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第一章 フリネラアルペン
第十話 メザカモ
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夜が明けルーデンとヤゴリ達の雷狸族、ナコビ達の狐火族が他の種族たちを探しに行った。帰ってきたのはもう夕方だった。
「みんな遅かったね。他の種族は見つけられた?」
「いやぁそれが見つけられたは見つけられたんですが・・・。」
なにやら様子がおかしい。どうしたのだろう。
「何があったか教えて。」
「ここに雹狼族を連れてきたんですが・・・直接彼と話すのがよいでしょう。彼も同じく我ら3人と同等の力を持った者でございます。」
「うん、わかった。」
奥から、10人ほどの犬?いや狼のような者がやってきた。これが雹狼族か。
「お初にお目にかかります。私はメザカモと言う、雹狼族の族長をしておる者でございます。」
「僕はオべリス。一応人間だ、よろしくね。それで何かあったの?」
「ここへ来る途中で襲撃に会いまして。それも人間族に。仲間が人間に攫われてしまい・・・。」
「いつ?場所はどこらへんかな?」
「つい先程で、そんなに遠くへは行っていないはずです。魔族領からまだ出ていないかと。」
「よしわかった。魔族領を結界で包囲する。」
「そ、そんなことができるわけ!?」
「『結界魔法 クルフの趨走』。北西の方にいる。みんなで探して!」
「こ、この膜は!?」
「御意!みんな北西の方角だ!探すぞ!」
ルーデンと少数のゴブリン達、雷狸族、狐火族、雹狼族で探し周った。そして見つかった。
見たところ盗賊だろう。捕虜にして売るつもりだったのか、大体想像はつく。
10人ほどの雹狼族を囲むようにして、盗賊が10数人ってとこか。
「こいつらがどうなってもいいのか?生かすも殺すも俺ら次第だぞ!さっさと退きやがれ!」
「オべリス様。いかがいたしましょうか。」
「みんなは手を出すな。僕の初仕事だ。」
「御意に。」
「さて、盗賊さん達に二通り選択肢を上げるよ。」
「はぁ?何言ってんだこのクソガキは!!」
「一つ。そのまま肉魂になって生きるか。」
「頭ぁ!やっちまいましょうぜぇこんなガキ!」
「一つ。幻覚魔法で生きるか。どちらがいい?決めていいよ。」
「そんなもん!後者に決まっているだろう!!ほーら!やって見せろよ!ほらほら~ぼーくー?」
「皆さん、それでよろしいですね?」
「いいに決まってるだろう?ですよね頭!」
「あぁいいぜぇ!」
「言質はとりましたからね。それではごゆっくりとお楽しみください。この魔法の解除は僕しかできませんのであしからず。」
「な~に言ってんだてめぇ!こいつらがどうなっても。」
「『幻覚魔法 ホーバ』。それではごゆっくり~。ルーデン!終わったので捕虜の回収を!」
「え、終わったって・・・!?まだ盗賊いますよね??」
「幻覚にかかっているから心配ないよ。回収が終わったら人間の国へ送るから。」
「分かりました・・・。」
10人ほどの雹狼族を回収した後、僕は盗賊どもを時空魔法で転移させた。
「あの者どもはどんな状態になったのかお聞きしても?」
「ルーデン、それほんとに聞きたい?きっと吐いちゃうよ。」
「骸骨なのでそこは大丈夫です!」
「そう?あれは幻覚魔法のホーバって言うんだけどね。首を切断されて机に置かれ、断頭台に首を落とされる自分を只管一生見させられるっていう幻覚だよ。だから死んでないよ。殺してないだけマシだろ?」
案の定、ルーデンはカタコト震えていた。まぁ僕も想像しただけで無理だなとは思う。
「そ、それはオ、オべリス様の恩義ですな、はは、ははははは~!!」
おぉ、なんて恐ろしいお人なのだろう、私の主人は。だが、私の目に狂いはなかった!この魔族領復興のため!なんとしてでもオべリス様のお力が必要だ!
「あ、そう言えば、メザカモは~?」
「はい!すぐ呼んで参ります!」
先程のオべリス様の言動が今だに残っている。恐ろしさで震えが止まらぬわ。あぁ骸骨でよかったぁ。
「先程は仲間を助けてくださりありがとうございます。」
「大したことはしてないよ。それより君もルーデンと同等の力を持ってるのかい?」
「は、はい!かつては皆で戦っておりましたが。」
「それなら君もテイムしてあげようか?」
「よろしいのですか?」
「もちろんだよ!ルーデンもヤゴリもナコビも進化したからきっとメザカモも進化するよ!」
「有り難き幸せでございます。オべリス様の力の一端、頂戴したく。」
「よし!わかった!」
血を一滴、メザカモに与えた。するとメザカモは光だし、そして霜に包まれ、今までの風貌より変化し少し人間よりに、犬耳獣人へと化した。狼かぁ、かっこいい!!
「予想通りですな。雹狼族でも稀に見られる氷の妖精に似た姿!?これは霰業でございます!またもや進化しましたね。」
「オべリス殿。ありがとうございます。この力、あなた様のために使わせていただきます!」
「うん、よろしくね!それじゃ魔王城の余ってる部屋使っていいから!」
「ありがとうございます。それでは皆で使わせていただきます。」
と言うと、メザカモ率いる雹狼族は部屋へと納まった。
今日は初めての戦闘で思ったよりも疲れた。すぐ寝れそうだ。
「みんな遅かったね。他の種族は見つけられた?」
「いやぁそれが見つけられたは見つけられたんですが・・・。」
なにやら様子がおかしい。どうしたのだろう。
「何があったか教えて。」
「ここに雹狼族を連れてきたんですが・・・直接彼と話すのがよいでしょう。彼も同じく我ら3人と同等の力を持った者でございます。」
「うん、わかった。」
奥から、10人ほどの犬?いや狼のような者がやってきた。これが雹狼族か。
「お初にお目にかかります。私はメザカモと言う、雹狼族の族長をしておる者でございます。」
「僕はオべリス。一応人間だ、よろしくね。それで何かあったの?」
「ここへ来る途中で襲撃に会いまして。それも人間族に。仲間が人間に攫われてしまい・・・。」
「いつ?場所はどこらへんかな?」
「つい先程で、そんなに遠くへは行っていないはずです。魔族領からまだ出ていないかと。」
「よしわかった。魔族領を結界で包囲する。」
「そ、そんなことができるわけ!?」
「『結界魔法 クルフの趨走』。北西の方にいる。みんなで探して!」
「こ、この膜は!?」
「御意!みんな北西の方角だ!探すぞ!」
ルーデンと少数のゴブリン達、雷狸族、狐火族、雹狼族で探し周った。そして見つかった。
見たところ盗賊だろう。捕虜にして売るつもりだったのか、大体想像はつく。
10人ほどの雹狼族を囲むようにして、盗賊が10数人ってとこか。
「こいつらがどうなってもいいのか?生かすも殺すも俺ら次第だぞ!さっさと退きやがれ!」
「オべリス様。いかがいたしましょうか。」
「みんなは手を出すな。僕の初仕事だ。」
「御意に。」
「さて、盗賊さん達に二通り選択肢を上げるよ。」
「はぁ?何言ってんだこのクソガキは!!」
「一つ。そのまま肉魂になって生きるか。」
「頭ぁ!やっちまいましょうぜぇこんなガキ!」
「一つ。幻覚魔法で生きるか。どちらがいい?決めていいよ。」
「そんなもん!後者に決まっているだろう!!ほーら!やって見せろよ!ほらほら~ぼーくー?」
「皆さん、それでよろしいですね?」
「いいに決まってるだろう?ですよね頭!」
「あぁいいぜぇ!」
「言質はとりましたからね。それではごゆっくりとお楽しみください。この魔法の解除は僕しかできませんのであしからず。」
「な~に言ってんだてめぇ!こいつらがどうなっても。」
「『幻覚魔法 ホーバ』。それではごゆっくり~。ルーデン!終わったので捕虜の回収を!」
「え、終わったって・・・!?まだ盗賊いますよね??」
「幻覚にかかっているから心配ないよ。回収が終わったら人間の国へ送るから。」
「分かりました・・・。」
10人ほどの雹狼族を回収した後、僕は盗賊どもを時空魔法で転移させた。
「あの者どもはどんな状態になったのかお聞きしても?」
「ルーデン、それほんとに聞きたい?きっと吐いちゃうよ。」
「骸骨なのでそこは大丈夫です!」
「そう?あれは幻覚魔法のホーバって言うんだけどね。首を切断されて机に置かれ、断頭台に首を落とされる自分を只管一生見させられるっていう幻覚だよ。だから死んでないよ。殺してないだけマシだろ?」
案の定、ルーデンはカタコト震えていた。まぁ僕も想像しただけで無理だなとは思う。
「そ、それはオ、オべリス様の恩義ですな、はは、ははははは~!!」
おぉ、なんて恐ろしいお人なのだろう、私の主人は。だが、私の目に狂いはなかった!この魔族領復興のため!なんとしてでもオべリス様のお力が必要だ!
「あ、そう言えば、メザカモは~?」
「はい!すぐ呼んで参ります!」
先程のオべリス様の言動が今だに残っている。恐ろしさで震えが止まらぬわ。あぁ骸骨でよかったぁ。
「先程は仲間を助けてくださりありがとうございます。」
「大したことはしてないよ。それより君もルーデンと同等の力を持ってるのかい?」
「は、はい!かつては皆で戦っておりましたが。」
「それなら君もテイムしてあげようか?」
「よろしいのですか?」
「もちろんだよ!ルーデンもヤゴリもナコビも進化したからきっとメザカモも進化するよ!」
「有り難き幸せでございます。オべリス様の力の一端、頂戴したく。」
「よし!わかった!」
血を一滴、メザカモに与えた。するとメザカモは光だし、そして霜に包まれ、今までの風貌より変化し少し人間よりに、犬耳獣人へと化した。狼かぁ、かっこいい!!
「予想通りですな。雹狼族でも稀に見られる氷の妖精に似た姿!?これは霰業でございます!またもや進化しましたね。」
「オべリス殿。ありがとうございます。この力、あなた様のために使わせていただきます!」
「うん、よろしくね!それじゃ魔王城の余ってる部屋使っていいから!」
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今日は初めての戦闘で思ったよりも疲れた。すぐ寝れそうだ。
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