余命1年の君に恋をした

パチ朗斗

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17話 衝撃

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  瑠魅の家はどちらかと言うと和室が多い感じだな。普段とは全然違う部屋の雰囲気で落ち着かない。

  神太さんにリビングに案内されて、あまり時間は経っていないが、なんだかソワソワして落ち着かない。 

「待たせてしまったかな?」

  引き戸から神太さんと瑠魅が姿を出した。

  なんだか今度は緊張してきて、お腹が痛くなってきたぞ……。大丈夫かな、俺。

  神太さんと瑠魅はテーブルを挟んで俺と向き合う形で座った。

「まずは、瑠魅が急に君の家に訪問してしまってすまなかったね」

「あ、いえいえ……」

 俺はその一言でここに来た理由を思い出し、恐ろしい虚無感に襲われた。

「まぁ、結論から言うとね……来年の四月十日に死ぬよ」

「っ……!!」

  実感なんて湧かなかった。でも、その言葉を聞いて体は反射的に震えた。

「まぁこれから詳しい話をしようじゃないかな」

「…………」

  俺はそこでふと瑠魅がずっと俯いている事に気がついた。きっと、これは事実なんだろうと、納得いった。

  なぜか俺は急に冷静さを取り戻すことが出来た。腑に落ちたというか、受け入れられた、というのは違うけど、それに似た何かを感じた。

「瑠魅。ちょっとだけ席を外してくれないかな?」

「………はい」

  終始暗いまま瑠魅は部屋を出ていった。本当は瑠魅とも話したかった。だが、きっとちゃんとした会話は出来ないだろう。あのような精神状態では。

「まず君には知ってもらわないといけないことがあるんだ」

「俺に?」

「あぁ。この事実を聞いて受け入れてくれると、助かるし、話もスムージに進められるからね」

  一体、どんな事だと言うのだろうか?

  前置きもある事だし、そんなに軽いものでは無いのだろうけど……。

「そうだ。最後に一つだけ良いかな?」

「はい……?なんです?」

「絶対に信じること。僕がどんなことを言おうと信じるんだ」

「はぁ……分かりました」

  なんでこんなにも念押しをするんだ?そんなに信じることが大切なのか?

  ………いや、信じ難い事を言うとしてるのか?

  まぁ、どちらにしろだ。神太さんが言うことを信じた方が話がスムーズに進むということだし、無理矢理にでも自分を納得させなくては。

  俺は胡座をかくのを止めて、正座をした。マジメな雰囲気に合わせて座り方を変えていた。

  正座は足が痺れるのであまり好きじゃないけど、何となく正座の方が良い気がして、気がついたら正座に座り直していて、俺も驚いた。

  俺が正座になって少しの間、俺と神太さんの間に沈黙が流れた。

  俺はどんなことを聞かされるのか緊張してきて、少しずつ心拍数が上がっていく。

「実はね。僕は人間じゃなくて……神様なんだ」

「……………へっ?」
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