余命1年の君に恋をした

パチ朗斗

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5話 転校生

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「ふぁぁあ………」

  寝足りねぇ……昨日夜遅くまでゲームしていたのが響いてやがる。

「おはようさん、蓮」

「……海斗か」

  机で寝ようとしたところで、前から声がする。俺の机の前に居るこの男は山邊やまべ 海斗かいと。あだ名は苗字の山と名前の海をとって山海ほこたて

「…………」

  にしても笑顔がちょいと気色悪いな。何か良い事でもあったんだろうが……聞きたくねぇ。

「………何か良い事でもあったのか?」

「いやぁ……ね。聞きたい?」

  なぁ、一発殴っても良いか?聞いたのは確かに俺だ。でもさ、その焦らすの要らなくないか?あと純粋に笑顔が気色悪い。

「実はさぁ……聞きたいか?」

「はぁ……はいはい、聞きたいなぁ」

  朝からこのテンションは厳しいって。こっちは徹夜して眠いんだよ。

「そうかそうか。聞きたいかぁ……しゃーないから教えてやるよ」

  焦れってぇな!そこまで間を置く必要あるか?ねぇよな!

  言っちゃ悪いが、大したものでも無いんだろうし、寝させて欲しい。あと、単純に笑顔がウザイ。

「実はよ、昨日さ……すげぇ美少女を見掛けたんだよ。それも見たことない子だ」

「ッ………」

  昨日………もしかして瑠魅の事か?いや、でも昨日のアレ……なんだかモヤが掛かったように鮮明に思い出せない。夢でも見ていたような感じ。

  こういうのってずっとモヤモヤするから嫌いなんだよな。

「どんな子だったんだ?」

「おっ?あの蓮でも気になる?」

「それで?早く」

  別に俺だって興味ぐらいはあるし……。ただ、話す機会がなくてそう言うのに興味無いと思われてるだけだし。

  別に一部の女子としか喋った事がないからって悲しいとか思ってねぇし。

「確か茶髪で……青色の目……肌は白くて、日本人って感じの顔立ちじゃなかったな」

「………そうか」


「茶髪に青色の目ってすげぇ違和感だよな。でもよ、なんか、こう……良いよな」

  海斗は昨日出会ったその子を頭の中で想像して鼻の下を伸ばしている。

「もしかしたら、転校生として来るんじゃないか?噂で今日転校生が来るって聞いたんだよ」

「転校生?」

  初耳だな。てか、そんな噂が流れてたのか。海斗は意外と友好関係が広いしどこで耳にしてもおかしくは無いか。

「まぁ、あくまでも噂だし期待しない方が良いぞ。俺らにアニメみたいなご都合展開はまず無いからな」

「…………そうだな。そうだよな」

  ごめん、海斗。たぶん俺、その子知ってるわ。それもなかなかのご都合主義な展開で。

「そろそろ時間か。じゃあ今日一日頑張ろうぜ」

「あぁ、そうだな」

  海斗はそう言って机から離れていく。俺はすぐさま机に顔を伏せて目を瞑る。

  今少しでも寝ないと一時間目から確実に寝る羽目になる。

「皆さん、おはようございます」

  海斗が離れた直後に鐘がなり、それと同時に普段通りに先生が教室に入る。意識が少しずつ薄れてきた。睡魔が徐々に俺の意識を蝕んでくる。

「大変急な話なんですが……今日、転校生が来ています」

「………わぁお」

  俺の意識はその一言で覚醒したのだった。
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