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241 ー簪ー
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「リオン様、お茶でございます」
ウの姫の住む場所では上司だった、ジョアンが茶器を持ってやってきた。後ろにいたミアンがお菓子を運んでくる。つい身構えてしまうのは仕方がないだろう。
ミアンがどこか緊張しているかのように見えるのは、一緒に働いていた自分に仕えるとは思っていなかったからに違いない。
知らされていなかったのだろうなあ。それはこっちもだよ。
お互い微妙な顔をして過ごしている。
外からの人間からすれば、元々レイセン宮に住んでいた妖怪とまで呼ばれた女がいなくなり、ウの姫が住まうことになったわけである。
レイセン宮の妖怪は、皇帝の命令で連れられたダミーであったことが周知された。
皇帝が何度も殺されれば後宮の姫も同じ。安全を確保するために囮を使用してレイセン宮の警備レベルを安全なレベルへと上げた。
そう言われて納得しない者はいない。
レイセン宮の妖怪は得体が知れなかった。いつの間にか現れて皇帝の隣に座る。化粧で顔は分からず、後宮にいてもレイセン宮から出てこない。後宮の仕事もしない。
ただ宴だけに出てくる女性だったのだから、周囲からすればむしろ囮と言われて納得する以外のことがない。
実際、それは間違いではなく、当初はそのためにレイセン宮に充てがわれたのだから。
フォーエンの風邪を治した云々の話もその一環だとされたのには笑ってしまったが。
災いかもしれない者を、丁度よく囮に使えるな。くらいで住まわせていたことは一部の者しか知らない。
よくよく考えなくともフォーエンの図太さが窺える。どうなるか分からない者を捨てるのも問題だったとは言え、閉じ込めるついでに皇帝の妃として囮に使うのだから。
「リオン様、こちら贈り物が」
ツワが神妙な顔をして女官を連れてきた。手にあるのは布に包まれた箱で、そっと机の上に置かれる。
「毒の類は確認しております」
いきなり不穏な言葉を口にしてくる。女官はそろりと蓋を上げた。
何が入っているのか、不安なまま見守ると、そこには見た覚えのある髪飾りが入っていた。
「これって…」
「皇太后様より、リオン様にと」
ルファンからの贈り物。見たことのある簪。ルファンが気に入っていると言っていた、あの紺色の月桂樹を模した髪飾りだ。
「それって、名指しだったんですか?…リオン様って」
「…そうでございます」
今、ルファンの側にスミアはいない。彼女は罪を認めて自殺した。どのように死んだかは聞いていないが、遺書のある自死である。
ツワは瞼を下ろす。皇帝の母親からのプレゼントだが、毒の有無をまず確認しなければならないことにぞっとしつつ、しかしなぜここでルファンから贈り物が来るのか考える。
囮の時は来なかったのに。後ろ盾のない存在しているかも怪しい女相手に、何を贈るかなど考えることもないからか。
だからと言って、ウの姫がフォーエンの妃として選ばれたからと、贈り物を贈ると言うのも疑問だ。何せルファンは正気を失っている。
フォーエンも不思議に思い、毒については調べるように言ったのか。
「これ、フォーエンには伝えました?」
「お伝えしてございます。毒などの付着がないことを確認する命令はございましたが、他には何も」
「あー、そう…ですか」
そう呟くように言って、理音は顔を上げた。
「ハク大輔に会えますか?」
「こっち出てこれるのかよ」
「ナラカ、待ってた」
ナラカがいつも現れる場所で座り込んで待っていると、ナラカがひょっこりと現れた。簡単に会えるとは思っていなかったが、余程この辺りをうろついているのだろう。
よいしょ。と立ち上がり、ナラカを見上げる。待っていたと言う言葉に疑問を覚えたのか、眉を大きくへの字にした。
「大変だったんだよ。誘拐されて」
「知っている。王都から兵が出た。知らないのはお前だけだろ」
誘拐された本人が兵士が出たことなどすぐ知れるわけがないだろう。逆に嫌味のように言われて、ぷくりと顔を膨らませる。
「ソウ・レイシュンが皇帝と繋がっていたそうだな」
「そうなの?」
「知らないのかよ」
レイシュンはマウォに協力的ではなかったが、だからと言ってフォーエンのために兵を出したわけではないだろう。ただギョウエンは自分を助ける手伝いをしてくれたが。
そう言えば、お礼を言えていないんだよなあ。と今更に思う。
ギョウエンの行方は知らぬまま。フォーエンは自領に帰ったのだろうと言うだけだ。小河原のこともあるので敢えて深くは問わなかったが、レイシュンとフォーエンの間で何かしらの談合があったのかもしれない。
そのことについてあまり深く考えなかった。自分の中で終わったことだと蓋をしたかったからかもしれない。
小河原のことを考えるには、まだ気持ちの整理がついていないからだ。
「ウの内大臣の養女になったって?」
「そーなんだよね。もう聞きましたか」
ナラカは眉を寄せた。不機嫌そうな顔からどこかただならぬ雰囲気を醸し出す。冗談で笑ってはいられないような気配だが、理音はナラカの顔を見つめた。
「一応聞きたいな。どこから聞いたのか」
「言う必要があるか?」
「どこから知ってたのかなあって。知ってたとして、どこから知り得たのかなあって。だってさ、ナラカ言ってたじゃん。レイセン宮には入られない。って」
レイセン宮の情報は外には漏れない。漏れることがないようにフォーエンが囮を使って試し続けた。
「ウの姫は後宮にいたのに、私が養女になったことはフォーエンの関係者以外知り得ないんだよ。でもナラカには分かったんでしょ。ウの姫がレイセン宮に入ったから」
レイセン宮には囮がいる。囮がいながらウの姫が入った。ナラカは思っただろう。ウの姫の養女の立場が、誰のために用意されたものなのか。
「聞くも何も、気付くに決まってんだろ。お前がいるのに、ウの姫が入るとか。皇帝はお前を気に入っているのに」
「この間さあ、ルファン様から簪もらったのよ」
突如会話を変えると、ナラカの眉間がぐっと近付いた。
理音は気にせず話を続ける。フォーエンの色を合わせたような簪。月桂樹を模した、シックなデザイン。
けれど、ルファンはそれを気に入っており、しかし理音に贈ってきた。
「ウの姫に贈ってくれたのよ。レイセン宮に入ったからかな?ウの内大臣の姫だから、何か贈ろうってなったのかなあって」
「何が言いたいんだよ」
「ルファン様って、心を病まれてるでしょ?フォーエンのことなんて全く口にしなかったのに、フォーエンの妃が決まったからって、簪なんて贈ってくれるんだなあって」
「贈るんじゃねえの。女官共が何か言えば」
「気に入ってるんだって。その簪」
「だから?」
ナラカがイラつきを顔に出し始めた。鼻で笑うような仕草はなく、ただ眉を上げて鼻の上の皺を増やしていく。
これくらい分かりやすく表情に出してくれるとは思わなかったが、間違いないようだ。
「ハク大輔に昔の話を詳しく聞いたんだ。フォーエンが子供の頃、ルファン様がまだ後宮に入る前の話。孤児を集めて、育ててたってこと」
フォーエンの父親はルファンがフォーエンを産んでから、ルファンにもフォーエンにも見向きもしなかった。
ルファンは当てつけのように見知らぬ子供たちを集めた。好きな人がいながら無理に嫁がされ、フォーエンを孕んだルファンは、相手を恨んでいただろう。
その恨みをフォーエンで晴らそうと思ったかは分からないが、フォーエンはルファンにも見放され、ルファンは孤児たちを育てたのだ。
その子供たちはルファンに育てられ、成人すればルファンのために働いた。
「ずっと気になってたんだよね。フォーエンのこと個人的に知ってるみたいな感じが」
だからそうであろうと思っていた。
ナラカはやっと鼻で笑うと。天を仰ぐように視線を泳がした。
ナラカはルファンに育てられたのだ。
彼の後ろに一体誰がいるのか。それなりに力がある者ではなければならない。ナラカは行動しているのは一人のように見えても、多くの情報を得ていた。ナラカ一人で得られる情報量ではないのだ。
そうなればどれだけの人が加担し、背後にいるのか想像できる。
そして、その背後の人間が、どんな人間なのかも、考えなくても察することができるのだ。
「ルファン様に伝えてよ。あの簪、大切にしますって。フォーエンと同じ色の簪。ありがたくいただきますって」
「知らねえよ」
ナラカはそんな捨て台詞を言って、すぐに姿を消す。
それが答えだと思っていいだろう。
ルファンは心の病などになっていない。あれはずっと演技だったのだ。
孤児たちを使い多くの情報を集めていた。スミアが理音をルファンの宮に連れたのは偶然だったかもしれないが、ルファンは理音の名前を聞いて気付いたのだろう。
理音がフォーエンに匿われレイセン宮に住んでいることを。
しかし、その時にはスミアいる。スミアに気付かれる真似をしなかったのは、
「フォーエンの心配はしてたってことで、いいのかな…」
ナラカがフォーエンに対してやけに嫌ったような風を醸し出していたのも、本人に引け目があったからかもしれない。
昔から知っている存在。実の子を子として扱わず、フォーエンはずっと孤独だった。
母親はたくさんの子供たちを育てているのに。
それを、ナラカはどう感じたのか。
全ては想像だが、ナラカは本心からフォーエンを嫌っているわけではないと思う。
フォーエンからしたら、許せる話ではないだろうが。
「さてと、レイセン宮に戻りますか」
これでやっと、多くのことが納得できた気がする。
空を見上げれば晴天。
もう、春が近付いていた。
ウの姫の住む場所では上司だった、ジョアンが茶器を持ってやってきた。後ろにいたミアンがお菓子を運んでくる。つい身構えてしまうのは仕方がないだろう。
ミアンがどこか緊張しているかのように見えるのは、一緒に働いていた自分に仕えるとは思っていなかったからに違いない。
知らされていなかったのだろうなあ。それはこっちもだよ。
お互い微妙な顔をして過ごしている。
外からの人間からすれば、元々レイセン宮に住んでいた妖怪とまで呼ばれた女がいなくなり、ウの姫が住まうことになったわけである。
レイセン宮の妖怪は、皇帝の命令で連れられたダミーであったことが周知された。
皇帝が何度も殺されれば後宮の姫も同じ。安全を確保するために囮を使用してレイセン宮の警備レベルを安全なレベルへと上げた。
そう言われて納得しない者はいない。
レイセン宮の妖怪は得体が知れなかった。いつの間にか現れて皇帝の隣に座る。化粧で顔は分からず、後宮にいてもレイセン宮から出てこない。後宮の仕事もしない。
ただ宴だけに出てくる女性だったのだから、周囲からすればむしろ囮と言われて納得する以外のことがない。
実際、それは間違いではなく、当初はそのためにレイセン宮に充てがわれたのだから。
フォーエンの風邪を治した云々の話もその一環だとされたのには笑ってしまったが。
災いかもしれない者を、丁度よく囮に使えるな。くらいで住まわせていたことは一部の者しか知らない。
よくよく考えなくともフォーエンの図太さが窺える。どうなるか分からない者を捨てるのも問題だったとは言え、閉じ込めるついでに皇帝の妃として囮に使うのだから。
「リオン様、こちら贈り物が」
ツワが神妙な顔をして女官を連れてきた。手にあるのは布に包まれた箱で、そっと机の上に置かれる。
「毒の類は確認しております」
いきなり不穏な言葉を口にしてくる。女官はそろりと蓋を上げた。
何が入っているのか、不安なまま見守ると、そこには見た覚えのある髪飾りが入っていた。
「これって…」
「皇太后様より、リオン様にと」
ルファンからの贈り物。見たことのある簪。ルファンが気に入っていると言っていた、あの紺色の月桂樹を模した髪飾りだ。
「それって、名指しだったんですか?…リオン様って」
「…そうでございます」
今、ルファンの側にスミアはいない。彼女は罪を認めて自殺した。どのように死んだかは聞いていないが、遺書のある自死である。
ツワは瞼を下ろす。皇帝の母親からのプレゼントだが、毒の有無をまず確認しなければならないことにぞっとしつつ、しかしなぜここでルファンから贈り物が来るのか考える。
囮の時は来なかったのに。後ろ盾のない存在しているかも怪しい女相手に、何を贈るかなど考えることもないからか。
だからと言って、ウの姫がフォーエンの妃として選ばれたからと、贈り物を贈ると言うのも疑問だ。何せルファンは正気を失っている。
フォーエンも不思議に思い、毒については調べるように言ったのか。
「これ、フォーエンには伝えました?」
「お伝えしてございます。毒などの付着がないことを確認する命令はございましたが、他には何も」
「あー、そう…ですか」
そう呟くように言って、理音は顔を上げた。
「ハク大輔に会えますか?」
「こっち出てこれるのかよ」
「ナラカ、待ってた」
ナラカがいつも現れる場所で座り込んで待っていると、ナラカがひょっこりと現れた。簡単に会えるとは思っていなかったが、余程この辺りをうろついているのだろう。
よいしょ。と立ち上がり、ナラカを見上げる。待っていたと言う言葉に疑問を覚えたのか、眉を大きくへの字にした。
「大変だったんだよ。誘拐されて」
「知っている。王都から兵が出た。知らないのはお前だけだろ」
誘拐された本人が兵士が出たことなどすぐ知れるわけがないだろう。逆に嫌味のように言われて、ぷくりと顔を膨らませる。
「ソウ・レイシュンが皇帝と繋がっていたそうだな」
「そうなの?」
「知らないのかよ」
レイシュンはマウォに協力的ではなかったが、だからと言ってフォーエンのために兵を出したわけではないだろう。ただギョウエンは自分を助ける手伝いをしてくれたが。
そう言えば、お礼を言えていないんだよなあ。と今更に思う。
ギョウエンの行方は知らぬまま。フォーエンは自領に帰ったのだろうと言うだけだ。小河原のこともあるので敢えて深くは問わなかったが、レイシュンとフォーエンの間で何かしらの談合があったのかもしれない。
そのことについてあまり深く考えなかった。自分の中で終わったことだと蓋をしたかったからかもしれない。
小河原のことを考えるには、まだ気持ちの整理がついていないからだ。
「ウの内大臣の養女になったって?」
「そーなんだよね。もう聞きましたか」
ナラカは眉を寄せた。不機嫌そうな顔からどこかただならぬ雰囲気を醸し出す。冗談で笑ってはいられないような気配だが、理音はナラカの顔を見つめた。
「一応聞きたいな。どこから聞いたのか」
「言う必要があるか?」
「どこから知ってたのかなあって。知ってたとして、どこから知り得たのかなあって。だってさ、ナラカ言ってたじゃん。レイセン宮には入られない。って」
レイセン宮の情報は外には漏れない。漏れることがないようにフォーエンが囮を使って試し続けた。
「ウの姫は後宮にいたのに、私が養女になったことはフォーエンの関係者以外知り得ないんだよ。でもナラカには分かったんでしょ。ウの姫がレイセン宮に入ったから」
レイセン宮には囮がいる。囮がいながらウの姫が入った。ナラカは思っただろう。ウの姫の養女の立場が、誰のために用意されたものなのか。
「聞くも何も、気付くに決まってんだろ。お前がいるのに、ウの姫が入るとか。皇帝はお前を気に入っているのに」
「この間さあ、ルファン様から簪もらったのよ」
突如会話を変えると、ナラカの眉間がぐっと近付いた。
理音は気にせず話を続ける。フォーエンの色を合わせたような簪。月桂樹を模した、シックなデザイン。
けれど、ルファンはそれを気に入っており、しかし理音に贈ってきた。
「ウの姫に贈ってくれたのよ。レイセン宮に入ったからかな?ウの内大臣の姫だから、何か贈ろうってなったのかなあって」
「何が言いたいんだよ」
「ルファン様って、心を病まれてるでしょ?フォーエンのことなんて全く口にしなかったのに、フォーエンの妃が決まったからって、簪なんて贈ってくれるんだなあって」
「贈るんじゃねえの。女官共が何か言えば」
「気に入ってるんだって。その簪」
「だから?」
ナラカがイラつきを顔に出し始めた。鼻で笑うような仕草はなく、ただ眉を上げて鼻の上の皺を増やしていく。
これくらい分かりやすく表情に出してくれるとは思わなかったが、間違いないようだ。
「ハク大輔に昔の話を詳しく聞いたんだ。フォーエンが子供の頃、ルファン様がまだ後宮に入る前の話。孤児を集めて、育ててたってこと」
フォーエンの父親はルファンがフォーエンを産んでから、ルファンにもフォーエンにも見向きもしなかった。
ルファンは当てつけのように見知らぬ子供たちを集めた。好きな人がいながら無理に嫁がされ、フォーエンを孕んだルファンは、相手を恨んでいただろう。
その恨みをフォーエンで晴らそうと思ったかは分からないが、フォーエンはルファンにも見放され、ルファンは孤児たちを育てたのだ。
その子供たちはルファンに育てられ、成人すればルファンのために働いた。
「ずっと気になってたんだよね。フォーエンのこと個人的に知ってるみたいな感じが」
だからそうであろうと思っていた。
ナラカはやっと鼻で笑うと。天を仰ぐように視線を泳がした。
ナラカはルファンに育てられたのだ。
彼の後ろに一体誰がいるのか。それなりに力がある者ではなければならない。ナラカは行動しているのは一人のように見えても、多くの情報を得ていた。ナラカ一人で得られる情報量ではないのだ。
そうなればどれだけの人が加担し、背後にいるのか想像できる。
そして、その背後の人間が、どんな人間なのかも、考えなくても察することができるのだ。
「ルファン様に伝えてよ。あの簪、大切にしますって。フォーエンと同じ色の簪。ありがたくいただきますって」
「知らねえよ」
ナラカはそんな捨て台詞を言って、すぐに姿を消す。
それが答えだと思っていいだろう。
ルファンは心の病などになっていない。あれはずっと演技だったのだ。
孤児たちを使い多くの情報を集めていた。スミアが理音をルファンの宮に連れたのは偶然だったかもしれないが、ルファンは理音の名前を聞いて気付いたのだろう。
理音がフォーエンに匿われレイセン宮に住んでいることを。
しかし、その時にはスミアいる。スミアに気付かれる真似をしなかったのは、
「フォーエンの心配はしてたってことで、いいのかな…」
ナラカがフォーエンに対してやけに嫌ったような風を醸し出していたのも、本人に引け目があったからかもしれない。
昔から知っている存在。実の子を子として扱わず、フォーエンはずっと孤独だった。
母親はたくさんの子供たちを育てているのに。
それを、ナラカはどう感じたのか。
全ては想像だが、ナラカは本心からフォーエンを嫌っているわけではないと思う。
フォーエンからしたら、許せる話ではないだろうが。
「さてと、レイセン宮に戻りますか」
これでやっと、多くのことが納得できた気がする。
空を見上げれば晴天。
もう、春が近付いていた。
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