異世界召喚を断ったら異世界転生させられた

第1章

状況確認

ミシェルに抱かれて、女の子が元気に泣いている。
カイルが俺を抱いたままベットに座っているミシェルに近づき
「初めましてケイト。君のパパのカイルだよ。そして、この子がネルウァ。君のお兄ちゃんだ。」

そういうカイルの顔はとても笑顔で父親の顔をしていた。


～数日後～
俺はこの数日で、今の自分にできることや、この世界のことについてカイルやミシェルの会話や目に見えるものから情報を集めた。

この世界の文明は地球だと中世ぐらいのものだ。絶対君主制を敷いており、一応は貴族院もあるのだが、意味を成していないようだ。(カイルは公爵位を貰っており、貴族院の議長をしている。)

この国はオラリオン大陸に存在する4つの大国の1つで、極東に位置するラルム帝国。
先代の皇帝は政治、交渉、駆け引きなどに優れ、国民が豊かで有事の際には騎士だけでなく、一般市民による義勇兵も多く集まり、国の為に戦う結束力はとても強く、ほとんど負け無しで、他国から都市を割譲させていたらしい。また、決して、自国から攻めることはなく皇帝らしからぬ国民を思った政治をしていたそうだ。
その名残が貴族院だとか。

一方で、現皇帝は一部貴族と結託し、私腹を肥やすことに専念し、帝国領の市民の生活は苦しいものとなっている。

ちなみに、カイルが曲がったことは嫌いな上、正義感の塊であるミシェルがカイルを尻にしいているため、カイルの持つ、アラード領の領民はそんなことはない。
なんて言ったって、ここ数日は領民、商人などありとあらゆる人がケイトと俺の誕生のお祝いにきている。