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1章 クズ勇者の目標!?
クズ勇者、帰還する
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「またせたな……お前ら」
ドアをくぐった先には既に死に絶えた魔王、側近、フィールの姿があった。
リョーマはその三人の近くまでま移動して膝を着く。
「埋葬って程良いもんじゃねぇが……安らかに眠っててくれ」
リョーマはそれだけを言うと、立ち上がって地面に向けて手をかざす。
「魔王……あんたにとっては胸くそかもな……『削乱風』」
四天王ハザマの魔法を駆使して、地面を器用にエグるようにして掘っていく。
「こんなものか」
あまり時間を掛けずに三人を埋めるための穴を掘ったリョーマは一人一人丁寧に掘った穴に置いて行った。
「どうか、安らかに眠れるようにな」
掘った穴の上に再び土を被せて埋葬を終えたリョーマはしゃがみ込んで祈る。
「………フィール。テメェの夢、確かに受け取った」
腕に付けたミサンガをそっと撫でると、リョーマは三人を埋めた場所に背を向けて王都に戻るドアの方へと足を向けた。
『リョーマなら……できるよ』
「っ…………!!!」
リョーマは咄嗟に後ろに振り返る。だが、そこには何も無く、ただただ青々と気持ちよさそうに揺れる草原のみが広がっていた。
確かに、フィールの声が…………気にし過ぎだな……まったく未練タラタラで嫌になるぜ。
リョーマは、もう一度も振り返ることなくドアの前まで歩いて行き、ドアノブに手を当てる。
「またな」
誰に言う訳でも無く、そう言うと、リョーマはドアをくぐりその場を後にした。
~~~~
「………スゲェ」
ドアを開けた先にはキラキラと美しく幻想的に煌めく星々があった。いつの間にか消えた炎のおかげで空がハッキリと見るようになり、リョーマの視界を遮るものはなく、夜空はとても綺麗に輝いていた。
「夜空をこんなにちゃんと見るのはいつぶりだろう……」
リョーマはボォと空を見上げていた。
すると、突如何も無い空間からリョーマの目の前にヒラヒラと白い羽が一つ降ってきた。
真っ白なその羽にリョーマは無意識に手を差し伸べる。そして、その真っ白な羽はその伸ばされた手のひらに舞い降りた。
「なんで羽が急に降ってきたんだ?」
リョーマはその羽を握りしめようとした。
「うっ……」
リョーマの視界を強い光が包み込む。
リョーマは為す術もなくただその光に身を任せた。
徐々に視力が戻り、周りをキョロキョロを見渡すと、そこは見慣れた部屋だった。
「寝てたのか、俺?」
イスに座りながらリョーマは寝ていたようだった。
先程までリョーマが読んでいたであろう英雄譚は足元に落ちていた。
「さっきまでのは全部………夢だったのか」
ま、じゃなきゃおかしいよな。だいたい時間を遡ることなんて……。
リョーマが腕を上げると、そこには先程まで絶対に付けていなかったであろうもの……だが、見覚えのあるミサンガがついていた。
「これは……ハハッ……マジかよ」
リョーマはそのミサンガを腕から外すと、そっと両手で包んだ。
「全部、現実か」
##############################
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!
気が向いたらリメイク版を出そうかな……とも思っています。
読みにくいと何度思ったか作者にも分かりませんが、ここまで本当にありがとうございました!
良ければ是非他の作品も読んで欲しいです。最終話までこの作品を読んでいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!
ドアをくぐった先には既に死に絶えた魔王、側近、フィールの姿があった。
リョーマはその三人の近くまでま移動して膝を着く。
「埋葬って程良いもんじゃねぇが……安らかに眠っててくれ」
リョーマはそれだけを言うと、立ち上がって地面に向けて手をかざす。
「魔王……あんたにとっては胸くそかもな……『削乱風』」
四天王ハザマの魔法を駆使して、地面を器用にエグるようにして掘っていく。
「こんなものか」
あまり時間を掛けずに三人を埋めるための穴を掘ったリョーマは一人一人丁寧に掘った穴に置いて行った。
「どうか、安らかに眠れるようにな」
掘った穴の上に再び土を被せて埋葬を終えたリョーマはしゃがみ込んで祈る。
「………フィール。テメェの夢、確かに受け取った」
腕に付けたミサンガをそっと撫でると、リョーマは三人を埋めた場所に背を向けて王都に戻るドアの方へと足を向けた。
『リョーマなら……できるよ』
「っ…………!!!」
リョーマは咄嗟に後ろに振り返る。だが、そこには何も無く、ただただ青々と気持ちよさそうに揺れる草原のみが広がっていた。
確かに、フィールの声が…………気にし過ぎだな……まったく未練タラタラで嫌になるぜ。
リョーマは、もう一度も振り返ることなくドアの前まで歩いて行き、ドアノブに手を当てる。
「またな」
誰に言う訳でも無く、そう言うと、リョーマはドアをくぐりその場を後にした。
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「………スゲェ」
ドアを開けた先にはキラキラと美しく幻想的に煌めく星々があった。いつの間にか消えた炎のおかげで空がハッキリと見るようになり、リョーマの視界を遮るものはなく、夜空はとても綺麗に輝いていた。
「夜空をこんなにちゃんと見るのはいつぶりだろう……」
リョーマはボォと空を見上げていた。
すると、突如何も無い空間からリョーマの目の前にヒラヒラと白い羽が一つ降ってきた。
真っ白なその羽にリョーマは無意識に手を差し伸べる。そして、その真っ白な羽はその伸ばされた手のひらに舞い降りた。
「なんで羽が急に降ってきたんだ?」
リョーマはその羽を握りしめようとした。
「うっ……」
リョーマの視界を強い光が包み込む。
リョーマは為す術もなくただその光に身を任せた。
徐々に視力が戻り、周りをキョロキョロを見渡すと、そこは見慣れた部屋だった。
「寝てたのか、俺?」
イスに座りながらリョーマは寝ていたようだった。
先程までリョーマが読んでいたであろう英雄譚は足元に落ちていた。
「さっきまでのは全部………夢だったのか」
ま、じゃなきゃおかしいよな。だいたい時間を遡ることなんて……。
リョーマが腕を上げると、そこには先程まで絶対に付けていなかったであろうもの……だが、見覚えのあるミサンガがついていた。
「これは……ハハッ……マジかよ」
リョーマはそのミサンガを腕から外すと、そっと両手で包んだ。
「全部、現実か」
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ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!
気が向いたらリメイク版を出そうかな……とも思っています。
読みにくいと何度思ったか作者にも分かりませんが、ここまで本当にありがとうございました!
良ければ是非他の作品も読んで欲しいです。最終話までこの作品を読んでいただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!
応援ありがとうございます!
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