318 / 684
17.彼岸
19.子を食べる妖怪
しおりを挟む
ラミアがその瞳を7人に向ける。
手前の面の男。こいつは違う。こいつの過去は過酷だ。幸せな家庭な気もするが、あまりにも想像する幸せから遠い。
その次に銀髪の少女。こいつも違う。幸せとは程遠いスパルタな過去だ。
槍を持つ男。こいつは別だ。自らを卑下する能力に長けている者が幸せなはずがない。
その後ろにいる楯を構えた男を見る。家族関係がえげつないな。父母兄妹どれをとっても涙が出てくる。不幸すぎて愛を注ぎたくなる。
その後ろにいる指輪だらけにいる女。育ての親が屑だ。こんな仕打ちをするためにこの少女を引き取ったというのか? 少しだけ同情しよう。
その女と手を繋いでいる女。怯えているのを見ていると、こっちが何か悪いことをしている気分になる。そして、この中の誰よりも不幸な出来事を経験しているにもかかわらず、この中の誰よりも幸せを感じている。こちらの感覚が狂いそうだ。幸せなことは許せない。
最後の一人は弓を持つ男。幸せでもなければ不幸でもない。普通だ。見ていても3分で飽きるだろう。
ならばラミアが狙うのは一人。自分よりも幸せな子供。すなわちエンドローゼだ。
ラミアが蛇の胴をバネのように縮め、思い切り解放する。20mもある体長が一気に迫ってくる。
コストイラが通り抜けざまに素早く刀を振るう。ラミアの指が全て切られる。そして伸ばされていた左腕も螺旋状に切られていった。
次いでシキがナイフを振るう。片方の乳房が切り取られ、脇から腰元にかけての乳腺に沿って斬撃を浴びせる。
アシドが近づくアミアの顔を槍で叩き、顔を跳ね上げさせる。レイドが楯でラミアの顔を殴り、進行を止める。コストイラが再び刀を振るい、下半身の蛇の体を切り飛ばす。
そこで初めてラミアが花畑に落ちた。ラミアは驚愕した。え?攻撃速度早くない?
体からオレンジと黒の混じった煙が噴き出している。これは命そのものだ。漏れ出している。もう戻すことは出来ない。
ラミアが残された右手を伸ばそうとする。アシドが関節部分に槍を叩きつける。ラミアの関節が逆に曲がった。
シキが回転斬りで背中を切りながら顔まで到達すると、その勢いのままラミアの両眼を斬った。シキは着地しながら片手を着いた。
『アァッ!?』
そこでようやく声が出せた。しかし、声を出したところで何も変わらない。コストイラが跳び上がって、回転し威力を高める。刀を断頭台のギロチンのように振り下ろした。
『あら? 貴方がここに来るなんて珍しいわね』
とある次元の狭間にて、妖艶な声音が響く。見た事がないほどの美しい花々が咲いている。
声の主である女は水を撒いている。触手がうねうねと動き、手を振っているように見える。
『お仕事はいいの? シュルメ』
『今はお休みを貰っているの。ホキトタシタが代わりにをしてくれているわ』
『2人はいつ付き合うの?』
『ふぇ?』
水を撒いている状態で触手を動かし、椅子を出してくれる。シュルメはそれを受け取ると、遠慮なしに座り込む。テーブルとパラソルも運ばれてきて、陶器のソーサーとカップが出される。カップには綺麗な紅茶が注がれ、注ぎ終わる前にお茶請けのお菓子も用意された。
シュルメはお菓子を口にしながら、紅茶で流し込む。
『その話は置いておいて。どう?コストイラに会ったんでしょ?』
テシメは水撒きを終え、一緒のテーブルに着いた。シュルメは遠慮なしに3枚目のクッキーを食す。
『……うん。かなり強くなっていたよ。それはもう凄く』
『そう、よかったね。でも、それって』
『うん。もう踏み込んでいる、領域に』
『私達でもどうしようもないわね』
『きっとコストイラなら何とかしてくれるわよ』
影がかかるシュルメを見て、テシメが紅茶を啜る。
『そうね。コストイラだもんね』
手前の面の男。こいつは違う。こいつの過去は過酷だ。幸せな家庭な気もするが、あまりにも想像する幸せから遠い。
その次に銀髪の少女。こいつも違う。幸せとは程遠いスパルタな過去だ。
槍を持つ男。こいつは別だ。自らを卑下する能力に長けている者が幸せなはずがない。
その後ろにいる楯を構えた男を見る。家族関係がえげつないな。父母兄妹どれをとっても涙が出てくる。不幸すぎて愛を注ぎたくなる。
その後ろにいる指輪だらけにいる女。育ての親が屑だ。こんな仕打ちをするためにこの少女を引き取ったというのか? 少しだけ同情しよう。
その女と手を繋いでいる女。怯えているのを見ていると、こっちが何か悪いことをしている気分になる。そして、この中の誰よりも不幸な出来事を経験しているにもかかわらず、この中の誰よりも幸せを感じている。こちらの感覚が狂いそうだ。幸せなことは許せない。
最後の一人は弓を持つ男。幸せでもなければ不幸でもない。普通だ。見ていても3分で飽きるだろう。
ならばラミアが狙うのは一人。自分よりも幸せな子供。すなわちエンドローゼだ。
ラミアが蛇の胴をバネのように縮め、思い切り解放する。20mもある体長が一気に迫ってくる。
コストイラが通り抜けざまに素早く刀を振るう。ラミアの指が全て切られる。そして伸ばされていた左腕も螺旋状に切られていった。
次いでシキがナイフを振るう。片方の乳房が切り取られ、脇から腰元にかけての乳腺に沿って斬撃を浴びせる。
アシドが近づくアミアの顔を槍で叩き、顔を跳ね上げさせる。レイドが楯でラミアの顔を殴り、進行を止める。コストイラが再び刀を振るい、下半身の蛇の体を切り飛ばす。
そこで初めてラミアが花畑に落ちた。ラミアは驚愕した。え?攻撃速度早くない?
体からオレンジと黒の混じった煙が噴き出している。これは命そのものだ。漏れ出している。もう戻すことは出来ない。
ラミアが残された右手を伸ばそうとする。アシドが関節部分に槍を叩きつける。ラミアの関節が逆に曲がった。
シキが回転斬りで背中を切りながら顔まで到達すると、その勢いのままラミアの両眼を斬った。シキは着地しながら片手を着いた。
『アァッ!?』
そこでようやく声が出せた。しかし、声を出したところで何も変わらない。コストイラが跳び上がって、回転し威力を高める。刀を断頭台のギロチンのように振り下ろした。
『あら? 貴方がここに来るなんて珍しいわね』
とある次元の狭間にて、妖艶な声音が響く。見た事がないほどの美しい花々が咲いている。
声の主である女は水を撒いている。触手がうねうねと動き、手を振っているように見える。
『お仕事はいいの? シュルメ』
『今はお休みを貰っているの。ホキトタシタが代わりにをしてくれているわ』
『2人はいつ付き合うの?』
『ふぇ?』
水を撒いている状態で触手を動かし、椅子を出してくれる。シュルメはそれを受け取ると、遠慮なしに座り込む。テーブルとパラソルも運ばれてきて、陶器のソーサーとカップが出される。カップには綺麗な紅茶が注がれ、注ぎ終わる前にお茶請けのお菓子も用意された。
シュルメはお菓子を口にしながら、紅茶で流し込む。
『その話は置いておいて。どう?コストイラに会ったんでしょ?』
テシメは水撒きを終え、一緒のテーブルに着いた。シュルメは遠慮なしに3枚目のクッキーを食す。
『……うん。かなり強くなっていたよ。それはもう凄く』
『そう、よかったね。でも、それって』
『うん。もう踏み込んでいる、領域に』
『私達でもどうしようもないわね』
『きっとコストイラなら何とかしてくれるわよ』
影がかかるシュルメを見て、テシメが紅茶を啜る。
『そうね。コストイラだもんね』
0
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる