メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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22.月の都

3.どこまでも続く空洞

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 貴族の屋敷には特殊な通路があるという。

 リリスのポイントを抜けた勇者一行は、行き止まりで立ち止まっていた。行き止まりのため、どこまで戻るかをアレンが提案していると、レイドが珍しく指示を出した。

「もしかしたら、道が隠れているかもしれない」

 その言葉を聞いて、コストイラが張り切り出す。テスロメルのところへ向く道の探索に参加できなかったことを、少し気にしているようだ。

 なぜこんな指示を出したのかを聞くと、冒頭のようなことを言われた。

 そして、やはりというべきか。今回も道が見つかった。道を見つけたのはシキだった。

 シキが少し眉根を寄せ、壁にナイフを突き立てた。魔力さえ流せば、あらゆるものを切り裂けるナイフだが、今回は魔力を流していない。シキがナイフを下に流すと、そのまま壁も切り取られた。

「おぉ、隠し通路だ」

 コストイラが感心する中、シキは縁に手を着き、中を覗いた。普通の道だ。明かりのない、真っ暗な洞窟だ。シキは頑張れば暗闇でも視界が通るが、何も異常が見えない。まだかなり先がありそうだ。

「ん」

 シキが隠し通路内に消えていく。コストイラ達も通路に入っていく。

「レイド」
「うむ」

 アストロがレイドのことを水に手を差し出す。レイドは名前を呼ばれただけで、何をすればいいのかを察し、荷物の中から松明を出した。

 アストロは松明に火を点け、空間を照らす。今までの道と、何にも変わらない洞窟だ。
 アストロは少し不満に思いながら歩き出す。

『ウォフ』

 しばらくすると、2つの頭がついている獣が現れた。流れ的に戦闘を歩いていたシキが、鋭すぎる蹴りを繰り出し、オルトロスの頭を爆発させた。
 残された頭が噛みついてこようとするが、開ききる前にシキが無理矢理口を閉じさせた。そして、そのまま地面に叩きつけ、握り、圧し潰した。

「ん?」
「どうしたの?」

 何らかの変化を感じ取ったアストロが、シキに声をかけた。シキはじっと自分の掌を見つめている。おそらく自身のステータスを確認しているのだろう。

「レベル120になった」

 その言葉にコストイラが膝をついた。

「オレは115。先行かれた」

 ガラエム教をはじめとする、あらゆる宗教が、Maxレベルが120としている。その頂点に至ったようだ。

「オレは112だ。お前と3も差があんのか」
「私は109。もうちょっとね」
「私は111だ。皆のレベルは似たり寄ったりなのだな」
「わ、わ、私も109です。あ、アストロさんを一緒です」
「そうね」

 アシドは後頭部を掻きながら、アストロは差が縮まったことを喜びながらレベルを報告する。レイドは自身の顎を触りながら、エンドローゼは嬉しそうに言った。

 しかし、その中で静かな者が一人。

 アレンだ。

 コストイラはそれに気付いたが、その理由を察してしまった。もしかして、アレンは3桁に届いていない?

『グオオ』

 奥からグリーンジャイアントがやってきた。

「よし、アレン! ゴー!!」

 とりあえず、コストイラはアレンに倒させてレベルを上げさせることにした。アレンはそれに感謝しつつ、弓を引き絞った。

 その瞬間、地面が爆発した。
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