子供のような、そんな眼だ。
「シキさん?どうかしましたか?」
「…………」
アレンに声を掛けられたシキは首を横に振った。
先頭を歩くレイドが右手を上げる。
「何か怪しげな鎧が落ちている。正体が分かるか」
「魔物ですね。リビングアーマーというらしいです」
アレンは瞳に集まった魔力を散開させ、ガレットの書をめくり出す。
リビングアーマー。浮遊する鎧兜。光属性。弱いくせに無駄に硬い体をしている。作戦などあったものでもない正面からの突撃しかしてこない。倒しても可食部がないので倒す意味がない。
「あいつ、何でも食うな」
「ちょっと尊敬するわ」
コストイラとアストロは渋い顔をする。だが、魔物と分かれば対処しなければならない。鎧だから矢は聞きづらいだろうと考え、アストロに頭を下げる。
アストロはアレンのことを鋭く睨み付ける。分かりやすく舌を打ち左手を突き出す。光属性が相手では、闇属性の付いた攻撃は半減されてしまう。そんな事とっくに知っているアストロは火属性の魔力を撃ち出す。火は全く動かない鎧に着弾し、起動させる。少し明るく光る魔力を纏い鎧兜が浮遊し始める。
「そう言えば」
コストイラが刀を抜こうとして大事なことに気付く。
「相手は鎧兜しかないけど何をしたら勝ちなんだ?」
「あ…………」
アストロとエンドローゼは気付かされた声を出し、アレンとアシドは迂闊に手を出してしまったことを恥じ、レイドとシキは反応がない。アレンは焦りつつ再び瞳に魔力を集め、相手のステータスを確認する。
「だ、大丈夫です。攻撃していれば体力が尽きてしまうので倒せます」
アレンはリビングアーマーの体力を目視して判断する。2639と書かれている総量から2482に減っていた。硬いが倒せないことはないのだろう。
アレンの言葉を聞き、コストイラは刀を抜き、思いっきり叩く。兜は鎧から離れてピンボールのように地面を跳ねる。兜は宙をグルグルと回り、エネルギーを溜める。その光景にコストイラは舌を打ちバックステップを踏もうとするが、その前にエネルギーを放出する。
急速に近づく兜にガード態勢を取り、受け止める。跳ね返ってなお回転を続ける兜に舌をもう一度打ち、アシドと交代する。
アシドは槍で野球のバットのようにし、兜を打ち返す。
交代したコストイラは真っ直ぐに鎧の方に向かう。コストイラは刀を握り締め、鎧を力一杯に蹴り飛ばす。速度の付いた鎧は一度地面でバウンドし、レイドの元に向かう。レイドは両手で大剣の柄を持ち、振り上げて待ち構えていた。鎧がレイドの元に辿り着くと、レイドは大剣を振り下ろす。大剣は胸のあたりを捉え、罅を入れへこませる。
よろよろと鎧と兜は合体する。そのうえで兜が横回転していく。何かの感情表現なのか、何かの攻撃の兆候なのか、よく分からないがどっちにしろ隙であることに違いない。レイドは固く握りしめた拳をへこみに当てる。見事に貫通し絶命へと至らしめる。
騒ぎを聞きつけたのか叢からシールドリザードが顔を出す。のっそのっそと歩いて草から体を抜き取り顔を左右に振ると、コストイラ達の姿を捉える。シールドリザードは一度間抜けな顔を晒し、慌てて叢へ帰ろうとする。こけながらもたどたどしくガサガサ戻っていく。
「……追うか?」
「いえ、えっと、追わなくてもいいんじゃないですかね。罠だったりするかもしれないですし」
「…………そうだな」
コストイラがシールドリザードに疑問を持ちながら質問をし、アレンは忘れようとしながら答える。シキはシールドリザードの消えた叢を見つめる。逃げるようにいなくなったシールドリザードに眼には明確に恐怖があった。まるでいじめてくる相手に出会った子供のような、そんな眼だ。
「シキさん?どうかしましたか?」
「…………」
アレンに声を掛けられたシキは首を横に振った。
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