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42−2 入り口
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まさかという気持ちが膨れ上がった。
男性はエダンに触れようとする精霊を制して、触れないようにと注意する。他の精霊たちも興味津々と集まってきていた。
「急ごう。ここは危険だから。ところで、君、どこかで会ったことある? いや、妹に似ているのか」
「……、伯父様?」
「おじ?」
「マルスラン殿下でいらっしゃいますか?」
まさかと思ったが、エダンも同じように思ったのだろう。名前を口にすると、男性は呆気に取られた顔をした。
「ちょっと待って、伯父様? まさか、アンリエットかい? そっちの君は」
「エダン・ベルリオーズと申します」
「ベルリオーズの嫡男かい? やあ、大きくなったなあ。二人とも」
『何だ。こっちはお前の半身ではないのか?』
信じられないとお互い見合っていれば、真横に精霊が顔を出して、アンリエットを指差した。ならば、髪をもらって良いかと言って。
「ダメだよ! 半身だ。同じに見えるだろう? だからダメだ。そっちの家来もダメだよ。私たちはもう行くからね。さあ、行こう。早く出るんだ」
マルスランは空いている方のアンリエットの手を取ると、足早に歩き出した。それにならい、アンリエットとエダンも歩き出す。精霊たちは飛びながら後ろを追ってきていた。マルスランは横目で見ると、走るよ。と呟いて、走り出す。三人で手を繋いで走り出し、また霧の中に入り込んだ。
「手を離してはいけないよ。戻れなくなる!」
「伯父様、これは一体!?」
「今は走って。彼らに大勢ついてこられると、みんな外に出てしまうから」
後ろから精霊たちが追ってくる。今は光の粒になり、光のまま言葉を発した。
『もう少し、ゆっくりしていけばいいじゃないか』
『それはお前の半身ではないのでは? やっぱり足をもらいたい』
「ダメだよ! 半身も家来もあげないよ。いたずらをしないでくれ!」
『つまらんな』
聞いているだけで恐ろしくなってくる。マルスランは何度か言い返して、走り続けた。
「精霊は恐ろしいんだよ。純粋に人間に興味があるのだろうけれど、手をよこせとか簡単に言うんだ。惑わしたりはしないけれど、はっきり断らないと大変なことになる。私には精霊と同じ血が流れているとかで、間違って入り込んでしまったんだよ」
「同じ血、ですか?」
「遠い祖先に、精霊の血が混じったってことだよ。魔力が精霊と似ているらしい。そのせいで精霊の住む世界に入り込んでしまったんだ。エダンはアンリエットと一緒にいたからかな。本当ならば普通の人間は入り込めないようだから」
走り続けて息も切れてきたため、マルスランは走るのをやめた。それでも早歩きをして先へ進む。
「伯父様、どこを進んでいるのかわかるのですか?」
「精霊の気配から離れればいいだけだよ。外はどうなっている? 魔物がいるのだろう?」
「討伐の途中でした。巨大な魔物を相手にしていた中、入り込んでしまったため、今、外がどうなっているのかは」
エダンの言葉に、アンリエットは急に不安になった。シメオンはこの霧の中に入らなかったのだろうか。入らなかったとしても、外の魔物は倒せたのだろうか。そんなに時間は経っていないと思うが、皆が無事なのかはわからない。
「精霊が十年に一度だけ入り口を開けるんだ。人間の世界から離れても、魔物を追いかけて楽しむのが趣味な奴がいるらしくて」
「追いかけて、楽しむ?」
一体どういう意味なのか。エダンも意味がわからないと眉を傾げる。マルスランは本当に追いかけて楽しむんだよ。と苦笑した。
「精霊は人間と善悪の感覚が違ってね。私も最初は何度も恐ろしい目にあったよ。精霊は純粋で残虐なんだ。だから魔物は、精霊が苦手なのだろう」
話していると、再び光が寄ってきた。
『おい、お前もあいつらを追うのか?』
あいつらというのは魔物のことだ。本当に趣味で追うだけなのか。
「追うだけでなく、倒してほしいのだけれど」
『あんな弱い物を倒して何になるんだ? 逃げていくのを追うのが楽しいのに』
言って、光はそのまま通り過ぎてしまう。そちらの方向に出口があるのだろう。
「たまに、ああいう悪戯をする奴らがいるんだ。そのせいで魔物が逃げていく。けれど精霊の入り口が閉まると、またあの山に戻るんだ。あの山は魔物も生きやすいみたいでね。精霊の残った魔力に集まるくせに、精霊の気配が強いと逃げるんだよ」
「魔力に呼び寄せられるのですか?」
「そうだろうね。魔物は強い魔力が好きなんだ。けれど、精霊が多く出てくると、恐れをなして逃げていく。強すぎるのだろうね。まあ、迷惑な話だよ。そのせいで十年に一度討伐しなければならなくなる」
「なぜ、十年に一度なのでしょうか」
エダンが問うた。アンリエットも疑問だった。どうして定期的に入り口を開くのだろう。しかしマルスランは肩をすくめて笑って言った。
「精霊にとっては短い時間で、部屋の空気の入れ替えのようなものなのだろうね。ついでに、朝の運動をしようってところかな」
早朝に鍛錬をするようなものだと言われて、口を開けてしまった。一日の始まり、同じ時間に窓を開けて外に出て、体を動かす。ただそれだけ。精霊にとっては日常の一幕なのだと。
「人間に関わるのをやめたのは本当のようだよ。人間に興味はあるけれど、その昔決別したため、大勢に関わると大変なことになるという話だけは聞いているみたいだ。今の精霊たちも知らないくらい昔らしい。だから、外に出ても、ちょっとその辺にいる魔物を追いかけるだけなんだ。まあ、時折遊びすぎて出入り口を塞がれて、帰ってこない者もいるようだけれどね」
それでは、伝説の人間を助けた精霊は、たまたま外に出て帰ることができなくなり、人間についたのだろうか。
どちらにしても精霊にとって大した時間ではないのだと、マルスランは笑った。
笑って言えるような時を過ごしていないのに。
「まあ、十年は長いね。王はどうしている?」
「王は、まだおります」
エダンの神妙な面持ちに、マルスランは全てを察したように頷いた。
「私がいなくなって何があったか、あとで教えてくれるかい? 魔物は、あれかな」
霧が薄れていく。周りの空気が変わり、霧の中に木々が微かに見えた。音は聞こえないが、あの巨大な魔物が歩いている。
「見覚えのない魔物だね。作り物じゃないかな」
「作り物?」
「人工的な物だよ。あれだけかな。面倒そうなのは」
マルスランは剣に手を伸ばすと、少し離れろと言って足を早めた。周囲の空気が完全に変わった。霧がなくなり、魔物と、戦っている者たちがしっかり目に入った。シメオンもいる。ヴィクトルやセシーリアも離れた場所にいた。
マルスランが剣を振るう。その剣から風が飛び、歩いている魔物を切り裂いた。もう一度振って、鋭い幾つもの氷で魔物を突き刺した。次に振った時は、魔物は大仰な音を立てて横倒れになった。
「あんな、簡単に?」
エダンが呆然と見つめた。アンリエットも同じ気持ちだ。これが噂のマルスランの力。本当に、レベルが違う。誇張された噂だとは思わなかったが、ここまでとは知らなかった。
シメオンたちも何が起きたのかわからないと、ただ倒れた魔物を見つめた。マルスランの姿も見えなかっただろう。何があったのか、ざわめきながら魔物に近付いてくる。
先にマルスランが近付いて、倒れた魔物の目を覗き込む。その目にはもう光はなく、絶命しているのがアンリエットにもわかった。
「ああ、これだね」
言いながら、マルスランは首の後ろをさっと切り取った。出てきたのは宝石だ。黒い色の見たことのない、研磨された宝石。
「この魔物は、どこから出てきたのかな?」
「おそらくですが、メッツァラの領地からだと思われます」
「なるほどねえ。十年前であれだったから、何をしてもおかしくないか。そうだな、さっきのあいつはどこに行っただろうか」
マルスランは周囲を見回して、ああいたいたと、精霊の光を手招きする。二匹の精霊がやってきて、マルスランは黒の宝石を精霊に見せた。一匹の精霊はそのまま飛んでいってしまう。もう一匹はそのままマルスランの周りに浮いていた。もう一匹は人間に興味があるようで、マルスランの周りを光りながら飛んでいる。
「伯父様、何を?」
「同じ宝石があるところに、面白い魔物がいるよって教えてあげたのさ。できればこの宝石を取ってきて欲しいと言ってね。喜んで飛んでいったから、同じ魔物がいたら、まあ、面白いことになるんじゃないかな?」
そんなことを笑顔で言うが、つまり精霊が追いかけたら、どこかにいる魔物が大騒ぎするのではないだろうか。マルスランは、大丈夫だよ。宝石を奪えば動けなくなるだろうから、とあっけらかんと笑った。
少々精霊に感化されているのではなかろうか。
男性はエダンに触れようとする精霊を制して、触れないようにと注意する。他の精霊たちも興味津々と集まってきていた。
「急ごう。ここは危険だから。ところで、君、どこかで会ったことある? いや、妹に似ているのか」
「……、伯父様?」
「おじ?」
「マルスラン殿下でいらっしゃいますか?」
まさかと思ったが、エダンも同じように思ったのだろう。名前を口にすると、男性は呆気に取られた顔をした。
「ちょっと待って、伯父様? まさか、アンリエットかい? そっちの君は」
「エダン・ベルリオーズと申します」
「ベルリオーズの嫡男かい? やあ、大きくなったなあ。二人とも」
『何だ。こっちはお前の半身ではないのか?』
信じられないとお互い見合っていれば、真横に精霊が顔を出して、アンリエットを指差した。ならば、髪をもらって良いかと言って。
「ダメだよ! 半身だ。同じに見えるだろう? だからダメだ。そっちの家来もダメだよ。私たちはもう行くからね。さあ、行こう。早く出るんだ」
マルスランは空いている方のアンリエットの手を取ると、足早に歩き出した。それにならい、アンリエットとエダンも歩き出す。精霊たちは飛びながら後ろを追ってきていた。マルスランは横目で見ると、走るよ。と呟いて、走り出す。三人で手を繋いで走り出し、また霧の中に入り込んだ。
「手を離してはいけないよ。戻れなくなる!」
「伯父様、これは一体!?」
「今は走って。彼らに大勢ついてこられると、みんな外に出てしまうから」
後ろから精霊たちが追ってくる。今は光の粒になり、光のまま言葉を発した。
『もう少し、ゆっくりしていけばいいじゃないか』
『それはお前の半身ではないのでは? やっぱり足をもらいたい』
「ダメだよ! 半身も家来もあげないよ。いたずらをしないでくれ!」
『つまらんな』
聞いているだけで恐ろしくなってくる。マルスランは何度か言い返して、走り続けた。
「精霊は恐ろしいんだよ。純粋に人間に興味があるのだろうけれど、手をよこせとか簡単に言うんだ。惑わしたりはしないけれど、はっきり断らないと大変なことになる。私には精霊と同じ血が流れているとかで、間違って入り込んでしまったんだよ」
「同じ血、ですか?」
「遠い祖先に、精霊の血が混じったってことだよ。魔力が精霊と似ているらしい。そのせいで精霊の住む世界に入り込んでしまったんだ。エダンはアンリエットと一緒にいたからかな。本当ならば普通の人間は入り込めないようだから」
走り続けて息も切れてきたため、マルスランは走るのをやめた。それでも早歩きをして先へ進む。
「伯父様、どこを進んでいるのかわかるのですか?」
「精霊の気配から離れればいいだけだよ。外はどうなっている? 魔物がいるのだろう?」
「討伐の途中でした。巨大な魔物を相手にしていた中、入り込んでしまったため、今、外がどうなっているのかは」
エダンの言葉に、アンリエットは急に不安になった。シメオンはこの霧の中に入らなかったのだろうか。入らなかったとしても、外の魔物は倒せたのだろうか。そんなに時間は経っていないと思うが、皆が無事なのかはわからない。
「精霊が十年に一度だけ入り口を開けるんだ。人間の世界から離れても、魔物を追いかけて楽しむのが趣味な奴がいるらしくて」
「追いかけて、楽しむ?」
一体どういう意味なのか。エダンも意味がわからないと眉を傾げる。マルスランは本当に追いかけて楽しむんだよ。と苦笑した。
「精霊は人間と善悪の感覚が違ってね。私も最初は何度も恐ろしい目にあったよ。精霊は純粋で残虐なんだ。だから魔物は、精霊が苦手なのだろう」
話していると、再び光が寄ってきた。
『おい、お前もあいつらを追うのか?』
あいつらというのは魔物のことだ。本当に趣味で追うだけなのか。
「追うだけでなく、倒してほしいのだけれど」
『あんな弱い物を倒して何になるんだ? 逃げていくのを追うのが楽しいのに』
言って、光はそのまま通り過ぎてしまう。そちらの方向に出口があるのだろう。
「たまに、ああいう悪戯をする奴らがいるんだ。そのせいで魔物が逃げていく。けれど精霊の入り口が閉まると、またあの山に戻るんだ。あの山は魔物も生きやすいみたいでね。精霊の残った魔力に集まるくせに、精霊の気配が強いと逃げるんだよ」
「魔力に呼び寄せられるのですか?」
「そうだろうね。魔物は強い魔力が好きなんだ。けれど、精霊が多く出てくると、恐れをなして逃げていく。強すぎるのだろうね。まあ、迷惑な話だよ。そのせいで十年に一度討伐しなければならなくなる」
「なぜ、十年に一度なのでしょうか」
エダンが問うた。アンリエットも疑問だった。どうして定期的に入り口を開くのだろう。しかしマルスランは肩をすくめて笑って言った。
「精霊にとっては短い時間で、部屋の空気の入れ替えのようなものなのだろうね。ついでに、朝の運動をしようってところかな」
早朝に鍛錬をするようなものだと言われて、口を開けてしまった。一日の始まり、同じ時間に窓を開けて外に出て、体を動かす。ただそれだけ。精霊にとっては日常の一幕なのだと。
「人間に関わるのをやめたのは本当のようだよ。人間に興味はあるけれど、その昔決別したため、大勢に関わると大変なことになるという話だけは聞いているみたいだ。今の精霊たちも知らないくらい昔らしい。だから、外に出ても、ちょっとその辺にいる魔物を追いかけるだけなんだ。まあ、時折遊びすぎて出入り口を塞がれて、帰ってこない者もいるようだけれどね」
それでは、伝説の人間を助けた精霊は、たまたま外に出て帰ることができなくなり、人間についたのだろうか。
どちらにしても精霊にとって大した時間ではないのだと、マルスランは笑った。
笑って言えるような時を過ごしていないのに。
「まあ、十年は長いね。王はどうしている?」
「王は、まだおります」
エダンの神妙な面持ちに、マルスランは全てを察したように頷いた。
「私がいなくなって何があったか、あとで教えてくれるかい? 魔物は、あれかな」
霧が薄れていく。周りの空気が変わり、霧の中に木々が微かに見えた。音は聞こえないが、あの巨大な魔物が歩いている。
「見覚えのない魔物だね。作り物じゃないかな」
「作り物?」
「人工的な物だよ。あれだけかな。面倒そうなのは」
マルスランは剣に手を伸ばすと、少し離れろと言って足を早めた。周囲の空気が完全に変わった。霧がなくなり、魔物と、戦っている者たちがしっかり目に入った。シメオンもいる。ヴィクトルやセシーリアも離れた場所にいた。
マルスランが剣を振るう。その剣から風が飛び、歩いている魔物を切り裂いた。もう一度振って、鋭い幾つもの氷で魔物を突き刺した。次に振った時は、魔物は大仰な音を立てて横倒れになった。
「あんな、簡単に?」
エダンが呆然と見つめた。アンリエットも同じ気持ちだ。これが噂のマルスランの力。本当に、レベルが違う。誇張された噂だとは思わなかったが、ここまでとは知らなかった。
シメオンたちも何が起きたのかわからないと、ただ倒れた魔物を見つめた。マルスランの姿も見えなかっただろう。何があったのか、ざわめきながら魔物に近付いてくる。
先にマルスランが近付いて、倒れた魔物の目を覗き込む。その目にはもう光はなく、絶命しているのがアンリエットにもわかった。
「ああ、これだね」
言いながら、マルスランは首の後ろをさっと切り取った。出てきたのは宝石だ。黒い色の見たことのない、研磨された宝石。
「この魔物は、どこから出てきたのかな?」
「おそらくですが、メッツァラの領地からだと思われます」
「なるほどねえ。十年前であれだったから、何をしてもおかしくないか。そうだな、さっきのあいつはどこに行っただろうか」
マルスランは周囲を見回して、ああいたいたと、精霊の光を手招きする。二匹の精霊がやってきて、マルスランは黒の宝石を精霊に見せた。一匹の精霊はそのまま飛んでいってしまう。もう一匹はそのままマルスランの周りに浮いていた。もう一匹は人間に興味があるようで、マルスランの周りを光りながら飛んでいる。
「伯父様、何を?」
「同じ宝石があるところに、面白い魔物がいるよって教えてあげたのさ。できればこの宝石を取ってきて欲しいと言ってね。喜んで飛んでいったから、同じ魔物がいたら、まあ、面白いことになるんじゃないかな?」
そんなことを笑顔で言うが、つまり精霊が追いかけたら、どこかにいる魔物が大騒ぎするのではないだろうか。マルスランは、大丈夫だよ。宝石を奪えば動けなくなるだろうから、とあっけらかんと笑った。
少々精霊に感化されているのではなかろうか。
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