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236 ー逃走ー
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ただ心配してるだけなのかも分からないな。
レイシュンの部下だと分かっているのに、ギョウエンがここでうろついていることはマウォは気にしないのだろうか。それとも、その確認をできぬほどの状況なのだろうか。
本当に薬を持ってきただけなのか?どうにも怪しいのだが、ギョウエンは必要なことしか口にしない。
ギョウエンは本当に薬を渡すだけで姿を消した。
「こいつが本当に皇帝に口添えをしていたのか?」
人が眠っている時に前触れもなく入り込んだマウォが、虫けらでも見るように上からそんな言葉を投げてきた。
「知りませんよ。あなたがそうだと思って連れてきたんでしょう」
今更何をそんなこと問うているのだ。そんな言葉が溢れそうなほど、小河原が冷たく言い放つ。
「皇帝は兵を動かしている。こいつを探しているのは間違いない。ならば、何を助言して皇帝の寵を得た。ウーゴの葉が生えたのは間違いないんだ。皇帝はこれからどう動く。言ってみろ!」
焦っているのか、マウォがいきなり胸ぐらを掴んできた。すぐに小河原が止めにはいる。
「そんなこと分かるわけがないでしょう。ここでずっと眠っていたのだから」
「本気で子供を探しているんだぞ。それだけ重要な役目を持っているのだろう!」
揺らされると頭に響く。小河原が割って入り、掴み合いになると、小河原に突き飛ばされてマウォが扉にぶつかった。
「連れて行ってくれ。義兄上はお疲れだ」
廊下で控えていた兵士たちが小河原の命令を聞くと、マウォを連れて行く。マウォよりも小河原の言うことを聞くようだ。顔面蒼白になっているマウォを引きずるようにして引っ張って行った。
「大丈夫、理音?」
「平気だけど…」
マウォはシヴァ少将の父親を殺したり、フォーエンの妃を狙い理音を追い掛けさせ暗殺を試みた者だが、今は随分と心の余裕がないように思える。
フォーエンが兵を率いることが予定外だったのだろうか。それとも予想外に動くのが早かったのか。
「何か、切羽詰まってる?」
「元々小心者なんだよ。運とタイミングだけでここまで来たんじゃないかな」
「運とタイミング?」
「マウォとファリアは幼い頃からシヴァ少将や皇帝と交友があったらしい。だから婚約も早かった。皇帝の暗殺が続いて現皇帝が皇帝になったけれど、シヴァ少将もその候補だったでしょう?シヴァ少将とファリアが結婚したのは現皇帝が皇帝になる前。マウォは皇帝に外戚になれるかと思っていたはずだ」
「でもフォーエンの方が皇帝についた」
「けれど、彼が皇帝になる頃、災いが訪れた。マウォは思っただろうね。この皇帝は失敗する」
大司の予言を信じる者たち。不吉が現れた皇帝の時代ではこの国に災いが起きる。
「失敗する皇帝。そして彼が死ねばシヴァ少将が皇帝になる。病弱でなければと、そう思い描いただろうね」
そこで、シヴァ少将の身代わりが見つかった。健康で元気な身体。もしフォーエンに何かあれば自動的にシヴァ少将が皇帝になる。
「夢は見ただろう。運が回ってきたと喜んだ」
「それで運とタイミング?」
「マウォは小心者だと言ったでしょ?運が向いてきたと思えば衝動的に行動する。タイミングだけで運が回ってきたと思う。冷静に物を考える風を装っていても、内面はすごく小物だ。今回のことだって綿密に進めていたわけじゃない」
たまたま、理音が一人になった。そのタイミングは見計らっていただろうが、フォーエンがどう動くかまでは考えていなかった。
「そこまでの者だと考えていたのに、皇帝がそこまで早く奪回に動くとは想定していなかった。考えが浅くて、本来は小物なんだ」
「それは、何となく分かるけど。前会った時とかも、地味って言うか、女装して会ったことあるのに、私に気付いてないし」
いくら化粧をしてレイシュンの隣にいたとしても、一度は会っている。フォーエンの相手として暗殺者に追わせていたくせに、理音の顔を覚えていない。
ラカンの城で会った時に、レイシュンが匿っていると知っていながら、隣にいた女の顔を覚えていないのだから、大したことのない男だと思う。
「私に気づいてないのは、ちょっと驚いたって言うか」
だからって、衝動的に反乱の用意までするのか?
それこそ、誰かの後ろ盾や協力があればともかく、皇帝に歯向かうなど、領主でもなく権力者でもないマウォが行えるのだろうか?
「シヴァ少将と言う後ろ盾はもちろんあると思う。次に皇帝になる人がいれば、手助けする輩もいるだろうね。初めはそれがソウ州侯だと思ったけれど、彼はすぐ手を引いてしまったから。勢いだけで進んでしまってきたんだろう」
「そっか。レイシュンさんが協力してくれれば、フォーエンを覆すことはできるかもしれないんだもんね。影響力がある人だから」
だからなのか。マウォが焦り始めているのは。
「他の協力者もいるけれどね。ソウ州侯ほどの力はない。烏合の衆と言ってもいいかな。元々、こんな反乱は成功しないんだよ。ソウ州侯が見捨てるわけでしょう」
小河原はうっすらと笑った。旗を揚げる役目は小河原なのに、その旗手が否定している時点で負けは決まっている。
「さあ理音、今から眠って。体調を整えて」
寝転がっている布団を掛け直すようにぽんぽんと軽く叩くと、小河原は微かに目を細めた。
「また嵐が来るらしい。あったかくして寝るんだよ。じゃあ、またね」
小河原の言葉に頷いた。
決行は、今夜だ。
人が部屋に訪れたのは、雷鳴轟く時間だった。
雨音はしないが稲光が瞼に映る。まだ雨は降っていないようだが、そう時間も経たず降り出すだろう。
「理音。俺についてきて」
小河原に起こされて、布団から起き上がる。口元に指を添えて、静かについてこいと促された。
雷が遠くで鳴っている。その音のおかげで足音は消えた。
見張りが離れてついているはずだが、廊下の明かりはいくつか消されており、光は時折届く稲光の明かりだけだ。
だからだろうか。目で見えるものよりずっと、鼻につく異様な匂いの方が気付きやすかったのは。
床に残る、つるりとした光沢。稲光に照らされて水溜りのように光っていた。
「理音、見ないで」
うずくまるものと、その隣に立つ男。手に持っているのは煌めきのある金属で、そこから液体が滴っていた。
「ギョウエンさん…」
「お静かに。音を立てずに進んでください」
小河原が誘導するように理音の手を引く。丸くなっているものの横を通り過ぎると、ぷうんと生臭い匂いがした。
見張りはいない。走りながらも音を立てないように階下へと降りていく。
ギョウエンも協力しているから、逃げられると断言できたのか。
ならばレイシュンが命令したのだ。小河原を逃すために。
レイシュンが?本当に?
疑問に思いたくなるが、小河原はそれでも決めたのだろう。
ギョウエンが周囲を警戒する。合図をすると小河原が理音を引いたまま走り出す。
少しだけ、雨が降り始めていた。
「おとうさま」
入り込んだ森の中に馬車が用意されていた。馬二頭に繋がった馬車の中で、ファリアが小河原に笑顔を向ける。
「あなた、おかえりなさい」
「…うん。リーレンと静かに座っていて」
小河原はそっとファリアの肩を撫でる。かぶっていたショールをかけ直してやり、リーレンをぎゅっと抱いた。
「リーレン。お母様を見ているんだよ。これから馬車を走らせるから、静かに座っているんだ」
「わかりました!」
リーレンは言われた通りにファリアの前に座り、ファリアの手を取る。真正面からファリアを見ている気だ。
「理音。念の為、これを」
渡されたのは剣だった。ごくりと喉を鳴らしてそれに手を伸ばす。
逃げるのだから、何が起きるかわからない。拒否することなく剣を手にして頷くと、小河原は申し訳なさそうに眉を下げた。
小河原がそんな顔をすることなんてない。
「座っていて。スピード出すから、転げ落ちないように」
「要くんは?」
「前に乗る」
ギョウエンと二人馬車の外に乗る気だ。小河原も剣を片手にしている。手綱を握るギョウエンの隣で周囲を警戒するのか。
「中に入って」
「要くん!」
ファリアとリーレンを連れていくならば、小河原は彼らと共に行くのだろう。
だから、伝えておかなければならない。
「前に私が言ったこと覚えてる?」
星が流れたら、帰ることになる。
「空を見上げて、流れる星を見てめまいがしたら向こうに帰れる。でも、帰りたくないと思った時、帰ることはなかった。どうなるかは気持ちも関わるのかもしれない。けど、星見が、帰られる時期は近いって言ってた」
向こうに帰られる。星の流れに身を任せようと思えば、帰られるのだ。
「望めば帰れるよ。空を見上げて。帰りたければ」
だから、星を見たら、選ばなければならない。
「…わかった」
言いたいことは理解したか。小河原は僅かに苦味を見せて頷いた。
中は座席のあるような馬車ではなく、荷馬車だ。あまり広くはないが、三人乗るには意外に広い。
リーレンは不安を見せないようにファリアに向いたまま。ファリアはリーレンを見たままほんのり笑んでいる。
馬車が動き出す。雨音が大きくなってきた気がした。
レイシュンの部下だと分かっているのに、ギョウエンがここでうろついていることはマウォは気にしないのだろうか。それとも、その確認をできぬほどの状況なのだろうか。
本当に薬を持ってきただけなのか?どうにも怪しいのだが、ギョウエンは必要なことしか口にしない。
ギョウエンは本当に薬を渡すだけで姿を消した。
「こいつが本当に皇帝に口添えをしていたのか?」
人が眠っている時に前触れもなく入り込んだマウォが、虫けらでも見るように上からそんな言葉を投げてきた。
「知りませんよ。あなたがそうだと思って連れてきたんでしょう」
今更何をそんなこと問うているのだ。そんな言葉が溢れそうなほど、小河原が冷たく言い放つ。
「皇帝は兵を動かしている。こいつを探しているのは間違いない。ならば、何を助言して皇帝の寵を得た。ウーゴの葉が生えたのは間違いないんだ。皇帝はこれからどう動く。言ってみろ!」
焦っているのか、マウォがいきなり胸ぐらを掴んできた。すぐに小河原が止めにはいる。
「そんなこと分かるわけがないでしょう。ここでずっと眠っていたのだから」
「本気で子供を探しているんだぞ。それだけ重要な役目を持っているのだろう!」
揺らされると頭に響く。小河原が割って入り、掴み合いになると、小河原に突き飛ばされてマウォが扉にぶつかった。
「連れて行ってくれ。義兄上はお疲れだ」
廊下で控えていた兵士たちが小河原の命令を聞くと、マウォを連れて行く。マウォよりも小河原の言うことを聞くようだ。顔面蒼白になっているマウォを引きずるようにして引っ張って行った。
「大丈夫、理音?」
「平気だけど…」
マウォはシヴァ少将の父親を殺したり、フォーエンの妃を狙い理音を追い掛けさせ暗殺を試みた者だが、今は随分と心の余裕がないように思える。
フォーエンが兵を率いることが予定外だったのだろうか。それとも予想外に動くのが早かったのか。
「何か、切羽詰まってる?」
「元々小心者なんだよ。運とタイミングだけでここまで来たんじゃないかな」
「運とタイミング?」
「マウォとファリアは幼い頃からシヴァ少将や皇帝と交友があったらしい。だから婚約も早かった。皇帝の暗殺が続いて現皇帝が皇帝になったけれど、シヴァ少将もその候補だったでしょう?シヴァ少将とファリアが結婚したのは現皇帝が皇帝になる前。マウォは皇帝に外戚になれるかと思っていたはずだ」
「でもフォーエンの方が皇帝についた」
「けれど、彼が皇帝になる頃、災いが訪れた。マウォは思っただろうね。この皇帝は失敗する」
大司の予言を信じる者たち。不吉が現れた皇帝の時代ではこの国に災いが起きる。
「失敗する皇帝。そして彼が死ねばシヴァ少将が皇帝になる。病弱でなければと、そう思い描いただろうね」
そこで、シヴァ少将の身代わりが見つかった。健康で元気な身体。もしフォーエンに何かあれば自動的にシヴァ少将が皇帝になる。
「夢は見ただろう。運が回ってきたと喜んだ」
「それで運とタイミング?」
「マウォは小心者だと言ったでしょ?運が向いてきたと思えば衝動的に行動する。タイミングだけで運が回ってきたと思う。冷静に物を考える風を装っていても、内面はすごく小物だ。今回のことだって綿密に進めていたわけじゃない」
たまたま、理音が一人になった。そのタイミングは見計らっていただろうが、フォーエンがどう動くかまでは考えていなかった。
「そこまでの者だと考えていたのに、皇帝がそこまで早く奪回に動くとは想定していなかった。考えが浅くて、本来は小物なんだ」
「それは、何となく分かるけど。前会った時とかも、地味って言うか、女装して会ったことあるのに、私に気付いてないし」
いくら化粧をしてレイシュンの隣にいたとしても、一度は会っている。フォーエンの相手として暗殺者に追わせていたくせに、理音の顔を覚えていない。
ラカンの城で会った時に、レイシュンが匿っていると知っていながら、隣にいた女の顔を覚えていないのだから、大したことのない男だと思う。
「私に気づいてないのは、ちょっと驚いたって言うか」
だからって、衝動的に反乱の用意までするのか?
それこそ、誰かの後ろ盾や協力があればともかく、皇帝に歯向かうなど、領主でもなく権力者でもないマウォが行えるのだろうか?
「シヴァ少将と言う後ろ盾はもちろんあると思う。次に皇帝になる人がいれば、手助けする輩もいるだろうね。初めはそれがソウ州侯だと思ったけれど、彼はすぐ手を引いてしまったから。勢いだけで進んでしまってきたんだろう」
「そっか。レイシュンさんが協力してくれれば、フォーエンを覆すことはできるかもしれないんだもんね。影響力がある人だから」
だからなのか。マウォが焦り始めているのは。
「他の協力者もいるけれどね。ソウ州侯ほどの力はない。烏合の衆と言ってもいいかな。元々、こんな反乱は成功しないんだよ。ソウ州侯が見捨てるわけでしょう」
小河原はうっすらと笑った。旗を揚げる役目は小河原なのに、その旗手が否定している時点で負けは決まっている。
「さあ理音、今から眠って。体調を整えて」
寝転がっている布団を掛け直すようにぽんぽんと軽く叩くと、小河原は微かに目を細めた。
「また嵐が来るらしい。あったかくして寝るんだよ。じゃあ、またね」
小河原の言葉に頷いた。
決行は、今夜だ。
人が部屋に訪れたのは、雷鳴轟く時間だった。
雨音はしないが稲光が瞼に映る。まだ雨は降っていないようだが、そう時間も経たず降り出すだろう。
「理音。俺についてきて」
小河原に起こされて、布団から起き上がる。口元に指を添えて、静かについてこいと促された。
雷が遠くで鳴っている。その音のおかげで足音は消えた。
見張りが離れてついているはずだが、廊下の明かりはいくつか消されており、光は時折届く稲光の明かりだけだ。
だからだろうか。目で見えるものよりずっと、鼻につく異様な匂いの方が気付きやすかったのは。
床に残る、つるりとした光沢。稲光に照らされて水溜りのように光っていた。
「理音、見ないで」
うずくまるものと、その隣に立つ男。手に持っているのは煌めきのある金属で、そこから液体が滴っていた。
「ギョウエンさん…」
「お静かに。音を立てずに進んでください」
小河原が誘導するように理音の手を引く。丸くなっているものの横を通り過ぎると、ぷうんと生臭い匂いがした。
見張りはいない。走りながらも音を立てないように階下へと降りていく。
ギョウエンも協力しているから、逃げられると断言できたのか。
ならばレイシュンが命令したのだ。小河原を逃すために。
レイシュンが?本当に?
疑問に思いたくなるが、小河原はそれでも決めたのだろう。
ギョウエンが周囲を警戒する。合図をすると小河原が理音を引いたまま走り出す。
少しだけ、雨が降り始めていた。
「おとうさま」
入り込んだ森の中に馬車が用意されていた。馬二頭に繋がった馬車の中で、ファリアが小河原に笑顔を向ける。
「あなた、おかえりなさい」
「…うん。リーレンと静かに座っていて」
小河原はそっとファリアの肩を撫でる。かぶっていたショールをかけ直してやり、リーレンをぎゅっと抱いた。
「リーレン。お母様を見ているんだよ。これから馬車を走らせるから、静かに座っているんだ」
「わかりました!」
リーレンは言われた通りにファリアの前に座り、ファリアの手を取る。真正面からファリアを見ている気だ。
「理音。念の為、これを」
渡されたのは剣だった。ごくりと喉を鳴らしてそれに手を伸ばす。
逃げるのだから、何が起きるかわからない。拒否することなく剣を手にして頷くと、小河原は申し訳なさそうに眉を下げた。
小河原がそんな顔をすることなんてない。
「座っていて。スピード出すから、転げ落ちないように」
「要くんは?」
「前に乗る」
ギョウエンと二人馬車の外に乗る気だ。小河原も剣を片手にしている。手綱を握るギョウエンの隣で周囲を警戒するのか。
「中に入って」
「要くん!」
ファリアとリーレンを連れていくならば、小河原は彼らと共に行くのだろう。
だから、伝えておかなければならない。
「前に私が言ったこと覚えてる?」
星が流れたら、帰ることになる。
「空を見上げて、流れる星を見てめまいがしたら向こうに帰れる。でも、帰りたくないと思った時、帰ることはなかった。どうなるかは気持ちも関わるのかもしれない。けど、星見が、帰られる時期は近いって言ってた」
向こうに帰られる。星の流れに身を任せようと思えば、帰られるのだ。
「望めば帰れるよ。空を見上げて。帰りたければ」
だから、星を見たら、選ばなければならない。
「…わかった」
言いたいことは理解したか。小河原は僅かに苦味を見せて頷いた。
中は座席のあるような馬車ではなく、荷馬車だ。あまり広くはないが、三人乗るには意外に広い。
リーレンは不安を見せないようにファリアに向いたまま。ファリアはリーレンを見たままほんのり笑んでいる。
馬車が動き出す。雨音が大きくなってきた気がした。
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