お言葉ですが今さらです

MIRICO

文字の大きさ
63 / 88

33 推測

しおりを挟む
「また、今度は王に何を投げられたのですか」
 執務室に入ってくるなり、宰相がエダンの顔を見て眉尻を下げた。
 エダンの頬に一筋の傷が残っている。皮膚を削るような痕で、赤く膨らんでいた。

「平手打ちだ。指輪で削られた」
「跡が残るのではないのですか」
「大したことじゃない」

 むしろ、人をはたいたことのない王の手のひらの方が痛そうだった。エダンの頬を叩いておきながら、後で指が折れると発狂していたのだから。

「話は聞きました。婚約破棄とは」
「ありがたいことだ。仕事はそのままで、面倒な立場だけが消えたのだから」
 心からそう思う。王配を目指していた昔の自分がどれだけ愚かだったのか、今では笑い話だ。そのせいで大切なものを失うとは考えもせず。

「王女様と直接お話はされたのですか?」
「王に討伐の報告をしただけで激怒され、婚約破棄を言い渡された。どうしてそうなるのか、困惑していると、涙まで流す必死の演技を見せられた」

 その涙は自由自在に流せるのか。エダンは見ていて、袖に何か仕込んでいるのかと思ったほどだ。宰相も呆れ顔をする。王の謁見に使われる部屋の扉を守っている騎士は、エダンの手下だ。王との話は筒抜けで、セシーリアが何を言ったのか逐一報告されている。

「危険な目に遭ったと、王に告げ口でもしたのですか? どうして、また? あれほどベルリオーズ様に付きまと、お側にいらしたではないですか」
 宰相の目からもセシーリアがエダンに付きまとっているように見えたらしい。ならば他の者たちもそう思っているだろう。それが突然手のひらを返すように態度を変えた。不思議に思うのは当然だ。

「あちらの王子に目を付けたのだろう。やけに熱心に声をかけていた。王子に会ってから、私に媚びるのもやめたからな」
 エダンの言葉に、宰相がめまいがすると、額を押さえる。

「何と短絡的な。クライエン王国の王太子殿下の相手になるつもりですか?」
「そういうことだ」
「前代未聞です。あのような者をどうやって他国の王子に、それも王太子殿下に嫁がせられると言うのでしょう」
 呆れるしかない。宰相ははっきりと言って、持っていた書類をエダンに渡した。

「調査の結果です。王女の生まれはまだはっきりしませんが、周囲の者たちについて新しい情報が」
 パルシネン家の領地で会った、精神の病にかかっていた男。その男の身元がわかったのだ。

「マルスラン王太子が罪に問うて、逃げた残党の一人か」
 十年以上前からいる賊の一人で、逃げた後の所在がわからないまま。目撃情報があったのは数年前で、盗品売り場で目撃があったのが最後。

 町で行われる闇オークションのようなものだ。場所を転々とするので、尻尾を掴みにくい。アンリエットも追っていたが、一度現場を押さえただけで、主催者には逃げられてしまった。押収品は主に商人が運んでいた高級品で、魔物から逃げるために置いていった荷馬車に詰められた物が多かった。
 時にかなり高額な品が迷い込む。絵画などの美術品、装飾品。それこそ強力な魔法が付加された宝石などが売買あされる。

 そんな盗品の売買に顔を出すような男が、精神的な病にかかり、当てもなくさまようようになって、セシーリアの顔を見るなり豹変した。

「王女と知り合いだった可能性は?」
「あります。王女の面倒を見ていた老婆ですが、その賊に所属していたようです。昔はスリなどを行っていたそうで、捕えられて罰を受けたこともあると」

 老婆は常にフードを被り、顔を見せないようにしていたため、老婆の顔を知っている者は少なかったが、人相の悪い男と共にいる姿は目撃されていた。
 そして、老婆の家に男たちが集まっていたという話もあったのだ。

「魔法使いたちを救出したところ、その話を得たそうです」
 メッツァラ家領地で音信不通になっていた魔法使いたち。それらはメッツァラ家に捕えられていたのがわかった。その救出が成功したことに、エダンは安堵する。アンリエットは心配していただろう。

「彼らは無事だったのか?」
「いえ、生き残っていたのは一人だけです」
「……そうか」
 メッツァラ家領地にいる魔法使いならば動きやすいだろうと命じたが、人数が少なすぎたのだ。捕えられることを想定して、救助を早めるべきだった。

「遺体は?」
「山中に捨てられたのではないかと」
「探して、きちんと葬ってやってくれ。家族や恋人がいるようならば、十分な見舞金を。生き残った者にも褒美を。生活に不便があるなら保護をするように」
「承知しました」

(アンリエットに顔向けできないな)
 エダンの考えが甘かったせいで、彼らに犠牲が出てしまった。
 アンリエットに報いるためには、彼女が大切にしていたものを守る必要がある。使い捨てのように彼らを使ったことを、エダンは悔いた。
(せめて、遺体だけは取り戻さないと)

「あの、アンリエット様はお元気だったのでしょうか」
 宰相は聞きにくそうに問うてくる。
「元気だった。王太子の信頼を得ているようだな」
「そうでしたか。安心しました。あの方が評価されないわけがないのですから」

 安堵するのはよくわかる。アンリエットはこの国で一番報われない人だった。あれだけの苦労を重ねても、役立たずと罵られる立場だった。そのせいでアンリエットを侮る者もいたくらいだ。
 ヴィクトルの側にいれば、アンリエットは正しく評価されるのだろう。ヴィクトルはそうするはずだ。それが自分でないことに、悔しさを覚える。アンリエットを一番理解しているのは自分だと、自負していただけに。

「アンリエットは魔力を感じる力を当たり前に思っているから、それについては王太子は知らなかったようだ。アンリエットは特異なことを言ったりしないだろうからな。それがもったいない」
「アンリエット様は特異な力が多いですからね。ですが、それが特異であると思っていらっしゃらない」
「この環境のせいだ。当然だろう」

 いつでも王に否定されるのだから、それが特別ではないと思い違いをする。マルスランなら当たり前のことだと何度も言われ続ければ、アンリエットは自分が凡人だと思い込む。それは違うと言っても、王の言葉は幼いアンリエットにとって絶対だった。唯一の身内から言われるのだから、そう信じ込むのも仕方がなかったかもしれない。
(能力については、私の話を一切聞かなかったな。だからこそ、学びを妥協することもなかったのかもしれないが)

 今では正確な評価が受けられる。それを考えれば、アンリエットはクライエン王国にいた方が幸せなのだろう。あちらには家族もいる。
 そこに、エダンはいないけれど。

「そういえば、王女がよく胸元を握るだろう? アンリエットが微かに別の力を感じると言っていた。マーサに調べさせてくれ。何か隠し持っているのかもしれない」
「承知しました。家庭教師がドレスがシワになるから止めろと、何度か注意していましたね。何かを握るような仕草をするため、見目が良くないと」
「首に何かかけている風ではなかったから、ただの癖かと思っていたが」
「守りになるような何かを持っているのかもしれません」
「守り、か」
「それにしても、王女様が賊の仲間だとすると、大きな問題になりますね」
「王女でなければ問題ないのだがな」

 セシーリアがマルスランの娘ではないという証拠はない。賊は全員死んでしまった。その精神を病んだ男以外全員。話ができれば、セシーリアの父親のことも聞けたかもしれないのに。

「マルスラン殿下のブローチですが、今調査させております。魔物を呼び寄せる力が入っているとしたら、今回王女様が襲われたのもそのせいでしょうか?」
「アンリエットが言うのだから、そうなのだろう。魔物を呼び寄せる力があのブローチにあるとすれば、納得のいくこともある。帰り際もやたら魔物に襲われたからな。魔物が増加している中で、魔物を集める宝石を持って通ったせいと言われれば、納得できる数だった」

 セシーリアはブローチの力を知らない。知っていたら持ってこない。マルスランの娘という証拠だとしても、どこかに隠して置いてくるだろう。魔物を見ただけで叫ぶほどなのだから。

「マルスラン殿下が行方不明になった理由が大量の魔物に襲われたからとなると、両国間で大きな問題になります」
「他国から得た宝石のせいだとなればな」
 とにかく製作者をあらうしかない。シーデーン家当主が宝石を作らせたとして、それを何者かが手に入れた。メッツァラ当主が一番怪しいわけだが、その証拠はまだない。

「どうかされましたか?」
「腑に落ちないことが多いな」
「どのような」
「マルスラン王太子殿下を暗殺するつもりで、ブローチに魔物を呼ぶ力を付与した。これはまあいい。シーデーンからメッツァラが手に入れた。これもいい。十年以上前からそこは懇意にしていたとして、」

 思い出すのは、ヴィクトルの話だ。
 シーデーンの屋敷から出る前に、ヴィクトルが妙なことを言っていた。

『王女と、シーデーンは知り合いか?』
 セシーリアとシーデーンが会った時、セシーリアの様子がおかしかった。セシーリアはどうしてシーデーン家当主を知っているのか。ヴィクトルは気になったそうだ。

 シーデーンはメッツァラと繋がっており、賊を知っていたのかもしれない。
(シーデーンとメッツァラ、それから賊。その繋がり?)

「賊だが、国境を通る商人を魔物で襲わせて、荷物を奪うということはあり得るだろうか」
「あり得なくないですね」

 シーデーンからメッツァラに、メッツァラから賊に、魔物を呼び寄せる宝石が渡されていた。それならば、シーデーンが王女を知っていてもおかしくない。だから顔を見られて、気付かれるかと挙動不審になった。
 だが、それはそれでおかしな話だ。シーデーンが賊を知っていると言うには無理がある。なぜ賊の人間を知っているのか。それを問われたら困るのはシーデーンだ。セシーリアを陥れたくなければ、黙っているだろう。代わりに宝石のことを話されたら、シーデーンが窮地に陥れられることになる。

 無論、不安があって静かにしていたというのも理解できるのだが。
(ただそれだけか? 他に理由はないのか?)

 賊の生き残りの男はセシーリアを威嚇していた。メッツァラはセシーリアを王女に仕立てた。セシーリアはシーデーンには顔を合わせられない。

「……裏切ったのか?」
「王女様が、ですか?」
「いや、それではメッツァラが王女に仕立てるわけが、」
「最初にブローチに気付いたのは、パルシネンです」
「後に引けなくなったのか?」

 パルシネンがセシーリアを見つけなければ、ブローチに気付かなければ、メッツァラはセシーリアを追っていたかもしれない。

「マルスラン王太子殿下のブローチを手に入れたのは偶然としよう。王女は賊から抜け出すために魔物を集めて、仲間を殺させた。逃げる途中パルシネンの騎士に助けられて、ブローチに気付かれる。メッツァラは王女を追っていたが、ブローチによってマルスランの娘ではという話が出た。メッツァラは王女を殺すことができず、城につれることにした」
「可能性はありますね」
「だが、まだ想像の域だ」

 それでも、魔物を呼び寄せるものに近しい力。たとえば、魔物を呼び寄せはするが、別の力が働くなにかを持っているとしたら? 辻褄は合う。

「王女が何を持っているのか、調べる必要はありそうですね」
 エダンは頷く。せめて、セシーリアは引きずり下ろしたい。王を倒すのはこれからの課題だ。

 セシーリアが娘でないと証拠付けられたら、王はアンリエットを再び呼ぶだろう。
 しかし、アンリエットは首を縦に振ることはない。その時、王はどうするだろうか。

(アンリエットは巻き込まない。それだけは阻止しなければ)

 だが、王を倒した後。後継者がいない状態で王を倒せば、国が荒れる。それを避けるための方法は、未だエダンには思いつかなかった。
しおりを挟む
感想 40

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

婚約破棄はハニートラップと共に

あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、平民の血を引いた子爵令嬢を連れた王太子が婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を宣言した! さて、この婚約破棄の裏側は……。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』

放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」 王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。 しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!? 「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!) 怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。

婚約破棄されて去ったら、私がいなくても世界は回り始めました

鷹 綾
恋愛
「君との婚約は破棄する。聖女フロンこそが、真に王国を導く存在だ」 王太子アントナン・ドームにそう告げられ、 公爵令嬢エミー・マイセンは、王都を去った。 彼女が担ってきたのは、判断、調整、責任―― 国が回るために必要なすべて。 だが、それは「有能」ではなく、「依存」だった。 隣国へ渡ったエミーは、 一人で背負わない仕組みを選び、 名前が残らない判断の在り方を築いていく。 一方、彼女を失った王都は混乱し、 やがて気づく―― 必要だったのは彼女ではなく、 彼女が手放そうとしていた“仕組み”だったのだと。 偽聖女フロンの化けの皮が剥がれ、 王太子アントナンは、 「決めた後に立ち続ける重さ」と向き合い始める。 だが、もうエミーは戻らない。 これは、 捨てられた令嬢が復讐する物語ではない。 溺愛で救われる物語でもない。 「いなくても回る世界」を完成させた女性と、  彼女を必要としなくなった国の、  静かで誇り高い別れの物語。 英雄が消えても、世界は続いていく―― アルファポリス女子読者向け 〈静かな婚約破棄ざまぁ〉×〈大人の再生譚〉。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

処理中です...