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2・友情と恋情
しおりを挟む朝から重い雲に覆われ、小雨を降らしていた空も、昼には眩しい太陽が顔を現していた。
梅雨明けも近いと言っていた、朝の天気予報が頭を過る。
適の気持ちは朝から鬱々としていた。天気のせいだと思い、ギラギラと照りつけるような陽の下に出てみたが、晴れる事は無い。
むしろ、より影を増したように感じる。
朝から講義のある日なので、大学には来たものの、授業内容など一つも覚えていない。
まるで頭の中に霧でもかかっているようだ。
草薙が好きだ。この想いに歯止めが効かない。
吐き出せない想いが日に日に募っていき、いつか本人にぶつけてしまうのではないか、と怖くてしかたない。
同じ男、しかも既婚者を好きになるなんて、信じたくない。けれど、適の頭の中は草薙の事でいっぱいだった。
それほど『草薙慎一』という男の存在は、適の中で大きなものになっていた。
整った顔立ち。鳶色の瞳、髪。柔らかな笑み。
そしてあの、魅惑的と言ってもいいほどの低い声で、適の名を呼ぶ。まるで、ロマンス映画の主人公のような、男。
ため息しか出てこない。
「…言っちゃえば楽になる…のかな」
―――あなたが、好きです。
考えずとも先は見えている。言ったところで拒絶され、もう二度と草薙に会う事は叶わなくなる。
ならばせめて、この想いを隠しながら今の関係を保つ方がいい。ただいつまでも隠していられる自信も無い。
今にも爆発しそうなこの想いを、持て余しているのだから。
(…あの人がもう少し…普通の人ならよかったのに…)
そうすればこんな想いを抱く事も、あの薬指に輝く存在に嫉妬する事も無かったのに。
泣きたくなってくる。
しょうがない事だ、と頭では分かっているのに、気持ちが追い付かない。
嫌だ、諦めたくないと駄々をこねる。
再びため息をついた。
とにかく今はまだ、ただの店員という仮面を被っている事はできる。そうすれば、あの男に会う事はできる。限界が訪れるその日まで精一杯、演じ続ければいい。
その日がいつになってもいいようにあの男に花を選ぼう、悔いが残る事のないように。
照りつける太陽を見つめ、何度も自分自身に言い聞かせる。
いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。この想いに終わりを迎えても挫けない為に、今できる事をやろう。
雲一つない青空を仰ぎ、気持ちを入れ替える。
午後の授業までまだ時間がある。何か食べて、提出期限の近いレポートでも仕上げよう。
その時、バックの中のスマホが鳴った。
『よう、オレ!若村、今どこ?』
取ったとたんに、相手は言った。友人の川田だ。
川田は、間がいいのか悪いのか、不思議と適が何かしようと思った瞬間に電話をかけてくる。
「どこって…大学だけど?」
『それはわかってるっつーの、午後の授業一緒なんだから!その前にメシ食おうと思ってよ、一人で食うのも味気ないからさっ、な!』
快活な川田の笑い声にもつられて適も笑いをもらし、構内を学食へと向かって行く。
村田は大学に入ってからできた友人だ。学部は違うが、同じ授業をいくつか取っていることから話すようになり、出身地が近い事もあってすぐに打ち解ける事ができた。
高校時代はサッカー部の主将まで務めたというだけあって、自然と人の中心にいる。適と違って、誰とでもすぐ友達になれるタイプだ。
食堂はピークの時間を過ぎているからか、人も疎らで川田の姿はすぐに見つけられた。
「若村~、こっちこっち!」
向かいの席に座った適に、友人は昼食のトレーを陽気にかざしてみせる。
出来立てのカツカレーが湯気を立てていた。普段ならスパイスの香りに食欲が刺激されるが、何となく胃が重たい。
「何食う?オレ先に決めちゃったぜっ」
同じ授業で顔を合わせるといっても週に一、二度だ。だが、それ以外でも昼休みや空き時間にこうやって一緒に食事やお茶をする。住んでいる場所も近いから、互いの家を行き来する事も少なくない。
面倒見のいい川田は、あれこれと世話を焼いてくれたりする。友人の少ない適にとっては、とてもありがたい存在だった。
川田は、メニューを決めた適のトレーを覗き、呆れ顔で口を開いた。
「わ~か~む~ら。かけそばって…それしか食わないのか?ぶっ倒れるぞ」
「ん~食欲無いんだよ…夏バテ?」
「夏バテって…これから夏本番だろ、早すぎ…バイトだってしてんだし、メシはしっかり食え!ったく、オレは心配だよ」
まるで保護者のような口振りの川田に、つい言い返してしまう。
「うるさいな、ったく…」
「うるさい、じゃないだろ。食わなすぎなの!お前は!…ただでさえ細いのにさ」
「わかってるよ!本当…うるさいな。お母さんかよ」
そう言いながらも、適は本心では嬉しいのだ。
上京して思った。生まれ育った土地から出て、知り合いなど誰一人いない環境で、心底自分を心配してくれる人間はいない。元々、人見知りで友人を作るのが不得手な適には余計だ。
そういう意味でも川田は、適にとってかけがえのない友人だった。
自分の皿のものをあらかた胃に収めた川田が、思いだしたように言った。
「…そういえばさ…バイト先にすげぇ人が来たって言ってたじゃん、その後どうよ?」
ギクッと震えた肩を見咎められなかったか、と心配しながら言い繕った。
「……あ、うん。…まぁ、たまに来るよ」
「ふ~ん。すげぇイケメンで金持ちそうな男なんだろ?やっぱり女に買うのかね~」
最後の一口を口に放り込みながら、川田は興味半分といった感じだ。その様子に、適は安堵した。
草薙が最初に来た翌日、興奮気味に川田に話した事は記憶に新しい。
(女は女でも…奥さんだけどな…)
しかもその男に惚れている、など言えるはず無い。そんな事をこの友人に相談しようものなら、それこそ心配してバイト先にまで押しかけて来そうだ。それならまだいい、川田は正義感の強い男だから、適が妻帯者を好きになったといったらどんな事をしてでも諦めさせるだろう。草薙に直接意見する、という事もしかねない。
それに、自分が抱いているジレンマを知られたくなかった。
適にとって川田は、本当に大切な友達なのだ。
適は、非常に容姿に恵まれていた。
整った面差しに痩身白皙、癖のない黒髪。
子供の頃は人見知りとは程遠い、人懐っこく、よく笑い、話す子だった。しかし、中・高校生になると中性的な雰囲気がより強くなり、男性に声を掛けられる事が多くなった。
適が愛想よく振る舞えば、振る舞う程、そのテの男性達に執拗に迫られた。それは学校の先生や先輩、同級生でも同じだった。
実際に何かされた事は無いが、されそうになった事は数えきれない程ある。
そうして、いつの間にか人見知りが強くなり、人と関わるのに必要最低限の会話しかしないようになった。
上京してから男性に誘われる事は格段に増えたが、皆その容姿に反する無愛想な対応に、勝手に失望して興味を無くす。誰しも必ず容姿を褒めそやしたが、適にとっては不愉快でしかなかった。
だからこそ、川田のように『男同士の友人』として付き合ってくれる人間ができて、本当に嬉しい。
容姿に対する褒め言葉も、男達の色欲に塗れた視線も、適にはすべてが疎ましくてしかたないのだ。
だが…川田との関係も近頃、危うく感じる事がある。
「なぁ。若村…その金持ちイケメンに電話番号とかメアド教えてねぇだろーな?」
たぶん言っている本人も気付いてはいないのだろう。無意識に怒気の孕んだ、低い声色になっている。嫉妬の色を丸出しにして、川田は適ににじり寄ってくる。適が男性の話題を出すと、必ずこうなる。
適はいつものように無視し、蕎麦を手繰った。
「まさか…お客さんだぞ?そんな事あるかよ」
川田はあからさまにホッとする。
「いや…ほら…バイト先のお客がストーカーになるとか…よくある話じゃん?何かあったら大変だからさっ」
「何かって何だよ…っていうか、お前もバイト始めたんだろ?いないの、バイト先で可愛い子とか」
お互いに『相手の女関係』ばかりを探っている。
ただ、意味は正反対だ。
川田は適が独りなのを確認して、安心する為。適の方は、川田の気持ちが自分以外に向いてくれないか、と期待を抱いて。けれど、川田の答えはいつも同じだった。
「可愛い子なんていねぇよ。若村以上に美人でないと、目はむかねぇなっ」
適は笑い返すが、自分でも分かるほど不自然なものだ。
その言葉が冗談だった頃に戻りたい。いつ、その中に真実が含まれてしまったのだろう。
適は気付きたくなかった、気付かない振りをしていたかった。
ため息まじりで目を伏せると、川田は覗き込むように訊いてきた。
「…どうした?具合悪いのか?」
「いや、大丈夫だよ…」
できる事なら、何もかも忘れてしまいたい。草薙への想いも、この友人の気持ちに気付いてしまった事も。
「なぁ…今日、ウチ来ないか?…明日は土曜だし、泊まっていってもいいし…」
「……え?」
不意に真剣な眼差をした川田に不安が過る。それが顔に出ていたのかもしれない。
川田は慌てたように取り繕う。
「い、いや…ほら、映画、面白いの借りてきたんだけど、一緒に見ねぇ?で眠くなったら寝てもいいしさ……男同士、何か起きるわけでもねぇしな!」
豪快に笑う川田に合わせて、適も笑う。
(…前に泊まって寝てる時、キスしてきたくせに…)
川田とは互いの家に泊まる事もあった。無防備に眠っていたから、そんなチャンスいくらでもあったはずだ。
それでも、本当の事など知りたくもない。
「…ごめん、川田。明日は朝からバイトだし…提出期限近いレポートもあるんだ」
素直な川田は、渋々だが頷いてくれた。
「…あぁ、そっか…そうだよな」
内心ホッとする。少なくとも、まだ『友達』のままでいられる。
「……俺、ちょっと図書館寄ってから次の授業行くわ」
「お、おう…遅刻すんなよ!」
頷くだけで返事をすると、適は足早に外に出る。眩しい太陽に一瞬怯むも、足を止める事はしなかった。
こっちの『限界』も、近いのかもしれない。
翌日は、朝から快晴だった。
結局、昨日は午後の授業には出なかった。心配した川田から何度も電話があったが、それも無視してしまった。
川田の顔がまともに見られないのと、あのまま誘いにのって家に行ってしまうのでは、と思ったのだ。
部屋に行って、川田に抱きついたら…どうするのだろう、と時々思う。間違い無く、喜ぶだろう。
唇を求め、身体を求めたら?…川田の箍は、一瞬で外れるだろう。
適はそんな自分の考えが哀れで情けなかった。
草薙への積もり積もった想いがいくら苦しいからと、気心の知れた川田を利用するなんて…最低だ。
適は深いため息をついた。
罪悪感と後ろめたさで一杯だった。
心の中に積もったものは拭えないまま、眠れぬ夜を過ごした。朝になり、バイトへ行く時間ギリギリまでぼんやりとしてしまい、慌てて家を出てきた。
気持ちと、体と、思考がバラバラになってしまったようで、ひどく落ち着かない。このままでは、仕事でも失敗する。だからといって、休む事はできない。
その思いで何とか店に到着したが、いつもと違う様子に思わず首を傾げてしまった。
店のシャッターが下りたままだ。
開店時間までまだあるが、いつもは上がっている。早朝市場で花を仕入れてきた店長が作業を始めているからだ。
(…今日…休みだっけ?…そんなはずない)
訝しみながら裏に回ってみると、裏口から慌てて飛び出してきた店長とぶつかりそうになり、体勢を崩して尻もちをついてしまった。
「ああぁっ!若村くん、ごめんよ!……さっきから君に電話してたんだ、ケータイの電源切ってるでしょう?」
そう言われて、昨日から電源を切ったままだという事を思い出した。
「…あ…すいません…」
「でもよかった、会えて…うちの奥さんが産気づいて、今から行かなきゃいけないんだ!だから今日は臨時休業ね、明日もたぶん…あ、お給料は心配しなくても出すからね!」
店長は今にも踊りだしそうな勢いだ。さぞかし嬉しいのだろう。適を引き起こしながらも、しきりに時間を気にしていた。
「早く行ってあげてください。何かやっておく事があれば、やりますよ?」
「ありがとう。本当、突然で申し訳ない。今後の予定は電話するから!あと、コレ…店先に貼っておいて!」
そう言うや否や、店長は車に飛び乗り行ってしまった。
渡された臨時休業の張り紙を店先に貼りだし、一応戸締りの確認だけしておく。
「……休みか…」
仕事をしていれば気が紛れるし、その間は余計な事を考えずにいられると思っていたのに。突然の休みは嬉しさよりも、戸惑いの方が大きかった。
(…でもおめでたい事だし…赤ちゃん、楽しみだな…)
店長の様子から、家族が増えるという事はそれだけ嬉しい事なのだと、伝わってきた。
草薙も、いつかはあんな顔をするのだろうか。
生涯を共に過ごす人は既にいるのだ、それも時間の問題かもしれない。
顔も知らない彼の奥さんに対し、湧きあがる嫉妬。
自分は、その喜びを与えてはやれないのだ。永久に。
嫉妬をする事すらおこがましいというのに…自分の浅はかさに嫌気がする。
適は深いため息をつきながら、来た道を引き返す。そのまま家に帰る気にもなれなくて、駅前を当てもなくぶらついてみた。
いつもは駅と店の往復だけで、どこかに立ち寄ったりする事もないから、たまには寄り道してみるのもいいかと思いついた。といっても時間はまだ朝の八時になったばかり、開いている店といえばコンビニくらいしかない。
しかもこの辺りはベッドタウンだ。駅前に商店が軒を連ねているが、十分も歩けば閑静な住宅地になる。休日の朝は、人通りも無くひっそりと静まり返っていた。
(一駅しか違わないのに、随分様子が違うんだ…)
隣駅で暮らして二年になるが、駅前には二十四時間営業のファーストフード店や、早朝から営業しているコーヒーショップ、大きな商店街もあるから日中夜、土日問わず人が多く賑やかだ。
上京したての頃は騒がしいと思ったが、慣れてしまえば静まり返った街の方が落ち着かない。まるで世界に一人取り残されてしまったかのような恐怖を感じる。
ふと、住宅地の方から人影が現れ、内心ホッとした。
ジョギングだろうか。歩くより少し早いスピードで、軽やかなリズムを刻み近づいてくる。
あ…!と驚きの声を上げたのは、互いに同時だった。
ジョギングをしていたのはよく見知った相手だった。
まさかこんな時間に、こんな所で会うとは思ってもみなかった。
「……適、さん?」
「草薙……」
相手もまさか、こんな所で会うとは思ってもいなかっただろう。
草薙は軽く息を切らしていたが、すぐにいつもの柔らかい微笑みを浮かべた。
黒いスポーツウエア姿は、いつもの高級スーツでビシッと決めた姿からは想像もできないものだった。
(…ジャージ姿でもカッコいいとか…反則だろ!)
少しだけ乱れた髪をかき上げ、汗を拭う左手薬指には、今日もさり気なく輝き主張する存在が収まっている。
どんな時にも付けているのかと思うと、胸が妬ける。
「おはようございます。…今さっき、あなたの店の前を通ったんですが…お休みなんですか?」
「…あ、っと…店長の奥さんの出産が始まって…今日、明日は…」
「それはおめでたい。けれど…残念ですね……」
何が?と聞きかけて止めた、簡単なことだから。草薙は奥さんに花を買うつもりだったのだ。
そういえば、店長は市場に行ったのだろうか。もし行っていなかったとしても、店にいくつかの花は残っているずだ。
許可なく花をいじっても、売り上げに繋がるのだし問題はないだろう。
「……店にある花でよければ…見立てるけど?」
「ありがとうございます。花もいいのですが…あなたに、適さんに会えない事の方が残念だって思っていたんです…」
男の言っている意味が、理解できなかった。
「え…?あ、…」
「けれど、こうして会えたのだから幸運といえますね…あなたの顔が見られてよかった」
いつもの店で、カウンターを挟んだ距離よりもっと近い距離で、相手は言葉を失ったように適を見つめていた。
血管の中の血が、勢いを速めてしまっている。顔が熱い、きっと赤くなっているに違いない。
草薙はどういう意味で言ったのか。いったい、何を考えているのか。
いつもと変わらぬ優しい鳶色の瞳は、切なげに見えたが、草薙の心情を読み取ることまではきなかった。その前に適が、視線に耐えられず俯いてしまったのだ。
男の心地よい声が、適の名を呼ぶ。
「ねぇ、適さん…」
俯きながら、適は心臓に手を当てた。
早鐘のようだった。
(馬鹿だ。俺は…)
この人に見つめられただけで、声を聞くだけで…その存在を視界に収めただけで、こんなになってしまう。
顔なじみの店員。ただの顔見知りとしか思っていないはずだ。
もしこの邪な感情を知られたら…この人はもう、話しかけてくれる事も、目を見てくれる事も無くなるだろう。
(知られたくない…この気持ちを。なのに…)
今にも口から飛び出しそうになる。
―――あなたが、好きです…。
「…適さん」
再び、呼ばれる。
もっと呼んで欲しい思いと、もうこれ以上は呼ばないで欲しいという思いが、適の胸中で交差し、複雑に絡み合う。
「あなたに、お願いがあるんです…聞いてくれますか?」
自分で自分が分からない。何が何だか分からないまま、草薙の言葉に頷いていた。
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