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1章 超能力者の存在
3話 超能力者
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「また学校に通えるとはな。あっちの世界で一生を過ごすと思ってたから感慨深いな」
京雅はスマホ片手に道を歩いて行く。
日本から異世界に行き長い月日が経っているため、目に入るもの全てが懐かしく感じていた。
「この角を右、か」
京雅の持つスマホの画面には地図が表示されており、これから京雅が通う高校までの道のりが示してある。
スマホの画面を見ながら道の端を小さな歩幅で歩く。
「………止まれ」
急に空いてる方の手を道路に伸ばす。
「あれ?君なに?」
「あんたの方こそ誰だ?」
京雅が伸ばした手は急に現れた男の手首を握っていた。
この状況に思考が追いついてないのか、男は唖然としていた。
京雅は冷静にその男の方を見つめる。
「俺と同じ高校……ネクタイの色も緑で俺と一緒、か」
男の方が体が前にあるので普通なら見えないネクタイだが、京雅はその色を言い当てる。
その一言でその男は京雅を警戒し、掴まれていた腕を振りほどいて京雅に対面した。
サラサラと触り心地の良さそうな金髪に大きな緑色の瞳にクッキリとした二重、スッと通った鼻筋、シャープな輪郭の持ち主。
どこから見ても外国人イケメンであった。
「君……本当に何者だい?」
その容姿からは想像できないほど流暢な日本語が発せられる。
「アンタこそ何者だ?俺にはお前が超スピードで移動してるように見えたが?」
「っ……!!」
男は大きな目を更に大きくし驚いていた。
その間も京雅はその男を訝しげに睨みつける。
「あんまり人前で使うなよな。じゃ」
先程までの緊迫した空気は京雅のその一言で一転した。
両手をポケットに突っ込んで、さも何も無かったかのようにその男の横を通り過ぎる。
「待ってくれないか。ちょっと確認したいことがあるんだ」
「俺はねぇよ」
確認し終えた、と小さな声で付け加え、京雅は歩き続ける。
「僕が普通の人じゃないことぐらいは気付いてるだろ」
「………」
その言葉に足を止める。そしてその場で京雅は振り返らずに口を開いた。
「さぁな。少なくとも俺はそこら辺に居る凡人だ」
「そんなはずは────」
「またな」
それだけを言ってポケットから出した片手をヒラヒラとさせ再び歩き出す。
その男はもう京雅を呼び止めることはせず、その場に立ち尽くしていた。
「凡人だと?笑わせるな。凡人は亜音速の物を認識することも止めること不可能だろ。マグレとか偶然とかのレベルじゃない」
その男の瞳に疑惑の念が宿る。それと同時に好奇心が湧いていた。
「僕以外にも居たんだな、超能力者が」
その男は空を見上げながらそんな事を漏らした。
京雅はスマホ片手に道を歩いて行く。
日本から異世界に行き長い月日が経っているため、目に入るもの全てが懐かしく感じていた。
「この角を右、か」
京雅の持つスマホの画面には地図が表示されており、これから京雅が通う高校までの道のりが示してある。
スマホの画面を見ながら道の端を小さな歩幅で歩く。
「………止まれ」
急に空いてる方の手を道路に伸ばす。
「あれ?君なに?」
「あんたの方こそ誰だ?」
京雅が伸ばした手は急に現れた男の手首を握っていた。
この状況に思考が追いついてないのか、男は唖然としていた。
京雅は冷静にその男の方を見つめる。
「俺と同じ高校……ネクタイの色も緑で俺と一緒、か」
男の方が体が前にあるので普通なら見えないネクタイだが、京雅はその色を言い当てる。
その一言でその男は京雅を警戒し、掴まれていた腕を振りほどいて京雅に対面した。
サラサラと触り心地の良さそうな金髪に大きな緑色の瞳にクッキリとした二重、スッと通った鼻筋、シャープな輪郭の持ち主。
どこから見ても外国人イケメンであった。
「君……本当に何者だい?」
その容姿からは想像できないほど流暢な日本語が発せられる。
「アンタこそ何者だ?俺にはお前が超スピードで移動してるように見えたが?」
「っ……!!」
男は大きな目を更に大きくし驚いていた。
その間も京雅はその男を訝しげに睨みつける。
「あんまり人前で使うなよな。じゃ」
先程までの緊迫した空気は京雅のその一言で一転した。
両手をポケットに突っ込んで、さも何も無かったかのようにその男の横を通り過ぎる。
「待ってくれないか。ちょっと確認したいことがあるんだ」
「俺はねぇよ」
確認し終えた、と小さな声で付け加え、京雅は歩き続ける。
「僕が普通の人じゃないことぐらいは気付いてるだろ」
「………」
その言葉に足を止める。そしてその場で京雅は振り返らずに口を開いた。
「さぁな。少なくとも俺はそこら辺に居る凡人だ」
「そんなはずは────」
「またな」
それだけを言ってポケットから出した片手をヒラヒラとさせ再び歩き出す。
その男はもう京雅を呼び止めることはせず、その場に立ち尽くしていた。
「凡人だと?笑わせるな。凡人は亜音速の物を認識することも止めること不可能だろ。マグレとか偶然とかのレベルじゃない」
その男の瞳に疑惑の念が宿る。それと同時に好奇心が湧いていた。
「僕以外にも居たんだな、超能力者が」
その男は空を見上げながらそんな事を漏らした。
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