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17.彼岸
19.子を食べる妖怪
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ラミアがその瞳を7人に向ける。
手前の面の男。こいつは違う。こいつの過去は過酷だ。幸せな家庭な気もするが、あまりにも想像する幸せから遠い。
その次に銀髪の少女。こいつも違う。幸せとは程遠いスパルタな過去だ。
槍を持つ男。こいつは別だ。自らを卑下する能力に長けている者が幸せなはずがない。
その後ろにいる楯を構えた男を見る。家族関係がえげつないな。父母兄妹どれをとっても涙が出てくる。不幸すぎて愛を注ぎたくなる。
その後ろにいる指輪だらけにいる女。育ての親が屑だ。こんな仕打ちをするためにこの少女を引き取ったというのか? 少しだけ同情しよう。
その女と手を繋いでいる女。怯えているのを見ていると、こっちが何か悪いことをしている気分になる。そして、この中の誰よりも不幸な出来事を経験しているにもかかわらず、この中の誰よりも幸せを感じている。こちらの感覚が狂いそうだ。幸せなことは許せない。
最後の一人は弓を持つ男。幸せでもなければ不幸でもない。普通だ。見ていても3分で飽きるだろう。
ならばラミアが狙うのは一人。自分よりも幸せな子供。すなわちエンドローゼだ。
ラミアが蛇の胴をバネのように縮め、思い切り解放する。20mもある体長が一気に迫ってくる。
コストイラが通り抜けざまに素早く刀を振るう。ラミアの指が全て切られる。そして伸ばされていた左腕も螺旋状に切られていった。
次いでシキがナイフを振るう。片方の乳房が切り取られ、脇から腰元にかけての乳腺に沿って斬撃を浴びせる。
アシドが近づくアミアの顔を槍で叩き、顔を跳ね上げさせる。レイドが楯でラミアの顔を殴り、進行を止める。コストイラが再び刀を振るい、下半身の蛇の体を切り飛ばす。
そこで初めてラミアが花畑に落ちた。ラミアは驚愕した。え?攻撃速度早くない?
体からオレンジと黒の混じった煙が噴き出している。これは命そのものだ。漏れ出している。もう戻すことは出来ない。
ラミアが残された右手を伸ばそうとする。アシドが関節部分に槍を叩きつける。ラミアの関節が逆に曲がった。
シキが回転斬りで背中を切りながら顔まで到達すると、その勢いのままラミアの両眼を斬った。シキは着地しながら片手を着いた。
『アァッ!?』
そこでようやく声が出せた。しかし、声を出したところで何も変わらない。コストイラが跳び上がって、回転し威力を高める。刀を断頭台のギロチンのように振り下ろした。
『あら? 貴方がここに来るなんて珍しいわね』
とある次元の狭間にて、妖艶な声音が響く。見た事がないほどの美しい花々が咲いている。
声の主である女は水を撒いている。触手がうねうねと動き、手を振っているように見える。
『お仕事はいいの? シュルメ』
『今はお休みを貰っているの。ホキトタシタが代わりにをしてくれているわ』
『2人はいつ付き合うの?』
『ふぇ?』
水を撒いている状態で触手を動かし、椅子を出してくれる。シュルメはそれを受け取ると、遠慮なしに座り込む。テーブルとパラソルも運ばれてきて、陶器のソーサーとカップが出される。カップには綺麗な紅茶が注がれ、注ぎ終わる前にお茶請けのお菓子も用意された。
シュルメはお菓子を口にしながら、紅茶で流し込む。
『その話は置いておいて。どう?コストイラに会ったんでしょ?』
テシメは水撒きを終え、一緒のテーブルに着いた。シュルメは遠慮なしに3枚目のクッキーを食す。
『……うん。かなり強くなっていたよ。それはもう凄く』
『そう、よかったね。でも、それって』
『うん。もう踏み込んでいる、領域に』
『私達でもどうしようもないわね』
『きっとコストイラなら何とかしてくれるわよ』
影がかかるシュルメを見て、テシメが紅茶を啜る。
『そうね。コストイラだもんね』
手前の面の男。こいつは違う。こいつの過去は過酷だ。幸せな家庭な気もするが、あまりにも想像する幸せから遠い。
その次に銀髪の少女。こいつも違う。幸せとは程遠いスパルタな過去だ。
槍を持つ男。こいつは別だ。自らを卑下する能力に長けている者が幸せなはずがない。
その後ろにいる楯を構えた男を見る。家族関係がえげつないな。父母兄妹どれをとっても涙が出てくる。不幸すぎて愛を注ぎたくなる。
その後ろにいる指輪だらけにいる女。育ての親が屑だ。こんな仕打ちをするためにこの少女を引き取ったというのか? 少しだけ同情しよう。
その女と手を繋いでいる女。怯えているのを見ていると、こっちが何か悪いことをしている気分になる。そして、この中の誰よりも不幸な出来事を経験しているにもかかわらず、この中の誰よりも幸せを感じている。こちらの感覚が狂いそうだ。幸せなことは許せない。
最後の一人は弓を持つ男。幸せでもなければ不幸でもない。普通だ。見ていても3分で飽きるだろう。
ならばラミアが狙うのは一人。自分よりも幸せな子供。すなわちエンドローゼだ。
ラミアが蛇の胴をバネのように縮め、思い切り解放する。20mもある体長が一気に迫ってくる。
コストイラが通り抜けざまに素早く刀を振るう。ラミアの指が全て切られる。そして伸ばされていた左腕も螺旋状に切られていった。
次いでシキがナイフを振るう。片方の乳房が切り取られ、脇から腰元にかけての乳腺に沿って斬撃を浴びせる。
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そこで初めてラミアが花畑に落ちた。ラミアは驚愕した。え?攻撃速度早くない?
体からオレンジと黒の混じった煙が噴き出している。これは命そのものだ。漏れ出している。もう戻すことは出来ない。
ラミアが残された右手を伸ばそうとする。アシドが関節部分に槍を叩きつける。ラミアの関節が逆に曲がった。
シキが回転斬りで背中を切りながら顔まで到達すると、その勢いのままラミアの両眼を斬った。シキは着地しながら片手を着いた。
『アァッ!?』
そこでようやく声が出せた。しかし、声を出したところで何も変わらない。コストイラが跳び上がって、回転し威力を高める。刀を断頭台のギロチンのように振り下ろした。
『あら? 貴方がここに来るなんて珍しいわね』
とある次元の狭間にて、妖艶な声音が響く。見た事がないほどの美しい花々が咲いている。
声の主である女は水を撒いている。触手がうねうねと動き、手を振っているように見える。
『お仕事はいいの? シュルメ』
『今はお休みを貰っているの。ホキトタシタが代わりにをしてくれているわ』
『2人はいつ付き合うの?』
『ふぇ?』
水を撒いている状態で触手を動かし、椅子を出してくれる。シュルメはそれを受け取ると、遠慮なしに座り込む。テーブルとパラソルも運ばれてきて、陶器のソーサーとカップが出される。カップには綺麗な紅茶が注がれ、注ぎ終わる前にお茶請けのお菓子も用意された。
シュルメはお菓子を口にしながら、紅茶で流し込む。
『その話は置いておいて。どう?コストイラに会ったんでしょ?』
テシメは水撒きを終え、一緒のテーブルに着いた。シュルメは遠慮なしに3枚目のクッキーを食す。
『……うん。かなり強くなっていたよ。それはもう凄く』
『そう、よかったね。でも、それって』
『うん。もう踏み込んでいる、領域に』
『私達でもどうしようもないわね』
『きっとコストイラなら何とかしてくれるわよ』
影がかかるシュルメを見て、テシメが紅茶を啜る。
『そうね。コストイラだもんね』
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