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231 ー制度ー
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頭が痛い。芯から響くみたいに。
重い頭を押さえながら起き上がると、ずるりと湿った布が落ちる。熱でもあって額に乗せておいてくれたのだろう。
地面には食事が置いてあった。朝食だったのか、夕食だったのか、スープとおかゆがお盆に乗っており、冷え切っているのが分かった。小河原が持ってきたのだろうか。
外はいつの間にか明るくなっている。日の高さからもう昼前後だと気付いた。
頭の痛さでか溜め息しか出ない。スープを少しだけ口にして、ゆっくりと立ち上がる。
拘束する気はないらしい。持ち物も確認しなかったのか、胸元のカッターとスマフォは残っていた。
刃物だと分からなかったのだろうか。
扉の外に人の気配はしない。物音もない。見張りもいないようだ。
そっと扉を引くと意外にも鍵がかかっていなかった。
廊下はしんとしている。どこかのお屋敷らしい長い廊下といくつもある扉。ただそれは豪華な飾りのない板張りのもので、使用人などが暮らす建物のように思えた。
間違ってもシヴァ少将が住むような豪華な屋敷ではない。
ぎしぎしと足音が鳴る。気がはやるのは見付かってはならぬと言う緊張感か、それとも別のことでか、心臓の音が耳にまで届く気がした。
いや、不安が勝るのだ。
フォーエンが気付いて助けに来たら?
助けに来てくれたら嬉しい。それはもちろん歓迎すべきことで。
けれど、戦いになれば小河原が犠牲になる。主犯ではないにしても、大きな罰が与えられるだろう。
それから、
「っ、頭いた…」
頭痛がひどく、頭がくらくらする。目も回るし、視界も悪い。
「さすがに、殴られすぎだよね」
階下に降りても人はいない。やはり身分の低い者の住む屋敷のようだ。建物から出ると広がった景色が見られた。
道の先々に建物が見える。ずっと奥には大きな屋敷が見えた。
「広いな…」
屋敷を中心に建物が点々とある。小さな町のようにも思えるが、広大な土地を持つ者の敷地内なのだろう。
痛みに頭を押さえると、さっと視界に何かが通り過ぎた。
子供?
茂みに走り去る後ろ姿は子供のそれだ。働く者たちの子供も一緒に住んでいるのだろうか。
追おうとしたが頭痛があって追い付けなかった。随分幼い子供に見えたが、一人で大丈夫だろうか。
「いっ」
いよいよもって、頭の殴られすぎの後遺症だろうか。視界が暗転し崩れるように倒れた。
吐き気はない。だが目が回り視界が留まらない。貧血とも違い、地面がどこにあるかが分からないほどだ。
地面に臥せっているのは分かるのに、その地面が良く見えなかった。
「大丈夫?」
耳に届いた男の声。聞いた覚えのある声の主に振り向こうとしたが、どこにいるのか分からない。
「立てないの?」
気安い言い方。しかし心配気に聞こえる。男は肩に触れたが反応をしないと、ぐっと力を入れ理音を抱きかかえた。
それでさらにめまいが起きる。気持ち悪さに目をつぶったが、それでも目が回っているようだった。
「熱でもあるのかな」
こつんと額に何かが当たった。少しばかり冷たい気がする。
「ちょっと熱があるね」
その声が自分の顔近くで聞こえて、今のはおでこが当たったのだと気付いた。
そんなことをするこの聞き覚えのある主など、一人しかいない。
「レイシュン、さん」
「うん。随分体調悪そうだね」
あっけらと言ってくれるが、殴られて頭痛がひどいとは思わないだろうか。それともどんな風にここに連れられたのか知らないのか。
レイシュンが知らないはずないだろう。
少しだけめまいが治まり、片目をそろりと開くと、レイシュンの黒緋の瞳と目が合った。
「風邪でも引いたのかな?」
「頭殴られて頭痛がひどいんです」
「それは難儀だね」
その適当な返事。ものすごく腹が立ってくる。何故理音がここに連れられたのか、知らないはずがなかった。
「あまり驚いてないね」
「ここにいるとは思いませんでしたけれど」
「そう?なら情報は遅いかな」
「雪はもう収まったんですか?」
「あちらはまだ大雪だよ」
だったら何で。問おうとすればレイシュンは小さく笑う。
「直接王都に来るのでなければ、もう通れる道があるんだよ。春は近い」
そんな遠回りをしてわざわざ王都に来た理由を知りたい。いや、それより、ここはまだ王都なのか?
「ここは王都ではないよ。城からは随分離れている」
聞いてもいないのに考えている問いに答えてくる。相変わらず人の思考を読む男だ。
「レイシュンさんは自分で手を下す人ではないと思ってましたけれど」
「ふふ。リオンちゃんは相変わらずだねえ。私が何をしたいか知ってるみたいに言う」
「さあ、どうでしょう。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ずっと考えてただけなので」
「なら、どんなことを考えたのか知りたいな」
レイシュンは当たり前に理音を先程の部屋に連れた。寝台に根転がせると、毛布を掛けてくれる。
優しいのは相変わらず。だがその優しさが本物なのか、ずっと計りかねている。
「勝ち目のない戦いはしないんじゃないかなって」
「ぷはっ!ああ、そうだね。確かに無駄な戦いはしないよ」
笑える話などしていないのだが。レイシュンは吹き出して流れていない涙を拭うように目元を拭くと、ふざけたように笑った。
「つまり、私は誰に負けると思ったの?」
突如その笑顔が恐ろしい笑顔に変わる。迫力のある、脅すような笑顔だ。
「相手は色々。どんなことでもですよ」
「ふうん」
ぞくりと寒気がしても、逃げられる場所はない。ただ彼が恐ろしいのは、笑っていても簡単に人を斬り付けるような、表情と内面が一致しない性質を持っていることだ。
「リオンちゃんは勝てなくても挑むの好きだよね」
売られた喧嘩は買うがモットー。それが勝てない相手でも。
そんなこと言った覚えもないしそのつもりもないのだが、攻撃を受けて放置しないのは確かだ。
こちらでそれを行えば命すら危うくなるので、我慢することを覚えようとはしているわけだが。
「そうだな。勝てないと分かっている戦いは確かにしないよ。けれど、同士討ちくらいならばするかもしれない」
「皇帝の制度はまだ覆らないですよ」
「まるで、私が望んでいることを知っているみたいに言う」
「違いますか?」
この状況で嘘など聞きたくない。レイシュンは自分を誘拐した主犯の屋敷にいるのだ。理音が生きてフォーエンの元に戻れば、レイシュンにだって罰が与えられる。
戻れなければ死ぬだけだろう。
だとしたら、はっきりと真実が知りたい。
「エンシさんが自殺する前、月桂樹を送りませんでしたか?」
それを言った瞬間、レイシュンの纏う空気がぴりりと鋭くなった気がした。
見上げる先、黒緋の瞳はこちらを捕らえたまま。笑んでいた表情は消え、冷えた表情が返事を肯定していた。
「どうしてそうなったの?」
「裏切り。月桂樹の花の花言葉です。エンシさんはレイシュンさんの婚約者を助けなかった。多くの人々を助け素晴らしい技術を持った医師だったのに、皇帝の専属になったためその技術は他の人々に与えられなくなってしまった。レイシュンさんの婚約者は抜け穴を使い後宮を出ようとしました。けれど洞窟を抜けた後に倒れてしまった。助けを求めたけれどエンシさんは助けてくれなかった。違いますか?」
全て想定で、確かなものなんて何もない。けれど関わりがあるのは確かなのだ。点と点が確実に結ばれていなくても、関わりがあったのは間違いない。
「そうだとして、どうして皇帝の制度なんて話が出てくるの?」
「エンシさんを恨んでも間接的でしょう。根本の悪はエンシさんじゃありません。皇帝を恨むのが道理です」
「恨んだとしても、制度まで考えるの?それはリオンちゃんが異端だからじゃないかな?」
この国の人たちだけでなく、他の国に生まれたギョウエンも、身分というものは覆せるものではなく、理不尽でも飲み込まなければならないものだと刻み込まれている。
だから、制度自体に疑問を持っても、制度を覆そうと思う者は少ないのだろう。
しかし、その制度に恨みを持てば、制度自体を変化させたいと思ってもおかしくはない。
「レイシュンさんは皇帝自体を嫌っているでしょう。フォーエンがとかではなく、皇帝というものをです。皇帝を殺しても次の皇帝が立つのならば、初めから皇帝がいない国を作ればいいと思いませんか?」
「その発言は危険思想だよ」
「それを考えた人が現実的に動くのは難しいでしょうね。今は特に」
ウーゴに葉が生えた。フォーエンが即位してから変化が現れた。これから世の中が良くなっていくのかもしれないと言う世相の中で、皇帝を討つのはリスクが高い。
民衆を敵に回しては皇帝を討っても自分が討たれてしまう。
「ぷ、ぷは。はははっ」
レイシュンは緊張の糸が切れたかのように笑い始めた。どかりと地面で胡坐をかき、大きく息を吐く。
「すごい想像だね。リオンちゃんがそう考えているならば、陛下も同じ考えなのかな?」
「フォーエンがどう考えているかは知りません」
「ふうん。リオンちゃんには、あの男はもったいよね」
皇帝をあの男呼ばわりして、レイシュンは側にあった樽のタオルを絞ると、理音の額に乗せた。
「そうだなあ。何が聞きたい?」
いつも通りの胡散臭い笑顔。レイシュンはニヤリと口端を上げて、理音に微笑んだ。
重い頭を押さえながら起き上がると、ずるりと湿った布が落ちる。熱でもあって額に乗せておいてくれたのだろう。
地面には食事が置いてあった。朝食だったのか、夕食だったのか、スープとおかゆがお盆に乗っており、冷え切っているのが分かった。小河原が持ってきたのだろうか。
外はいつの間にか明るくなっている。日の高さからもう昼前後だと気付いた。
頭の痛さでか溜め息しか出ない。スープを少しだけ口にして、ゆっくりと立ち上がる。
拘束する気はないらしい。持ち物も確認しなかったのか、胸元のカッターとスマフォは残っていた。
刃物だと分からなかったのだろうか。
扉の外に人の気配はしない。物音もない。見張りもいないようだ。
そっと扉を引くと意外にも鍵がかかっていなかった。
廊下はしんとしている。どこかのお屋敷らしい長い廊下といくつもある扉。ただそれは豪華な飾りのない板張りのもので、使用人などが暮らす建物のように思えた。
間違ってもシヴァ少将が住むような豪華な屋敷ではない。
ぎしぎしと足音が鳴る。気がはやるのは見付かってはならぬと言う緊張感か、それとも別のことでか、心臓の音が耳にまで届く気がした。
いや、不安が勝るのだ。
フォーエンが気付いて助けに来たら?
助けに来てくれたら嬉しい。それはもちろん歓迎すべきことで。
けれど、戦いになれば小河原が犠牲になる。主犯ではないにしても、大きな罰が与えられるだろう。
それから、
「っ、頭いた…」
頭痛がひどく、頭がくらくらする。目も回るし、視界も悪い。
「さすがに、殴られすぎだよね」
階下に降りても人はいない。やはり身分の低い者の住む屋敷のようだ。建物から出ると広がった景色が見られた。
道の先々に建物が見える。ずっと奥には大きな屋敷が見えた。
「広いな…」
屋敷を中心に建物が点々とある。小さな町のようにも思えるが、広大な土地を持つ者の敷地内なのだろう。
痛みに頭を押さえると、さっと視界に何かが通り過ぎた。
子供?
茂みに走り去る後ろ姿は子供のそれだ。働く者たちの子供も一緒に住んでいるのだろうか。
追おうとしたが頭痛があって追い付けなかった。随分幼い子供に見えたが、一人で大丈夫だろうか。
「いっ」
いよいよもって、頭の殴られすぎの後遺症だろうか。視界が暗転し崩れるように倒れた。
吐き気はない。だが目が回り視界が留まらない。貧血とも違い、地面がどこにあるかが分からないほどだ。
地面に臥せっているのは分かるのに、その地面が良く見えなかった。
「大丈夫?」
耳に届いた男の声。聞いた覚えのある声の主に振り向こうとしたが、どこにいるのか分からない。
「立てないの?」
気安い言い方。しかし心配気に聞こえる。男は肩に触れたが反応をしないと、ぐっと力を入れ理音を抱きかかえた。
それでさらにめまいが起きる。気持ち悪さに目をつぶったが、それでも目が回っているようだった。
「熱でもあるのかな」
こつんと額に何かが当たった。少しばかり冷たい気がする。
「ちょっと熱があるね」
その声が自分の顔近くで聞こえて、今のはおでこが当たったのだと気付いた。
そんなことをするこの聞き覚えのある主など、一人しかいない。
「レイシュン、さん」
「うん。随分体調悪そうだね」
あっけらと言ってくれるが、殴られて頭痛がひどいとは思わないだろうか。それともどんな風にここに連れられたのか知らないのか。
レイシュンが知らないはずないだろう。
少しだけめまいが治まり、片目をそろりと開くと、レイシュンの黒緋の瞳と目が合った。
「風邪でも引いたのかな?」
「頭殴られて頭痛がひどいんです」
「それは難儀だね」
その適当な返事。ものすごく腹が立ってくる。何故理音がここに連れられたのか、知らないはずがなかった。
「あまり驚いてないね」
「ここにいるとは思いませんでしたけれど」
「そう?なら情報は遅いかな」
「雪はもう収まったんですか?」
「あちらはまだ大雪だよ」
だったら何で。問おうとすればレイシュンは小さく笑う。
「直接王都に来るのでなければ、もう通れる道があるんだよ。春は近い」
そんな遠回りをしてわざわざ王都に来た理由を知りたい。いや、それより、ここはまだ王都なのか?
「ここは王都ではないよ。城からは随分離れている」
聞いてもいないのに考えている問いに答えてくる。相変わらず人の思考を読む男だ。
「レイシュンさんは自分で手を下す人ではないと思ってましたけれど」
「ふふ。リオンちゃんは相変わらずだねえ。私が何をしたいか知ってるみたいに言う」
「さあ、どうでしょう。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ずっと考えてただけなので」
「なら、どんなことを考えたのか知りたいな」
レイシュンは当たり前に理音を先程の部屋に連れた。寝台に根転がせると、毛布を掛けてくれる。
優しいのは相変わらず。だがその優しさが本物なのか、ずっと計りかねている。
「勝ち目のない戦いはしないんじゃないかなって」
「ぷはっ!ああ、そうだね。確かに無駄な戦いはしないよ」
笑える話などしていないのだが。レイシュンは吹き出して流れていない涙を拭うように目元を拭くと、ふざけたように笑った。
「つまり、私は誰に負けると思ったの?」
突如その笑顔が恐ろしい笑顔に変わる。迫力のある、脅すような笑顔だ。
「相手は色々。どんなことでもですよ」
「ふうん」
ぞくりと寒気がしても、逃げられる場所はない。ただ彼が恐ろしいのは、笑っていても簡単に人を斬り付けるような、表情と内面が一致しない性質を持っていることだ。
「リオンちゃんは勝てなくても挑むの好きだよね」
売られた喧嘩は買うがモットー。それが勝てない相手でも。
そんなこと言った覚えもないしそのつもりもないのだが、攻撃を受けて放置しないのは確かだ。
こちらでそれを行えば命すら危うくなるので、我慢することを覚えようとはしているわけだが。
「そうだな。勝てないと分かっている戦いは確かにしないよ。けれど、同士討ちくらいならばするかもしれない」
「皇帝の制度はまだ覆らないですよ」
「まるで、私が望んでいることを知っているみたいに言う」
「違いますか?」
この状況で嘘など聞きたくない。レイシュンは自分を誘拐した主犯の屋敷にいるのだ。理音が生きてフォーエンの元に戻れば、レイシュンにだって罰が与えられる。
戻れなければ死ぬだけだろう。
だとしたら、はっきりと真実が知りたい。
「エンシさんが自殺する前、月桂樹を送りませんでしたか?」
それを言った瞬間、レイシュンの纏う空気がぴりりと鋭くなった気がした。
見上げる先、黒緋の瞳はこちらを捕らえたまま。笑んでいた表情は消え、冷えた表情が返事を肯定していた。
「どうしてそうなったの?」
「裏切り。月桂樹の花の花言葉です。エンシさんはレイシュンさんの婚約者を助けなかった。多くの人々を助け素晴らしい技術を持った医師だったのに、皇帝の専属になったためその技術は他の人々に与えられなくなってしまった。レイシュンさんの婚約者は抜け穴を使い後宮を出ようとしました。けれど洞窟を抜けた後に倒れてしまった。助けを求めたけれどエンシさんは助けてくれなかった。違いますか?」
全て想定で、確かなものなんて何もない。けれど関わりがあるのは確かなのだ。点と点が確実に結ばれていなくても、関わりがあったのは間違いない。
「そうだとして、どうして皇帝の制度なんて話が出てくるの?」
「エンシさんを恨んでも間接的でしょう。根本の悪はエンシさんじゃありません。皇帝を恨むのが道理です」
「恨んだとしても、制度まで考えるの?それはリオンちゃんが異端だからじゃないかな?」
この国の人たちだけでなく、他の国に生まれたギョウエンも、身分というものは覆せるものではなく、理不尽でも飲み込まなければならないものだと刻み込まれている。
だから、制度自体に疑問を持っても、制度を覆そうと思う者は少ないのだろう。
しかし、その制度に恨みを持てば、制度自体を変化させたいと思ってもおかしくはない。
「レイシュンさんは皇帝自体を嫌っているでしょう。フォーエンがとかではなく、皇帝というものをです。皇帝を殺しても次の皇帝が立つのならば、初めから皇帝がいない国を作ればいいと思いませんか?」
「その発言は危険思想だよ」
「それを考えた人が現実的に動くのは難しいでしょうね。今は特に」
ウーゴに葉が生えた。フォーエンが即位してから変化が現れた。これから世の中が良くなっていくのかもしれないと言う世相の中で、皇帝を討つのはリスクが高い。
民衆を敵に回しては皇帝を討っても自分が討たれてしまう。
「ぷ、ぷは。はははっ」
レイシュンは緊張の糸が切れたかのように笑い始めた。どかりと地面で胡坐をかき、大きく息を吐く。
「すごい想像だね。リオンちゃんがそう考えているならば、陛下も同じ考えなのかな?」
「フォーエンがどう考えているかは知りません」
「ふうん。リオンちゃんには、あの男はもったいよね」
皇帝をあの男呼ばわりして、レイシュンは側にあった樽のタオルを絞ると、理音の額に乗せた。
「そうだなあ。何が聞きたい?」
いつも通りの胡散臭い笑顔。レイシュンはニヤリと口端を上げて、理音に微笑んだ。
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