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2章 奇妙な事件
24話 休息 1
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~京雅視点~
「……………無茶しやがって」
最初は簡単な試験みたいだと思っていた。奴らの力量的に、校長に成りすました方のヴァンパイアを俺がどうにかすれば瑛翔達がもう一人をどうにかすると。
そもそもあの校長が、ヴァンパイアだと気付けたのも偶然だった。あの防犯ブザーを渡されるまであの校長がヴァンパイアだと気付けなかった。
あの防犯ブザーに微かに残っていたヴァンパイア特有の魔力が無ければ、俺でも対応が遅れていた。位置把握のために渡したんだろうが、それな裏目に出た、それだけだ。
だが、奴らの隠身の完成度からも相当な実力者だったと言って良い。今回は奴らの情報の疎さに助けられた。
今思えば、あのヴァンパイアの中にズザクが居なかったとしても試験にしては充分に危険だった。
「んん………」
「……………」
瑛翔の奴、こんなになるまで良く耐えられたものだ。普通なら対面するだけでどうしようもなくなる程だ。
「さて、他の奴らの様子も見とくかな」
空き部屋の一つに残りの三人は寝かしておいた。隠身の状態だから太陽が当たっても死なないだろうし、致死量の血を流さなければ死ぬこともない。力の制御がしにくくなること以外で隠身のデメリットが無いらしいしな。
「ん、起きてたか」
ドアを開けた先には布団の上で正座してるリベルトが居た。ミリフィアとリガルは寝てるようだな。
「面目ない……」
「大丈夫だ。何なら、アイツ相手に頑張った方だろ」
ハッキリと言えば、奴が疲労してなければ俺も一撃で奴を葬ることは出来なかった。
「では、約束通り死んではくれないか?」
「命の恩人によく言えるな」
「はやり、我らの存在を知った以上、貴様らの存在は危険だ」
頑固というか、なんと言うかな。
「力のねぇ奴は何も出来ねぇんだ。俺は約束なんてしないし、第一、俺がそれを守る必要性がない」
「…………」
「一応言っておくがな、俺はいつでもお前を殺せる。お願い出来る立場だと思うな」
「…………いっそ、殺してくれ」
「そんな事言ってねぇで寝てろ。お前らには聞きたいことが山ほどあるんだ」
母さんが居なくて良かった。こんな事を言うところを母さんには見せたくないからな。
「はぁ……やっと一息だな」
自室の椅子に再び腰掛ける。大変な一日だった。母さんにはとりあえずの許可は取ってあるから、リベルト達は放置でも良いだろう。
「何がしたいんだ……ズザクまでコッチに寄越しやがって」
無理にコッチに転移させたからかなりの力を失っていたようだった。その事をアイツが知らないはずがない。その上で送ってくるなんて、どういう事なんだ?
「あの神……俺を道具みたいに使いやがって」
今の状況の原因はハッキリしている。だが、今の俺じゃ十中八九勝てない。とりあえず、今は力を取り戻すことから始めよう。
「瑛翔に修行をつけてやらないとだしな」
きっと、俺が神を殺したらその力を失うことになる。そんな一時的なもののために命を張らせるなんて、俺も充分薄情になったものだ。
「さて、俺も少し寝よう」
椅子の背もたれに体重を預け、俺は目を閉じた。
「……………無茶しやがって」
最初は簡単な試験みたいだと思っていた。奴らの力量的に、校長に成りすました方のヴァンパイアを俺がどうにかすれば瑛翔達がもう一人をどうにかすると。
そもそもあの校長が、ヴァンパイアだと気付けたのも偶然だった。あの防犯ブザーを渡されるまであの校長がヴァンパイアだと気付けなかった。
あの防犯ブザーに微かに残っていたヴァンパイア特有の魔力が無ければ、俺でも対応が遅れていた。位置把握のために渡したんだろうが、それな裏目に出た、それだけだ。
だが、奴らの隠身の完成度からも相当な実力者だったと言って良い。今回は奴らの情報の疎さに助けられた。
今思えば、あのヴァンパイアの中にズザクが居なかったとしても試験にしては充分に危険だった。
「んん………」
「……………」
瑛翔の奴、こんなになるまで良く耐えられたものだ。普通なら対面するだけでどうしようもなくなる程だ。
「さて、他の奴らの様子も見とくかな」
空き部屋の一つに残りの三人は寝かしておいた。隠身の状態だから太陽が当たっても死なないだろうし、致死量の血を流さなければ死ぬこともない。力の制御がしにくくなること以外で隠身のデメリットが無いらしいしな。
「ん、起きてたか」
ドアを開けた先には布団の上で正座してるリベルトが居た。ミリフィアとリガルは寝てるようだな。
「面目ない……」
「大丈夫だ。何なら、アイツ相手に頑張った方だろ」
ハッキリと言えば、奴が疲労してなければ俺も一撃で奴を葬ることは出来なかった。
「では、約束通り死んではくれないか?」
「命の恩人によく言えるな」
「はやり、我らの存在を知った以上、貴様らの存在は危険だ」
頑固というか、なんと言うかな。
「力のねぇ奴は何も出来ねぇんだ。俺は約束なんてしないし、第一、俺がそれを守る必要性がない」
「…………」
「一応言っておくがな、俺はいつでもお前を殺せる。お願い出来る立場だと思うな」
「…………いっそ、殺してくれ」
「そんな事言ってねぇで寝てろ。お前らには聞きたいことが山ほどあるんだ」
母さんが居なくて良かった。こんな事を言うところを母さんには見せたくないからな。
「はぁ……やっと一息だな」
自室の椅子に再び腰掛ける。大変な一日だった。母さんにはとりあえずの許可は取ってあるから、リベルト達は放置でも良いだろう。
「何がしたいんだ……ズザクまでコッチに寄越しやがって」
無理にコッチに転移させたからかなりの力を失っていたようだった。その事をアイツが知らないはずがない。その上で送ってくるなんて、どういう事なんだ?
「あの神……俺を道具みたいに使いやがって」
今の状況の原因はハッキリしている。だが、今の俺じゃ十中八九勝てない。とりあえず、今は力を取り戻すことから始めよう。
「瑛翔に修行をつけてやらないとだしな」
きっと、俺が神を殺したらその力を失うことになる。そんな一時的なもののために命を張らせるなんて、俺も充分薄情になったものだ。
「さて、俺も少し寝よう」
椅子の背もたれに体重を預け、俺は目を閉じた。
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