7 / 8
第1章
迫り来る異形
しおりを挟む
まだ納得はしきれていないが、異形が近づいているという藤田の発言に生徒達は2人の指示に従い、まずは第一避難場所の職員室まで向かおうという事で意見が固まり移動を開始しようとしていた…
「仙道、窓際どう?」
「……今んとこ、いない」
「藤田君と仙道君って仲良さそうというか、喋ってたなって印象だったんだけど、もしかして?」
「うん、同じウィザーブとして学校に通ってるけど全然馴染もうとしないから俺が話しかけてたんだよ」
あははと笑いつつも前をしっかりと向き、時々横を確認したり廊下の角では自ら進んで確認したりとその姿はいつもの藤田とは違いとても頼もしく
「う、後ろは大丈夫なのか?」
「以外と心配性なんだね?来道君は、ガタイいいのに」
「う、うっせーよ!」
「大声禁止ー。後ろは仙道がいるから大丈夫。あいつもSランクの仲でもトップクラスだ。それに今は君達の護衛、みんなを危険にするような勝手な行動はしないでしょ。」
ウィザーブについて、一通りの説明は受けていた。彼ら2人はSランクという、ウィザーブの中でも1番の実力を持っているという
「それで、君達以外のウィザーブって何人いるんだい?」
「さぁ?具体的な人数ははっきり言って知らされてないけど少なくとも5人以上いるよ。教師にもいたしね」
磯貝はこの状況、地獄のような状況にすでに適応しているのか、それとも学級委員長だから皆を不安にさせないように強がっているのかは分からないが、冷静に前を向いており
「その、ウィザーブってのは俺達もなれるのか…?」
「あぁ、無事に生き残れて、希望するのならなれるさ。昔と違って失敗する事もないし。磯貝君ならB以上は確定みたいなもんですぐ適応出来そうだし」
「そうなのか?」
「そうそう…っ、仙道!」
「………」
藤田は急に後ろを振り向いて仙道と叫ぶよりも早く、仙道は後ろから迫ってきていた異形、丸い形なためDランクだろうか。が3体せまってきており
「ひっ!ま、前からも!」
「ゴホーー!!!」
前からはCランクが2体猛スピードで迫り挟み討ちにされ
「仙道!そっちは分かってるな!?」
「…当然…!」
すると2人は確実自身の腰に下げた刀、童子切安綱、一期一振を引き抜くと一瞬で距離を詰め、仙道は豪快に、腰を沈めた太刀で三体を一気に切り裂き、藤田は踊るように宙返りをしながら2体の上を抜けるように背後に着地すると横薙ぎの要領で切り裂き真っ二つにして。
「………無事か」
「ふぅ、以外と早い追っ手だな」
各自こう述べると再び生存した生徒を前と後ろで守るようにつき
「あ、ありがとう。仙道君…」
「………」
「………?」
「……どう、いたしまして…」
「う、うん…」
「ちゃんとお礼の言葉返してやれよ仙道ー」
といった寸劇をしつつも着実に職員室に向かっていった。
そして職員室前の角の廊下まで来ると先頭に立っていた藤田は急に立ち止まり静止させると
「待った。誰かいる。人か?」
「え、人?仲間なのか?」
「…人?人がいるの!?やった!私達以外にも生きてる人が!」
「うん!行こう奈々ちゃん!」
後ろで怯えるように手を握り合っていた女子生徒2人が前にいる藤田と磯貝の会話を聞いていたのか、2人を押しのけるように職員室前の角を曲がっていき
「なっ…!?ダメだ二人共!俺より前に出たら!」
「戻ってくれ佐藤さん!太田さん!」
2人が懸命に手を出し前の2人の肩を掴もうとしたが、それも虚しく掴む事は出来ず2人は職員室前にいる人の気配の元へ走っていきそして
血しぶきが、職員室前の廊下から吹き出た。それは何故なのか?考える必要もない、前に出てしまった佐藤と太田の血液だろう
「クソッ、やられた!」
「あ、あぁ…そんな…佐藤さん、太田さん」
「嘆くのは後だよ磯貝!早くみんなを後ろに下げさせてくれ、仙道!」
「だ、駄目藤田君!う、後ろにも!」
声を上げたのは仙道の事が個人的に好きなんだなと思っている桜木結菜の声だった。そして自身も後ろを確認すると、仙道と2人だけなら他愛もないが、この生存者数名の護衛という意味では絶句して
「マジか…以外と多いらしいな。」
「く、クソッタレ!囲まれてんじゃねぇかよ!」
「せ、戦場において囲まれるというのは正に絶体絶命という状態なわけで…」
「ど、どうする?藤田…」
「いやー、1人死んじゃうかもしれないけどまぁ…う~ん」
判断に迷っている間にも後ろの異形達は迫ってきており、職員室前の異形も姿を現してきて
「ウッフッフ~、人間共がいっぱ~い」
言語を喋る異形。だがCランクよりも人間に近い姿という特徴でBクラス異形だろう。
「Bクラスも来たか…」
「………あんた、もっと近寄れ」
「え、あ、うん」
仙道は自身の背後に結菜を更に近づけさせておき、刀を引き抜くと
「………仙道、やるぞ」
「そりゃやるけど、犠牲者出るぜ?これ」
「………構わないだろ…それで死んだらそれまでだ」
藤田も刀を引き抜き臨戦態勢を取る
「ウフ、抵抗する気?ふふふっ、面白いわー…え?」
Bランク異形の胸から、槍が貫通していた。そしてその槍は異形の頭まで切り裂きながら上がっていき、そして切り上げられた。
「コフー、コフー?」
恐らくBランク異形に統率されていたのだろう。Cランク異形は行進を止め、Bランク異形はすでに絶命していたのか何も喋らずに前のめりに倒れ
「みんな無事!?良かったぁ。仙道君!今回の任務は殲滅じゃなくて救助よ!見捨てたりしない!」
そう発言したのは、Bランク異形を背後から槍で突き刺し、殺した人物だった。同時にその人物は、生徒全員がしっている人物だった…
「仙道、窓際どう?」
「……今んとこ、いない」
「藤田君と仙道君って仲良さそうというか、喋ってたなって印象だったんだけど、もしかして?」
「うん、同じウィザーブとして学校に通ってるけど全然馴染もうとしないから俺が話しかけてたんだよ」
あははと笑いつつも前をしっかりと向き、時々横を確認したり廊下の角では自ら進んで確認したりとその姿はいつもの藤田とは違いとても頼もしく
「う、後ろは大丈夫なのか?」
「以外と心配性なんだね?来道君は、ガタイいいのに」
「う、うっせーよ!」
「大声禁止ー。後ろは仙道がいるから大丈夫。あいつもSランクの仲でもトップクラスだ。それに今は君達の護衛、みんなを危険にするような勝手な行動はしないでしょ。」
ウィザーブについて、一通りの説明は受けていた。彼ら2人はSランクという、ウィザーブの中でも1番の実力を持っているという
「それで、君達以外のウィザーブって何人いるんだい?」
「さぁ?具体的な人数ははっきり言って知らされてないけど少なくとも5人以上いるよ。教師にもいたしね」
磯貝はこの状況、地獄のような状況にすでに適応しているのか、それとも学級委員長だから皆を不安にさせないように強がっているのかは分からないが、冷静に前を向いており
「その、ウィザーブってのは俺達もなれるのか…?」
「あぁ、無事に生き残れて、希望するのならなれるさ。昔と違って失敗する事もないし。磯貝君ならB以上は確定みたいなもんですぐ適応出来そうだし」
「そうなのか?」
「そうそう…っ、仙道!」
「………」
藤田は急に後ろを振り向いて仙道と叫ぶよりも早く、仙道は後ろから迫ってきていた異形、丸い形なためDランクだろうか。が3体せまってきており
「ひっ!ま、前からも!」
「ゴホーー!!!」
前からはCランクが2体猛スピードで迫り挟み討ちにされ
「仙道!そっちは分かってるな!?」
「…当然…!」
すると2人は確実自身の腰に下げた刀、童子切安綱、一期一振を引き抜くと一瞬で距離を詰め、仙道は豪快に、腰を沈めた太刀で三体を一気に切り裂き、藤田は踊るように宙返りをしながら2体の上を抜けるように背後に着地すると横薙ぎの要領で切り裂き真っ二つにして。
「………無事か」
「ふぅ、以外と早い追っ手だな」
各自こう述べると再び生存した生徒を前と後ろで守るようにつき
「あ、ありがとう。仙道君…」
「………」
「………?」
「……どう、いたしまして…」
「う、うん…」
「ちゃんとお礼の言葉返してやれよ仙道ー」
といった寸劇をしつつも着実に職員室に向かっていった。
そして職員室前の角の廊下まで来ると先頭に立っていた藤田は急に立ち止まり静止させると
「待った。誰かいる。人か?」
「え、人?仲間なのか?」
「…人?人がいるの!?やった!私達以外にも生きてる人が!」
「うん!行こう奈々ちゃん!」
後ろで怯えるように手を握り合っていた女子生徒2人が前にいる藤田と磯貝の会話を聞いていたのか、2人を押しのけるように職員室前の角を曲がっていき
「なっ…!?ダメだ二人共!俺より前に出たら!」
「戻ってくれ佐藤さん!太田さん!」
2人が懸命に手を出し前の2人の肩を掴もうとしたが、それも虚しく掴む事は出来ず2人は職員室前にいる人の気配の元へ走っていきそして
血しぶきが、職員室前の廊下から吹き出た。それは何故なのか?考える必要もない、前に出てしまった佐藤と太田の血液だろう
「クソッ、やられた!」
「あ、あぁ…そんな…佐藤さん、太田さん」
「嘆くのは後だよ磯貝!早くみんなを後ろに下げさせてくれ、仙道!」
「だ、駄目藤田君!う、後ろにも!」
声を上げたのは仙道の事が個人的に好きなんだなと思っている桜木結菜の声だった。そして自身も後ろを確認すると、仙道と2人だけなら他愛もないが、この生存者数名の護衛という意味では絶句して
「マジか…以外と多いらしいな。」
「く、クソッタレ!囲まれてんじゃねぇかよ!」
「せ、戦場において囲まれるというのは正に絶体絶命という状態なわけで…」
「ど、どうする?藤田…」
「いやー、1人死んじゃうかもしれないけどまぁ…う~ん」
判断に迷っている間にも後ろの異形達は迫ってきており、職員室前の異形も姿を現してきて
「ウッフッフ~、人間共がいっぱ~い」
言語を喋る異形。だがCランクよりも人間に近い姿という特徴でBクラス異形だろう。
「Bクラスも来たか…」
「………あんた、もっと近寄れ」
「え、あ、うん」
仙道は自身の背後に結菜を更に近づけさせておき、刀を引き抜くと
「………仙道、やるぞ」
「そりゃやるけど、犠牲者出るぜ?これ」
「………構わないだろ…それで死んだらそれまでだ」
藤田も刀を引き抜き臨戦態勢を取る
「ウフ、抵抗する気?ふふふっ、面白いわー…え?」
Bランク異形の胸から、槍が貫通していた。そしてその槍は異形の頭まで切り裂きながら上がっていき、そして切り上げられた。
「コフー、コフー?」
恐らくBランク異形に統率されていたのだろう。Cランク異形は行進を止め、Bランク異形はすでに絶命していたのか何も喋らずに前のめりに倒れ
「みんな無事!?良かったぁ。仙道君!今回の任務は殲滅じゃなくて救助よ!見捨てたりしない!」
そう発言したのは、Bランク異形を背後から槍で突き刺し、殺した人物だった。同時にその人物は、生徒全員がしっている人物だった…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる