70 / 91
68話 プール 1
しおりを挟む
「ついに、この日が来た!まさか俺が女の子とプールに来る日が来るとは」
「はぁ……」
「緊張するなぁ……」
三者三様の反応だな。海斗は能天気にはしゃいでるし、陽斗は気まずいだろうし、亮は冬華のことで頭いっぱいだし。
約束まであと五分。それまでにこの三人が落ち着いてくれると良いんだけどな。
「海斗、一旦落ち着け。まだ集合すらしてないんだぞ」
「そうだけど、こんなの青春って感じするだろ」
「そうだな。振り返る時が来たら……良い思い出になるかもしれないな」
クソッ。最近は良くあの事が脳裏にチラつく。あの事を考える時間が増えたせいか?
「お、来たんじゃないか?」
「………俺、やっぱ帰ろうかな」
「緊張でお腹痛い」
「…………はぁ」
………こうなったら後は、なるようになる、と考えとくしかないか。最悪俺がフォローすれば良いしな。
「みんな、お待たせ」
那乃が代表して声をかけてきた。俺らはその場で軽く言葉を交わし、その後海斗の掛け声で海斗を先頭に駅に向かう。その後を陽斗が那乃を避けるようについて行った。
「わたし、来ない方が良かったかな?」
少し悲しそうに笑う那乃。こんな風になったのは俺の責任でもある。何よりも、二人がこのままと言うのは友達として嫌だ。何とかして二人の関係を修復しないと。
「関係修復、俺も手伝うよ。それよりも瑠魅は?」
「もう行っちゃったよ、ほら」
那乃の視線の先には浮かれた瑠魅の姿があった。どうやら、相当楽しみのようだ。
「じゃあ俺らも行くか」
「そうだね」
~~~~
「うおぉ、でっか!」
大型市民プール、『ハワイアイランド』。室内型で季節問わず遊べるのが特徴だな。
流れるプールに長いウォータースライダー、温水プールに擬似的なビーチまで備えてある。
「じゃあ着替えたら更衣室前で待機な!それじゃ野郎ども、行くぞ!」
施設に入った海斗は一層元気になり、更衣室へと駆けて行った。
海斗なりに陽斗を元気にさせようとしてるのは分かるが、あからさま過ぎて見てて恥ずかしい。これが共感性羞恥か。
そんなことを思いながら海斗の後について行き、更衣室で着替える。
着替えている途中、やはり元気の無い陽斗と亮。亮のアレは贅沢として陽斗はやはりどうにかしないとな。
俺は荷物を陽斗の隣のロッカーに入れた。
「陽斗、そんなに気まずいか?」
「当たり前だろ?こんなふうになるんだったら告白なんてしなきゃ良かった」
やっぱり申し訳ないことをしたな。促しただけとは言え、友達がこんな風に思い詰めていると、負い目を感じる。
「那乃と前みたいな関係になりたい?」
「そりゃ……こんな風に避けるよりは、な」
「じゃあ俺が仲立ちして良いか?」
プールを楽しむなんて二の次だ。今回はそれよりも優先しなきゃならない事がある。
「任せも良いのか?俺らの問題なのに?」
「あぁ。少なからず俺にも非があるし、負い目も少々、な」
「じゃあ、頼むわ」
弱々しくもいつものような笑みを向けられて、俺の心も幾分か救われた。さて、打算的に遊ぶは今日までだ。明日からは絶対に普通に楽しむ。
~~~~
「良かった。女子たちより早かったみたいだな」
「まぁ、女子って基本着替えに時間掛かるしな」
陽斗とそんな言葉を交わしながら、女子更衣室のドアが見える位置にみんなで集まる。
陽斗は何となく回復したみたいだけど、亮は来る時から若干緊張している。服を褒めるのもだけど、今度は水着だ。亮にとってはかなりハードルが高いだろう。
「亮、大丈夫か?」
「うん、まぁ」
海斗は何かを考えてるみたいだし、陽斗も自分の事で精一杯だろう。今亮の緊張を和らげられるのは俺だけか。
「付き合って早々にプールデートは荷が重いか?」
「あはは、ちょっとね。でも、こう言うのはシュミレーション済みだよ」
「そっか。じゃあ、ちゃんと褒めてやれよ」
「うん。まぁでも、フォローは頼みたいかな?」
まぁ、今日までは良いか。こういうのはこういうので楽しいし。
「あぁ。任された」
そこで周囲が若干騒がしくなった気がして、俺は反射的に女子更衣室の方へと視線をやった。
「ハハッ……レベル高ぇな」
水着姿の瑠魅たちはやはり公共の場でも自然と視線を集めるみたいだ。
「はぁ……」
「緊張するなぁ……」
三者三様の反応だな。海斗は能天気にはしゃいでるし、陽斗は気まずいだろうし、亮は冬華のことで頭いっぱいだし。
約束まであと五分。それまでにこの三人が落ち着いてくれると良いんだけどな。
「海斗、一旦落ち着け。まだ集合すらしてないんだぞ」
「そうだけど、こんなの青春って感じするだろ」
「そうだな。振り返る時が来たら……良い思い出になるかもしれないな」
クソッ。最近は良くあの事が脳裏にチラつく。あの事を考える時間が増えたせいか?
「お、来たんじゃないか?」
「………俺、やっぱ帰ろうかな」
「緊張でお腹痛い」
「…………はぁ」
………こうなったら後は、なるようになる、と考えとくしかないか。最悪俺がフォローすれば良いしな。
「みんな、お待たせ」
那乃が代表して声をかけてきた。俺らはその場で軽く言葉を交わし、その後海斗の掛け声で海斗を先頭に駅に向かう。その後を陽斗が那乃を避けるようについて行った。
「わたし、来ない方が良かったかな?」
少し悲しそうに笑う那乃。こんな風になったのは俺の責任でもある。何よりも、二人がこのままと言うのは友達として嫌だ。何とかして二人の関係を修復しないと。
「関係修復、俺も手伝うよ。それよりも瑠魅は?」
「もう行っちゃったよ、ほら」
那乃の視線の先には浮かれた瑠魅の姿があった。どうやら、相当楽しみのようだ。
「じゃあ俺らも行くか」
「そうだね」
~~~~
「うおぉ、でっか!」
大型市民プール、『ハワイアイランド』。室内型で季節問わず遊べるのが特徴だな。
流れるプールに長いウォータースライダー、温水プールに擬似的なビーチまで備えてある。
「じゃあ着替えたら更衣室前で待機な!それじゃ野郎ども、行くぞ!」
施設に入った海斗は一層元気になり、更衣室へと駆けて行った。
海斗なりに陽斗を元気にさせようとしてるのは分かるが、あからさま過ぎて見てて恥ずかしい。これが共感性羞恥か。
そんなことを思いながら海斗の後について行き、更衣室で着替える。
着替えている途中、やはり元気の無い陽斗と亮。亮のアレは贅沢として陽斗はやはりどうにかしないとな。
俺は荷物を陽斗の隣のロッカーに入れた。
「陽斗、そんなに気まずいか?」
「当たり前だろ?こんなふうになるんだったら告白なんてしなきゃ良かった」
やっぱり申し訳ないことをしたな。促しただけとは言え、友達がこんな風に思い詰めていると、負い目を感じる。
「那乃と前みたいな関係になりたい?」
「そりゃ……こんな風に避けるよりは、な」
「じゃあ俺が仲立ちして良いか?」
プールを楽しむなんて二の次だ。今回はそれよりも優先しなきゃならない事がある。
「任せも良いのか?俺らの問題なのに?」
「あぁ。少なからず俺にも非があるし、負い目も少々、な」
「じゃあ、頼むわ」
弱々しくもいつものような笑みを向けられて、俺の心も幾分か救われた。さて、打算的に遊ぶは今日までだ。明日からは絶対に普通に楽しむ。
~~~~
「良かった。女子たちより早かったみたいだな」
「まぁ、女子って基本着替えに時間掛かるしな」
陽斗とそんな言葉を交わしながら、女子更衣室のドアが見える位置にみんなで集まる。
陽斗は何となく回復したみたいだけど、亮は来る時から若干緊張している。服を褒めるのもだけど、今度は水着だ。亮にとってはかなりハードルが高いだろう。
「亮、大丈夫か?」
「うん、まぁ」
海斗は何かを考えてるみたいだし、陽斗も自分の事で精一杯だろう。今亮の緊張を和らげられるのは俺だけか。
「付き合って早々にプールデートは荷が重いか?」
「あはは、ちょっとね。でも、こう言うのはシュミレーション済みだよ」
「そっか。じゃあ、ちゃんと褒めてやれよ」
「うん。まぁでも、フォローは頼みたいかな?」
まぁ、今日までは良いか。こういうのはこういうので楽しいし。
「あぁ。任された」
そこで周囲が若干騒がしくなった気がして、俺は反射的に女子更衣室の方へと視線をやった。
「ハハッ……レベル高ぇな」
水着姿の瑠魅たちはやはり公共の場でも自然と視線を集めるみたいだ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる