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187 ー意義ー
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「まずは荷物を片付けてくれる?ミアンとルーシが片付けているから、行けばわかるわ」
「わかりました」
ユイは礼をして部屋を出る。それを真似てから理音はユイの後をついた。
すぐ近くの部屋に入ると、女の子二人が部屋中に着物を広げている。この寒い中暖房もつけずに大掃除をしているみたいだ。
「ユイ、良かった。早く手伝ってー」
「後ろの子が新しい子?入って入って、手伝って」
身長の低いお団子を二つにした丸い顔の幼そうな女の子と、頰に髪を垂らして後頭部にお団子をした女の子が交互に言う。二人がミアンとルーシのようだ。
「これは、何をしているの?」
「大変なのよー。姫のお衣装に虫が紛れ込んでいて、今全て見直しているの」
「全部だよ、全部!この冬に長い虫がいて、もう大騒ぎなんだから」
どうやらここは衣装棚らしい。通りで部屋に暖房がないはずだ。衣装ケースか、大きなつづらが並んでおり、二間の奥の部屋には棚が並んでいる。結構な広さの部屋だが、全て着物が入っているのだろうか。
「絶対嫌がらせよ。送られてきた布に紛れてたんだわ」
「毒虫だったの。間違いないよ」
二人の言葉にユイが眉を上げた。毒虫って、蜘蛛か何かだろうか。しかも嫌がらせとは、穏やかではない。
「毒虫って、何だったの?」
「毛虫よ!触ったらかぶれてしまうわ。信じられない」
「この時期に毛虫だよ!?間違って入るわけないもん」
二人は着物をつづらから取り出しては、ばたばたと叩いている。着物を着て毛虫が入っていたら、それは大変だ。潰したら悲惨である。
「とにかく手伝ってー」
「後ろの子は、たたんで入れていってよ」
一つ結びの女の子に言われて理音は頷く。確認し終えたものをたたんで入れるくらいならできると思う。
ユイは着物をたたむので、それをつづらに入れるよう指示してきた。たたむことができないと思われたようだ。間違っていない。
着物を片付けながら、ユイからミアンとルーシの紹介をされる。
二つお団子がミアンで、一つ結びがルーシだ。二人とも年が近そうで、きゃっきゃ言いながら着物をばたつかせる姿が可愛らしい。
ミアンとルーシは同じくすんだ青緑の着物を着ていたが、帯は色が違う。帯の他に帯紐や花の形の飾りをつけたりし、そこで個性を出しているようだ。髪飾りにもこだわりがあるのだろう。二人とも簪の飾りの色が派手だ。
ジョアンは緑系の色の着物を着ていたが、くすんだ青緑ではなかった。もう少し高級そうなてかりのある布だった。身分が違うのだろう。
レイセン宮でも女官の着物の色は統一されている。ツワも同じ着物だが、着ている枚数が違った。
「布は誰から送られて来たの?」
ユイは素早く着物をたたみながら、目線は着物のまま問いかける。それに二人同時に反応した。
「グイの方の姫よ!ウの方の姫の方が身分が高いのに!」
「後宮じゃ一番偉そうにしてんの!今まで一番身分が高かったからって!」
つまり、今まで一番父親の身分が高い、グイの方の姫が後宮を牛耳っていた。そこに内大臣になったウの姫が後宮に入る。それによって序列が変わるわけだ。
しかし前々より後宮にいるグイの姫は、地方の出身でも古い元皇帝の血筋らしい。皇帝は今までたくさんいるので、そんなのは多そうだが、貴族に比べたら元皇帝の血筋だ。最近内大臣になったウの方より、身分が高いと自負しているそうだ。
実際のところどちらが身分が高いと言うと、ウの方になるそうだが、元皇帝の血筋を蔑ろにするのも難しく、文句も言えないとか。
元皇帝の血筋って言うならば、シュンエイもそうだよな。と思い出す。元皇帝の妹がおばあさんだっけ?ひいおばあさんだっけ? そう考えると、どこにでもいそうである。元皇帝の血筋。
ユイは納得の声を上げた。ウの方が内大臣になったばかりのこともあり、敵対視されやすいポジションらしい。もちろんおもねる者たちも多く、ここ数日他の姫たちの挨拶ラッシュだったそうだ。
色々な貴族の娘たちが一つの場所に集められているのだ。身分社会なため序列など当然にあるし、身分によって住む場所も与えられるものも違い、高位であればあるほど皇帝の渡りもチャンスがある。
そのため近い身分の者をライバル視するのは当たり前で、蹴落そうとすることも嫌がらせをしてくることもある。
「嫌がらせならいいわよ。けれど毒の強いもので、もし何かあれば…」
ミアンが最後まで言えないと頭を振る。最悪殺しもあるのだ。
想像するより凄そうだな。
そんなことをのほほんと考えたが、一番影響あるのはレイセン宮にいる自分だ。囮になるはずである。
「リンは午前だけの手伝いなんでしょう?それでも助かるわ。ウの姫の入内は急に決まったから、働き手が見つからなかったのよ」
ミアンが小声でため息まじりに言った。
確か、内大臣になるために姫を差し出したはずだ。わざわざそのために養女にしたような話をマウォがしていた。そうなると、元々姫に仕える侍女が少なかったのかもしれない。
だから午前中だけなんて、中途半端な時間でも働けるのだろう。
ここで所作を学ぶことになるわけだ。
ユイはてきぱきと着物をたたみ、理音に渡してくる。無駄な私語はしない、真面目タイプなわけだが、ミアンとルーシは後宮の噂話をしながら、楽しそうに着物を広げていた。
虫、探しているんだろうか。
「だから、そんな噂があって、夜な夜な出るんですって」
「ちょっと、やめてー。ただでさえお屋敷広くて怖いんだから、そう言う話しないでよー」
真冬に怪談である。最近仕入れた話らしく、ミアンが楽しそうに語った。ルーシは聞きたくないと、耳を塞いだ。
何だか、中学校の修学旅行みたいだ。いや、小学校か?
会話を聞いている限り、厳しさは全くない。ユイだけが素早く働いている気がする。それに合わせて理音も片付ける。
そう思ったのも束の間、二人の会話の途中、後ろから声がかかり、二人がびくりと肩を上げた。
扉の前で、こめかみに青筋を立てたジョアンが腕組みしている。
「何を、おしゃべりしているの?」
二人に雷が落ちたのは、そのすぐ後だった。
「嫌がらせって、普通にあるんですか?」
「そうね。妃候補として、足の引っ張り合いはここでは普通よ」
ジョアンのお怒りがミアンとルーシに落ちた後、着物の片付けを何とか終えた。お姫様の着物は思ったよりも少なく、二部屋使っていても量はそこまででもなかった。
案外早く終わった片付けの後、理音はユイに周囲の案内をしてもらうことになったのだ。
ユイが持っている器の中に、茶色の毛虫が九匹ほどうぞうぞしていた。毛がふさふさしていて、器の中で威嚇するように動き回っている。
毛虫って意外に動き早いんだよね。
蓋をしてないため、中から登ってきそうだ。
ユイは気にする風もなく、器に入っていた毛虫を庭園の池に捨てた。池の魚が餌を求めて口を開けて吸い込んでいく。
「あれで全部だったらいいけれど」
ユイの言う通り、全部を取り除いたかどうかはわからない。それにしたって、布と一緒に毛虫を送るとか、趣味が悪すぎる。
「こんな寒い時期に毛虫って、卵冷やして保管でもしてたのかな…」
雪の降る時期に毛虫がいるなんて珍しい。春から秋にかけて何回か出るイメージだ。
「毒に関しては、詳しい人間は多いでしょう。育てていてもおかしくないわ」
「そんなもんですか」
ユイは大したことではないと、毛虫が食べ尽くされるのを眺めた。
「後宮は弱肉強食だわ」
おっかない世界だ。しかしそれがまかり通る。
フォーエンが囮を使ってまで反対組織を潰しても、女性同士の争いは中々封じきれないのではないだろうか。
いや、
「そのためのレイセン宮か…」
「え?」
「いえ、何でもないです。姫様に何もなければいいですね。虫ぐらいの嫌がらせならいつでもできそうだし」
夏でないだけましだろうか。夏なら部屋の中に毒虫を放り込むのは簡単な気がする。
スズメバチとかいないのだろうか。布の中にスズメバチが一番強烈だと思う。
寒さに足踏みしながらそんなことをぼんやり考えていると、ユイがまた一瞬微妙な顔をよこした。
姫をおもんばかる言葉を言うのか。と言う感じだ。
誰だって嫌がらせされて、その上死に繋がるなら笑えないだろうに。それを言うと、ユイはふっと力が抜けるように、小さく笑った。フォーエンみたいだ。
「庭園を抜けると、先ほど話が出た、グイの方の姫が住まわれているわ」
身分が高いため一つの棟を使っているそうだが、案外距離が近い。身分があまり高くない者は同じ建物に住んでおり、その建物はここから離れているらしい。
百人近くの姫が同じ場所で生きているのだから、さすがに一人一人に建物一つとはいかないのだろう。
そこで女性たちの戦いが始まっても当然なのかもしれない。
しかし、フォーエンが守るべきは、レイセン宮に入る女性だ。
ナラカが前に言っていた。レイセン宮は警備が厳しく、入ることができなくなったと。そして、あの宮から情報は漏れていない。
レイセン宮に入られる女性は守られる。守られるようになった。
囮として、役に立ったと言うことだ。
「また、雪が降ってきたわね。そろそろレイセン宮に戻りましょう」
鈍色の空に、白い花が舞い始めていた。
「わかりました」
ユイは礼をして部屋を出る。それを真似てから理音はユイの後をついた。
すぐ近くの部屋に入ると、女の子二人が部屋中に着物を広げている。この寒い中暖房もつけずに大掃除をしているみたいだ。
「ユイ、良かった。早く手伝ってー」
「後ろの子が新しい子?入って入って、手伝って」
身長の低いお団子を二つにした丸い顔の幼そうな女の子と、頰に髪を垂らして後頭部にお団子をした女の子が交互に言う。二人がミアンとルーシのようだ。
「これは、何をしているの?」
「大変なのよー。姫のお衣装に虫が紛れ込んでいて、今全て見直しているの」
「全部だよ、全部!この冬に長い虫がいて、もう大騒ぎなんだから」
どうやらここは衣装棚らしい。通りで部屋に暖房がないはずだ。衣装ケースか、大きなつづらが並んでおり、二間の奥の部屋には棚が並んでいる。結構な広さの部屋だが、全て着物が入っているのだろうか。
「絶対嫌がらせよ。送られてきた布に紛れてたんだわ」
「毒虫だったの。間違いないよ」
二人の言葉にユイが眉を上げた。毒虫って、蜘蛛か何かだろうか。しかも嫌がらせとは、穏やかではない。
「毒虫って、何だったの?」
「毛虫よ!触ったらかぶれてしまうわ。信じられない」
「この時期に毛虫だよ!?間違って入るわけないもん」
二人は着物をつづらから取り出しては、ばたばたと叩いている。着物を着て毛虫が入っていたら、それは大変だ。潰したら悲惨である。
「とにかく手伝ってー」
「後ろの子は、たたんで入れていってよ」
一つ結びの女の子に言われて理音は頷く。確認し終えたものをたたんで入れるくらいならできると思う。
ユイは着物をたたむので、それをつづらに入れるよう指示してきた。たたむことができないと思われたようだ。間違っていない。
着物を片付けながら、ユイからミアンとルーシの紹介をされる。
二つお団子がミアンで、一つ結びがルーシだ。二人とも年が近そうで、きゃっきゃ言いながら着物をばたつかせる姿が可愛らしい。
ミアンとルーシは同じくすんだ青緑の着物を着ていたが、帯は色が違う。帯の他に帯紐や花の形の飾りをつけたりし、そこで個性を出しているようだ。髪飾りにもこだわりがあるのだろう。二人とも簪の飾りの色が派手だ。
ジョアンは緑系の色の着物を着ていたが、くすんだ青緑ではなかった。もう少し高級そうなてかりのある布だった。身分が違うのだろう。
レイセン宮でも女官の着物の色は統一されている。ツワも同じ着物だが、着ている枚数が違った。
「布は誰から送られて来たの?」
ユイは素早く着物をたたみながら、目線は着物のまま問いかける。それに二人同時に反応した。
「グイの方の姫よ!ウの方の姫の方が身分が高いのに!」
「後宮じゃ一番偉そうにしてんの!今まで一番身分が高かったからって!」
つまり、今まで一番父親の身分が高い、グイの方の姫が後宮を牛耳っていた。そこに内大臣になったウの姫が後宮に入る。それによって序列が変わるわけだ。
しかし前々より後宮にいるグイの姫は、地方の出身でも古い元皇帝の血筋らしい。皇帝は今までたくさんいるので、そんなのは多そうだが、貴族に比べたら元皇帝の血筋だ。最近内大臣になったウの方より、身分が高いと自負しているそうだ。
実際のところどちらが身分が高いと言うと、ウの方になるそうだが、元皇帝の血筋を蔑ろにするのも難しく、文句も言えないとか。
元皇帝の血筋って言うならば、シュンエイもそうだよな。と思い出す。元皇帝の妹がおばあさんだっけ?ひいおばあさんだっけ? そう考えると、どこにでもいそうである。元皇帝の血筋。
ユイは納得の声を上げた。ウの方が内大臣になったばかりのこともあり、敵対視されやすいポジションらしい。もちろんおもねる者たちも多く、ここ数日他の姫たちの挨拶ラッシュだったそうだ。
色々な貴族の娘たちが一つの場所に集められているのだ。身分社会なため序列など当然にあるし、身分によって住む場所も与えられるものも違い、高位であればあるほど皇帝の渡りもチャンスがある。
そのため近い身分の者をライバル視するのは当たり前で、蹴落そうとすることも嫌がらせをしてくることもある。
「嫌がらせならいいわよ。けれど毒の強いもので、もし何かあれば…」
ミアンが最後まで言えないと頭を振る。最悪殺しもあるのだ。
想像するより凄そうだな。
そんなことをのほほんと考えたが、一番影響あるのはレイセン宮にいる自分だ。囮になるはずである。
「リンは午前だけの手伝いなんでしょう?それでも助かるわ。ウの姫の入内は急に決まったから、働き手が見つからなかったのよ」
ミアンが小声でため息まじりに言った。
確か、内大臣になるために姫を差し出したはずだ。わざわざそのために養女にしたような話をマウォがしていた。そうなると、元々姫に仕える侍女が少なかったのかもしれない。
だから午前中だけなんて、中途半端な時間でも働けるのだろう。
ここで所作を学ぶことになるわけだ。
ユイはてきぱきと着物をたたみ、理音に渡してくる。無駄な私語はしない、真面目タイプなわけだが、ミアンとルーシは後宮の噂話をしながら、楽しそうに着物を広げていた。
虫、探しているんだろうか。
「だから、そんな噂があって、夜な夜な出るんですって」
「ちょっと、やめてー。ただでさえお屋敷広くて怖いんだから、そう言う話しないでよー」
真冬に怪談である。最近仕入れた話らしく、ミアンが楽しそうに語った。ルーシは聞きたくないと、耳を塞いだ。
何だか、中学校の修学旅行みたいだ。いや、小学校か?
会話を聞いている限り、厳しさは全くない。ユイだけが素早く働いている気がする。それに合わせて理音も片付ける。
そう思ったのも束の間、二人の会話の途中、後ろから声がかかり、二人がびくりと肩を上げた。
扉の前で、こめかみに青筋を立てたジョアンが腕組みしている。
「何を、おしゃべりしているの?」
二人に雷が落ちたのは、そのすぐ後だった。
「嫌がらせって、普通にあるんですか?」
「そうね。妃候補として、足の引っ張り合いはここでは普通よ」
ジョアンのお怒りがミアンとルーシに落ちた後、着物の片付けを何とか終えた。お姫様の着物は思ったよりも少なく、二部屋使っていても量はそこまででもなかった。
案外早く終わった片付けの後、理音はユイに周囲の案内をしてもらうことになったのだ。
ユイが持っている器の中に、茶色の毛虫が九匹ほどうぞうぞしていた。毛がふさふさしていて、器の中で威嚇するように動き回っている。
毛虫って意外に動き早いんだよね。
蓋をしてないため、中から登ってきそうだ。
ユイは気にする風もなく、器に入っていた毛虫を庭園の池に捨てた。池の魚が餌を求めて口を開けて吸い込んでいく。
「あれで全部だったらいいけれど」
ユイの言う通り、全部を取り除いたかどうかはわからない。それにしたって、布と一緒に毛虫を送るとか、趣味が悪すぎる。
「こんな寒い時期に毛虫って、卵冷やして保管でもしてたのかな…」
雪の降る時期に毛虫がいるなんて珍しい。春から秋にかけて何回か出るイメージだ。
「毒に関しては、詳しい人間は多いでしょう。育てていてもおかしくないわ」
「そんなもんですか」
ユイは大したことではないと、毛虫が食べ尽くされるのを眺めた。
「後宮は弱肉強食だわ」
おっかない世界だ。しかしそれがまかり通る。
フォーエンが囮を使ってまで反対組織を潰しても、女性同士の争いは中々封じきれないのではないだろうか。
いや、
「そのためのレイセン宮か…」
「え?」
「いえ、何でもないです。姫様に何もなければいいですね。虫ぐらいの嫌がらせならいつでもできそうだし」
夏でないだけましだろうか。夏なら部屋の中に毒虫を放り込むのは簡単な気がする。
スズメバチとかいないのだろうか。布の中にスズメバチが一番強烈だと思う。
寒さに足踏みしながらそんなことをぼんやり考えていると、ユイがまた一瞬微妙な顔をよこした。
姫をおもんばかる言葉を言うのか。と言う感じだ。
誰だって嫌がらせされて、その上死に繋がるなら笑えないだろうに。それを言うと、ユイはふっと力が抜けるように、小さく笑った。フォーエンみたいだ。
「庭園を抜けると、先ほど話が出た、グイの方の姫が住まわれているわ」
身分が高いため一つの棟を使っているそうだが、案外距離が近い。身分があまり高くない者は同じ建物に住んでおり、その建物はここから離れているらしい。
百人近くの姫が同じ場所で生きているのだから、さすがに一人一人に建物一つとはいかないのだろう。
そこで女性たちの戦いが始まっても当然なのかもしれない。
しかし、フォーエンが守るべきは、レイセン宮に入る女性だ。
ナラカが前に言っていた。レイセン宮は警備が厳しく、入ることができなくなったと。そして、あの宮から情報は漏れていない。
レイセン宮に入られる女性は守られる。守られるようになった。
囮として、役に立ったと言うことだ。
「また、雪が降ってきたわね。そろそろレイセン宮に戻りましょう」
鈍色の空に、白い花が舞い始めていた。
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