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11.妖怪の山
12.岩陰の道
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むかし、むかし、あるところに一体の鬼がおりました。
レイベルスと名乗った鬼は多くの鬼を従えていました。そのため、山の総大将と呼ばれていました。
ある日、暇を持て余したレイベルスは散歩をしておりますと、一体の流れの鬼と出会いました。鬼はホウギと名乗り、二体は大変仲良くなりました。
さて、これは大変面白くないと思っていたのはレイベルスの従者たち。なぜ、ぽっと出の者が長年仕えている我々よりも可愛がられているのか。従者たちはホウギを追い出すことにしました。
宴会が行われた日、寝静まった頃、従者たちがホウギに触れようとしたその時、返り討ちに遭いました。完全に起きたホウギは1対50の大立ち回り。
物音に起こされたレイベルスは機嫌悪く起き上がると、何と何との大乱闘。三度の飯より酒と喧嘩が大好きなレイベルスが参加しないはずがない。
ここにレイベルス対ホウギという史上最大級のパワー同士のぶつかり合いが実現しました。
「どこに向かってんだ?」
武器を腰に付けたボーンレッドはあちらこちらに歩き回っており、一向にアジトに着かない。もしかしたら野生なのかもしれないが、寝床にもつかない。明らかに何かを探している。ガーゴイルもハイウィザードもボーンレッドも一体何を探しているのというのか。
『おい、オロル』
『何だ、何か見つけたのか』
ボーンレッドはオロルというらしい。
『いや、何も。………………ん?』
『どうした?』
『いや、やはり神社まで足を延ばすべきじゃないか?』
神社? ということは神仏に関係する何かでも探しているのか?
『駄目だ。ヤマト様は近づくなとおっしゃっていたのだ。きっと何かあるからに違いない』
ボーンレッドはディアボロスの提案を却下する。今度はヤマト様という人物が出てきた。聞く限り、彼らを仕切っているのがその者だろう。
『仕方がない。戻ろう』
『待て、クロッツェやミルセも回収していこう』
『いや、あいつらとてマーエン教だ。自力で戻ってくるのも試練だろ』
『そうだな』
オロルは納得してディアボロスとともに帰ろうとする。
マーエン教。
世界人口の僅か2%が信仰している宗教。しかし、その影響力と知名度はずば抜けている。マーエン教の多くが奇人であり、過激派なのだ。そして、アレン達が今、この場にいる原因の遺跡にも関係している。まさかここで出会うとは。
現在通っている道は、バルログとサラマンドラがいた場所と似ている。何か巨大な力を持つ者同士が戦った跡のようだ。木々は生えておらず、床は捲れあがって岩場のようになっている。進むたびに岩が音を出すかもしれず心臓が飛び出しそうになる。
そして上から重力が降ってきた。急に重くなった頭を支えきれず、アレンは強かに鼻を打ち付ける。アレンは僅かに顔を上げ、周りを確認しようとする。パタパタと鼻血が岩に斑点をつくる。鼻で息をしづらい。
皆も超重力の中、立ち上がろうとする。アストロは筋力が足りず、アレンと同じように頭が岩から離れる程度だ。エンドローゼはピクリともしない。失神したのだろうか。ガンとアレンの頭が踏まれる。
『気付いていないとでも思っていたのか』
『私たちが騙されているとでも思ったか?』
上から声が降ってくる。眼だけを動かすと、アレンを踏んでいるのはディアボロスだ。
『お前らは贄だ。イーラ様への供物だ。だが、大人しくついてきてもらうために一人くらいなら殺してもいいか』
そう言うと、ディアボロスは足に力を入れる。
ゴリ。
「ぐぁっ!?」
「アレンッ!」
頭蓋の痛みにアレンは悲鳴を上げ、コストイラは炎を纏った刀で岩を砕く。
『ふん。こちらは2人いるのだ』
ボーンレッドが岩を叩き落とす。視界から岩が消えた時、次に視界を埋めたのは花弁だった。
『白い花びらだと?』
一瞬、オロルの思考に空白が生じる。ほんの一瞬。されど一瞬。
シキにはその一瞬で十分だった。
『ぐ!?』
ディアボロスの呻き声。
シキはボーンレッドとディアボロスの視界を盗み、アレンを奪還してのける。ディアボロスの足がアレンから離れるが、ディアボロスは倒れない。首元に刺さったナイフを抜き、握り潰す。ナイフの柄に嵌められた白瓏石が爆発する。小さな爆発だったのでボーンレッドまでは巻き込めない。
しかし、ディアボロスの左側は消失していた。
『が』
びしゃびしゃと傷口から血が噴く。同時にオレンジと黒の混じった煙が漏出していく。
『ムラクモッ!』
本来ならナイフの一撃で仕留めるはずだったが、保険で用意していた白瓏石で終わらせた。シキは少し苦い顔をしている。
オロルは4つの手を握り締め、この怒りを力に昇華させる。握られていたモーニングスターも、大斧もみしりと音が鳴った。
『許さないぞ! キサマラ!』
重力から解放された面々が走るのを、大斧で迎撃する。薙がれる斧、しかしコストイラはそれよりも低く、通り抜けざまに斧を持っていた手首を切り落とす。
『ぐお!?』
オロルは奥歯を噛み締め、痛みに耐えようとする。しかし、そんな時間もなく、槍が右目を貫いた。傷口からオレンジと黒の混じった煙と血を噴き出しながら、それでも倒れず、気丈に踏ん張る。仲間の仇。それだけが体を動かした。
――力が欲しいか。
オロルの脳内で声がした。死に向かう体が起こした幻聴か神の奇跡か。
――仲間の仇が討てる力が欲しいか。
欲しい。欲しいです。当たり前なことです。
――ならば、くれてやろう。
え? くださる?
――使いこなしてみせよ。
声が消えた途端、オロルの体の内側からボゴンと音が発生した。
これが力。
「何だ?」
一番近くにいたアシドが真っ先に異変に気付く。ボーンレッドの内側が膨らみ始めた。ドグン、ボゴンと心臓の鼓動に合わせて音を立てる。
アシドはオロルから距離を取る。何かの兆候か。
『ぐお』
オロルが珍妙な声を出す。何かを繰り出すのかとより一層の警戒をし、腰を低くする。
『ぐ!?』
ボゴンと今までで一番大きな音を出し、オロルは自身の体を抱く。
そして、オロルは爆発した。
「は?」
予想外だ。何かしらの強化が訪れ、2回戦に突入だと思っていたのに、今目の前で自滅していったのだ。
「え?」
「オレ今、度肝抜かれてんだけど」
「何があったんですかね?」
確かに、自身の力というより外部からの干渉を受けたようだった。どう考えていいのか分からないが、はっきりしていることがある。このままではこの魔物たちのアジトが探せなくなったのだ。どこにあるのかを今から探すのは手間だし、そもそもアジトを探すのはこの旅の本質ではない。戻ろう。
「あれ」
シキが森の中の一点を指した。
アジト。一目見てわかった。あれはアジトだ。木組みの教会は場違いに存在している。急造なのだろう。簡単に壊せそうな見た目をしていた。
レイベルスと名乗った鬼は多くの鬼を従えていました。そのため、山の総大将と呼ばれていました。
ある日、暇を持て余したレイベルスは散歩をしておりますと、一体の流れの鬼と出会いました。鬼はホウギと名乗り、二体は大変仲良くなりました。
さて、これは大変面白くないと思っていたのはレイベルスの従者たち。なぜ、ぽっと出の者が長年仕えている我々よりも可愛がられているのか。従者たちはホウギを追い出すことにしました。
宴会が行われた日、寝静まった頃、従者たちがホウギに触れようとしたその時、返り討ちに遭いました。完全に起きたホウギは1対50の大立ち回り。
物音に起こされたレイベルスは機嫌悪く起き上がると、何と何との大乱闘。三度の飯より酒と喧嘩が大好きなレイベルスが参加しないはずがない。
ここにレイベルス対ホウギという史上最大級のパワー同士のぶつかり合いが実現しました。
「どこに向かってんだ?」
武器を腰に付けたボーンレッドはあちらこちらに歩き回っており、一向にアジトに着かない。もしかしたら野生なのかもしれないが、寝床にもつかない。明らかに何かを探している。ガーゴイルもハイウィザードもボーンレッドも一体何を探しているのというのか。
『おい、オロル』
『何だ、何か見つけたのか』
ボーンレッドはオロルというらしい。
『いや、何も。………………ん?』
『どうした?』
『いや、やはり神社まで足を延ばすべきじゃないか?』
神社? ということは神仏に関係する何かでも探しているのか?
『駄目だ。ヤマト様は近づくなとおっしゃっていたのだ。きっと何かあるからに違いない』
ボーンレッドはディアボロスの提案を却下する。今度はヤマト様という人物が出てきた。聞く限り、彼らを仕切っているのがその者だろう。
『仕方がない。戻ろう』
『待て、クロッツェやミルセも回収していこう』
『いや、あいつらとてマーエン教だ。自力で戻ってくるのも試練だろ』
『そうだな』
オロルは納得してディアボロスとともに帰ろうとする。
マーエン教。
世界人口の僅か2%が信仰している宗教。しかし、その影響力と知名度はずば抜けている。マーエン教の多くが奇人であり、過激派なのだ。そして、アレン達が今、この場にいる原因の遺跡にも関係している。まさかここで出会うとは。
現在通っている道は、バルログとサラマンドラがいた場所と似ている。何か巨大な力を持つ者同士が戦った跡のようだ。木々は生えておらず、床は捲れあがって岩場のようになっている。進むたびに岩が音を出すかもしれず心臓が飛び出しそうになる。
そして上から重力が降ってきた。急に重くなった頭を支えきれず、アレンは強かに鼻を打ち付ける。アレンは僅かに顔を上げ、周りを確認しようとする。パタパタと鼻血が岩に斑点をつくる。鼻で息をしづらい。
皆も超重力の中、立ち上がろうとする。アストロは筋力が足りず、アレンと同じように頭が岩から離れる程度だ。エンドローゼはピクリともしない。失神したのだろうか。ガンとアレンの頭が踏まれる。
『気付いていないとでも思っていたのか』
『私たちが騙されているとでも思ったか?』
上から声が降ってくる。眼だけを動かすと、アレンを踏んでいるのはディアボロスだ。
『お前らは贄だ。イーラ様への供物だ。だが、大人しくついてきてもらうために一人くらいなら殺してもいいか』
そう言うと、ディアボロスは足に力を入れる。
ゴリ。
「ぐぁっ!?」
「アレンッ!」
頭蓋の痛みにアレンは悲鳴を上げ、コストイラは炎を纏った刀で岩を砕く。
『ふん。こちらは2人いるのだ』
ボーンレッドが岩を叩き落とす。視界から岩が消えた時、次に視界を埋めたのは花弁だった。
『白い花びらだと?』
一瞬、オロルの思考に空白が生じる。ほんの一瞬。されど一瞬。
シキにはその一瞬で十分だった。
『ぐ!?』
ディアボロスの呻き声。
シキはボーンレッドとディアボロスの視界を盗み、アレンを奪還してのける。ディアボロスの足がアレンから離れるが、ディアボロスは倒れない。首元に刺さったナイフを抜き、握り潰す。ナイフの柄に嵌められた白瓏石が爆発する。小さな爆発だったのでボーンレッドまでは巻き込めない。
しかし、ディアボロスの左側は消失していた。
『が』
びしゃびしゃと傷口から血が噴く。同時にオレンジと黒の混じった煙が漏出していく。
『ムラクモッ!』
本来ならナイフの一撃で仕留めるはずだったが、保険で用意していた白瓏石で終わらせた。シキは少し苦い顔をしている。
オロルは4つの手を握り締め、この怒りを力に昇華させる。握られていたモーニングスターも、大斧もみしりと音が鳴った。
『許さないぞ! キサマラ!』
重力から解放された面々が走るのを、大斧で迎撃する。薙がれる斧、しかしコストイラはそれよりも低く、通り抜けざまに斧を持っていた手首を切り落とす。
『ぐお!?』
オロルは奥歯を噛み締め、痛みに耐えようとする。しかし、そんな時間もなく、槍が右目を貫いた。傷口からオレンジと黒の混じった煙と血を噴き出しながら、それでも倒れず、気丈に踏ん張る。仲間の仇。それだけが体を動かした。
――力が欲しいか。
オロルの脳内で声がした。死に向かう体が起こした幻聴か神の奇跡か。
――仲間の仇が討てる力が欲しいか。
欲しい。欲しいです。当たり前なことです。
――ならば、くれてやろう。
え? くださる?
――使いこなしてみせよ。
声が消えた途端、オロルの体の内側からボゴンと音が発生した。
これが力。
「何だ?」
一番近くにいたアシドが真っ先に異変に気付く。ボーンレッドの内側が膨らみ始めた。ドグン、ボゴンと心臓の鼓動に合わせて音を立てる。
アシドはオロルから距離を取る。何かの兆候か。
『ぐお』
オロルが珍妙な声を出す。何かを繰り出すのかとより一層の警戒をし、腰を低くする。
『ぐ!?』
ボゴンと今までで一番大きな音を出し、オロルは自身の体を抱く。
そして、オロルは爆発した。
「は?」
予想外だ。何かしらの強化が訪れ、2回戦に突入だと思っていたのに、今目の前で自滅していったのだ。
「え?」
「オレ今、度肝抜かれてんだけど」
「何があったんですかね?」
確かに、自身の力というより外部からの干渉を受けたようだった。どう考えていいのか分からないが、はっきりしていることがある。このままではこの魔物たちのアジトが探せなくなったのだ。どこにあるのかを今から探すのは手間だし、そもそもアジトを探すのはこの旅の本質ではない。戻ろう。
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