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17.彼岸
18.光溢れる思い出の花畑
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気絶したアレンを起こし、少しだけ休憩する。アストロが形のいい尻をスケアリブラの死体の上に置いているが大丈夫なのだろうか。足の傷からオレンジと黒の混じった煙が噴き出している。煙が天井に溜まっている。
「そろそろ煙がヤベェから、外に出ない?」
アストロが天井を見ながら言う。アレン達も同意なので裏口から外に出る。
「ふわぁ」
エンドローゼが目を輝かせながら口元を手で覆った。目をキラキラとさせているが、その気持ちは分かる。色鮮やかで美しい花だらけの花畑に、更に美しい光の珠が天に向かってゆっくりと浮いている。とてつもない幻想的な光景に、目が奪われる。
その光景の中に魔物がいても、それでも美しいと思える。気高く、気丈に佇むグリフォンが鷹揚にこちらを向く。グリフォンが翼を羽ばたかせると、光の珠が気流に合わせて速度を上げて舞い上がる。
グリフォンが爪をむき出しにして襲い掛かってくる。アシドが槍を振るい爪を弾き、首を叩き骨を折る。グリフォンの体が花畑に沈む。花弁が少し宙を舞う。首を斬って出血させ、花を汚すのは憚られた。
しかし、グリフォンはまだ死んでいなかった。首が折れ、きちんと立てることができないが、翼を羽ばたかせて空へと飛んだ。
首が折れているにもかかわらず、優雅に飛んでいる。そこににゅっと手が現れる。2mほどのグリフォンの体をがっしりと掴んだ。グリフォンが鋭い爪を手の甲に刺すが、緩まることがない。パキパキと骨が折れていき、グリフォンの口から血が出てくる。
ヌッと手の主が顔を出す。白樺のような色の顔に濃い黄緑色の髪をした巨顔だった。胸よりも上が見えているが、全体は見えていない。その部分だけでも体長は15m以上はあるだろう。女の顔がグリフォンを生きたまま噛み砕く。体も顔もすべて噛み砕き、咀嚼する。
エンドローゼが絶望的な顔をしている。そりゃあ目の前で生々しい光景を見せられたら、こんな顔にもなるだろう。意外だったのがコストイラだった。コストイラが能面のような顔をしている。懐からのっぺりとした真っ白い仮面を取り出し、被る。コストイラがこれを出すということは、どこかシラスタ教に関わっているということなのだろうか。
「オレがかつて行った、テシメの花畑に似ているんだ。この記憶を汚されたくねェ」
思いを口にするコストイラの眼には炎が宿っていた。もうアレン達には止めることができない。
「ま、それを手助けするのが、仲間って奴よな」
手首を回しながらアストロが前に出る。
「そりゃそうだろ」
アシドが槍で片をトントン叩きながら、アストロよりも前に出る。
「コストイラがやる気の時点で、私達も参加すべきだろう」
レイドがドンと楯を立てて宣言する。
「は、はい。ど、どれだけ怪我しても、わ、わ、私が治します」
エンドローゼが恐がりながらも、アストロの手を握り、勇気を出す。
「ん」
シキがナイフを抜いてアシドよりも前に出る。
「わ、分かりました。僕だって行きますよ」
アレンが誰よりも後ろで宣言した。
「そろそろ煙がヤベェから、外に出ない?」
アストロが天井を見ながら言う。アレン達も同意なので裏口から外に出る。
「ふわぁ」
エンドローゼが目を輝かせながら口元を手で覆った。目をキラキラとさせているが、その気持ちは分かる。色鮮やかで美しい花だらけの花畑に、更に美しい光の珠が天に向かってゆっくりと浮いている。とてつもない幻想的な光景に、目が奪われる。
その光景の中に魔物がいても、それでも美しいと思える。気高く、気丈に佇むグリフォンが鷹揚にこちらを向く。グリフォンが翼を羽ばたかせると、光の珠が気流に合わせて速度を上げて舞い上がる。
グリフォンが爪をむき出しにして襲い掛かってくる。アシドが槍を振るい爪を弾き、首を叩き骨を折る。グリフォンの体が花畑に沈む。花弁が少し宙を舞う。首を斬って出血させ、花を汚すのは憚られた。
しかし、グリフォンはまだ死んでいなかった。首が折れ、きちんと立てることができないが、翼を羽ばたかせて空へと飛んだ。
首が折れているにもかかわらず、優雅に飛んでいる。そこににゅっと手が現れる。2mほどのグリフォンの体をがっしりと掴んだ。グリフォンが鋭い爪を手の甲に刺すが、緩まることがない。パキパキと骨が折れていき、グリフォンの口から血が出てくる。
ヌッと手の主が顔を出す。白樺のような色の顔に濃い黄緑色の髪をした巨顔だった。胸よりも上が見えているが、全体は見えていない。その部分だけでも体長は15m以上はあるだろう。女の顔がグリフォンを生きたまま噛み砕く。体も顔もすべて噛み砕き、咀嚼する。
エンドローゼが絶望的な顔をしている。そりゃあ目の前で生々しい光景を見せられたら、こんな顔にもなるだろう。意外だったのがコストイラだった。コストイラが能面のような顔をしている。懐からのっぺりとした真っ白い仮面を取り出し、被る。コストイラがこれを出すということは、どこかシラスタ教に関わっているということなのだろうか。
「オレがかつて行った、テシメの花畑に似ているんだ。この記憶を汚されたくねェ」
思いを口にするコストイラの眼には炎が宿っていた。もうアレン達には止めることができない。
「ま、それを手助けするのが、仲間って奴よな」
手首を回しながらアストロが前に出る。
「そりゃそうだろ」
アシドが槍で片をトントン叩きながら、アストロよりも前に出る。
「コストイラがやる気の時点で、私達も参加すべきだろう」
レイドがドンと楯を立てて宣言する。
「は、はい。ど、どれだけ怪我しても、わ、わ、私が治します」
エンドローゼが恐がりながらも、アストロの手を握り、勇気を出す。
「ん」
シキがナイフを抜いてアシドよりも前に出る。
「わ、分かりました。僕だって行きますよ」
アレンが誰よりも後ろで宣言した。
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