恋愛騎士物語4~孤独な騎士のヴァージンロード~

凪瀬夜霧

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7章:邪神教連続誘拐殺人事件

7話:神殺し(ゼロス)

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 尋問後をボリスに任せたゼロスは、その足で宿舎のファウストを訪ねた。そこで、オーウェンが聞き出した情報と今夜にもという話を伝えると、彼はテキパキとアシュレーにも伝達を行いすぐに出られるように整えてくれた。

 だが気になるのはファウストの様子だった。明らかに疲れ、浮かない顔をしている。
 この人がこんな顔をする原因は一つしかない。ゼロスは気遣わしく彼に問いかけた。

「ランバートの様子、思わしくないのですか?」

 ゼロスの問いかけに、ファウストはややあってから頷く。次には本当に心配そうな、一人の男の顔をするのだ。

「午前中に簡単なカウンセリングをした。これからもう一度催眠療法を試すそうだ」
「そう、ですか……」

 オーウェンとランバートの間に何もなかったなんて、ゼロスは思っていなかった。オーウェンが攫われた一件に、ランバートも関わっているんじゃないか。それが、ここ最近のランバートの不調に繋がっているんじゃないか。
 そんな気はしている。けれどあまりに事が重いため、知らないフリをしている。ランバートはあくまで親友で、彼の側には心を預けられる相手がいる。ここでゼロスまで根掘り葉掘り聞いては余計に苦しい思いをさせてしまうだろう。

 それに、オーウェンのあの様子を見るに随分根が深い話だ。一人の人間があんなにも闇を抱えているなんて、思ってもみなかった。
 その場の片付けを押しつけたボリスがもの凄く嫌そうな顔で「逃げるな卑怯者!」と抗議したが、正直あの空気に耐えられなかったのだ。
 信者の男を尋問していた時の狂気は異常だった。あの人の言葉には何一つ嘘がないと思う。発言の全てが本当で、本気だった。
 むせ返るような生臭い血と、常軌を逸した発言の本気度、それを語る人の深い闇を思わせる目と心からの笑み。全部が吐きそうだった。
 あの場を他の誰でもないボリスに頼んだのは、こういう異常な状況に耐性がありそうだったから。コンラッドではきっと固まって動けなかっただろうし、レイバンでもしんどかっただろう。

「今夜中にカタを付けるなら、俺も出るか」
「いえ、俺が側について頑張ります。第一の先輩を差し置いて恐縮ですが」
「なに、胸を借りておけ。そのかわり、確実にこれで終わりにする。これ以上の犠牲など出してたまるか」
「はい。ファウスト様はどうか、ランバートの側にいつでも行けるようにしておいてください。あいつが一番に頼るのは、絶対に貴方なので」

 食堂であって話をしたりはする。その時は別段変わった様子はない。けれど、不安そうにはしている。心細く、考え込む様子が見られる。あいつのそんな姿はこれ以上見たくないのだ。

 ふと、ファウストの手がゼロスに伸びて、ワシワシと頭を撫でられる。驚いて見上げたその先には、少し弱い瞳があった。

「悪いな、お前にまで気を使わせて」
「いえ。ファウスト様にも、ランバートにも世話になってますので。こんな事で返せる何かがあるならそうしたいだけです。あと、早く二人が元に戻らないと隊の空気も微妙なので」
「そうか……そうだな」

 苦笑するファウストがふと悪い顔をする。この人のこういう俗物っぽい表情を知る事ができたのは、クラウルと付き合いが出来てからの事。そして納得だ。ランバートはこういう素のファウストに触れて、惚れていったんだと。

「俺が行かないかわりに、クラウルを全体の指揮にあてようか? あいつもお前が忙しくしているのを不安にしていた。俺に苦言を呈するくらいだから、頼めば二つ返事だぞ」
「結構です! あの人を巻き込まないでください。正直疲れます」

 絶対に気疲れが半端ない。最近こっちの仕事にかかりきりのせいで放置している。クラウルの部屋に行ってもほぼ相手などせず寝落ちしている事もあって、徐々に自制がきかなくなりつつある。
 そんな人が、現場に? 仕事の時は大丈夫だという確信があるが、その後が怖すぎる。仲間の前で恋人の態度なんて取られてみろ、確実に過剰なスキンシップと心配とで周囲がニヤニヤするに違いない。

 ファウストは面白そうに声を上げて笑っている。それにもゼロスは憮然とした表情のままだ。

「あいつを捉まえてこれだけ言えるのはお前だけだな、ゼロス」
「いいんです、あの人を甘やかすとろくな事をしません」
「お前の中であいつはどういう認識なんだ?」
「仕事においては憧れと尊敬と信頼を寄せますが、プライベートになった瞬間に心配性で同じ男の俺を甘やかそうとあれこれ手を講じる困った所のある方です」

 更に言えば夜の歯止めが利かなくなった瞬間に、とんでもない事を仕掛けてくる。仕事で培ったテクを遺憾なく発揮するのだからどうしたって勝てはしない。「お前は快楽に弱い」とあの人は言うが、開発してるのは絶対にあの人だ!

 ファウストは今も可笑しそうに笑っている。目尻に涙まで浮かべる様子にブスッとしていると、その頭をまたポンポンと叩いてくる。絶対に面白がっている。

「いや、悪いな。あいつがしょっちゅうしょぼくれた顔で『ゼロスに怒られた』と言うものだから。どうなってるのかと」
「あの人は……」

 またそういう他の人には知られたくないプライベートな事をべらべらと!

 怒りが腹に溜まるような感じに拳を握ったゼロスを見て、ファウストがふっと笑う。それは、なんだか羨ましそうでもあった。

「あまり怒るな、ゼロス。あいつにとってもお前は初めての恋人なんだろう。元々面倒見が良くて心配性な所がある。これが恋人ともなれば、囲ってしまいたいと思っても不思議じゃない」
「冗談じゃありません。俺は男で騎士です。実力であの方に追いつかないのはもう仕方がないと思っていますが、それでも自分に出来る仕事を放棄したり、縋ったりするのはプライドが許しません。囲うなんて、やろうとしたら別れます」
「勇ましいな。まぁ、だからこそあいつを支えられるんだろう。これからも、あいつを頼む」

 最後に一度、ポンと頭を撫でたファウストが「一応アシュレーを補佐でつける」という、実に恐縮することを伝えてくる。
 案外長くなった報告を終えて出る頃には、日暮れの早くなった空が茜色になっていた。


 暗府の協力で屋敷の様子が分かった。人の出入りはないが、人の気配はあるそうだ。
 それを踏まえて最終確認の為、ゼロス達実動隊全員とオーウェン、そしてサポート指揮のアシュレーが周囲の地図を囲んだ。

「屋敷の出入口は表と裏の二カ所。第一陣は俺とオーウェンさん、ボリス、レイバンで突入し、屋敷の中にいる奴等を外に出す」

 第一陣は威嚇がメインだ。ようは、鼠の巣に突入する猫のような役回りで、屋敷の中にいる人を捕らえつつ外に出す。
 今回は武力に自信のある者などいないというオーウェンの言葉を信じて確実に捕らえる事にした。一気に大人数が屋敷に押し寄せても身動きが取れない。

「第二陣は出入口付近に隠れて待機。出てきた者を各個捕縛してくれ。メンバーはコンラッド、ハリー、ドゥーガルド、トレヴァー、トビー、ピアース、チェスター」

 視線を向けると、彼らはしっかりと頷いた。
 それに続けて、ゼロスはコナンに視線を移した。

「コナンは少し離れて全体を見て、動きを指示してくれ。逃げて行く奴がどこに向かうかを追尾して欲しい。必要なら弓を使って構わない。足を狙ってくれ」
「分かったよ」
「クリフは後方支援を頼む。怪我人がまったく出ないとは限らないから」
「了解」

 コナンとクリフは互いの使命をそれぞれ持って頷いてくれる。
 そうして最後にアシュレーを見て、ゼロスは一つ頭を下げた。

「アシュレー様は第二陣の更に外側を囲ってください。取りこぼしの確保をお願いします」
「あぁ、構わない。お前達の成長をしっかり見せてくれ」
「はい!」

 何でもないような顔で背中を押してくれるアシュレーに深く一礼をしたゼロス達は、それぞれの任務に向けて動き出す。一番外周を固めるアシュレー達第一師団のスタンバイが終わると、第一陣の四人が動き出した。

「ゼロス、俺達を選んだ理由言ってみ」

 軽やかに、そして素早く森の中を駆ける四人はその合間に会話をしていた。軽く睨むようなボリスの発言に、ゼロスは僅かに瞳を伏せてオーウェンを見た。

「司祭という役割の奴等がいるらしい。そいつらは見た目にも違うそうだ。濃紺のローブを纏っている。こいつらが生け贄の儀式を行っている。こいつらと、教祖だけは確実にこの場で殺す」
「俺達なら躊躇いないってことで、いいわけだ」

 レイバンは溜息をついてオーウェンを見る。いつかの墓地で見た白いフード付きのローブを纏った彼は闇夜に浮かぶ幽霊のようでもあった。

「悪いな、レイバン、ボリス。お前達なら躊躇わないと思ったんだ」
「まぁ、いいけれどさ。躊躇わないし。でも、他の奴等だって向かってくる相手に手加減なんてしないよ?」
「中の状況が分からないが、異様なのは間違いないだろう。そういうものに飲まれる可能性がある。ハリーとドゥーは怖がりだし、コンラッドやトレヴァー、チェスターは一瞬躊躇うと思う。お前等、怯まないだろ?」
「ないね、そんなの」
「右に同じ。でも俺、ボリスよりは繊細だよ?」
「あっ、酷いなレイバン」

 軽口を叩きながらも足は例の屋敷に向かっていく。それにつれて、ゼロスの隣を走るオーウェンの気配が鋭くなってきた。

「三人に、お願いがあります」

 移動しながらの突然の言葉に、三人は顔を見合わせとりあえず頷く。でも、嫌な予感しかしなかった。

「突入したら、僕とは距離を取って下さい。正直、自制がきかない可能性があります」

 実に正直な物言いに、ゼロスは眉根を寄せた。
 この人にとってこれは復讐。当然私怨が入る分苛烈だろう。
 だが今回殺していいと言われているのは先に上げた司祭と教祖。他は抵抗しなければ殺さず捕縛が任務だ。

「抵抗しない信者は捕縛ですよ」
「善処します」
「絶対です」

 なんだろう、叩いても響かないものってどうしようもなく虚しい。けれど一応釘は刺した。ゼロスとしても標的以外の犠牲がまったく出ないなんて思っていない。ただ、凄惨すぎる現場だけは避けたいと思うのだ。せめて一人くらいは残さないと。

 そうこうしている間に目標の屋敷が見えてきた。周囲に目を向けると、第二陣のコンラッドからもひっそり合図がある。いつでも突入可能ということだ。

「レイバンとボリスは突入後、上階を先に回ってくれ。人を出す事と、あと一人残っているはずの子供の確保だ」
「了解。ゼロスとオーウェンさんは真っ直ぐ地下だね」
「あぁ」

 レイバンが確認を取り、四人はぞれぞれに頷く。そして、カウントダウンの後に扉を押し破った。
 すぐに正面の階段をレイバンとボリスが上り、二手に分かれていく。そしてオーウェンが事前に聞き出していた地下に降りる階段に向かい走り込む。そのスピードは追いつくのがやっとで、かなり早い。
 地下への階段は談話室の本棚の前。そこに僅かな窪みがある。暖炉の火かき棒をそこに突っ込み、てこの原理で押し上げる。すると比較的簡単に入口が浮き上がり、ゼロスは手を差し入れてそれをどかした。

 地下へと続く階段は急に見える。そこを、オーウェンは滑り降りるように走って行く。これには流石についていかない。踏み外したら下まで落ちていきそうな感じがする。

 そうして地下へと到着してすぐ、ゼロスは信者の集団にぶち当たった。
 だがそれはゼロスに刃を向ける者達ではなくて、一心不乱に逃げ惑う人々の群れだ。誰もゼロスを見てもいない。むしろ邪魔だとすり抜け、押し倒されかねない状況だ。
 人を掻き分け逃れた先で、何かを踏みつける。驚いて見たそこには、濃紺のローブを纏った六十代くらいの男が転がっていた。
 首を裂かれたのだろう。頸動脈からはまだ血が溢れ出して水たまりを作っている。両目はカッと見開かれていた。

 行き過ぎる人がなくなり、ゼロスは奥へと向かう。その足取りはもう、慌てていなかった。人の波を越えるのに時間がかかった。もう、ゼロスがやる事は何も残されていないだろう。

 一番奥の部屋に入ったゼロスは、当然のように広がる光景に溜息をついた。
 五つ、転がった濃紺のローブ。背格好もバラバラなそれは一様に血を吹き上げ、僅かに血煙が立ちそうな状態だ。
 その中央に立つ白衣は血に濡れ、美しいまでの赤に染まっている。手にした二本のダガーからは未だにねっとりとした血が滴り落ちている。

「全員ですか?」
「えぇ。遅かったですね、ゼロスくん」
「人が波のようでしたよ」

 向けられた視線の冷たい蔑みの光。それは自分に向けられているものではないと分かっていても寒気がする。

「攫われた子は?」

 問うと、オーウェンは静かに指を指す。
 そこは今二人が立っている場所よりも一段高くなっている。祭壇と、祭壇の前には蓋を開けた棺が一つ。そしてその棺の前に小さな陰が横たわっていた。
 そっと、近づいてみる。結果は既に分かっている。生きているならこの騒動で目が覚めないわけがないのだから。

 小さな亡骸は、綺麗な服を着せられて眠っているようだった。いや、実際眠ったまま息を引き取ったのだろうから、安らかではあっただろう。もしかしたら、苦痛も最低限だったかもしれない。
 こみ上げる悔しさに手を握ったゼロスの手にオーウェンが触れる。そうして横たわる少年の体に懐から出した聖水をかけ、自身がつけていた金の十字架を胸に置き、小さな聖書を手にした。
 この惨状を作り上げた人間の声とは、思えないものだ。静かに、だが確かに響く祈りの言葉は周囲に反響して神秘的に聞こえる。思わず十字を切って祈ってしまうくらいには、美しい声音だ。

 そうしてひとしきり祈りが捧げられた後で、オーウェンは棺の中を覗き込む。隣りに立ったゼロスものぞき込み、そこに一人の男を見た。
 一応、生きていた。だが誰の目から見ても先がないことは明らかだ。
 ヒューヒューと細い息、開かない瞳、骨と皮に痩せ細った体の男は当然目を開ける事もしゃべり出す事もない。

「これが教祖の男です。なるほど、過剰なまでの儀式の目的はこれですか」
「え?」
「延命、もしくはこの男を神とするためだったのでしょう。生け贄を捧げ、それを供物に自らを邪神に売り込んで」

 そんな事の為に子供が犠牲になった。言い知れぬ怒りがこみ上げてくる。だがゼロスが動くよりも前に、オーウェンのダガーが男の胸に埋まった。

 音もなく、反応もなかった。放っておいても死んだだろう。胸を突かれたというのに、男の体からは血があまり流れなかった。

「これで、儀式を行う者と扇動する者を滅しました。後は、あれだけです」

 オーウェンの視線の先。そこにあるのは金の女神像と黒い装丁の本。女神は頭からヴェールを被っていて、一見貞淑に見える。だがその顔や手には鱗のようなものが彫られている。そして、右目がなかった。

 オーウェンはそれらを持つと部屋を後にし、談話室の暖炉に火をくべる。そして両方に聖水をかけると、炎の中にくべてしまった。

「信仰を伝える書物と、信仰の中心にある神を滅する。これが、神殺しです」

 残りは全て捕らえられ、四人の子供の誘拐殺人で牢に放り込まれる。この神を祀る者はなくなり、神は消滅する。これが神殺しなんだと、オーウェンは教えてくれた。

「案外あっけなく終わってしまいましたね。これでも僕の最後の仕事だったのに」
「最後?」
「これが終わったら僕、ランスロット義兄様の護衛兼補佐として付くことになっているんです。僕を貶めたこいつらだけは絶対に滅すると言ったら、探し当ててくれましてね」

 このぶっ飛んだ人が枢機卿の護衛と補佐……大丈夫なのか?

 思うものの親族同士。教会が真っ当な方向に進む事だけを願っている。

「ゼロスくん」
「はい」
「最後まで付き合ってくれてありがとう。それと、ランバートの事も。大事に思ってくれて、嬉しい。これからもあの子をよろしくね」

 寂しげで、他人事。余程痛い顔をするオーウェンを前に、ゼロスは思わず口を開いた。

「このままあいつと会わなくて、いいんですか?」

 動きを止めたオーウェンの瞳が揺れる。ここ数日で一番、人間らしい表情で彼は泣き笑った。

「会えませんから、これでいいのです」と……
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