55 / 91
53話 最悪な再開
しおりを挟む
「待っていたよ、蓮翔」
「俺も話があるんでな」
福田に言われた空き教室のドアを開けると、そこには既に福田の姿があった。
窓の外を眺めているその姿はイケメンだから許されるのだろうな。俺がやればただのイタいやつがせいぜいだろう。
「話は聞いてるよね、海斗から?」
「………わざと海斗に伝えたのか。俺を警戒させるために」
それっぽいことを言ったが、つまりどういう事なんだ?俺に対して福田自身が敵意を持ってる事を俺に伝える利点……意識させること?それとも宣戦布告か……。
「そう身構えないでよ。ここには蓮翔と僕以外誰も居ないから」
リンチにするつもりは無いと。あくまで漢気アリの喧嘩って訳か?そういうのは苦手なんだよな。
だが、こっちも聞きたいことがあるんだ。ずっと話させとくのは俺にとってはマズイ。
「なぁ、俺からも質問、良いか?」
「ん?あぁ、その答えは限りなくノーに近いよ」
「どういうことだ?」
まだ質問すらしてないんだが?まさか……俺の心を読んだのか?
「どうせ、姫乃の事を好きなのか、とかそういうのでしょ?」
「………そうだ。よくわかったな」
なるほど、なら宣戦布告ではないか。そうなると、俺をイジメようとする理由は?まさか、ただの口実とか言わないよな?
「君がある程度僕を意識して警戒してくれればなんでも良かったんだよ。まぁ、言っちゃえば君の意識を僕に向けるための口実だね」
「………ありゃ」
やべ、変な声出た。まさか俺の予想が当たるとはな。やはり、あの頭痛以来俺の脳は冴えているのかもしれない。あれが俗に言う電気ショック治療……?か。
「どうやら僕には特殊な力があるようでね。信じないかもしれないが………僕は神の声を聞くことが出来る」
「………………そっか」
これは面倒なことになった。どうやら福田はアッチ系の人らしい。この世に完璧な人間は居ないと言われるが、さすがにこれはな……。まぁ、俺も患ったことあるしな。
俺は無意識のうちに暖かい目なるものを福田に向けていた。きっと昔はこの視線を俺も浴びていたのだろう……こんな気持ちなんだな、見てる側って。
「つまり、神のお告げ的な何かで俺に接触したと?」
「そうだね。と言っても聞こえるようになったのはココ最近の話だけどね」
なるほど……設定の凝ってるタイプか。俺の場合はその場の雰囲気とかに便乗してる、その場限りのキャラだったな………。
「実はある神が君に真実を伝えると言っていてね。僕がその補助に選ばれたのさ!」
「なるほど……で、どんな神?」
「どんな神、か……。そうだね……君が最も嫌いな神様、とだけ言っておくよ」
「残念だが、俺に神の知り合いは居ない」
だんだん話がズレていってる。俺の聞きたいことは聞けたしこのまま有耶無耶ってのも別にいいか。
さすがにこのノリにずっとは俺の精神が羞恥的なもんで持たん。なんで見てる方が恥ずかしいんだろうな?
「本当にそうかな?まぁ、会えばわかるよ」
「………っ!!」
その瞬間、俺の全身に強烈な寒気を感じた。今までの人生で初めて感じる感覚のはずなのに……一度、どこかで……。そんな感覚さえある。
『やぁ……』
「…お前……」
この声を聞いた瞬間、心の底からどす黒いものが溢れるのが分かった。自分でも抑えるのがやっとな程の、凄まじい憎悪。初めてのはずなのに……話したこともない、会ったこともないはずなのに………俺はコイツを神と理解し、その上でコイツをこの上なく嫌悪した。
不敵な笑み……と言うにはあまりにも醜い。笑み自体は爽やかなのに、なぜか気味が悪く、醜悪に見えたその笑み。
少しずつ俺の頭を痛みが襲ってきている。コイツのせいだろう。
『まさかこんな穢れた地に再び姿を現すことになるとはね』
「俺も話があるんでな」
福田に言われた空き教室のドアを開けると、そこには既に福田の姿があった。
窓の外を眺めているその姿はイケメンだから許されるのだろうな。俺がやればただのイタいやつがせいぜいだろう。
「話は聞いてるよね、海斗から?」
「………わざと海斗に伝えたのか。俺を警戒させるために」
それっぽいことを言ったが、つまりどういう事なんだ?俺に対して福田自身が敵意を持ってる事を俺に伝える利点……意識させること?それとも宣戦布告か……。
「そう身構えないでよ。ここには蓮翔と僕以外誰も居ないから」
リンチにするつもりは無いと。あくまで漢気アリの喧嘩って訳か?そういうのは苦手なんだよな。
だが、こっちも聞きたいことがあるんだ。ずっと話させとくのは俺にとってはマズイ。
「なぁ、俺からも質問、良いか?」
「ん?あぁ、その答えは限りなくノーに近いよ」
「どういうことだ?」
まだ質問すらしてないんだが?まさか……俺の心を読んだのか?
「どうせ、姫乃の事を好きなのか、とかそういうのでしょ?」
「………そうだ。よくわかったな」
なるほど、なら宣戦布告ではないか。そうなると、俺をイジメようとする理由は?まさか、ただの口実とか言わないよな?
「君がある程度僕を意識して警戒してくれればなんでも良かったんだよ。まぁ、言っちゃえば君の意識を僕に向けるための口実だね」
「………ありゃ」
やべ、変な声出た。まさか俺の予想が当たるとはな。やはり、あの頭痛以来俺の脳は冴えているのかもしれない。あれが俗に言う電気ショック治療……?か。
「どうやら僕には特殊な力があるようでね。信じないかもしれないが………僕は神の声を聞くことが出来る」
「………………そっか」
これは面倒なことになった。どうやら福田はアッチ系の人らしい。この世に完璧な人間は居ないと言われるが、さすがにこれはな……。まぁ、俺も患ったことあるしな。
俺は無意識のうちに暖かい目なるものを福田に向けていた。きっと昔はこの視線を俺も浴びていたのだろう……こんな気持ちなんだな、見てる側って。
「つまり、神のお告げ的な何かで俺に接触したと?」
「そうだね。と言っても聞こえるようになったのはココ最近の話だけどね」
なるほど……設定の凝ってるタイプか。俺の場合はその場の雰囲気とかに便乗してる、その場限りのキャラだったな………。
「実はある神が君に真実を伝えると言っていてね。僕がその補助に選ばれたのさ!」
「なるほど……で、どんな神?」
「どんな神、か……。そうだね……君が最も嫌いな神様、とだけ言っておくよ」
「残念だが、俺に神の知り合いは居ない」
だんだん話がズレていってる。俺の聞きたいことは聞けたしこのまま有耶無耶ってのも別にいいか。
さすがにこのノリにずっとは俺の精神が羞恥的なもんで持たん。なんで見てる方が恥ずかしいんだろうな?
「本当にそうかな?まぁ、会えばわかるよ」
「………っ!!」
その瞬間、俺の全身に強烈な寒気を感じた。今までの人生で初めて感じる感覚のはずなのに……一度、どこかで……。そんな感覚さえある。
『やぁ……』
「…お前……」
この声を聞いた瞬間、心の底からどす黒いものが溢れるのが分かった。自分でも抑えるのがやっとな程の、凄まじい憎悪。初めてのはずなのに……話したこともない、会ったこともないはずなのに………俺はコイツを神と理解し、その上でコイツをこの上なく嫌悪した。
不敵な笑み……と言うにはあまりにも醜い。笑み自体は爽やかなのに、なぜか気味が悪く、醜悪に見えたその笑み。
少しずつ俺の頭を痛みが襲ってきている。コイツのせいだろう。
『まさかこんな穢れた地に再び姿を現すことになるとはね』
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる