メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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28.岩礁の遺跡

14.地下道の戦い

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 血濡れのシキが海食洞を走っていたが、その走行をぴたりと止めた。目の前には大きな穴が開いていた。海食洞の地面に薄く張られている水が滝のように落ちている。

 道がこの先にない。アレン達はどこに行った?

 とりあえず目を凝らして奥を見る。視線の通る範囲に誰もいない。では、下か?

 今度は鼻を効かせてみる。シキの鼻はアレンの匂いを感じ取った。

「下だ」

 アレンはこの崩落に巻き込まれたのだろうか。早く助けに行かねばなるまい。

 シキは何の躊躇なく下に落ち、アレンの元に向かった。こんな戦闘の中で無事だと考えられない。早く会いたい。

「ったく、何で俺達は参加しちゃいけないんだよ」
「船長の指示なんだから仕方ねェだろ。それに、財宝まものたちだって守んなきゃいけねェだろ」
「そりゃそうだけどよ」

 二人の男が会話している。今の陰にいるシキには気付いていないようだ。ただし、気付かれていようがいまいがやることは変わらない。二人とも殺す。

 シキが姿を現すが、気付かれない。そのまま二人の首を切り落とした。即座に鼻を働かせ、アレンの位置を特定する。少女は走り出した。
 五秒も走れば海賊達の最後尾に追いつく。見ただけで分かる。あのデカい隻腕がこの場のボスだ。あれを真っ先に殺す。

 シキは加速をそのままにして、軍勢に突っ込んだ。白銀の風が一気に死体を作り出す。

 何か事態の異常性を感じ取った隻腕の海賊が後ろを向いた。ズドンと自身の部下が宙を舞っている。何だ? この異常事態は?

 そこでコストイラ達も盛り上がる。シキ一人に負けてたまるか、と牙を剥く。

「な」

 隻腕の海賊が目を丸くする。

 どっちだ。どっちから先に対処すればいい。

 コストイラとシキが揃ってボスの元まで辿り着く。

「くそっ!」

 隻腕の海賊は本能で対処する。左側のコストイラを鉤爪で、右側のシキを極大なカットラスで押さえようとする。
 しかし、真鍮で作られた鉤爪は見事に折れ曲がった。カットラスは、熱したナイフでバターを切るが如く勢いで、簡単に切られた。ついでかのように右腕を切られる。

「ガッ!?」

 両腕がもう使い物にならない。ここから先の攻撃を防ぐことができるのか? いや、できるはずがない。反語。
 ならば、どうするか? 決まっている。逃げるしかない。
 
 そう決断した時には足元に蒼色の毛髪が見えた。隻腕の海賊はそれが何か考える前に体が後退していた。
 ギリギリで躱した海賊の腹筋に槍が通った。一筋の赤い線が走るが、この際一切気にしない。全力で逃走するのみに心血を注ぐ。

「追っても放っても面倒そうだぞ」
「放ったら万全の状態に加えてさらなる戦力で倒しに来るわ。追ったら間違いなく相手の拠点が戦場になる」
「今のうちに叩いておかないと、どこまで増殖するか分かんねぇぞ」

 アシドの言うことにゾッと背中に来るものを感じ、即座に追いかけることにした。

「皆も行くわよ」

 コストイラとアシドを追いかけるようにアストロが走り出す。レイドやエンドローゼが従う中、アレンとシキは止まったままだ。

「本当に大丈夫なのでしょうか。これ、罠とかじゃないですよね」
「……」
「もしそうだとしたら皆巻き込まれちゃいますよね」
「……」
「よ、よし。追いかけましょう。ところで」
「……?」

 アレンがシキを見る。シキは誰にも気づかれない程度に頬を赤らめさせて、首を傾げた。

「僕、すでに皆さんがどこに行ったのか分からないんですけど、シキさん分かります?」
「承知」

 シキがとりあえず何も考えずにアレンを抱え上げ、走り出した。

 あれ? 顔、近くない?
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