79 / 217
10章:受け達の初夢
4話:女体化なんて望んでない!(キアラン)
しおりを挟む
現状の理解が追いつかないまま、キアランは真っ赤を越えて紙のように真っ白になっていた。
「どうしたんですか、キア先輩?」
「どうし、どうして、俺は何を!」
キアランは自分の体を見て驚愕に震えた。なぜならあるはずのない胸がたわわに膨らみ、あるはずのものがツルンとしているのだ。
「どうして俺は女性になっているんだ!」
感覚や精神的には元のキアランのまま。だが体は女性だ。しかもけっこう胸もあり、腰も括れ、寂しい腹筋が更にふにゃふにゃと柔らかい。
どうして……何があってこうなったんだ!
こんなキアランの上に裸で乗っているトレヴァーは、キョトンとした顔で首を傾げた。
「どうしてって……オリヴァー様の変な薬で」
「なにぃ!!」
奴の薬にこんな効果の物があるのか! 危険だとは思っていたが思った以上に危険だろうが!
「ほら、年末パーティーの余興で女装、当たったじゃないですか。あれでキア先輩暴れるからって、薬飲まされて」
「確かに女装はさせられた! だがあの時は男だったはずなんだ……どうして……」
「副作用だって言ってましたよ。一晩だけだって」
「嘘だ……」
混乱しているが、そうだっただろうか? 薬なんて飲んだか? だが実際女性の体になっているわけだから飲まされたのかもしれない。あいつはおかしな薬も作っているし、そもそもがエロいから。
「……それで、こんな俺をお前は犯そうとしたのか」
ジロリとトレヴァーを睨む。こいつは好きだと言ってくれたが、やっぱり女性の方がいいのだろうか。許可もなくこんな体のキアランに盛るくらいなんだから、やっぱり女性のがいいに決まっている。
だがトレヴァーは顔を真っ赤にしてブンブンと首を横に振った。
「違いますよ! キア先輩が言いだしたんですよ、女性の体でどんな風に感じるのか試してみたいって」
「なっ! 俺がそんな……あぁぁ……」
絶対に言わない。とは言えない。なぜなら今も好奇心はある。こんな事体験したくてもできないだろうから、興味はある。
だが、本当に? 酔っていて……酔ってこいつを誘った前科があった。
「あの、嫌ならやっぱり止めましょうか?」
そろそろっとベッドを降りようとするトレヴァーは見るからにしょんぼりしている。というか、完全に勃っている。これで放り出すのは流石に可哀想なんじゃ……
「あの、トレヴァー!」
「はい?」
「その……俺がする分には、その……構わない、から」
「え?」
トレヴァーのポカンとした顔。どう動いていいかわからない様子。こういう部分が初心なんだと思える。そもそも初めての相手がキアランだったらしい。
いつまでも石化したまま動かないトレヴァーの腕を引いたキアランは、彼をベッドの上に上げた。そして座った彼の股座に身を低くして顔を近づけた。
「キア先輩!」
「俺がするから動くな!」
目の前にある昂ぶりをマジマジと見たことがない。フェラは恥ずかしすぎる。
だが今は、ジッと形を覚えるように見てしまう。そして大きく口を開け、躊躇いながらも口腔に招き入れていく。
匂いが口いっぱいに入ってくる。少し塩っぱい、雄の匂い。躊躇ったけれど、嫌いじゃない。
「キア先輩、それ……」
「んっ、気持ちいいか?」
「はい、とても……その……っ!」
ビクンと腰が揺れる。顔を真っ赤にしたトレヴァーが見下ろしているのに興奮している。
ジュンと腹の奥が熱くなっていく。疼く感じがとても強い。同時に何か、濡れた感触があって驚いた。思わず片手で濡れた部分を確かめて真っ赤になってしまった。
「ちょっと先輩、それダメですよ……したくなります」
「んっ、だがここが濡れて……なんか、熱い」
ツルンとして何もない股間が濡れている。その割れ目に指を這わせて弄ると、より痺れる部分がある。そこを何度も擦るともっと奥から濡れて溢れてくる。
腹の奥が熱くて気持ちいい。トレヴァーと普通に体を繋げる時もこの辺りが疼くが、今はその何倍も強い感じがする。ジンジンして、締まっていく。
見上げたトレヴァーは顔を真っ赤にしている。同時に舌を這わせる部分は熱く脈打つようで、匂いも濃くなっていった。
「あの、先輩。俺にもさせてくれませんか」
切なそうに見下ろす目が少し必至だ。こういう部分が年下っぽくて可愛いと感じる。余裕がなく、始めると欲しがりな様子が好きだったりする。
また、腹の奥がキュンとした。欲しがっているような気がする。
考えた。たった一晩の戯れみたいなもので、普段も月に数回は男同士で抱き合っている。多少見てくれや感じ方が違うだけで、根本的なものが変わったりはしていない。こいつとは好き合って恋人をしている。
それに、万が一このまま戻らず女性のままでも、トレヴァーが離れるとは思っていない。
「いいぞ」
許したら、トレヴァーは嬉しそうな顔をした。
丁寧にベッドに押し倒され、手が胸を優しく揉む。ふにゃふにゃと柔らかく歪むのはおかしな感じがする。普段はつるぺたなのだから当然だ。
だが、乳首に与えられる刺激はいつもよりも気持ちいい。すぐにコリコリと硬くなり、ジンと奥が疼いてたまらない。
「気持ちいいんですね」
「んっ」
「こちらも濡れてます」
指が割れ目をなぞる。少し硬い指の腹が僅かに硬い部分を擦ると、カッと熱くなって腰が揺れ、高い声で鳴いた。
「ここ、ですか?」
「あっ、止め! あぁ!」
なんだここ、気持ちよすぎて少し痛い。腹の奥が締まるのがわかる。
だがドンドン濡れて腰を震わせるキアランを見て、トレヴァーはより入念にそこに触れる。やがてほんの少し尖ってしまった感じがする。ジンジンする。
「指、痛いですか? それじゃあ……」
「へ? ちょ! やぁぁ」
指で辛そうだから舌でという発想は間違っていると思う!
トレヴァーは何の躊躇いもなく気持ちいい部分を舌で探り出し、先を硬くしてクリクリと舐めてくる。それだけでたまらなくて、ビクンビクンと腰が浮いた。
腹の中がドクドクいって、漏らしたみたいにベタベタに股が濡れている。もの凄く恥ずかしい。しかも、中でイッたのと似た感覚が広がって腰が立たない。
トレヴァーは慣れているみたいに丁寧にしてくれる。どうして慣れてるんだと拗ねそうになったが、そう言えばこいつは普段も丁寧にフェラをしてくれる。隅々だ。
確かに、アレに似ている感じがする。
指が一本、とても丁寧に侵入してくる。普段と違う部分で感じる指は容易に侵入できてしまう。濡れているからだろうか。
その指が確かめるように奥へと潜り込んでくるのは恥ずかしくて気持ちもいい。暴かれていくような羞恥心がすごい。
浅い部分も確かめているが、その指が腹側の何かに触れると切迫した気分になる。気持ちいいとかではなくて、これは!
「やっ、そこは止め!」
「でもココやると、中すっごくうねって濡れてきますよ」
「ちが! あぁ、ダメ! なんか……漏れるぅ!!」
ツンとした感じにブルブルっと背が震え、堪えようという理性と出したいという欲求がせめぎ合う。
こんなに頑張って耐えているのに、トレヴァーは指を二本に増やしてその一点を同じリズムで突き上げてきた。
「あぐ! あっ、あぁ! も……むりぃぃぃぃ!」
排泄感に負けて透明な液体が勢いよく溢れ出た時の絶望感と気持ちよさに、キアランは震えた。トレヴァーの指を締めつけてイッている。お漏らしが気持ちよくてイクなんて、恥ずかしい変態じゃないか。
「あっ、潮噴いちゃいましたね」
「……潮?」
「はい、多分。匂いとかもしませんし、水みたいなものですよ」
「……お漏らしじゃない?」
「ありません」
この瞬間の安堵感ったら、なかった。
指が沢山中を押し上げながら触れてくる。グチャグチャと音を立てているのが恥ずかしい。同時に興奮もしているが。
「トレヴァー、もう……っ切ない」
「はい」
恥ずかしそうに顔を赤くしたトレヴァーが指を抜き、そこに自身の熱くなったものを当てる。そしてゆっくりと押し入ってくるのを感じ、キアランはビクビク震えながら受け入れた。
ヌルリとしていて受け入れやすい。中の粘膜で感じる熱や太さに苦しさを感じる。
だが同時に嬉しくもあって、キアランは笑った。
男でも、女でも、この瞬間が一番幸せな安堵感をくれるものなんだな。
好きだと思う気持ちはどちらも変わらない。それを確認している気がする。
やがてゆっくり、少し痛いと思う瞬間もありつつも繋がれた。
奥の硬い部分が突き上げられてキュンとする。行き止まりまでしっかりと入っている。
「先輩、辛くないですか?」
「平気、だ。動いていいぞ」
許すと遠慮がちに腰が揺すられる。それだけでコリコリと擦れて、たまらなく気持ちいい。これを繰り返されるとイッてしまう。
ズンズンと余裕なく腰を振るトレヴァーは、胸を触ったりキスをしたりと愛してくれる。それが嬉しくて応じると、奥が締まって痺れてたまらない。
「先輩、俺もう……抜きますから」
「い、ぃ! 中に出せっ」
「でも!」
「いいから!」
トレヴァーの腰に足を回して固定してしまう。こうすればもう逃げられないだろう。
案の定気持ち良さそうに喘ぎながら、トレヴァーは最奥にしっかりと全て出し尽くした。熱いものが満たしていく。何か、感じちゃいけない部分で感じる快楽に頭の中が飛ぶ。
終わりを伝えるようにキスをするのを受け入れたまま、キアランは心地よく意識を飛ばすのだった。
◇◆◇
肩を揺すられて目を開けると、トレヴァーが心配そうな顔で覗き込んでいた。
「大丈夫ですか、キア先輩? うなされてましたよ」
「トレヴァー? っ!」
頭が痛い。ゆっくり起き上がると、いつもの光景が目の前にある。つるんと何もないフラットな胸、多少元気な息子がしっかりついている。
あれは、夢だったのだろうか。
思いだしたら動揺が広がっていく。夢とはいえ、とんでもないものを見てしまった。よりにもよって女体化だぞ!
「大丈夫ですか? はい、水です」
「あぁ、すまない……」
受け取り、僅かに口に含む。そうして落ち着くとあれこれ思いだした。
昨日の年末パーティーの余興で、ルイーズと一緒に女装させられたのだ。
ルイーズは綺麗だし、堂々としているからとにかく似合った。深紅のドレスに胸パット、化粧や小物まで自分できっちり整え、まるで舞台にでも立っているかのように振る舞っていた。
それに比べてキアランは逃げたくてたまらず、オリヴァーに無理矢理着せられ更に酒を飲まされたのだ。
「俺、沈んだのか?」
問うと苦笑されるから、多分間違いない。本当に申し訳なく、夢の中までとんでもない事をさせてしまい、もう顔が上げられない。
「あれはオリヴァー様が悪いですよ」
「情けない姿を見せてしまった」
「そんな! それに、その……綺麗でしたよ」
ほんの少し赤くなってそっぽを向いたトレヴァーの耳が赤い。それを見たキアランは逆に力が抜けて、思わず笑い出していた。
「先輩!」
「あぁ、悪いな」
だが、こういう部分が可愛いと思えるんだよ、俺は。
キアランの笑みに少し拗ねるトレヴァーを、改めて愛しいと感じるキアランであった。
「どうしたんですか、キア先輩?」
「どうし、どうして、俺は何を!」
キアランは自分の体を見て驚愕に震えた。なぜならあるはずのない胸がたわわに膨らみ、あるはずのものがツルンとしているのだ。
「どうして俺は女性になっているんだ!」
感覚や精神的には元のキアランのまま。だが体は女性だ。しかもけっこう胸もあり、腰も括れ、寂しい腹筋が更にふにゃふにゃと柔らかい。
どうして……何があってこうなったんだ!
こんなキアランの上に裸で乗っているトレヴァーは、キョトンとした顔で首を傾げた。
「どうしてって……オリヴァー様の変な薬で」
「なにぃ!!」
奴の薬にこんな効果の物があるのか! 危険だとは思っていたが思った以上に危険だろうが!
「ほら、年末パーティーの余興で女装、当たったじゃないですか。あれでキア先輩暴れるからって、薬飲まされて」
「確かに女装はさせられた! だがあの時は男だったはずなんだ……どうして……」
「副作用だって言ってましたよ。一晩だけだって」
「嘘だ……」
混乱しているが、そうだっただろうか? 薬なんて飲んだか? だが実際女性の体になっているわけだから飲まされたのかもしれない。あいつはおかしな薬も作っているし、そもそもがエロいから。
「……それで、こんな俺をお前は犯そうとしたのか」
ジロリとトレヴァーを睨む。こいつは好きだと言ってくれたが、やっぱり女性の方がいいのだろうか。許可もなくこんな体のキアランに盛るくらいなんだから、やっぱり女性のがいいに決まっている。
だがトレヴァーは顔を真っ赤にしてブンブンと首を横に振った。
「違いますよ! キア先輩が言いだしたんですよ、女性の体でどんな風に感じるのか試してみたいって」
「なっ! 俺がそんな……あぁぁ……」
絶対に言わない。とは言えない。なぜなら今も好奇心はある。こんな事体験したくてもできないだろうから、興味はある。
だが、本当に? 酔っていて……酔ってこいつを誘った前科があった。
「あの、嫌ならやっぱり止めましょうか?」
そろそろっとベッドを降りようとするトレヴァーは見るからにしょんぼりしている。というか、完全に勃っている。これで放り出すのは流石に可哀想なんじゃ……
「あの、トレヴァー!」
「はい?」
「その……俺がする分には、その……構わない、から」
「え?」
トレヴァーのポカンとした顔。どう動いていいかわからない様子。こういう部分が初心なんだと思える。そもそも初めての相手がキアランだったらしい。
いつまでも石化したまま動かないトレヴァーの腕を引いたキアランは、彼をベッドの上に上げた。そして座った彼の股座に身を低くして顔を近づけた。
「キア先輩!」
「俺がするから動くな!」
目の前にある昂ぶりをマジマジと見たことがない。フェラは恥ずかしすぎる。
だが今は、ジッと形を覚えるように見てしまう。そして大きく口を開け、躊躇いながらも口腔に招き入れていく。
匂いが口いっぱいに入ってくる。少し塩っぱい、雄の匂い。躊躇ったけれど、嫌いじゃない。
「キア先輩、それ……」
「んっ、気持ちいいか?」
「はい、とても……その……っ!」
ビクンと腰が揺れる。顔を真っ赤にしたトレヴァーが見下ろしているのに興奮している。
ジュンと腹の奥が熱くなっていく。疼く感じがとても強い。同時に何か、濡れた感触があって驚いた。思わず片手で濡れた部分を確かめて真っ赤になってしまった。
「ちょっと先輩、それダメですよ……したくなります」
「んっ、だがここが濡れて……なんか、熱い」
ツルンとして何もない股間が濡れている。その割れ目に指を這わせて弄ると、より痺れる部分がある。そこを何度も擦るともっと奥から濡れて溢れてくる。
腹の奥が熱くて気持ちいい。トレヴァーと普通に体を繋げる時もこの辺りが疼くが、今はその何倍も強い感じがする。ジンジンして、締まっていく。
見上げたトレヴァーは顔を真っ赤にしている。同時に舌を這わせる部分は熱く脈打つようで、匂いも濃くなっていった。
「あの、先輩。俺にもさせてくれませんか」
切なそうに見下ろす目が少し必至だ。こういう部分が年下っぽくて可愛いと感じる。余裕がなく、始めると欲しがりな様子が好きだったりする。
また、腹の奥がキュンとした。欲しがっているような気がする。
考えた。たった一晩の戯れみたいなもので、普段も月に数回は男同士で抱き合っている。多少見てくれや感じ方が違うだけで、根本的なものが変わったりはしていない。こいつとは好き合って恋人をしている。
それに、万が一このまま戻らず女性のままでも、トレヴァーが離れるとは思っていない。
「いいぞ」
許したら、トレヴァーは嬉しそうな顔をした。
丁寧にベッドに押し倒され、手が胸を優しく揉む。ふにゃふにゃと柔らかく歪むのはおかしな感じがする。普段はつるぺたなのだから当然だ。
だが、乳首に与えられる刺激はいつもよりも気持ちいい。すぐにコリコリと硬くなり、ジンと奥が疼いてたまらない。
「気持ちいいんですね」
「んっ」
「こちらも濡れてます」
指が割れ目をなぞる。少し硬い指の腹が僅かに硬い部分を擦ると、カッと熱くなって腰が揺れ、高い声で鳴いた。
「ここ、ですか?」
「あっ、止め! あぁ!」
なんだここ、気持ちよすぎて少し痛い。腹の奥が締まるのがわかる。
だがドンドン濡れて腰を震わせるキアランを見て、トレヴァーはより入念にそこに触れる。やがてほんの少し尖ってしまった感じがする。ジンジンする。
「指、痛いですか? それじゃあ……」
「へ? ちょ! やぁぁ」
指で辛そうだから舌でという発想は間違っていると思う!
トレヴァーは何の躊躇いもなく気持ちいい部分を舌で探り出し、先を硬くしてクリクリと舐めてくる。それだけでたまらなくて、ビクンビクンと腰が浮いた。
腹の中がドクドクいって、漏らしたみたいにベタベタに股が濡れている。もの凄く恥ずかしい。しかも、中でイッたのと似た感覚が広がって腰が立たない。
トレヴァーは慣れているみたいに丁寧にしてくれる。どうして慣れてるんだと拗ねそうになったが、そう言えばこいつは普段も丁寧にフェラをしてくれる。隅々だ。
確かに、アレに似ている感じがする。
指が一本、とても丁寧に侵入してくる。普段と違う部分で感じる指は容易に侵入できてしまう。濡れているからだろうか。
その指が確かめるように奥へと潜り込んでくるのは恥ずかしくて気持ちもいい。暴かれていくような羞恥心がすごい。
浅い部分も確かめているが、その指が腹側の何かに触れると切迫した気分になる。気持ちいいとかではなくて、これは!
「やっ、そこは止め!」
「でもココやると、中すっごくうねって濡れてきますよ」
「ちが! あぁ、ダメ! なんか……漏れるぅ!!」
ツンとした感じにブルブルっと背が震え、堪えようという理性と出したいという欲求がせめぎ合う。
こんなに頑張って耐えているのに、トレヴァーは指を二本に増やしてその一点を同じリズムで突き上げてきた。
「あぐ! あっ、あぁ! も……むりぃぃぃぃ!」
排泄感に負けて透明な液体が勢いよく溢れ出た時の絶望感と気持ちよさに、キアランは震えた。トレヴァーの指を締めつけてイッている。お漏らしが気持ちよくてイクなんて、恥ずかしい変態じゃないか。
「あっ、潮噴いちゃいましたね」
「……潮?」
「はい、多分。匂いとかもしませんし、水みたいなものですよ」
「……お漏らしじゃない?」
「ありません」
この瞬間の安堵感ったら、なかった。
指が沢山中を押し上げながら触れてくる。グチャグチャと音を立てているのが恥ずかしい。同時に興奮もしているが。
「トレヴァー、もう……っ切ない」
「はい」
恥ずかしそうに顔を赤くしたトレヴァーが指を抜き、そこに自身の熱くなったものを当てる。そしてゆっくりと押し入ってくるのを感じ、キアランはビクビク震えながら受け入れた。
ヌルリとしていて受け入れやすい。中の粘膜で感じる熱や太さに苦しさを感じる。
だが同時に嬉しくもあって、キアランは笑った。
男でも、女でも、この瞬間が一番幸せな安堵感をくれるものなんだな。
好きだと思う気持ちはどちらも変わらない。それを確認している気がする。
やがてゆっくり、少し痛いと思う瞬間もありつつも繋がれた。
奥の硬い部分が突き上げられてキュンとする。行き止まりまでしっかりと入っている。
「先輩、辛くないですか?」
「平気、だ。動いていいぞ」
許すと遠慮がちに腰が揺すられる。それだけでコリコリと擦れて、たまらなく気持ちいい。これを繰り返されるとイッてしまう。
ズンズンと余裕なく腰を振るトレヴァーは、胸を触ったりキスをしたりと愛してくれる。それが嬉しくて応じると、奥が締まって痺れてたまらない。
「先輩、俺もう……抜きますから」
「い、ぃ! 中に出せっ」
「でも!」
「いいから!」
トレヴァーの腰に足を回して固定してしまう。こうすればもう逃げられないだろう。
案の定気持ち良さそうに喘ぎながら、トレヴァーは最奥にしっかりと全て出し尽くした。熱いものが満たしていく。何か、感じちゃいけない部分で感じる快楽に頭の中が飛ぶ。
終わりを伝えるようにキスをするのを受け入れたまま、キアランは心地よく意識を飛ばすのだった。
◇◆◇
肩を揺すられて目を開けると、トレヴァーが心配そうな顔で覗き込んでいた。
「大丈夫ですか、キア先輩? うなされてましたよ」
「トレヴァー? っ!」
頭が痛い。ゆっくり起き上がると、いつもの光景が目の前にある。つるんと何もないフラットな胸、多少元気な息子がしっかりついている。
あれは、夢だったのだろうか。
思いだしたら動揺が広がっていく。夢とはいえ、とんでもないものを見てしまった。よりにもよって女体化だぞ!
「大丈夫ですか? はい、水です」
「あぁ、すまない……」
受け取り、僅かに口に含む。そうして落ち着くとあれこれ思いだした。
昨日の年末パーティーの余興で、ルイーズと一緒に女装させられたのだ。
ルイーズは綺麗だし、堂々としているからとにかく似合った。深紅のドレスに胸パット、化粧や小物まで自分できっちり整え、まるで舞台にでも立っているかのように振る舞っていた。
それに比べてキアランは逃げたくてたまらず、オリヴァーに無理矢理着せられ更に酒を飲まされたのだ。
「俺、沈んだのか?」
問うと苦笑されるから、多分間違いない。本当に申し訳なく、夢の中までとんでもない事をさせてしまい、もう顔が上げられない。
「あれはオリヴァー様が悪いですよ」
「情けない姿を見せてしまった」
「そんな! それに、その……綺麗でしたよ」
ほんの少し赤くなってそっぽを向いたトレヴァーの耳が赤い。それを見たキアランは逆に力が抜けて、思わず笑い出していた。
「先輩!」
「あぁ、悪いな」
だが、こういう部分が可愛いと思えるんだよ、俺は。
キアランの笑みに少し拗ねるトレヴァーを、改めて愛しいと感じるキアランであった。
11
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話に、真紀ちゃん(攻)視点を追加して、倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる