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8−2 性格
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「うっ。あ、ちらへ行きませんか? 別の道を通りましょう」
「え? はい。どちらへ寄られるのですか?」
「こちらに、ちょっと」
会わせてはいけない女性が廊下を曲がってくるのが見えて、トビアスは回れ右をした。荷物を持たせて申し訳ないが、早歩きをしはじめる。
「あら、トビアスではないですか。こんなところでお会いするなんて、偶然ですわね」
後ろから声が届いて、悲鳴を上げそうになった。あの距離を飛んできたのではないかという速さだ。先ほど角を曲がろうとしていたのに、どうして背後にいるのか。
名前を呼ばれては無視できない。トビアスは振り向いて礼を執る。
まっすぐなプラチナブロンドの髪をした女性が、不気味に微笑んでいた。トビアスにはそう見えた。彼女の本当の性格を知らない者からすれば、笑顔に見えるかもしれないが。
ドロテーア・ベンディクス。ヴィクトルの婚約者候補だ。
近寄らせるなと言われたのに、早速会ってしまった。
「ヴィクトル様は今日もお忙しいのかしら」
(それを聞く前に、令嬢に名乗ったらどうなのか)
口にはせずに、本日は外出しております。と伝える。嘘は言っていない。執務室にいないだけだが。
アンリエットが紹介を待つように佇んだ。相手の顔を知らないため、トビアスが説明をすると理解している。アンリエットは先に名乗る立場ではない。そして、無視される立場でもない。
ドロテーアもここにいる令嬢が誰かくらい、気付いているだろうに。もう戦いを始めるつもりのようだ。
(巻き込まれる令嬢が不憫すぎる)
「デラフォア令嬢。こちらはドロテーア・ベンディクス令嬢です。ヴィクトル様の婚約者候補でいらっしゃいます」
「まあ、噂の」
その言葉に、ドロテーアは不遜に笑った。自分は婚約者候補だと、腹を出して自慢する勢いだ。偉そうにする前に挨拶をしろと言いたい。相変わらず香水が強く、匂いが廊下に充満する。ヴィクトルが彼女を苦手とする一つが、この匂いのきつさだ。人によっては苦手な香りだと気付いてほしい。
「ベンディクス令嬢。こちらはデラフォア家のご令嬢です」
お前の身分の方が下だろうが。その意味で挨拶を促すと、舌打ちしそうな顔を微笑みで隠した。
「ドロテーア・ベンディクスと申します。デラフォア令嬢はヴィクトル様のお仕事を手伝っているとか。そのようなドレスを着ていらっしゃるので、どこの平民かと思いましたわ。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
謝りながら、ドロテーアの後ろでメイドたちが意地悪く笑う。それをたしなめるような真似はしない。指摘されても気付かなかったと言うだけだろう。
ヴィクトルが選ばないのはそういう性格のせいだろうに。ヴィクトルの前ではか弱い女性を装っているが、普段は攻撃的な女性だ。それに、社交界で優位に立つために攻防を行うのはともかく、アンリエットは実力が認められているためヴィクトルの側で働くのだ。アンリエットを攻撃するのはお門違いである。
面倒を増やすのが分かりきっているため、口にはしないが。
トビアスはアンリエットをちらりと横目で見た。アンリエットは色を抑えた、派手さのないドレスを着ている。落ち着いた色合いは、最低限色気を出さないよう工夫しているためだろう。もしかしたらスファルツ王国で王に何か言われたことがあるのかもしれない。トビアスも口にはしないが、高位貴族の令嬢にしては随分地味な格好だと思っていた。
返答しないか。王太子代理を行なっていたとはいえ、長く虐げられるような扱いを受けていたはずだ。こういった攻撃に反撃せず、我慢していた人なのかもしれない。
「あら、ごめんなさい。失礼なことを申しました」
「いいえ、ベンディクス令嬢は素敵なお召し物ですね」
「まあ、嬉しいですわ。ヴィクトル様の婚約者として、それなりの装いはしていませんと、ねえ? そのような格好でヴィクトル様の前に立つなど、私にはできませんわ」
「あら、この格好は丁度良いのですよ? ほら、こうやって書類を持っても、邪魔になりませんから。お仕事をするためですもの。残念ながら、仕事をするのに着飾っても仕方ありませんからね」
(言い返した!)
案外気の強い方なのだろうか。そう思ったが、アンリエットは笑顔で、嫌味のない晴れやかな顔をする。逆にドロテーアが顔をひきつらせた。
「他国の方がヴィクトル様の仕事の手伝いをなされると聞いて、私は心配なのです。その、ほら、ヴィクトル様は重要なお仕事をなさっているのですし、そういったことが外部に漏れるなど、あってはなりませんでしょう?」
案に、スパイとして来たのか? と言うわけだが、アンリエットは目を瞬かせた。
「私はこの国の人間ですよ。それに、ヴィクトル様は慎重な方です。私のような者に大切な情報を渡す方ではございません。ベンディクス令嬢はそうは思われないのですか?」
「そ、そうですわね。あ、私はそろそろ、ここで失礼しますわ」
(勝った!!??)
ドロテーアが反撃されて、尻尾を巻いて逃げていく。素晴らしい反撃だ。いや、本人は、そう思っていなそうだが。
「どちらに行かれるのかしら。ヴィクトル様はそろそろ執務室にお戻りだと思うけれど。お伝えした方が良かったでしょうか?」
「いえ! 仕事中ですから!」
「そうですよね。お仕事忙しいですもの。きっとご理解いただけて、お帰りになったのでしょうね」
そう口にして、微笑むアンリエット。強者だ。
トビアスは思う。これは、中々な逸材なのでは!?
嫌味を嫌味と捉えていない。素直すぎて嫌味が通じない。ある意味、天然。最強のカードだ。
ヴィクトルの元で働くことで、アンリエットへの影響は考えていた。ヴィクトルが思う以上に女性たち、特にあのドロテーアは大きな障害になるだろう。ドロテーアの攻撃によってはアンリエットが仕事を嫌がる可能性もあった。
しかし、
「じゃあ、さくさくと資料を片付けてしまいましょう」
爽やかな笑顔で、アンリエットが歩き出す。
良い人材を連れてきてくれた。トビアスがシメオンに感謝しながら、この女性を追い出したスファルツ王に、よくよく人を見る目がないことを確信した。
「え? はい。どちらへ寄られるのですか?」
「こちらに、ちょっと」
会わせてはいけない女性が廊下を曲がってくるのが見えて、トビアスは回れ右をした。荷物を持たせて申し訳ないが、早歩きをしはじめる。
「あら、トビアスではないですか。こんなところでお会いするなんて、偶然ですわね」
後ろから声が届いて、悲鳴を上げそうになった。あの距離を飛んできたのではないかという速さだ。先ほど角を曲がろうとしていたのに、どうして背後にいるのか。
名前を呼ばれては無視できない。トビアスは振り向いて礼を執る。
まっすぐなプラチナブロンドの髪をした女性が、不気味に微笑んでいた。トビアスにはそう見えた。彼女の本当の性格を知らない者からすれば、笑顔に見えるかもしれないが。
ドロテーア・ベンディクス。ヴィクトルの婚約者候補だ。
近寄らせるなと言われたのに、早速会ってしまった。
「ヴィクトル様は今日もお忙しいのかしら」
(それを聞く前に、令嬢に名乗ったらどうなのか)
口にはせずに、本日は外出しております。と伝える。嘘は言っていない。執務室にいないだけだが。
アンリエットが紹介を待つように佇んだ。相手の顔を知らないため、トビアスが説明をすると理解している。アンリエットは先に名乗る立場ではない。そして、無視される立場でもない。
ドロテーアもここにいる令嬢が誰かくらい、気付いているだろうに。もう戦いを始めるつもりのようだ。
(巻き込まれる令嬢が不憫すぎる)
「デラフォア令嬢。こちらはドロテーア・ベンディクス令嬢です。ヴィクトル様の婚約者候補でいらっしゃいます」
「まあ、噂の」
その言葉に、ドロテーアは不遜に笑った。自分は婚約者候補だと、腹を出して自慢する勢いだ。偉そうにする前に挨拶をしろと言いたい。相変わらず香水が強く、匂いが廊下に充満する。ヴィクトルが彼女を苦手とする一つが、この匂いのきつさだ。人によっては苦手な香りだと気付いてほしい。
「ベンディクス令嬢。こちらはデラフォア家のご令嬢です」
お前の身分の方が下だろうが。その意味で挨拶を促すと、舌打ちしそうな顔を微笑みで隠した。
「ドロテーア・ベンディクスと申します。デラフォア令嬢はヴィクトル様のお仕事を手伝っているとか。そのようなドレスを着ていらっしゃるので、どこの平民かと思いましたわ。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
謝りながら、ドロテーアの後ろでメイドたちが意地悪く笑う。それをたしなめるような真似はしない。指摘されても気付かなかったと言うだけだろう。
ヴィクトルが選ばないのはそういう性格のせいだろうに。ヴィクトルの前ではか弱い女性を装っているが、普段は攻撃的な女性だ。それに、社交界で優位に立つために攻防を行うのはともかく、アンリエットは実力が認められているためヴィクトルの側で働くのだ。アンリエットを攻撃するのはお門違いである。
面倒を増やすのが分かりきっているため、口にはしないが。
トビアスはアンリエットをちらりと横目で見た。アンリエットは色を抑えた、派手さのないドレスを着ている。落ち着いた色合いは、最低限色気を出さないよう工夫しているためだろう。もしかしたらスファルツ王国で王に何か言われたことがあるのかもしれない。トビアスも口にはしないが、高位貴族の令嬢にしては随分地味な格好だと思っていた。
返答しないか。王太子代理を行なっていたとはいえ、長く虐げられるような扱いを受けていたはずだ。こういった攻撃に反撃せず、我慢していた人なのかもしれない。
「あら、ごめんなさい。失礼なことを申しました」
「いいえ、ベンディクス令嬢は素敵なお召し物ですね」
「まあ、嬉しいですわ。ヴィクトル様の婚約者として、それなりの装いはしていませんと、ねえ? そのような格好でヴィクトル様の前に立つなど、私にはできませんわ」
「あら、この格好は丁度良いのですよ? ほら、こうやって書類を持っても、邪魔になりませんから。お仕事をするためですもの。残念ながら、仕事をするのに着飾っても仕方ありませんからね」
(言い返した!)
案外気の強い方なのだろうか。そう思ったが、アンリエットは笑顔で、嫌味のない晴れやかな顔をする。逆にドロテーアが顔をひきつらせた。
「他国の方がヴィクトル様の仕事の手伝いをなされると聞いて、私は心配なのです。その、ほら、ヴィクトル様は重要なお仕事をなさっているのですし、そういったことが外部に漏れるなど、あってはなりませんでしょう?」
案に、スパイとして来たのか? と言うわけだが、アンリエットは目を瞬かせた。
「私はこの国の人間ですよ。それに、ヴィクトル様は慎重な方です。私のような者に大切な情報を渡す方ではございません。ベンディクス令嬢はそうは思われないのですか?」
「そ、そうですわね。あ、私はそろそろ、ここで失礼しますわ」
(勝った!!??)
ドロテーアが反撃されて、尻尾を巻いて逃げていく。素晴らしい反撃だ。いや、本人は、そう思っていなそうだが。
「どちらに行かれるのかしら。ヴィクトル様はそろそろ執務室にお戻りだと思うけれど。お伝えした方が良かったでしょうか?」
「いえ! 仕事中ですから!」
「そうですよね。お仕事忙しいですもの。きっとご理解いただけて、お帰りになったのでしょうね」
そう口にして、微笑むアンリエット。強者だ。
トビアスは思う。これは、中々な逸材なのでは!?
嫌味を嫌味と捉えていない。素直すぎて嫌味が通じない。ある意味、天然。最強のカードだ。
ヴィクトルの元で働くことで、アンリエットへの影響は考えていた。ヴィクトルが思う以上に女性たち、特にあのドロテーアは大きな障害になるだろう。ドロテーアの攻撃によってはアンリエットが仕事を嫌がる可能性もあった。
しかし、
「じゃあ、さくさくと資料を片付けてしまいましょう」
爽やかな笑顔で、アンリエットが歩き出す。
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