210 / 684
12.世界樹
3.単眼の巨人
しおりを挟む
レイドは楯に頭を付き、押し込んでくるロックドラゴンの顔を殴り、距離をつくる。レイドは大剣を取り出し、片手で振るう。背中から抜き去る勢いのまま、ロックドラゴンに振り下ろす。
『オオ!』
下から岩が迫りくる。しかし、レイドはその岩ごと斬り伏せる。岩を砕き、大剣の先はロックドラゴンの頭を捉え、地面に叩きつける。ロックドラゴンはそのまま脳漿をぶちまける。それを目撃してしまったエンドローゼはうむ、と口を押さえる。まだグロいものには慣れていないようだ。ちなみにアレンも慣れていないので、口を押えている。
アシドは空中で回転して、着地する。左の脇腹を押さえながら、ロックドラゴンとの距離を詰める。ぐんぐんと速度を上げるロックドラゴンに蒼き稲妻が迫る。近づいてくるアシドに迎撃を決意する。ロックドラゴンは急激に方向転換する。反転してくるロックドラゴンに、目を見開きながら口角を上げる。
ロックドラゴンは唾液を撒き散らしながら牙を剥く。アシドはトップスピードのまま槍をくるくる回し握りなおす。左肩に照準を合わせ疾走するロックドラゴンに、アシドは下顎を狙う。ロックドラゴンの噛みつきは空を切る。アシドは通り抜け様にロックドラゴンの下顎を切る。ロックドラゴンの下顎は皮一枚だけ切り取られず、ぶらぶらとしている。噛みつきはもうできない。喉もゴポゴポと鳴っており、声は出ない。
アシドは反転してロックドラゴンを向くと、迫り出てくる岩が顔面に当たる。バク転して、ロックドラゴンを見る。ロックドラゴンはボタボタと血を流しながら、ふらふらと小走りしている。
声は出せずとも魔力は溜められるようだ。ロックドラゴンが急に止まる。アシドはあっという間に追いつき、止めを刺す。どうやらアレンの弓が役に立ったらしい。中ってはいないが。アレンは肩を落としており、エンドローゼに慰められていた。今度特訓にでも付き合ってやろうかな。
司令塔のロックドラゴンは守られながらも、守っていく。しかし、怒涛の攻撃により、注意が向けられず、2匹を犠牲にしてしまう。
『オオ!』
悲しむ暇もなく攻撃が来るため、対処を余儀なくされてしまう。
コストイラは迫り出す岩に掴まり、越える。そのまま岩に着地すると、一気に加速する。
『『オオ!』』
二重になる声。複数個所から岩が迫り出し、コストイラを狙う。コストイラが身を屈めると、その上を魔力の塊が通る。それは岩を破砕し、道を作る。
コストイラが嬉々としてその道を通ろうとすると、その先に敵はいなかった。
「あ?」
コストイラは刀を向ける先を失い、気持ちが中途半端になる。
「なんかスゲェ見たことのある光景だな。おい」
「ん?」
言われたシキはロックドラゴンからナイフを抜き、血を拭い取っていた。
「ん?」
「ま、良いんだけどよ」
可愛らしく小首を傾げられ、コストイラはガリガリと頭を掻きながら眉根を寄せる。
「イテテ」
アシドが左の脇腹を擦りながら歩いてくる。
「か、回復します」
「ありがとよ」
「い、いえ。わ、私にはこ、こ、これしかできないので」
もっとできることだってあるし、それができるだけでもすごいと思うのでアストロはエンドローゼを小突く。エンドローゼは頭を押さえながら、涙目でアストロを見上げる。フンと鼻を鳴らし、エンドローゼの頭を下げさせる。
コストイラは刀を収めずにプラプラとさせ、洞窟の奥を見る。体が火照ってしまっている。早く何かと戦いたい。次、敵が出てきたら誰にも言わずに戦ってしまおうか。そんなことを考えていると、念願の敵が出てきた。
5mほどの身長に一つ目、一本角。見るからに鬼の一種だ。数は1匹。ならばいけるだろう。
コストイラは平然と近づいていく。サイクロプスは手にしている棍棒を強く握り、コストイラを見つめる。
『ゴォアッ!』
サイクロプスは急に動きだし、棍棒を振り上げる。その声にアレン達も気づくが、すでに戦いは始まっていた。
振り下ろされる棍棒をわざと刀で受け、往なす。コストイラは刀を振るい、刃を右肩に入れる。鎖骨は断つが、その後の分厚い筋肉に阻まれる。サイクロプスは痛みを顔を滲ませるが、口角を上げる。一つ目鬼はコストイラを掴もうとするが、コストイラはあっさりと刀から手を離す。
左手を躱すとまた距離を詰め、下から柄を掴み、抜き取る。そのままサイクロプスの顔面を蹴る。
『ゴァ!』
サイクロプスは怒りに棍棒を振るう。コストイラは刀を側面に当て、軌道をずらし、回転しながら棍棒に乗る。そのまま回転しながら一つ目鬼の顔を切る。
サイクロプスは傷口からオレンジと黒の混じった煙を上げながら倒れる。
「うぇ~~」
コストイラが左手を上に突き上げ、勝利を喜ぶ。
「何も告げず」
「昂ってたんだろ」
「若さゆえのやつよ。見逃しなさい」
アレンが呟くと幼馴染2人が庇う。いや、庇っているのではなく諦めているのかもしれない。尻拭いに慣れている。
もしかして旅が終わるころには僕も慣れているのだろうか。毒されているみたいだな。でも、そっちの方が仲間っぽいのか?
『オオ!』
下から岩が迫りくる。しかし、レイドはその岩ごと斬り伏せる。岩を砕き、大剣の先はロックドラゴンの頭を捉え、地面に叩きつける。ロックドラゴンはそのまま脳漿をぶちまける。それを目撃してしまったエンドローゼはうむ、と口を押さえる。まだグロいものには慣れていないようだ。ちなみにアレンも慣れていないので、口を押えている。
アシドは空中で回転して、着地する。左の脇腹を押さえながら、ロックドラゴンとの距離を詰める。ぐんぐんと速度を上げるロックドラゴンに蒼き稲妻が迫る。近づいてくるアシドに迎撃を決意する。ロックドラゴンは急激に方向転換する。反転してくるロックドラゴンに、目を見開きながら口角を上げる。
ロックドラゴンは唾液を撒き散らしながら牙を剥く。アシドはトップスピードのまま槍をくるくる回し握りなおす。左肩に照準を合わせ疾走するロックドラゴンに、アシドは下顎を狙う。ロックドラゴンの噛みつきは空を切る。アシドは通り抜け様にロックドラゴンの下顎を切る。ロックドラゴンの下顎は皮一枚だけ切り取られず、ぶらぶらとしている。噛みつきはもうできない。喉もゴポゴポと鳴っており、声は出ない。
アシドは反転してロックドラゴンを向くと、迫り出てくる岩が顔面に当たる。バク転して、ロックドラゴンを見る。ロックドラゴンはボタボタと血を流しながら、ふらふらと小走りしている。
声は出せずとも魔力は溜められるようだ。ロックドラゴンが急に止まる。アシドはあっという間に追いつき、止めを刺す。どうやらアレンの弓が役に立ったらしい。中ってはいないが。アレンは肩を落としており、エンドローゼに慰められていた。今度特訓にでも付き合ってやろうかな。
司令塔のロックドラゴンは守られながらも、守っていく。しかし、怒涛の攻撃により、注意が向けられず、2匹を犠牲にしてしまう。
『オオ!』
悲しむ暇もなく攻撃が来るため、対処を余儀なくされてしまう。
コストイラは迫り出す岩に掴まり、越える。そのまま岩に着地すると、一気に加速する。
『『オオ!』』
二重になる声。複数個所から岩が迫り出し、コストイラを狙う。コストイラが身を屈めると、その上を魔力の塊が通る。それは岩を破砕し、道を作る。
コストイラが嬉々としてその道を通ろうとすると、その先に敵はいなかった。
「あ?」
コストイラは刀を向ける先を失い、気持ちが中途半端になる。
「なんかスゲェ見たことのある光景だな。おい」
「ん?」
言われたシキはロックドラゴンからナイフを抜き、血を拭い取っていた。
「ん?」
「ま、良いんだけどよ」
可愛らしく小首を傾げられ、コストイラはガリガリと頭を掻きながら眉根を寄せる。
「イテテ」
アシドが左の脇腹を擦りながら歩いてくる。
「か、回復します」
「ありがとよ」
「い、いえ。わ、私にはこ、こ、これしかできないので」
もっとできることだってあるし、それができるだけでもすごいと思うのでアストロはエンドローゼを小突く。エンドローゼは頭を押さえながら、涙目でアストロを見上げる。フンと鼻を鳴らし、エンドローゼの頭を下げさせる。
コストイラは刀を収めずにプラプラとさせ、洞窟の奥を見る。体が火照ってしまっている。早く何かと戦いたい。次、敵が出てきたら誰にも言わずに戦ってしまおうか。そんなことを考えていると、念願の敵が出てきた。
5mほどの身長に一つ目、一本角。見るからに鬼の一種だ。数は1匹。ならばいけるだろう。
コストイラは平然と近づいていく。サイクロプスは手にしている棍棒を強く握り、コストイラを見つめる。
『ゴォアッ!』
サイクロプスは急に動きだし、棍棒を振り上げる。その声にアレン達も気づくが、すでに戦いは始まっていた。
振り下ろされる棍棒をわざと刀で受け、往なす。コストイラは刀を振るい、刃を右肩に入れる。鎖骨は断つが、その後の分厚い筋肉に阻まれる。サイクロプスは痛みを顔を滲ませるが、口角を上げる。一つ目鬼はコストイラを掴もうとするが、コストイラはあっさりと刀から手を離す。
左手を躱すとまた距離を詰め、下から柄を掴み、抜き取る。そのままサイクロプスの顔面を蹴る。
『ゴァ!』
サイクロプスは怒りに棍棒を振るう。コストイラは刀を側面に当て、軌道をずらし、回転しながら棍棒に乗る。そのまま回転しながら一つ目鬼の顔を切る。
サイクロプスは傷口からオレンジと黒の混じった煙を上げながら倒れる。
「うぇ~~」
コストイラが左手を上に突き上げ、勝利を喜ぶ。
「何も告げず」
「昂ってたんだろ」
「若さゆえのやつよ。見逃しなさい」
アレンが呟くと幼馴染2人が庇う。いや、庇っているのではなく諦めているのかもしれない。尻拭いに慣れている。
もしかして旅が終わるころには僕も慣れているのだろうか。毒されているみたいだな。でも、そっちの方が仲間っぽいのか?
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる