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異世界転生
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俺は面倒臭い人間が嫌いだ。なぜ、ストレートに頼まない? どうして変な意地ははる? どうしてくだらないプライドを守ろうとする? そんな物、命に比べれば安い物だろう。……まぁだけど、俺も人の事は言えたもんじゃないが。
アホ過ぎる娘っ子は今だ馬鹿みたいに俺の手助けを受け入れない。
「この高貴なる貴族が、流れ者なんかに助けられてたまるもんですか!」っとずっと言っている。まあ、彼女が今もこう元気なのは、素晴らしい窓ガラスのお陰なのだが。
俺がヒビをいれて10分ほど経つが今だ窓ガラスは健在だ。しかし、ここまで来ると盗賊が弱い気もする。
≪最後にもう1度だけ問うぞ。助けは要らないんだな? はいかいいえで答えろ≫
流石に俺も面倒になってきた。
≪だ、だから……い、いら――≫
パリィィン――
窓ガラスが割れた音が響く。
≪キャァァ!!≫
お前はそれ以外のリアクションを知らねぇのか。
馬車の窓ガラスが割れる。そしてそこから男の手が伸びる。
「やっと捕まえたぜ。このクソアマ。テメェを人質にしてあのクソ貴族どもに復習してやる」
「や、ヤダ……タスケテ……タスケテ!!」
回答の選択しは、はいか、いいえの2つだけ。そこに助けて、なんて言葉はない。……時間切れだ。
テレパシーを切断した直後だった。再度窓ガラスが割れる音が響き、そのあとに少女が必死に抵抗する声が聞こえた。
「さぁ、おじさんたちと遊ぼうぜぇ」
貴族に復讐したい奴と、ただたんに女を犯したい奴。……流石盗賊、全然駄目だな。グループのなかで目的が違うなんて3流以下だ。
ゲスな考えは嫌いでもない。欲のままに生きる事は生物としてごく当たり前の事だ。
「ヤメテ!! 触らないで!! この変態!!」
馬車の中から引きずり出そうとする男に少女は蹴りを顔面に食らわせる。男も馬鹿だ。わざわざ、馬車の中に頭を突っ込んで、自分から蹴られに行くとは。マゾヒストかな?
「い、イッテ~なぁ!! このクソアマが!! 調子乗ってんじゃねぇぞ」
顔面を蹴られても離さなかった腕に男が力を入れる。そし力の限りを尽くして少女を無理矢理馬車から出したのだ。
馬車の窓はどうやら内側からの衝撃に弱いらしく、少女の体が引っ掛かると簡単に割れてしまった。そして、それが少女の服に引っ掛かり、服が裂ける。胸部から腹までがビリビリと豪快に裂けるのであった。裂け目からは少女の下着が露になる。
男は少女を馬車から引きずり出すと、その小さな体を地面に叩きつけた。
ピクピクと痙攣する少女。
「……馬鹿だな。さっさと助けを求めれば良かったのに。それにしてもどうして肩押さえてるんだ? 背中から落ちたのに。……ああ、そっか。さっきので肩が外れたのか」
少女は半分も開いてないような目で必死に辺りを見回している。多分、俺の事を探しているのだろう。
俺は見つかる訳がない。そう思っていたのだが、少女の目がこちらを向き凝視する。
俺は木の影に隠れて向こうからは見えない位置にいるはずなのだが……。
少女の目は盗賊に腹を蹴られても全く動かなかった。ずっとこっちを見て「助けて」と言いたそうな感じだった。
しかし、ずっとこっちを見ている少女に気づいた盗賊もこっちを向いてきた。そした小さく舌打ちをして言った。
「そこにいんのは分かってる! さっさと出てこいやぁ!」
目を見てその言葉がハッタリでない事は直ぐに分かった。
仕方ない。見つかったのがすごく不服だけど、見つかったならしょうがない。
俺はゆっくりと木の影から出てきた。そして言ってやった。
「そっちの邪魔はする気はないから、気にしないで続けてくれ」
そして立ち去ろうとしたのだが――
「そう簡単に逃がす訳にはいかないだろう?」
「……逃げる訳じゃない。通行するだけだ」
武器を構える馬鹿どもを一瞬で追い越し俺は歩き去った。
別にもう戦う気なんて起きない。俺は面倒な奴が嫌いなのだ。
後ろからは少女の叫び声と「タスケテ!」と鳴き声が聞こえた。
盗賊は目にも止まらぬ速さで動いた俺にビビっていたが、俺が普通に振り替えずに街の方へ歩いて行くのを見て、安堵していた。
アホ過ぎる娘っ子は今だ馬鹿みたいに俺の手助けを受け入れない。
「この高貴なる貴族が、流れ者なんかに助けられてたまるもんですか!」っとずっと言っている。まあ、彼女が今もこう元気なのは、素晴らしい窓ガラスのお陰なのだが。
俺がヒビをいれて10分ほど経つが今だ窓ガラスは健在だ。しかし、ここまで来ると盗賊が弱い気もする。
≪最後にもう1度だけ問うぞ。助けは要らないんだな? はいかいいえで答えろ≫
流石に俺も面倒になってきた。
≪だ、だから……い、いら――≫
パリィィン――
窓ガラスが割れた音が響く。
≪キャァァ!!≫
お前はそれ以外のリアクションを知らねぇのか。
馬車の窓ガラスが割れる。そしてそこから男の手が伸びる。
「やっと捕まえたぜ。このクソアマ。テメェを人質にしてあのクソ貴族どもに復習してやる」
「や、ヤダ……タスケテ……タスケテ!!」
回答の選択しは、はいか、いいえの2つだけ。そこに助けて、なんて言葉はない。……時間切れだ。
テレパシーを切断した直後だった。再度窓ガラスが割れる音が響き、そのあとに少女が必死に抵抗する声が聞こえた。
「さぁ、おじさんたちと遊ぼうぜぇ」
貴族に復讐したい奴と、ただたんに女を犯したい奴。……流石盗賊、全然駄目だな。グループのなかで目的が違うなんて3流以下だ。
ゲスな考えは嫌いでもない。欲のままに生きる事は生物としてごく当たり前の事だ。
「ヤメテ!! 触らないで!! この変態!!」
馬車の中から引きずり出そうとする男に少女は蹴りを顔面に食らわせる。男も馬鹿だ。わざわざ、馬車の中に頭を突っ込んで、自分から蹴られに行くとは。マゾヒストかな?
「い、イッテ~なぁ!! このクソアマが!! 調子乗ってんじゃねぇぞ」
顔面を蹴られても離さなかった腕に男が力を入れる。そし力の限りを尽くして少女を無理矢理馬車から出したのだ。
馬車の窓はどうやら内側からの衝撃に弱いらしく、少女の体が引っ掛かると簡単に割れてしまった。そして、それが少女の服に引っ掛かり、服が裂ける。胸部から腹までがビリビリと豪快に裂けるのであった。裂け目からは少女の下着が露になる。
男は少女を馬車から引きずり出すと、その小さな体を地面に叩きつけた。
ピクピクと痙攣する少女。
「……馬鹿だな。さっさと助けを求めれば良かったのに。それにしてもどうして肩押さえてるんだ? 背中から落ちたのに。……ああ、そっか。さっきので肩が外れたのか」
少女は半分も開いてないような目で必死に辺りを見回している。多分、俺の事を探しているのだろう。
俺は見つかる訳がない。そう思っていたのだが、少女の目がこちらを向き凝視する。
俺は木の影に隠れて向こうからは見えない位置にいるはずなのだが……。
少女の目は盗賊に腹を蹴られても全く動かなかった。ずっとこっちを見て「助けて」と言いたそうな感じだった。
しかし、ずっとこっちを見ている少女に気づいた盗賊もこっちを向いてきた。そした小さく舌打ちをして言った。
「そこにいんのは分かってる! さっさと出てこいやぁ!」
目を見てその言葉がハッタリでない事は直ぐに分かった。
仕方ない。見つかったのがすごく不服だけど、見つかったならしょうがない。
俺はゆっくりと木の影から出てきた。そして言ってやった。
「そっちの邪魔はする気はないから、気にしないで続けてくれ」
そして立ち去ろうとしたのだが――
「そう簡単に逃がす訳にはいかないだろう?」
「……逃げる訳じゃない。通行するだけだ」
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別にもう戦う気なんて起きない。俺は面倒な奴が嫌いなのだ。
後ろからは少女の叫び声と「タスケテ!」と鳴き声が聞こえた。
盗賊は目にも止まらぬ速さで動いた俺にビビっていたが、俺が普通に振り替えずに街の方へ歩いて行くのを見て、安堵していた。
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