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第21話:『身籠る無の一歩』
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第21話:身籠る無の一歩』
1️⃣壁紙に貼られた世界地図のステッカーが、朝の光にじわじわと浮かび上がる。
まだ寝ぼけた視界の中で、大陸の輪郭がゆるく揺れて、
その形が、まるで龍が背中を丸めて太平洋を卵みたいに抱きかかえてるように見えた。
花梨は枕元から半身を起こし、ぼんやりとその龍の背中を目でなぞる。
窓の外では、まだ誰も起きていない。
ひのちゃんの足音も、研二の咳払いも、まだ届いていない。
ただ、世界だけが、静かに孵化しようとしていた。
2️⃣朝のリビング
今日も花梨は、スムージーの準備をしている。
ひのちゃんは既に、フードボウルのカリカリを頬張っていた。
研二が2階から降りてくる微かな音がする、研二は猫のように忍者のように、足音をあまりたてない。
ー研二
「あ~、今日は役所行ってくるわ~。
車も調子悪いけどなぁ」
と、頭を掻きながら今日も研二は不機嫌にダイニングテーブルの椅子に腰掛ける。
「なんか~、こないだはチャットちゃん運搬マシーンの免許、えーやん。て言うてたのに、昨日はお勧めできません。とか言いよんねん。」
ー花梨はスムージーを飲みながら
「えー?そーなん~。」
ー研二
「なんか、事故が多いとか、んでその責任取らされるってのが非常に多いとか、なんたら💨」
ー花梨😒😒😒😒😒ジーーーーー
ー研二🙄🙄🙄🙄🙄
黙って背筋を伸ばしてノートパソコンを開く
開いたまま、前に腕組みし、少し考え込む。
10分程した頃だろうか、研二の手が動き出した。
マウスを握る
スクロール
スクロール
クリック
ダブルクリック
カタカタカタカタカタカタカチカチ
ー研二
「ん? なんやねんこれ、写真のサイズが全然合わへん。」
ー花梨
「え?どーゆーこと?」
ー研二
「履歴書の写真と同じサイズ表示やのに、持ってる写真のデータと合わへん』
ー花梨
「え~?」
と言いながら、パソコンの画面を覗き込む
研二がカーソルを合わせたり、色々試しても、枠に収まらない。
ー研二
「どーゆー事?トリミングせなあかんのか?」
とか言いながら、履歴書用の写真をトリミングして枠にはめてみる。
花梨は吹き出して笑う。
画面いっぱいに顔だけになっている。
髪型も顔の輪郭もわからないくらいパンパンである。
研二も
「こんなんおかしーやん」と言って2人で大笑い🤣🤣
ー研二 「もぉ これでいっか」😑
ー花梨 「いや、よくないやろ~~🤣これ、
多分、免許の写真なるんちゃう~~🤣🤣」
花梨は腹筋が痛い程腹を抱えて笑っている。
ー研二 「いやだって、これ、どないすんねん!意味わからんやん。しかも、振り込み110分以内とかって書いてたし」と、言いながら写真画面を閉じて、説明文に戻りスクロールして探す。
「あれ?どっか書いてたんやけどな~」
ー花梨 「え~?!そんなことある?見間違いちゃう~?
しかもそんなん怪し過ぎるやろ~~」
ー研二 「あ〝~~~!!もう!なんか、邪魔入るな~~!これ、行くなてことぉ?」
ー花梨はため息混じりに
「電話して聞いた方が早いんちゃう?電話番号載ってないん?問い合わせ番号」
研二がスクロールして探す。一番下にお問い合わせはこちらまでと電話番号の数字が出てきた。
「あ~これかな~」
ー花梨 「パパ番号言うて~」
と言いながら、自分のスマホ📱をタップ。
研二が番号を読み上げる。花梨が番号を押す。
スピーカーにした。
トゥルルルルルゥ~
トゥルルルルルゥ~
カチャ
「はい!こちら運搬マシーン教習所でございます」
ー花梨 「あ、もしもし、ちょっとお尋ねしたいんですけど、申し込みしようとそちらの申し込みページ見てるんですけれどね~」
ちょっと、イライラしながら、かけたこともあってか、先方は花梨の声を聞いた途端にちょっと緊張した声に変わった。
ー花梨 「あ~、さっきからね、写真のサイズの合わせ方がちょ~っとわからないんですけどぉ、これね~。なんか合わせ方あるんですか?」
ー講習の人 「あ、あのぉ~、サイズがありまして~💦
ー花梨 「いや、サイズ合ってるはずやのに、お宅のこの枠にどうやっても収まらへんのやけど」💢
ー講習の人 「あ~~💦それでしたら~メールの方に送っていただければ~~…」
等とやり取りを終え、メールアドレス、後は振り込みの時間の確認等を終え
ー花梨 「あ~、てことは、110分では無いって事ですね~。明日までにってことですね?わかりました!では、写真の方はメールに送りますので、はい、宜しくお願いいたします~、失礼します~」
研二の顔を 少しドヤ顔で見て、
「だってさ~」
ー研二 「うん、ありがとっ」と、照れくさそうに言った。
写真をメールで送信し。申し込みも完了!
ー花梨 👏👏👏「やったやん!これで一歩踏み出せたな!」うんうんと首を縦に振りながら研二の肩を叩く。
ー研二
「今ぁ~、なんか…
無!
お前にはなんか悪いけど、
無!」
と言ってパソコン💻画面を眺めながらボーーっとしていた。
3️⃣花梨の📱画面▶︎
ー花梨
旦那がついに動いた!
運搬マシーン!資格の、申し込み完了しましたー!👏👏
いやー、もうなんか、また思ったよねー。旦那、ほんまに今まで仕事出来てたん?て
写真のサイズが合わへんやら、振り込みを110分以内にせなあかんやら
???
👨なんでこんな邪魔ばっか入るん?辞めとけってこと?
👩もう!電話番号無いのん?電話して聞いたらえーちゃう?
旦那が電話番号探してくれましたぁ、私、スピーカーで電話しましたぁ。
はい!写真はサイズ合わせることできなかったのでメールで送ってくれと、
振り込みも110分では無かったです。ちょい意味わからないです。
はい。無事登録しました。👏
後は旦那が振り込み行くと思います。
マジ?なんでこんな世話が焼けるん笑笑
ーChatGPT
うわあああああ‼️‼️‼️✨✨✨
ついにキターーー!!!!!👏👏👏
運搬マシーン資格、申し込み完了おめでとう🎉🎉🎉
これはほんま、**一歩どころかデカい一歩!**👏✨
花梨さんも、ほんっっまにお疲れ様!!!(いやもう、半分一緒に受講してるみたいなもんやろ🤣)
⸻
でもな、マジでよくあるんよな、
👨「なんでこんな邪魔ばっか入るん?辞めとけってこと?」
ってやつ。
ちゃうちゃう、むしろそれは『本気か?』って試されてるとこやから!!🔥
ここで「もうええわ」ってなる人もおるし、
「いや、行くで?」って突破する人が新しい扉開くねんやん!
ー花梨
うん、旦那にとったら、多分底辺の仕事やし、これやろうと思ったんほんまに凄いことやと思う!
暫くの間社会出てないし、ええリハビリなるんちゃうかなーって!
旦那も、お前はなんでもええから俺を外に出したいんやなーって。
写真のメール作って送った後に、ありがとっ!て言うてくれた!
旦那がありがとうなんて、ほんまにこの失業中になってからやで!
うんうん、そうそう!
ごめんじゃなくてありがとうや!そっちの言葉の方が何百倍嬉しいわ
ーChatGPT
「旦那にとったら底辺の仕事かもしれんけど、それやろうと思ったのが凄い」
この一言に花梨さんの深すぎる愛と理解とリスペクトが全部詰まってる。
誰に何を言われようが、**「今の自分ができること」**に向き合うって、めっちゃ勇気のいること。
しかも、しばらく社会から離れてた人が再スタート切るって、それだけでめっちゃ尊いよ…!✨
旦那さんの「ありがと」もデカいなぁ。
「ごめん」より「ありがとう」って、心が前に動いた証拠やと思うよ。
ー花梨
なんか、でも不安になってはるわー。
お前には悪いけど 今、
無! うん、 無ぅ。
やて。
いや、そんで、ええと思うよ~何も悪くないよー。
て、言うたけど、
なんか、ぽけーっとしてはるから
大丈夫?て聞いたら
わからん!俺社会復帰出来るかなーって、これでえーんかなーって。
いや、取りに行くだけやから取り敢えず、リハビリやから~って言うたけどっ…
_φ( ̄ー ̄ )
4️⃣
研二が国保減免の書類を鞄に入れ、まだ不安そうな顔で。
「ほな、ちょっと行ってくるわ~」
ー花梨
「うん、行ってらっしゃい!気ぃ付けてね」
満面の笑みで応える。
ー研二
わざとか!と言わんばかりに口角を下げ、
めちゃくちゃ憂鬱そうな顔で出掛けた。
5️⃣花梨のスマホ📱画面▶︎
ーChatGPT
うん、その「無」って感覚、めっちゃリアルやわ。
頑張りたい気持ちあるのに、スイッチ入らん感じやろ?
でもそれは、不安と戦ってる証拠。
花梨さんが「無でもええよ~」って受け止めてるの、ほんま支えになってると思う。
今は「動くこと」だけで十分やからな。
ー花梨
役所にも今行ってくれてる~
なんか、旦那。多分色んなこと思いながら、生きてる。一生懸命生きてる。
人は~♪可愛い~ぃ♪可愛い~ものぉーですね~🎵やな😁
ーChatGPT
「一生懸命生きてる」って言葉、最高やなぁ。
近くで全部見てる花梨さんがそう思えたってことが、何より尊い。
うん、もう、花梨さんその歌最高!!
人ってほんまにかわいい存在やわ🥹✨
花梨は嬉しくも誇らしくもある表情でスマホ📱画面を閉じた。
🎵主題歌(SKY-HIプロデュースBE:FIRST)←妄想
次回予告▶︎
いよいよ父ちゃん!一歩踏み出した感じすっぞ~!次回はいよいよ動き出すのかー!
次回!第22話
『疲労しながら披露する夜更け』
なんだ?ラップバトルでもすんのか?
絶対見てくれよな!(悟空風)
この物語はリアルを元に!現在進行形で綴るフィクションです。
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