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Prologue
2 そして、また、知らない土地へ
しおりを挟む中学を卒業後、実家から少し遠くの進学校、明藤(みょうとう)高校へ進学した。
進学と同時に、近くのアパートで一人暮らしをすることにした。
高校でもたぶん一人だろう。
高校が終わったら塾へ行く、それが毎日のルーティンだった。
最初は期待した。こんな僕でも、友達が出来るかと。
自分から話しかけられない以上、友達ができるはずもない。
教室ではグループができ始める。
一瞬話しかけられた時もあった。
緊張しすぎて声が出なかった。
春はあっという間に過ぎ、季節は夏へ。
夏休み。クラスのみんなは海へ行く人やバイトする人、みんな楽しんでいる。
僕はというもの暇だった。趣味と呼べるものもない。
強いて言うなら、読書。読書って、勉強とあまり変わらない。
ただひたすら、蝉の鳴き声が消えていく。
秋。文化祭に体育祭。イベントだらけだ。
コミュ障の僕にはすごく苦手な行事。
体育祭なんて最悪だ。球技全般無理。ボールを投げたら、前に投げたのに後ろに飛ばしているくらいの運動音痴だ。
文化祭は、図書委員だからと言って図書室で過ごす。クラスの出し物は展示だったからな。暇なのである。
そうしてイベントが盛りだくさんの秋は過ぎていき、季節は冬へ。
冬は嫌いだ。自分がみじめに思えてくる。
道端の木は枯れ、寒さで登下校がしんどくなる。
寒さが増すにつれ、僕の心も氷がつき始めたように凍えてゆく。
こうして何事もなく、今年も終わりが近づいてくる。
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