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1章 クズ勇者の目標!?
クズ勇者、揺らぐ
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「わぁ、やっぱり何度観ても凄いよね。これでまだお祭りは始まってないんだよ?お祭りが始まったらもっと凄いんだろうなぁ……」
「はぁ……そうかい」
リョーマは憂鬱そうな顔をしながら覚束無い足取りでゆっくりとフィールについて行く。
「たくさんお店が出てて、どこから行こうか迷っちゃうね」
この街の中心にあり、この街の象徴とも言える巨大な噴水がある広場に食べ物や娯楽の出店がたくさん並んでいた。
浮かれやがって。てか、俺の飯はどこだよ。腹が減りすぎて死にそうだ……。
「どうしたの?なんだか浮かない顔だけど」
「無理矢理連れてこられてんだぞ?はしゃげるわけねぇだろが……その頭は飾りか?」
「そうかな?なんかこういう風景を見てるとこっちまで楽しくならない?」
「バカか脳天気なマヌケならそうかもな」
「そうだ。リョーマもみんなに会いたいよね」
「はぁ?みんなぁ?」
「そう。魔族のみんな。仮住居として街のはずれに建てられてる家に住んでるの」
「やっぱり人間と魔族は分かり合えねぇんだよ」
「もぅ……そうやってすぐにマイナス思考」
まぁ、良い。これはチャンス到来だろうな。今度は確実に息の根を止める。平和を望む魔族も表面だけの薄っぺらい人間にも虫唾が走ってたとろこだ。
………最悪魔族を食うしかねぇよな。あぁ、クソ。こんな美味そうな匂いを漂わせやがって……!
リョーマたちは出店のある方へと足を進めた。
なんつう人の量だ。ここいら一帯を消してやろうか。
「お!フィールちゃんじゃねぇかよ」
「あっ。パン屋のおじさん」
出店のある広場に入ると、すぐにフィールを呼ぶ声がした。
「えっ、フィールちゃんが来ているのかい?」
「おぉ!来てくれたのか?どうだ、うちのお菓子を食べていきなよ」
「またうちの店に来てくれないか?フィールちゃんが居ねぇとみんなやる気が出ねぇだよ」
フィールの周りにはいつの間にか人集りが出来ていた。
フィールは嫌な顔を一切見せずに笑顔で一人一人丁寧に対応していった。
俺は悪い夢でも見てんのか?なんでそんなに楽しそうにコイツらは笑いあっている?
他者をただの道具としか見れないゴミ共がなぜそんなに心から楽しそうに会話したるんだ?
変だ。おかしい……おかしすぎる。俺の知る人間は自分が良ければ喜んで他者を蹴落とし見捨て、後ろ指を指して嘲笑うようなゴミでカスで最高のクズじゃねぇのか?
そんなに偽りの関係を築いてでも生きたいのか?
本心を裏で発散して、表ではヘラヘラと愛想笑いを浮かべて他者に気に入られようとしてるその姿……最高にムカつくぜ。
リョーマは複雑な心境でフィールの方を見ていた。ただ立ち尽くしその光景を見ることしか出来なかった。
「テメェらは……」
テメェらは……せめてお前らだけはゴミで居ろよ。楽しそうに生きるなよ……。なんで俺を否定しようとするんだ?俺は間違ってないだろう……。
なんでだよ。わっかんねぇよ。なんでいつも俺は否定されんだよ。俺は絶対に間違ってないのに……。
世界が間違ってるのに、なぜ俺の価値観を否定するようにこんな光景を見せるんだ。
これじゃ本当に俺が間違ってるみたいじゃねぇかよ。
何が言いたいんだよ。人間はゴミじゃないってか?そんなの……今更もう遅ぇんだよ。
「もっと早く……こんな人間どもと会っていたら変わってたのか……」
リョーマは空を見上げてそんなことを呟いた。
「はぁ……そうかい」
リョーマは憂鬱そうな顔をしながら覚束無い足取りでゆっくりとフィールについて行く。
「たくさんお店が出てて、どこから行こうか迷っちゃうね」
この街の中心にあり、この街の象徴とも言える巨大な噴水がある広場に食べ物や娯楽の出店がたくさん並んでいた。
浮かれやがって。てか、俺の飯はどこだよ。腹が減りすぎて死にそうだ……。
「どうしたの?なんだか浮かない顔だけど」
「無理矢理連れてこられてんだぞ?はしゃげるわけねぇだろが……その頭は飾りか?」
「そうかな?なんかこういう風景を見てるとこっちまで楽しくならない?」
「バカか脳天気なマヌケならそうかもな」
「そうだ。リョーマもみんなに会いたいよね」
「はぁ?みんなぁ?」
「そう。魔族のみんな。仮住居として街のはずれに建てられてる家に住んでるの」
「やっぱり人間と魔族は分かり合えねぇんだよ」
「もぅ……そうやってすぐにマイナス思考」
まぁ、良い。これはチャンス到来だろうな。今度は確実に息の根を止める。平和を望む魔族も表面だけの薄っぺらい人間にも虫唾が走ってたとろこだ。
………最悪魔族を食うしかねぇよな。あぁ、クソ。こんな美味そうな匂いを漂わせやがって……!
リョーマたちは出店のある方へと足を進めた。
なんつう人の量だ。ここいら一帯を消してやろうか。
「お!フィールちゃんじゃねぇかよ」
「あっ。パン屋のおじさん」
出店のある広場に入ると、すぐにフィールを呼ぶ声がした。
「えっ、フィールちゃんが来ているのかい?」
「おぉ!来てくれたのか?どうだ、うちのお菓子を食べていきなよ」
「またうちの店に来てくれないか?フィールちゃんが居ねぇとみんなやる気が出ねぇだよ」
フィールの周りにはいつの間にか人集りが出来ていた。
フィールは嫌な顔を一切見せずに笑顔で一人一人丁寧に対応していった。
俺は悪い夢でも見てんのか?なんでそんなに楽しそうにコイツらは笑いあっている?
他者をただの道具としか見れないゴミ共がなぜそんなに心から楽しそうに会話したるんだ?
変だ。おかしい……おかしすぎる。俺の知る人間は自分が良ければ喜んで他者を蹴落とし見捨て、後ろ指を指して嘲笑うようなゴミでカスで最高のクズじゃねぇのか?
そんなに偽りの関係を築いてでも生きたいのか?
本心を裏で発散して、表ではヘラヘラと愛想笑いを浮かべて他者に気に入られようとしてるその姿……最高にムカつくぜ。
リョーマは複雑な心境でフィールの方を見ていた。ただ立ち尽くしその光景を見ることしか出来なかった。
「テメェらは……」
テメェらは……せめてお前らだけはゴミで居ろよ。楽しそうに生きるなよ……。なんで俺を否定しようとするんだ?俺は間違ってないだろう……。
なんでだよ。わっかんねぇよ。なんでいつも俺は否定されんだよ。俺は絶対に間違ってないのに……。
世界が間違ってるのに、なぜ俺の価値観を否定するようにこんな光景を見せるんだ。
これじゃ本当に俺が間違ってるみたいじゃねぇかよ。
何が言いたいんだよ。人間はゴミじゃないってか?そんなの……今更もう遅ぇんだよ。
「もっと早く……こんな人間どもと会っていたら変わってたのか……」
リョーマは空を見上げてそんなことを呟いた。
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