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第十八話 虹色
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「あの人達の魂が安らかに眠り、輪廻の輪に乗れますように」
晴明は伏して祈りを捧げた。
「さてさて次の地獄に行きますよ? 次は殺人を犯し更に盗みを犯した罪人が居る黒縄地獄です」
「そっか、わかったよ何処でもいくよ」
「素直になりましたねえ」
黒縄地獄に着くと、辺りは熱気に包まれていた。
「この暑さに負けないでくださいね」
「どうでもいいよ、又殺し合いなんだろ? 」
「先程の亡者達がメインでしたがこちらでは黒縄を持った獄卒達との戦いですよ、九字神刀だけでは厳しいですよお」
ニヤニヤと笑う式鬼に対し晴明は無表情だった。
「さあ獄卒の皆様、お集まりくださーい」
黒縄を持った鬼達が集まってくる。黒縄は煙を上げていた。
「ーー雷華」
晴明は獄卒に近寄る事なく、雷華を唱え獄卒達を蹴散らしていく。
「ーーーー雷砲」
更に晴明は巫力を溜め、雷砲を放つ。雷の極太のビーム状の物があたりの獄卒を焼き払っていく。
「・・・・君達獄卒は亡者とは違う、容赦はしない」
ポツリと呟き辺り一帯に雷砲を放ち更地にする。
「やれば出来るじゃないですか、さあ亡者達が救いを求め集まってきましたよ」
亡者達を見ると晴明の顔が歪む。
「・・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい」
謝りながら晴明は九字神刀を振るう。亡者達を斬り涙を流す、そんな晴明に亡者達は解放されたいが為か晴明に群がる
「来世では罪を犯す事無く過ごしてください・・・・」
「巫力が上がり続けている? まさか亡者の巫力を吸っている? 有り得ないか」
式鬼はこの時、亡者を斬り殺させなければと遠くない未来で後悔する事になる。
「さあ晴明さんいつまでも泣いてないで、次行きますよ。衆合地獄此処寄り更に罪が重い罪人が居る場所です」
♢
熱気はなく剣の葉を持つ木が沢山生え、罪人達が串刺しになっている。
「いつ見ても嫌な光景ですねえ」
晴明は式鬼の話に返事をせず無言で歩く
「さあ、来ましたよ獄卒が魅了されたら最後針山行きです」
見目麗しい獄卒達が晴明目掛けて歩いてくる。獄卒達の後ろには明らかに正気ではない亡者達がついて来ている。
晴明は無言で九字神刀を構え、獄卒達を斬り裂いていく。
「あらら魅了が通じないみたいですねえ、壊れてしまったからですかねえ」
亡者達は獄卒が殺されても正気に戻らず彷徨っている。晴明は亡者達を斬り裂いていく。
「ここにはいたくない。早く次に行こう」
「あははさあ次の地獄は叫喚地獄です。次の場所は黒縄地獄の様に暑いですよお」
♢
晴明が叫喚地獄に着いて直ぐに目にした光景は、頭が金色、目から火を噴き、赤い服を着た巨大な獄卒が罪人を追い回して弓矢で射っている光景だった。
「ーー雷砲」
晴明は雷砲を唱え巨大な獄卒に当てるが、効いている様子は無い。
「ーーーーーニヤ」
晴明を見つけ笑い、咆哮を行うと獄卒達が晴明に狙いを定める。
「日天ー火天ー水天ー風天ー土天ー月天」
巫力が様々な色を帯び晴明の手に集まっていく。
「虹天、侵食」
虹色の光が放たれ、獄卒達を侵食し絶命させていく
「何て力だ、真言を束ねてぶっ放す何て見た事ない」
悠でもこんなめちゃくちゃなやり方はしていない、真言同士を合わせるなど、下手したら真言同士が反発して消し飛びかねない荒技だ。練り込まれた巫力はもはや神が使う術と同等レベルだった。
「さあ次に行こう、式鬼呆けてる場合じゃないよ」
晴明の左手は虹に侵食されていた。
♢
大叫喚地獄に着くと先程寄り、更に酷い光景が広がっていた。獄卒から逃げ惑う人達がいた。ぼろぼろになり腕や足が無い人達もいた。
「ここは大叫喚地獄です、あの技使えばどんな獄卒でも説明いらずに消し飛ばせますけどね」
「そんな簡単なものじゃ無いよ」
晴明は左手を見せる
「うわっその手動くんですか? 」
「気にしなくて良いよ」
「日天ー火天ー水天ー風天ー土天ー月天」
「虹色 侵食」
式鬼の返事を待たず、術を撃ち出す。辺りが静かになると、晴明の左手の侵食は左上腕部まで広がり動かす事が出来なくなっていた。
「左手一本丸々失って平気なんですか? 」
「平気だよ。こんな光景を延々見せられる苦痛よりはね」
「(あちゃー閻魔様聞こえます? 見てるんでしょ? この調子で行ったらそちらに着く頃にはぼろぼろになっちゃいますよ? 良いんですか? えっ良い? 好きにやらせろ? はあ、知りませんからね)」
「式鬼、どうした? 次に行かないのか? まだ5個目だぞ」
「次は焦熱地獄ですからねえ。亡者は獄卒に赤く熱した鉄板の上で、鉄串に刺されて、ある者は目や鼻や口や手足などに分解されて炎で焼かれるんですよ。この焦熱地獄の炎は今までの地獄の炎も水みたいに思えますよ。焦熱地獄の火を地上に持って行けば地上は一瞬で焼け野原に変わりますよ。もしかしたら此処で焼け死ぬかもしれませんね、私も晴明さんも」
晴明は伏して祈りを捧げた。
「さてさて次の地獄に行きますよ? 次は殺人を犯し更に盗みを犯した罪人が居る黒縄地獄です」
「そっか、わかったよ何処でもいくよ」
「素直になりましたねえ」
黒縄地獄に着くと、辺りは熱気に包まれていた。
「この暑さに負けないでくださいね」
「どうでもいいよ、又殺し合いなんだろ? 」
「先程の亡者達がメインでしたがこちらでは黒縄を持った獄卒達との戦いですよ、九字神刀だけでは厳しいですよお」
ニヤニヤと笑う式鬼に対し晴明は無表情だった。
「さあ獄卒の皆様、お集まりくださーい」
黒縄を持った鬼達が集まってくる。黒縄は煙を上げていた。
「ーー雷華」
晴明は獄卒に近寄る事なく、雷華を唱え獄卒達を蹴散らしていく。
「ーーーー雷砲」
更に晴明は巫力を溜め、雷砲を放つ。雷の極太のビーム状の物があたりの獄卒を焼き払っていく。
「・・・・君達獄卒は亡者とは違う、容赦はしない」
ポツリと呟き辺り一帯に雷砲を放ち更地にする。
「やれば出来るじゃないですか、さあ亡者達が救いを求め集まってきましたよ」
亡者達を見ると晴明の顔が歪む。
「・・・・ごめんなさい・・・・ごめんなさい」
謝りながら晴明は九字神刀を振るう。亡者達を斬り涙を流す、そんな晴明に亡者達は解放されたいが為か晴明に群がる
「来世では罪を犯す事無く過ごしてください・・・・」
「巫力が上がり続けている? まさか亡者の巫力を吸っている? 有り得ないか」
式鬼はこの時、亡者を斬り殺させなければと遠くない未来で後悔する事になる。
「さあ晴明さんいつまでも泣いてないで、次行きますよ。衆合地獄此処寄り更に罪が重い罪人が居る場所です」
♢
熱気はなく剣の葉を持つ木が沢山生え、罪人達が串刺しになっている。
「いつ見ても嫌な光景ですねえ」
晴明は式鬼の話に返事をせず無言で歩く
「さあ、来ましたよ獄卒が魅了されたら最後針山行きです」
見目麗しい獄卒達が晴明目掛けて歩いてくる。獄卒達の後ろには明らかに正気ではない亡者達がついて来ている。
晴明は無言で九字神刀を構え、獄卒達を斬り裂いていく。
「あらら魅了が通じないみたいですねえ、壊れてしまったからですかねえ」
亡者達は獄卒が殺されても正気に戻らず彷徨っている。晴明は亡者達を斬り裂いていく。
「ここにはいたくない。早く次に行こう」
「あははさあ次の地獄は叫喚地獄です。次の場所は黒縄地獄の様に暑いですよお」
♢
晴明が叫喚地獄に着いて直ぐに目にした光景は、頭が金色、目から火を噴き、赤い服を着た巨大な獄卒が罪人を追い回して弓矢で射っている光景だった。
「ーー雷砲」
晴明は雷砲を唱え巨大な獄卒に当てるが、効いている様子は無い。
「ーーーーーニヤ」
晴明を見つけ笑い、咆哮を行うと獄卒達が晴明に狙いを定める。
「日天ー火天ー水天ー風天ー土天ー月天」
巫力が様々な色を帯び晴明の手に集まっていく。
「虹天、侵食」
虹色の光が放たれ、獄卒達を侵食し絶命させていく
「何て力だ、真言を束ねてぶっ放す何て見た事ない」
悠でもこんなめちゃくちゃなやり方はしていない、真言同士を合わせるなど、下手したら真言同士が反発して消し飛びかねない荒技だ。練り込まれた巫力はもはや神が使う術と同等レベルだった。
「さあ次に行こう、式鬼呆けてる場合じゃないよ」
晴明の左手は虹に侵食されていた。
♢
大叫喚地獄に着くと先程寄り、更に酷い光景が広がっていた。獄卒から逃げ惑う人達がいた。ぼろぼろになり腕や足が無い人達もいた。
「ここは大叫喚地獄です、あの技使えばどんな獄卒でも説明いらずに消し飛ばせますけどね」
「そんな簡単なものじゃ無いよ」
晴明は左手を見せる
「うわっその手動くんですか? 」
「気にしなくて良いよ」
「日天ー火天ー水天ー風天ー土天ー月天」
「虹色 侵食」
式鬼の返事を待たず、術を撃ち出す。辺りが静かになると、晴明の左手の侵食は左上腕部まで広がり動かす事が出来なくなっていた。
「左手一本丸々失って平気なんですか? 」
「平気だよ。こんな光景を延々見せられる苦痛よりはね」
「(あちゃー閻魔様聞こえます? 見てるんでしょ? この調子で行ったらそちらに着く頃にはぼろぼろになっちゃいますよ? 良いんですか? えっ良い? 好きにやらせろ? はあ、知りませんからね)」
「式鬼、どうした? 次に行かないのか? まだ5個目だぞ」
「次は焦熱地獄ですからねえ。亡者は獄卒に赤く熱した鉄板の上で、鉄串に刺されて、ある者は目や鼻や口や手足などに分解されて炎で焼かれるんですよ。この焦熱地獄の炎は今までの地獄の炎も水みたいに思えますよ。焦熱地獄の火を地上に持って行けば地上は一瞬で焼け野原に変わりますよ。もしかしたら此処で焼け死ぬかもしれませんね、私も晴明さんも」
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