なんとなく起業に付き合ったら、楽しい毎日だったお話

すなたろう

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まじサンタな青年実業家

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 「ねぇコウヘイ、最近印象変わったような気がするけど、運動でもしてる?姿勢が良くなったからかな。」
 
 ーあっリン、ついにご本人に聞いちゃった。コウヘイこの頃カッコ良くない?と、リンと時々騒いでたんだけど、リンが本人に聞かずにおれないくらい、なんだかどこだかカッコ良い。

 「はい、筋トレとランニングを始めました。」
「へえーそんなに早く成果が出るもんなんだね。」
「人が見てわかるくらい運動で変わるには、3週間はかかるそうなので、私はまだまだです。筋トレをすると考え方がポジティブになると聞き、私はとにかくネガティブな自分を変えるために始めました。食事の量も増えて、それが一番、印象を変えているかもしれません。」
「そのポジティブコウヘイのファンがF社におりますのよ。」
リンが言うので、私も思わず言う。
「そうなの、A社でもコウヘイのファンが居て、コウヘイのことを『光る君』という呼び名になった、打ち合わせという名の『光る君チラ見ツアー』に定期的に行かせてくれと頼まれました。」
「私はA社もF社も関わってないのですけど。」
と、困るコウヘイ。
「そこは、イケメンセンサーをお持ちの方々が、多方面に情報網を張り巡らせているみたいで。」
と言うリンに、ユウも、
「コウヘイは、ただのイケメンとはちょっと違うよね。」
「うん、そうよね。『光る君』はなかなか良いネーミングだと思うけど。」
「やめてください。いったい誰の話をしているんですか。」
本気でやめて欲しいコウヘイを、容赦しないユウとリン。
「女性だけでなく男性も言ってたよ。」
ユウが言えば、リンも
「だから最近やたら、うちにご挨拶だのご確認だの、来なくていい人がここに来るのよ。」
思い当たる節があったコウヘイ。
「最近、人が来ることが多いと思いました。目もやたら合いますし。」
「もうここ観光地ね。」
リンが言って、ユウが、
「入場料と拝観料設定する?って、そろそろセクハラ発言かな?」
「最初からですよ。」
と、コウヘイが厳しめの声。
「ごめんなさい!」
「ごめんなさい!」
と、ユウリン漫才コンビは、ネタの選択をまた間違えていたんだけど、ダイキは全然聞こえてないみたいで、ものすごく集中して仕事をしている。

 昼休みに公園でお弁当を食べながらリンに、
「ダイキがあの領域に入るとすごいのが出来るんだよね。楽しみ!」
「でも健康管理者のユウとしてはどうなの?30分に1回身体ほぐすどころか、何時間も微動だにしていないような。」
「ここ何日かお地蔵さん状態よね。あれは、多分あんまり寝てないな。そろそろ臭ってくる頃かも?」
「ええー?それは嫌かも。」
「なんの仕事だっけ?」
「珍しくダイキが取ってきたご新規様よ。」
「仕事増やしたくないダイキが営業してたね。グッズ作った頃?」
お弁当を食べる手が止まって、二人で顔を見合わせる。
「まさかアマノにノーベル賞にパスポートネタの後?」
「そうかも?そうだよ、それまで私にビクビクして謹慎ポーズだったのに、キャリーケースカツカツあたりから、ちょっと雰囲気変わらなかった?」
「そうそう、反省ポーズで、ユウの怒りトリガー引かないように無言無表情を貫いてたのにね。」
「本当に申し訳ございません。もうだんだんと羞恥心が増してきて、日に日にベッドの上で自分がやらかした数々がよみがえり、毎晩身悶えております。」
「そりゃそうなるだろね。ま、私はあれがきっかけで自分の幼さがよくわかって、すごくスッキリした。会社も家でも。ユウには消したい過去かもしれないけど、私は感謝してるよ。」
「恋する人を独り占めにしたい一心で、暴れ回った女です。」
「ま、江戸を焼き尽くさなくてよかった。」
「うっ、八百屋お七は、相手に会いたかっただけで、嫉妬じゃなかった。私最低最悪人間。」
「ま、クリスタル時計無くなって不便になったくらいで済んだんだから。」
「ううっ、リン、この刑罰はずっと続くのでしょうか?」
「あんだけみんなを凍らせたから懲役8年くらい?」
「8年でみんな私の恥をみんなカンペキ忘れてくれるのかな、トホホ。」

 社に戻ると、ダイキがゾーンから出てきていて、コウヘイと筋トレの話をしてる。リンが、
「ダイキ、今している仕事は何か教えて欲しいです。」
「教育プロジェクトのノウハウを各国で共有して、より良い未来を作る仕事ですよ。うちのケンケンビデオを最大限活用します。」
リンと目が合う。こりゃやばい。
「ひょっとして海外出張捏造計画?」
リンがおそるおそる聞く。
「アマノとケンシンがノーベル平和賞を取ってスピーチをする時に、スペシャルサンクス森企画と言ってもらうためです。結果的に海外出張が伴うかもしれませんが。」
「ダイキ、会社でホテルは買わないでくださいね。」
念のためユウが確認する。ダイキは二人の様子にやっと気づき、
「ホテル?ホテル事業は今のところ全く白紙ですが、コウヘイ、いかがですか?」
「私も、あまり手を広げるのは良くないかと。」
ユウとリンはホッとする。ダイキが、
「僕もコウヘイもウチデノコヅチにはなりません。何よりユウもリンも嫌がるでしょうからね。あなた達に、うっかり何か差しあげようとしたら、途端に蔑まれるでしょう。僕たちも『買ってあげて喜ばせたいけど実は自分が喜びたい』欲望と日々戦いますよ。だから急に話を方向転換しなくて大丈夫です。」

 ーひえー!!恥ずかし過ぎる。リンが手を繋いできた。私も強く握り返す。あ、恥ずかしついでに、なかなか言えなかったことを、言っておかなきゃ。

 「別件ですが、先日、私が何日にもわたって、業務妨害をいたしましたことを、日々反省しております。ダイキに恋焦がれるあまり、嫉妬に狂って暴れ回り、申し訳ございませんでした。」
とみんなに向かって深く頭を下げた。
「あれ?ユウは嘘をつけるようになったの?」
ダイキが不思議そうな顔をする。
「嘘と言いますか、客観的に私のしでかしたことを考えますと、そうなります。主観的にはちょっと違いますが。」
「そうですか。『ちょっと』ではないでしょうが、嬉しいので、さっきのセリフはそのまま心にメモします。」
「懲役8年・・・。」
ユウはさらなる羞恥心が吹き出し、隠れる穴を探した。


 数週間後、
 「マジでグローバルな展開になってきたけど、英語がわからんで、ついていけないんだけど。」
「それを言ったら私よ。リンは結構英語でコミュニケーション取れてるけど、私サッパリわからんから、ニコニコして曖昧に頷くしか。」
コウヘイも仲間に入って、
「私もユウと全く同じです。反対の意思はないことをわかってもらうために、笑顔に努めつつ固まっています。」
ダイキだけは、グローバルなリモート会議で、聞き取れなかった話の内容をめちゃくちゃな英語で果敢に何度も尋ねていた。
「僕も語学は苦手だけど、キーになる単語だけ聴き取って意思表示だけは心がけています。滑らかに話す必要はないですよ。」
「そのキーになる単語が聞き取れないんです。」
「そうです。だから曖昧にするしかないんです。」
ユウとコウヘイが訴える。
「では、社内で英語を公用語にしますか。今流行りの。」
「それはなんの刑罰ですか?」
ユウが思わず叫ぶ。

 その午後、コウヘイの知り合いのバングラデシュ人が訪ねて来た。コウヘイの元同僚のサディという人で、年齢不詳。人懐っこい顔で、コウヘイと、カタカナ日本語VSカタカナ英語で挨拶してる。ダイキが、
「僕たち、英語を聴き取れるようになりたいので、できるだけ英語で話してもらえますか?」
「ショア!」
ショアの後は皆わからない。バングラデシュの教育について話しているようだ。サディは今後、時々リモートで一緒に仕事をする仲間になった。

 三日後にはサディの知り合いの、ジユが来た。韓国人で美女で推定25才?ジユも空いてる時間だけ、リモートで手伝ってくれるそう。
 更に更にブータン人のナムゲル。こちらは学生らしい。仕事を手伝うというより、感想をたまに聞くだけみたい。
 とにかくみなさんの言う事が全く聞き取れないし、やる事が山積み。自分の前にある本業の仕事をできるだけ進める。

 「この頃セキュリティが厳しくなって、それだけでも大変。社の出入りも、社内LANの出入りも、お作法が増えて、面倒くさいよぉ。」
「仕方ないよ。会社も、社内LANもいろんな人が出入りするようになったから。」
「アマノと一緒にクエンが、ママのソーと、パパのクエンタンを連れて来てくれたの、あれは楽しかった!アマノもクエンも喋る喋る。あれ、お互いに意味全部は、わかってなかったんじゃないかな。私もクエンの話はほとんどわからなかったけど、みんな興奮して好きな言葉ませごぜで喋って、大まかには考えてる事がわかった気がした。」
「そうそう。表情とか身振りで、仲良くなれたよね。でも、リモート会議ではそうはいかず。キーワードも未だにわからない。」
「英語の勉強やり直したい!けどなかなか。」
「光る君ツアーもかなり断ったよ。元々来る必要のない人多かったし。」
「光る君ファンの人とおしゃべり楽しかったんだけどね。」

 「社でキャリーケースを買いますが、好みがあったら、選んでくれますか?」
「もう海外出張?」
「まだ予定はありませんが、いつでもすぐ行けるように、思いついた事をどんどんやっておこうと思って。」
「私たちが選ぶの?」
「どうせ買うなら、リンがイメージしていた物が良いと思います。」
「それはありがとうございます。予算の上限はいくらくらいでしょうか?」
「コウヘイ、どうですか?」
「そうですね。あまり使いづらいのも困るし、高過ぎるのも何回使うかわからないので、中間価格帯の物でしょうか?」
ネットでリンと探してみたら、リンが、
「すみません、ちょっと実物見て選んでも良いですか?どれが良いかサッパリわからないので。」
「もちろんです、行ってらっしゃい。それから、そろそろパスポートも暇を見つけて取ってきてくれますか?業務時間内に。経費で落ちますよね。」
「はい。使用目的が業務に関わりがあることがはっきりしていますので、経費です。」

 リンと私は、なんとか仕事を中断して、キャリーケースを買いに出かける。まず量販店に行った。
「高いね!安いのもあるけど、違いが全くわからない。」
「コロコロ部分は良いのを選べと、さっき書いてあったよ。ねぇやっぱり高級品売ってるところで店員さんの話を聞こうよ。」
と、今度は超高級スーツケース専門店で、懇切丁寧な説明を受ける。
「今日中に選べる気がしない。そろそろ戻る?明日の朝までに終わらせたい仕事あって、ダイキは残業なかなかさせてくれないし。」
「この頃コウヘイの方がうるさいよね。うるさくないけど、ダイキより逆らえないオーラがあるよね。」
「あるある。コウヘイ、ラスボスだよ。優しくされると、うっかり瞬殺されそうになる、やばい。」
「確かに、かっこいい。猫背じゃなくなった頃から。今じゃ逆猫背だよね。」
「そうなの、あの背中のカーブにも見とれてしまう私。それにさ。コウヘイはいちいち私にストライク投げて来るのよ。」
「え?コウヘイに口説かれてるの?」
「違うよ。あの優しい顔で慰められるとさ。それに結構ツッコミも上手いじゃない?」
「あぁ、リンの理想の男性像がわかってきたよ。コウヘイのツッコミもなかなか早くて、リンと早押し状態の時あるね。」
「そろそろ相方変えるかな。」
「いや、リンの相方の座は譲れない、せめて3人のコント集団で。」
「コントね。コウヘイとコントネタ合わせをすれば、危ないネタは事前にカットされて安心。」
「コウヘイとリンとカップルになったら、社内が安定するよ。」
「やめてよ。まさに社内で残りの1人を好きになるなんて、あまりに安易な選択だと思って、踏ん張ってるとこ。私が本気で頼んだら、多分コウヘイは彼氏になってくれる気がするから、それこそコウヘイにも安易な選択させることになるし。」
「なるほど。リンの踏ん張りどころもわかってきたよ。」
「なにしろ恋愛初心者マークだからね。初心者マークどころじゃなくて、学校入学前。ルールすら知らないし、唯一のお手本がユイだから、全く参考にならないし。」
「すみません。私も初心者マーク以前です。私がダイキを、子供の父親と勝手に決めただけ。何も始まってもいません。」
「私はユウと違って、好きな人には自分の良いところだけ見せたいのよ。だから散々最悪な部分を見られてるコウヘイは対象外。ねぇ、ユウは今まで誰とも付き合ってないの?」
「無い。これからも誰かと付き合う人生が思い浮かばないな。ダイキの子種だけいただければ。」
「ユウ、なんて事を!それだけはダイキに言わないであげて!お願い!他の誰にも聞かれないようにして!」
「そう?それで、リンも彼氏いない歴イコール年令なの?今まで何人か付き合ったことがあると思ってた。私に悟らせないで。」
「ユウに隠し事はできる気がしないよ。私が隠れて付き合っても、絶対悟られるよ。」
「そうかな。」

 二人は最初の量販店に戻って、まぁまぁ納得できる無難なものをそれぞれ選んで、そのキャリーケースを引きながら、慌てて社に戻った。

 「恋人が選んだキャリーカートを見ている自分に酔いしれる自分。」
ダイキが言うと、
「最高の気分が味わえますね。」
とコウヘイも言う。

 「え?なになに?」
「実はお二人にお願いがありまして、先程ジユが来て、いきなり僕たちの関係を尋ねてきて、コウヘイがフリーならお付き合いしたいと、はっきりと言ってきたんです。」
「わお、直球ストレート!」
「コウヘイが実に困った顔をするので、僕はつい、コウヘイはリンとお付き合いしていると言ってしまい、ついでに僕もユウも恋人同士ですと申し上げると、すぐ帰ってくれました。」
「ジユは、私がダメならダイキはと。」
「とにかく怖かったんです。すみません、危険を回避するために、お二人の許可も得ず、二組のカップル設定にしてしまいました。ジユにはその設定で今後もさせてくれませんか。」
「でもジユほどの美人を断っても良かったんですか?」
リンがそれこそ息も絶え絶えになって聞く。
「強引だったので逃げることしか考えられず。」
「私は逃げることもできず、大きな目で威嚇されて、蛇に睨まれたカエル状態になってしまいました。リン、こんな情けない30男で申し訳ないですけど、ジユの前ではお願いします。」
「もちろん良いですよ。光る君ファンクラブ会員さんの前だと困りますけど。呪われますので。あはは。」
といつもの軽い調子で返事しているつもりで、瀕死のリンだった。


 数日後、各国人さんとのリモート会議に、グッズ製作メンバーにも参加してもらうことになった。グッズ製作メンバーには社に来ていただいて、手芸をしながら、リモート会議で発言したい人は発言もすることに。
 テーマは『教育プログラムのノウハウを共有し、他の国の良いところを取り入れよう。』前半は、日本語でケンシンが司会をつとめ、アマノに時々質問をして、わかりやすく進めていく。アマノの友達のクエンもケンシンの質問にカタコトの日本語で答える。ダイキとリンが、各国人さんに時々カタコトの英語で説明している。
 後半は、特別参加のクエンの両親が仕切って、同じテーマの英語版。クエンの両親は、2人ともミャンマーで教師をしていたが、ベトナムに逃れた後、日本に来たそうだ。クエンは英語版になると、流暢に自分の考えをしっかり語った。
 
 解散後、リンとユウが片付けながら、
「ケンシンは、前は誰かと初めて会う時、右目を髪で隠すようにして、後ろに引っ込んでたよね。」
「そういえばそうだった。この頃、目の辺りがちょっと引っ込んでるくらい、全く気にならないグローバルな顔かたちのバリエーション。」
「もともとケンシンだけが気にしてただけだしね。」
「それにケンシンは、リモート会議で顔が急にアップになると、前はちょっと戸惑ってたのに、この頃じゃ全くそんなことなくなった。」
「かっこいいよね。中身も最高。文科省大臣に私は押すよ。」
「私は国連議長に押したい。ケンシンがなったら世界が平和になるね。」
「みんなを、『そのために何かしようぜ』って煽ってくるからね。」
「私たちすっかり煽られちゃって、『自分ができることから始めよう』って決心しちゃってるよ。」
「手芸チームも良かったね。手を動かしながらアマノが連れてきた新メンバーのクラスメイトたちが、難民と移民の違いを熱く語っててさ。あれ、アマノが言ってた、ベトナム人は泥棒って最初に言ってた子たちのらしいよ。こっそり笑っちゃった。もちろん感心して聞いてるフリしたよ。」
「アマノから聞いた。だからアマノが連れて来て各国人会議に参加させたんだって。アマノすごいよ。やるなぁ。」
「その最初に泥棒呼ばわりされたクエンも、やるよね。日本語も2週間前よりかなり上手になってたし、英語で自分の意見をわかりやすく簡潔に言ってたの、カッコよかった。」
「素敵だったね。クラスメイトの顔、面白かった。口ってああいう風に開くんだって。」
「2045ノーベル平和賞!ケンシーン!アマーノ!クエーン!だね。」
「クエンがすごいのって、両親だよね。」
「そうそう、パパもママもかなりのインテリだよね。ミャンマーで学校の先生してて、ベトナムに逃れて、日本の就労ビザ取って来たって言ってたと思う。」
「そうなの?全然聞き取れなかった。」
「ベトナムに入る時、役人にかなりのお金を渡さなきゃいけなかった、日本に来る為、お金使い果たした、今は日本に居るため、足元見られて安く使われてる。だったと思う。違うかも?後でダイキに確認しよ。」

 ユウとリンの片付けに、クエンの両親と話していたダイキとコウヘイが加わった。
「ユウ、ご両親には、僕を良く言っててくれませんか?」
「え?どうして?」
「ジユに、ユウと上手くいってるか聞かれて、もちろんと答えていたら、ユイにしっかり聞かれてて、タクマにすぐ話していたので、近々、ご両親に『娘さんを僕にください』を、しに行かなければいけないかもしれません。」
「え?ジユになんて言ったのを聞かれたの?」
「僕でも難しいスラングで聞かれて、オフコースと答えただけなのに、タクマに『お姉ちゃんダイキと付き合ってるんだって』と言ってました。」
「ユイは今そんな話で頭がいっぱいのお年頃なんです。でもちゃんと言っておくので大丈夫です。」
「ご迷惑をおかけします。」
「ダイキの話は家でいつもしてるので、そちらも大丈夫です。」
「え?僕のどんな話?」
「父が極度の心配症なので、会社の話は安心できそうな良い話しかしていません。リンもたまに来るけど、いつもダイキのこと誉めてますし。」
「微力ながら、将来のために応援させていただいています。」
「リン、ありがとうございます。そんな所までお世話になっているとは知りませんでした。ユウのご両親は僕がご挨拶に伺っても、大丈夫そうでしょうか?それとも殴られても、受け身を取れるような練習をして行った方が良さそうですか?」
リンにたずねるダイキに、ユウが、
「ダイキ、私の両親に、私のことを反対はさせません。その点はご安心ください。」
ユウのデカ過ぎる態度にリンが、
「ダイキ、ほんとにユウで良いの?ダイキ、一生ユウに支配されそうよ。」
「リン、一生ユウに支配される僕を想像して、幸せに打ち震えます。」
「人ののろ気を聞いてる時間ほど無駄なものはないわ。ダイキの心配より、今日中の仕事やっつけなきゃ。」
リンがダイキを相手にするのをやめたところで、ユウが、
「ダイキ、私はダイキを支配するつもりはないです。私は子種さえ頂ければ。方法はお任せします。」
ダイキもコウヘイもリンも固まったー

 「ダイキ!落ち着いて!ユウは、私を驚かせるために前に私に同じこと言ったの!私がビックリして『それだけはダイキに言うな』って言ったから、わざと言ってるの!こいつは小学生男子!わざと変なこと言うヤツ!人が驚くこと言って反応見て楽しむバカなの!」

 「あ、そうかも。でもそうじゃない部分も」
「ばか!ユウ!もう家帰りな!今日おやつ無し!」
「えー?」
口を尖らせるユウ。

 「リン、フォローありがとうございます。心臓が一瞬止まりましたが、動き出しました。」
「ダイキ、まだ間に合うから、他の人探した方が良いよ?早死にするよ?こんなの相手にしてたら。」
「ユウのせいで死ねるなら本望です。」

 ユウは顔を赤くしながら、平気なフリをしている。それを見ながら思う存分デレデレ顔を隠さないダイキ。それを見てバカバカしい、時間の無駄と思いながらも嬉しいリン。コウヘイも、ユウの爆弾発言に多少慣れてきて『リンはやっぱりすごい、ダイキとユウを素早くフォロー、ユーモアまで混ぜてるし、そのあと二人を見守って美しく微笑むなんて。百年かけても敵わないな。』と考えていた。
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