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3章:温泉ラブラブ大作戦
3話:ファウストの秘密
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翌日からファウストは訓練を付ける事になり、ランバートはギルバートを探る事にした。だが極端にファウストがギルバートに近づく事を嫌がるのでとりあえず外堀を埋める事にした。
「おはようございます、アレクセンさん」
「おはようございます、ランバート様」
朝の執務室で穏やかな笑みを浮かべるアレクセンに、ランバートは苦笑する。明らかに彼の方が年上で、騎士団在籍年数も上なのだが。
「あの、出来れば普通に呼んでください。様はちょっと」
「上官ですから」
「在籍年数と実年齢はアレクセンさんのほうが上です。補佐官なんて言ってもまだ経験の浅い青二才ですよ」
「そんなご謙遜を。ファウスト様の背中を守れるだけで凄い事ですよ?」
「あの人、多分背中を守る必要はあまりない……」
「それを言うとどうにもなりませんし、これは一つ貴方を信頼して預けているという比喩でもありますよ。あの、ご自分で言って凹んでませんか?」
「少し」
実際、ファウストに守りはいらない。これはジェームダルとの戦争で思い知った。あの人がぶち切れた時の戦闘力は人のそれじゃないと思う。あの状態なら、守りはむしろ邪魔になるだろう。
アレクセンは苦笑した後で頷いた。
「では、ランバートくんで」
「くん!」
「嫌ですか?」
「あぁ、いえ。今までそのように呼ばれた事がなかったので」
「他の方はどのように呼んでいるのですか?」
「呼び捨てです」
「それも凄いですね。あの、嫌なら合わせますが」
「あぁ、いえ! 少し、気恥ずかしいですが」
照れが多少ありはするが、嫌な感じはない。伝えるとアレクセンは屈託のない笑みを浮かべて「よろしく、ランバートくん」と言った。
「それにしても、街からの苦情が意外と多いですね」
今回王都への報告を行ったのはアレクセンで、その原因となる街からの苦情を読み返しているのだが数が多い。しかも大抵が似た内容だ。
「酒を飲んで騒いで店員に絡む。男には因縁をつけ、女性にはセクハラ。これが騎士団かと思われると腹が立ちます」
「調査をすると五人ほどの人物で、注意をしているのですが聞きません。貴族の子息で、問題を起こすと金で解決しています。が、それでもこの状態です」
「騎士団の名を貶めるような事は許すつもりはない。こいつら、根性叩き直す」
「難しいですよ。なにせ落ちこぼれですから。そのくせ訓練は不真面目でサボりが多いし、弱い隊員としか手合わせをしません。確実に自分が勝てる相手としかやらないんです」
「……イライラする」
「貴方とは心の友になれる気がいたします」
気苦労の絶えない様子のアレクセンは溜息をついた。
何にしてもこれでは騎士団の名を傷つける。剣術や馬術を身につけるつもりで入って来た奴が好き勝手をした結果これでは、笑えない。
「夜間の外出を禁止にしては」
「そんなのは最初にやりました。結果、彼らの実家から苦情の連絡がひっきりなしに来て余計に面倒でしたよ。監禁だそうです」
「退団」
「家からの支援を打ち切ると言われましたし、騎士団にいる事がステータスなんだと声高に。死ねばいいのに、クズ」
一瞬見えた暗く淀むような冷たいアレクセンの瞳に、ランバートは苦笑がもれた。
「本当はギルバートが言えばいいのですがね。退団だって、強い態度で踏み切ってくれればいいのに遊んでばかりで。彼らの支援などなくてもどうにかする事はできるはずなのに」
少し寂しそうなアレクセンの言葉に、ランバートは妙な引っかかりを感じた。どことなく責めている以上に切なさがある気がしたのだ。
「信じているんですか、ギルバート隊長の事」
「信じていなければ長く側にいませんよ」
呟いたアレクセンは、それっきりギルバートの事を口にしなかった。
執務の手伝いをしつつ、問題のある隊員を呼び出す事を決め、ついでにギルバートの態度を改善させる方法を考えている。むしろギルバートの問題が大きい事が分かった。彼がしっかりしなければ隊の力量を上げる事が難しい。アレクセンだけでは手が回らないのだ。
「休憩いたしましょう」ということで、アレクセンは一度席を外す。ランバートも体を伸ばすようにしていると、不意にノックもなしにドアが開いた。
「お疲れさんだな、補佐官殿」
「ギルバートさん」
戸口に立った人は許可もしていないのに入ってくる。まぁ、彼の砦なのだから許可もなにもないが。
体が少し強ばる。やはり雰囲気のある人だ。昨日は裸だったが、制服を着るとまた引き締まる。赤い髪を適当にくくった人は涼しい顔でランバートの側に来ると、ニヤリと笑みを浮かべた。
「アレクセンとは上手くいってるらしいな」
「お陰様で」
「んな硬くなるなって。噛みつかれそうだ」
「貴方に気を付けろと、ファウスト様に言われていますので」
伝えれば青い瞳が僅かに開き、次には可笑しそうな笑い声が響いた。
「必死だねぇ、クソガキ。長生きしてみるもんだ」
「親しそうですね」
「まぁ、騎士団に入ってからずっと面倒を見てる奴だからな。可愛かったんだぜ、クソ生意気で負けん気が強くて口も減らなかったがそれがまた」
知らないファウストの姿を知っている人。どうしようもない事だけれど、少しモヤモヤする。それが顔に出たのだろう。器用に片眉を上げたギルバートが口の端を上げた。
「へぇ、妬いてんのか。あんたも可愛いぜ」
「からかいは結構です」
「くくっ、面白ぇな。あんまり可愛いとつまみ食いしたくなる」
「あの方の嫉妬を知ってのうえならどうぞ」
「おっと、そうだな。別人かと思うほど必死だな、いっちょ前に」
体を離した人はさっきまでアレクセンが座っていた場所に腰を下ろす。
伺うように見ていると、やはり目が合いニヤリと笑われた。
「聞きたい事があるなら言ってみろよ。色々気になってるだろ」
「……単刀直入に伺います。貴方とファウスト様の間に何があったのですか?」
「手とり足とり腰とり、あれこれ教えた」
「腰とり?」
「なんだ、あいつも秘密主義だな。あいつの初めての相手は俺だよ」
「……え!!」
思わぬ言葉に声が大きくなり、立ち上がる。ギルバートは苦笑して、そんなランバートを見た。
「なんだ、あいつの初めては自分だと思ってたのかい?」
「いや、遊んでいたのは知っていたけれど」
「あぁ、あったな。連日の戦いで自棄になってたのもあったし、隊内でも単純に処理したい奴等が多かった。誘われれば嫌と言わなかったから、いいようにしていたな」
そんなに荒れていたのか。これが団長になって途端に一切を切ったとなれば、反動が今ランバートに来ているのかもしれない。
「聞いても?」
「いいぜ、あいつは話さないからな」
おちゃらけた感じではなく、どこか懐かしそうな顔をするギルバートを前に座り直し、ランバートは二人の話を聞くことにした。
「怪我してな、ちょっとやばかった事がある」
「ファウストを庇ったと聞きました」
「あいつ、んな事思ってたのか。ったく、もう何年経ってると思ってんだ。まぁ、そうとも言えるか。見捨てりゃ良かったんだが、出来なかったしな」
長い足を組んだ人が、寂しそうに笑う。懐かしいというには、影があるものだ。
「そんなんで死にかけて、目が覚めて動ける様になってから、突然あいつが夜に訪ねてきてな。『何でもいいから、責任取りたい』とかバカを言いだしたんだ」
「らしいと言えば、らしいです」
案外気にする人だ。昔は今以上に自由で素直で、責任を感じたのかもしれない。容易に想像が出来る事だ。
「いらねぇ、って言っても毎日でよ。甲斐甲斐しく世話もするしな。んで、いい加減鬱陶しくなって『欲求不満だ。抱かせろ』って脅したんだよ。気位の高い貴族出身のケツの青いガキだ、ビビって逃げると思ったんだがな。あいつ、応じやがった」
ギルバートの言葉に、妙に胸が痛む。その時、ファウストはどんな気持ちだったのだろう。何だかんだと言いながらも嫌いじゃない相手にそう言われて、いいと思ったのだろうか。それとも、嫌々だった? むしろ、喜んだ?
嫌だ、気持ちがモヤモヤする。知らないファウストが見えて、それを他人から知らされて、心が穏やかじゃない。今の彼ではないと知っているのに。
「据え膳は食う事にしててな。まぁ、嫌がるなら離してやるつもりだったが意地になってたのか、最後まで逃げなかった。想定外が、そっから時々奉仕するようになった事だな。俺が戦場に出られなくなった事に責任感じてか、週に一度くらい来ては義務的に」
「…………」
責任を感じて、義務的に。
それは正しかったのかもしれない。けれどそれを理由に本当は多少の気持ちがあったのかもしれない。初恋の人、とかだったのかもしれない。
全部が推測や想像の世界。だからこそ泥沼に沈む。ランバートには答えなんて出せないのに。
「まぁ、その位から遊びというか、誘われれば応じていたみたいだがな。どんどん目が険しくなっていって、戦場ではなりふり構わなくなっていると聞いて、バカな生き方始めたのもそのくらいだ。荒んでたんだよ」
「今もそれほど変わらないかと」
「浮気してるのかい?」
「それはないと思いますが。戦場では、やはり自分の事は二の次な気がします」
何度も怖いと思った。西の戦いで傷を負った時も、ジェームダルの前線に立った時も。あの人は簡単に自分の身を晒すから怖くて、不意に手を伸ばしてもすり抜ける気がした。
ギルバートは呆れた顔をしつつも、どこか穏やかだった。
「それでも良くなってるさ。あいつの古傷は全部団長になる前か、直後の傷だろ。あの頃は今以上に命削ってた」
「その時代に一緒にいなくて良かったです」
「だな。それに今はお前さん一人だろ? あいつ、肉体関係はあっても感情は一切なかったからな」
「そう、ですか……」
まぁ、自分も同じようなものだ。男も女も関係はあったが、そこに互いの感情はなかった。後腐れのない関係だった。
同じなのだろうから、責めてはいけない。何よりも過去の事だ、とやかく言ってはいけない。思っているのに、暗くなるのは引っかかっているからだ。
「んな暗くなるなよ、補佐官殿。あいつは間違いなくお前さんといる事で真っ当な人間になってるって」
「別に暗くなんてありません」
「可愛くないねぇ」
立ち上がり、スルリと髪に触れる手にビクリとしていると、ドアが開いてアレクセンとファウストが入ってくる。案外近い距離にあったからか、ファウストの目が酷く辛そうに歪んだ。
「あれま、怖い顔」
笑ったギルバートは何を思ったのかランバートの体を引き寄せる。そして頭が触れあうほどの距離に来てしまった。
「仕事中だ、ギルバート」
「わーてるよ。ちょっとスキンシップという奴だ」
ファウストの目が更に険しくなる。それは怖いくらいで、殺気や冷気まで感じるくらいだった。
思わず身構え体を硬くすると、その肩をギルバートが叩く。そして、ニヤリと笑った。
「怖がっちゃってるねぇ、補佐官殿。あんな嫉妬深いのやめて、俺の所にくるかい? お前さんなら大歓迎だ」
「冗談やめてください!」
からかう様な笑みにハッとして、ランバートは突き飛ばすようにギルバートの体を押し戻す。腰を浮かせて逃げたが……素直にファウストの所にはいけなかった。
その事に傷ついた険しい顔をしたのは、ファウストだった。
「とりあえず今後の会議をしたい。ランバートもいてくれ」
「分かりました」
目を閉じて一つ溜息をついたファウストはそれで仕事の顔に戻る。そうしてランバートの隣りに座った。どこかギスギスした感じもあったが、仕事だからとそれは抑えた。
「単刀直入に言うと、育ちが遅い。必死についてこようとしているがいかんせん技術も体力も足りてない。主に体力だな。どうにかしろ」
「走らせるか?」
「適当な事をしないでちゃんと指導しろ。基礎体力がつかないと技術の面もおぼつかない。一人につき、今よりも増やせ」
ギルバートは面倒臭いという顔をしたが、隣のアレクセンが「善処します」と言った事でファウストも矛を収めた。
「それで、問題行動を起こしている奴等の事だが」
「特定の五人程度らしい。貴族の子息で来年には退団予定です」
「つまり、今すぐに除隊処分にしても支障ないってことだな」
ファウストの言葉に目をむいたのはギルバートだった。目を丸くした彼は軽く腰を浮かせたが、隣のアレクセンが冷静に腕を引いた。
「除隊って、支援切られるし苦情きっぱなしだぞ」
「弱小貴族の微々たる支援よりも、町からの寄付のほうが重要だ。戦場にも出ない、再三の注意も無視、職務怠慢。これを放置して騎士団を名乗らせる方が問題だ」
「おいおい、万年金欠の騎士団がそれでいいのかよ」
「その点はご心配なく。ジェームダルとの戦いが思わぬ評価を頂き、騎士団への寄贈や寄付、支援を申し出る商人や若い貴族が増えています。評判が落ちる事の方が問題です」
ランバートの言葉にギルバートは驚き、そして微妙な顔で「そうか」と呟いた。
「ですが、ギルバートの言う事も一つです。今更大人しく、理由もなく引く奴等ではありません。切っ掛けがなければ難しいのも確かですが」
アレクセンの言葉に頷いたファウストは、不意にランバートへと視線を向けた。
「まだ、昇格試験をしていない。ランバート、相手してくれ」
突然ではあったが、納得はした。ここで実力不足を広く晒して評価をつけ、その結果除隊という流れを作るのだろう。
「だが、問題もあるぞ。俺が相手をしたら、ここの隊員がほぼ残らないんじゃないのか?」
一応、そんなに弱いつもりはないのだが。
ギルバートもアレクセンも頷いている。隊員の評価も紙面で見せてもらったが、流石にこのレベルに負けはしないし、十分な手合わせが出来るとは思えない。
だがファウストも考えているのか、動じる事はなかった。
「一対多人数の乱取りだ。武器は持たない。倒されても諦めずに向かって行く者は戦う意志ありと判断して残す。後はギルバートが育てればいい。力量ではなく根性をみたい」
「おいおい、それは補佐官殿の体力がきついだろ。弱いとはいえ人数はいるぞ。百近いんだ」
「できるな、ランバート?」
真っ直ぐに向けられる黒い瞳には信頼がある。それを見せられたら、ランバートも滾るものがあった。
「勿論だ」
「頼む」
「任せてくれ」
ニッと笑ったランバートに、ファウストも満足そうに笑う。そして大きな手がランバートの頭を柔らかく撫でた。
「明日行う予定で、午後に発表とする。ランバートは体調整えておいてくれ」
「分かった」
「ったく、しゃーないな」
重い腰を上げたギルバートは出て行き、アレクセンがそれに続く。室内にはランバートとファウストの二人だけになった。
「それで」
「え?」
「何の話をしていたんだ、仲よさそうに」
じろりと睨む瞳はもう上官の顔をしていない。そのうえで、微妙に怒っている。
別に怒られるような事はしていない。恋人の様子が違い、関わっているだろう人物と話したら意外な事が出てきた。それだけなんだ。
ランバートも意地になって見据える。それに怯んだのはむしろファウストの方だった。
「ファウストとギルバートの話」
「!」
驚いたのか大きな体が僅かに震える。顔には焦りのような、嫌な様子が見て取れた。
「あんたの初めては、あの人だったんだな」
突きつけるように言ってしまって、ちょっとだけ後悔もある。けれど気持ちはギスギスしていて、上手くそれを宥める事ができないでいる。
「別に隠す事はないだろ? 俺と出会う前の事なんだし、俺だってファウストが初めてだなんてことはない。お互い様に知っているのに、どうして隠そうとするんだよ」
「別に言う事でもないだろ。俺もお前の過去を問うつもりはないんだから」
「それなら堂々としていればいいのに、妙にソワソワしてるから気になるじゃないか。今もどこかやましい所があるんじゃないかって、勘ぐるだろ」
言いながら、止まろうと思った。こんな事責めたって何にもならない。それにこの視察が終われば二人で温泉と思っているんだ。それなのに。
ファウストは凄みのある目をしてランバートを見ている。そして立ち上がり、パッと背を向けた。
「あいつと俺との間には何もない」
「あっただろ」
「過去だ」
「……隠すなよ」
「知る必要のない事だと思っていた。ただ、それだけだ」
それっきり言葉もなく出ていく背中を追えない。そして一人残されて後悔するのは,ランバートの方だった。
「おはようございます、アレクセンさん」
「おはようございます、ランバート様」
朝の執務室で穏やかな笑みを浮かべるアレクセンに、ランバートは苦笑する。明らかに彼の方が年上で、騎士団在籍年数も上なのだが。
「あの、出来れば普通に呼んでください。様はちょっと」
「上官ですから」
「在籍年数と実年齢はアレクセンさんのほうが上です。補佐官なんて言ってもまだ経験の浅い青二才ですよ」
「そんなご謙遜を。ファウスト様の背中を守れるだけで凄い事ですよ?」
「あの人、多分背中を守る必要はあまりない……」
「それを言うとどうにもなりませんし、これは一つ貴方を信頼して預けているという比喩でもありますよ。あの、ご自分で言って凹んでませんか?」
「少し」
実際、ファウストに守りはいらない。これはジェームダルとの戦争で思い知った。あの人がぶち切れた時の戦闘力は人のそれじゃないと思う。あの状態なら、守りはむしろ邪魔になるだろう。
アレクセンは苦笑した後で頷いた。
「では、ランバートくんで」
「くん!」
「嫌ですか?」
「あぁ、いえ。今までそのように呼ばれた事がなかったので」
「他の方はどのように呼んでいるのですか?」
「呼び捨てです」
「それも凄いですね。あの、嫌なら合わせますが」
「あぁ、いえ! 少し、気恥ずかしいですが」
照れが多少ありはするが、嫌な感じはない。伝えるとアレクセンは屈託のない笑みを浮かべて「よろしく、ランバートくん」と言った。
「それにしても、街からの苦情が意外と多いですね」
今回王都への報告を行ったのはアレクセンで、その原因となる街からの苦情を読み返しているのだが数が多い。しかも大抵が似た内容だ。
「酒を飲んで騒いで店員に絡む。男には因縁をつけ、女性にはセクハラ。これが騎士団かと思われると腹が立ちます」
「調査をすると五人ほどの人物で、注意をしているのですが聞きません。貴族の子息で、問題を起こすと金で解決しています。が、それでもこの状態です」
「騎士団の名を貶めるような事は許すつもりはない。こいつら、根性叩き直す」
「難しいですよ。なにせ落ちこぼれですから。そのくせ訓練は不真面目でサボりが多いし、弱い隊員としか手合わせをしません。確実に自分が勝てる相手としかやらないんです」
「……イライラする」
「貴方とは心の友になれる気がいたします」
気苦労の絶えない様子のアレクセンは溜息をついた。
何にしてもこれでは騎士団の名を傷つける。剣術や馬術を身につけるつもりで入って来た奴が好き勝手をした結果これでは、笑えない。
「夜間の外出を禁止にしては」
「そんなのは最初にやりました。結果、彼らの実家から苦情の連絡がひっきりなしに来て余計に面倒でしたよ。監禁だそうです」
「退団」
「家からの支援を打ち切ると言われましたし、騎士団にいる事がステータスなんだと声高に。死ねばいいのに、クズ」
一瞬見えた暗く淀むような冷たいアレクセンの瞳に、ランバートは苦笑がもれた。
「本当はギルバートが言えばいいのですがね。退団だって、強い態度で踏み切ってくれればいいのに遊んでばかりで。彼らの支援などなくてもどうにかする事はできるはずなのに」
少し寂しそうなアレクセンの言葉に、ランバートは妙な引っかかりを感じた。どことなく責めている以上に切なさがある気がしたのだ。
「信じているんですか、ギルバート隊長の事」
「信じていなければ長く側にいませんよ」
呟いたアレクセンは、それっきりギルバートの事を口にしなかった。
執務の手伝いをしつつ、問題のある隊員を呼び出す事を決め、ついでにギルバートの態度を改善させる方法を考えている。むしろギルバートの問題が大きい事が分かった。彼がしっかりしなければ隊の力量を上げる事が難しい。アレクセンだけでは手が回らないのだ。
「休憩いたしましょう」ということで、アレクセンは一度席を外す。ランバートも体を伸ばすようにしていると、不意にノックもなしにドアが開いた。
「お疲れさんだな、補佐官殿」
「ギルバートさん」
戸口に立った人は許可もしていないのに入ってくる。まぁ、彼の砦なのだから許可もなにもないが。
体が少し強ばる。やはり雰囲気のある人だ。昨日は裸だったが、制服を着るとまた引き締まる。赤い髪を適当にくくった人は涼しい顔でランバートの側に来ると、ニヤリと笑みを浮かべた。
「アレクセンとは上手くいってるらしいな」
「お陰様で」
「んな硬くなるなって。噛みつかれそうだ」
「貴方に気を付けろと、ファウスト様に言われていますので」
伝えれば青い瞳が僅かに開き、次には可笑しそうな笑い声が響いた。
「必死だねぇ、クソガキ。長生きしてみるもんだ」
「親しそうですね」
「まぁ、騎士団に入ってからずっと面倒を見てる奴だからな。可愛かったんだぜ、クソ生意気で負けん気が強くて口も減らなかったがそれがまた」
知らないファウストの姿を知っている人。どうしようもない事だけれど、少しモヤモヤする。それが顔に出たのだろう。器用に片眉を上げたギルバートが口の端を上げた。
「へぇ、妬いてんのか。あんたも可愛いぜ」
「からかいは結構です」
「くくっ、面白ぇな。あんまり可愛いとつまみ食いしたくなる」
「あの方の嫉妬を知ってのうえならどうぞ」
「おっと、そうだな。別人かと思うほど必死だな、いっちょ前に」
体を離した人はさっきまでアレクセンが座っていた場所に腰を下ろす。
伺うように見ていると、やはり目が合いニヤリと笑われた。
「聞きたい事があるなら言ってみろよ。色々気になってるだろ」
「……単刀直入に伺います。貴方とファウスト様の間に何があったのですか?」
「手とり足とり腰とり、あれこれ教えた」
「腰とり?」
「なんだ、あいつも秘密主義だな。あいつの初めての相手は俺だよ」
「……え!!」
思わぬ言葉に声が大きくなり、立ち上がる。ギルバートは苦笑して、そんなランバートを見た。
「なんだ、あいつの初めては自分だと思ってたのかい?」
「いや、遊んでいたのは知っていたけれど」
「あぁ、あったな。連日の戦いで自棄になってたのもあったし、隊内でも単純に処理したい奴等が多かった。誘われれば嫌と言わなかったから、いいようにしていたな」
そんなに荒れていたのか。これが団長になって途端に一切を切ったとなれば、反動が今ランバートに来ているのかもしれない。
「聞いても?」
「いいぜ、あいつは話さないからな」
おちゃらけた感じではなく、どこか懐かしそうな顔をするギルバートを前に座り直し、ランバートは二人の話を聞くことにした。
「怪我してな、ちょっとやばかった事がある」
「ファウストを庇ったと聞きました」
「あいつ、んな事思ってたのか。ったく、もう何年経ってると思ってんだ。まぁ、そうとも言えるか。見捨てりゃ良かったんだが、出来なかったしな」
長い足を組んだ人が、寂しそうに笑う。懐かしいというには、影があるものだ。
「そんなんで死にかけて、目が覚めて動ける様になってから、突然あいつが夜に訪ねてきてな。『何でもいいから、責任取りたい』とかバカを言いだしたんだ」
「らしいと言えば、らしいです」
案外気にする人だ。昔は今以上に自由で素直で、責任を感じたのかもしれない。容易に想像が出来る事だ。
「いらねぇ、って言っても毎日でよ。甲斐甲斐しく世話もするしな。んで、いい加減鬱陶しくなって『欲求不満だ。抱かせろ』って脅したんだよ。気位の高い貴族出身のケツの青いガキだ、ビビって逃げると思ったんだがな。あいつ、応じやがった」
ギルバートの言葉に、妙に胸が痛む。その時、ファウストはどんな気持ちだったのだろう。何だかんだと言いながらも嫌いじゃない相手にそう言われて、いいと思ったのだろうか。それとも、嫌々だった? むしろ、喜んだ?
嫌だ、気持ちがモヤモヤする。知らないファウストが見えて、それを他人から知らされて、心が穏やかじゃない。今の彼ではないと知っているのに。
「据え膳は食う事にしててな。まぁ、嫌がるなら離してやるつもりだったが意地になってたのか、最後まで逃げなかった。想定外が、そっから時々奉仕するようになった事だな。俺が戦場に出られなくなった事に責任感じてか、週に一度くらい来ては義務的に」
「…………」
責任を感じて、義務的に。
それは正しかったのかもしれない。けれどそれを理由に本当は多少の気持ちがあったのかもしれない。初恋の人、とかだったのかもしれない。
全部が推測や想像の世界。だからこそ泥沼に沈む。ランバートには答えなんて出せないのに。
「まぁ、その位から遊びというか、誘われれば応じていたみたいだがな。どんどん目が険しくなっていって、戦場ではなりふり構わなくなっていると聞いて、バカな生き方始めたのもそのくらいだ。荒んでたんだよ」
「今もそれほど変わらないかと」
「浮気してるのかい?」
「それはないと思いますが。戦場では、やはり自分の事は二の次な気がします」
何度も怖いと思った。西の戦いで傷を負った時も、ジェームダルの前線に立った時も。あの人は簡単に自分の身を晒すから怖くて、不意に手を伸ばしてもすり抜ける気がした。
ギルバートは呆れた顔をしつつも、どこか穏やかだった。
「それでも良くなってるさ。あいつの古傷は全部団長になる前か、直後の傷だろ。あの頃は今以上に命削ってた」
「その時代に一緒にいなくて良かったです」
「だな。それに今はお前さん一人だろ? あいつ、肉体関係はあっても感情は一切なかったからな」
「そう、ですか……」
まぁ、自分も同じようなものだ。男も女も関係はあったが、そこに互いの感情はなかった。後腐れのない関係だった。
同じなのだろうから、責めてはいけない。何よりも過去の事だ、とやかく言ってはいけない。思っているのに、暗くなるのは引っかかっているからだ。
「んな暗くなるなよ、補佐官殿。あいつは間違いなくお前さんといる事で真っ当な人間になってるって」
「別に暗くなんてありません」
「可愛くないねぇ」
立ち上がり、スルリと髪に触れる手にビクリとしていると、ドアが開いてアレクセンとファウストが入ってくる。案外近い距離にあったからか、ファウストの目が酷く辛そうに歪んだ。
「あれま、怖い顔」
笑ったギルバートは何を思ったのかランバートの体を引き寄せる。そして頭が触れあうほどの距離に来てしまった。
「仕事中だ、ギルバート」
「わーてるよ。ちょっとスキンシップという奴だ」
ファウストの目が更に険しくなる。それは怖いくらいで、殺気や冷気まで感じるくらいだった。
思わず身構え体を硬くすると、その肩をギルバートが叩く。そして、ニヤリと笑った。
「怖がっちゃってるねぇ、補佐官殿。あんな嫉妬深いのやめて、俺の所にくるかい? お前さんなら大歓迎だ」
「冗談やめてください!」
からかう様な笑みにハッとして、ランバートは突き飛ばすようにギルバートの体を押し戻す。腰を浮かせて逃げたが……素直にファウストの所にはいけなかった。
その事に傷ついた険しい顔をしたのは、ファウストだった。
「とりあえず今後の会議をしたい。ランバートもいてくれ」
「分かりました」
目を閉じて一つ溜息をついたファウストはそれで仕事の顔に戻る。そうしてランバートの隣りに座った。どこかギスギスした感じもあったが、仕事だからとそれは抑えた。
「単刀直入に言うと、育ちが遅い。必死についてこようとしているがいかんせん技術も体力も足りてない。主に体力だな。どうにかしろ」
「走らせるか?」
「適当な事をしないでちゃんと指導しろ。基礎体力がつかないと技術の面もおぼつかない。一人につき、今よりも増やせ」
ギルバートは面倒臭いという顔をしたが、隣のアレクセンが「善処します」と言った事でファウストも矛を収めた。
「それで、問題行動を起こしている奴等の事だが」
「特定の五人程度らしい。貴族の子息で来年には退団予定です」
「つまり、今すぐに除隊処分にしても支障ないってことだな」
ファウストの言葉に目をむいたのはギルバートだった。目を丸くした彼は軽く腰を浮かせたが、隣のアレクセンが冷静に腕を引いた。
「除隊って、支援切られるし苦情きっぱなしだぞ」
「弱小貴族の微々たる支援よりも、町からの寄付のほうが重要だ。戦場にも出ない、再三の注意も無視、職務怠慢。これを放置して騎士団を名乗らせる方が問題だ」
「おいおい、万年金欠の騎士団がそれでいいのかよ」
「その点はご心配なく。ジェームダルとの戦いが思わぬ評価を頂き、騎士団への寄贈や寄付、支援を申し出る商人や若い貴族が増えています。評判が落ちる事の方が問題です」
ランバートの言葉にギルバートは驚き、そして微妙な顔で「そうか」と呟いた。
「ですが、ギルバートの言う事も一つです。今更大人しく、理由もなく引く奴等ではありません。切っ掛けがなければ難しいのも確かですが」
アレクセンの言葉に頷いたファウストは、不意にランバートへと視線を向けた。
「まだ、昇格試験をしていない。ランバート、相手してくれ」
突然ではあったが、納得はした。ここで実力不足を広く晒して評価をつけ、その結果除隊という流れを作るのだろう。
「だが、問題もあるぞ。俺が相手をしたら、ここの隊員がほぼ残らないんじゃないのか?」
一応、そんなに弱いつもりはないのだが。
ギルバートもアレクセンも頷いている。隊員の評価も紙面で見せてもらったが、流石にこのレベルに負けはしないし、十分な手合わせが出来るとは思えない。
だがファウストも考えているのか、動じる事はなかった。
「一対多人数の乱取りだ。武器は持たない。倒されても諦めずに向かって行く者は戦う意志ありと判断して残す。後はギルバートが育てればいい。力量ではなく根性をみたい」
「おいおい、それは補佐官殿の体力がきついだろ。弱いとはいえ人数はいるぞ。百近いんだ」
「できるな、ランバート?」
真っ直ぐに向けられる黒い瞳には信頼がある。それを見せられたら、ランバートも滾るものがあった。
「勿論だ」
「頼む」
「任せてくれ」
ニッと笑ったランバートに、ファウストも満足そうに笑う。そして大きな手がランバートの頭を柔らかく撫でた。
「明日行う予定で、午後に発表とする。ランバートは体調整えておいてくれ」
「分かった」
「ったく、しゃーないな」
重い腰を上げたギルバートは出て行き、アレクセンがそれに続く。室内にはランバートとファウストの二人だけになった。
「それで」
「え?」
「何の話をしていたんだ、仲よさそうに」
じろりと睨む瞳はもう上官の顔をしていない。そのうえで、微妙に怒っている。
別に怒られるような事はしていない。恋人の様子が違い、関わっているだろう人物と話したら意外な事が出てきた。それだけなんだ。
ランバートも意地になって見据える。それに怯んだのはむしろファウストの方だった。
「ファウストとギルバートの話」
「!」
驚いたのか大きな体が僅かに震える。顔には焦りのような、嫌な様子が見て取れた。
「あんたの初めては、あの人だったんだな」
突きつけるように言ってしまって、ちょっとだけ後悔もある。けれど気持ちはギスギスしていて、上手くそれを宥める事ができないでいる。
「別に隠す事はないだろ? 俺と出会う前の事なんだし、俺だってファウストが初めてだなんてことはない。お互い様に知っているのに、どうして隠そうとするんだよ」
「別に言う事でもないだろ。俺もお前の過去を問うつもりはないんだから」
「それなら堂々としていればいいのに、妙にソワソワしてるから気になるじゃないか。今もどこかやましい所があるんじゃないかって、勘ぐるだろ」
言いながら、止まろうと思った。こんな事責めたって何にもならない。それにこの視察が終われば二人で温泉と思っているんだ。それなのに。
ファウストは凄みのある目をしてランバートを見ている。そして立ち上がり、パッと背を向けた。
「あいつと俺との間には何もない」
「あっただろ」
「過去だ」
「……隠すなよ」
「知る必要のない事だと思っていた。ただ、それだけだ」
それっきり言葉もなく出ていく背中を追えない。そして一人残されて後悔するのは,ランバートの方だった。
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