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14章:春色アラカルト
5話:悲しみの碑(フーエル)
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スコルピオと初めての夜を過ごして数日、フーエルは夜間こっそりと訓練用の森へと誘われた。手には水と花を持ち、僅かな食べ物を持って。
「悪いね、付き合わせて」
「いえ、それは構わないっすけど……」
時間は十時を過ぎている。こんな時間に訓練用の森に用事なんて……しかも水に花に食べ物なんて。
ランタンを持って前を行くスコルピオは迷いなく森を進んで、やがて端の方へと到着した。
「え?」
そこには小さな石碑が一つ建っていた。この森にこんな物があったことすらも知らなかった。しかもその石碑には、これが一体なんの為に建てられたのかを示す銘が彫られていなかった。
「これ……」
「……名前はないけれど、暗府は『悲しみの碑』って呼んでる」
スコルピオは石碑の前に行くとフーエルから水を受け取り、それを石碑にかける。コップ一杯程度の水はすぐに石碑を滑り落ちていく。花も食べ物もそこに供えて、スコルピオは膝をついて暫く祈っていた。
「……俺が、元暗府ってこの間聞いただろ?」
静かな声で問われて、フーエルは頷く。これについて聞いていいのかどうか分からなかったからあの日以降聞いていない。けれど、気にはなっていた。
「何か、聞きたそうだね」
「え! 俺、何も言ってないっすよ?」
「フーエルは思った事を読み取るのが容易だよ。表情豊かっていうか、素直っていうか」
絶句、その後は恥ずかしい。そんな簡単に読み取られるなんて。
スコルピオは笑って、自分の隣りに招いてくれる。石碑の前で二人で座り、何となく静かな時間が過ぎていく。
「聞きたい事、当ててみようか」
「え?」
「俺がどうして、暗府を辞めたのか」
「……っす」
考えて、肯定した。ずっと気にはなっていた。仕事が嫌になったのかもしれないし、もっと違う理由があるのかもしれない。そもそもスコルピオが現役の時代がどんなものだったのか、当時まだ民間人だったフーエルは知らないのだ。
スコルピオは少し考えたけれど、わりとあっさりと話し始めた。
「怪我もあったし、タイミングもあった。何より俺は、立ち止まって冷静になってしまったんだ。『このままここにいることが、俺にとっていい事なのか?』を問うてしまったら、答えはノーだった」
静かな声には深みがあった。悲しみとか、苦しみとかを溶かし込んだあとで受け止めた声だった。
「俺達は元々地方出身なんだ。時は帝国戦争の終盤で、まだ争いは地方じゃ激しかった。主家に仕えていた男爵家だったんだけどね、扱いは最低だった。兄さんと『いつかここを出よう』と言って耐え忍んで、そのうち戦争で父が他界したのをきっかけに主家を出た。でも、流石に二人じゃどうしたって生きられなくてさ。それで騎士団に頼ったんだ」
「騎士団なら衣食住は保証されているから」と、スコルピオは笑った。けれどそんな笑える話じゃないようにフーエルには思えた。戦争で色んなものが狂ってしまったんだと、フーエルにも伝わった。
「当時の騎士団はとにかく腐ってた。俺達は訓練もそこそこに特殊部隊に入れられたんだ」
「特殊部隊って、なんすか? 暗府の前身って言ってましたけど」
その名前を聞いたことがなかったからずっと疑問だった。まぁ、任務の内容はきっと暗府に近いのだろうが。
スコルピオはとても悲しい目をする。悲しくて、苦しい目だ。
「簡単に言うと暗殺とスパイが専門。けれどそんな訓練されてないような人がわけも分からずに入れられて、『この情報掴むまで帰ってくるな』って言われて出されるから、とにかく生存率が低かった。俺達は行ったっきりが多かったんだ」
スコルピオの目が無名の碑を見る。静かなのに色んな感情を語る緑色の瞳が、とても悲しいものに見えてフーエルは苦しかった。
「今でも暗府はしくじれば死体さえ戻ってこないと言われるけれど、今よりもっと酷かった。数十人……ううん、百人以上の人が死体も戻らず行方不明。行方不明で死んだかも分からないからって、上官は死亡手当も遺族に払わない始末だよ」
「そんなのって! 第一、国は!」
「国は出してるよ。受け取った上司達が懐に入れただけ。これを調査する国の機関も買収されてるんだもん、下っ端は死に損だよね」
無性に腹が立ってしかたがない。今なら絶対に許されない話だし、今はそんな事をする人はいないと思う。全部が信じられるから任せても怖くない。
けれどスコルピオの時代は、そうじゃなかったんだ。
「俺と兄さんは幸い器用だった。色んな意味でね。だから戻って来たけれど、そうじゃない人の方が多くてさ。君が特殊部隊の事を知らないのは、あの当時の人にとってこの名前がある意味禁忌だからだよ。思いだしたら苦しいから」
「俺も今は、その意味が分かります」
俯いたフーエルが伝える。その肩を温めるように、スコルピオが腕を回した。
「それでも、救いはあったんだ。当時の特殊部隊は地方出身や身寄りのない人が多かった。何かあっても周囲から文句が出にくい人を選んで入れていたんだ」
「でも、クラウル様は王都の、しかも名門騎士家ですよね?」
その人に何かあれば、絶対に何かしらの文句があるだろう。けれど暗府の前身ということは関わりがあったのだろう。
スコルピオは嬉しそうに苦笑して頷いた。
「あの人は俺達の有り様はおかしいと、当時の特殊部隊の上官に猛抗議したんだ。そのせいで睨まれて特殊部隊に入れられた。けれどそれは結果的によかったんだ。上官と言っても現場に出る事もしない人よりも、現場に立って自分達なりの模索を重ねて訓練をしていった。おかげで生存率が上がったんだ。何よりも、それまでは捕まったら諦めて自害していたけれど、クラウル様なら助けてくれると信じて待つ事が出来るようになった」
それを聞いて、やっぱり団長という人達は凄いんだと感じた。苦しい中で、同じ平の隊員だったのに考えて、ちゃんと戦ってきた。そういう人が率いているから、今安心して日々を過ごすことができているんだと思う。
「今の暗府がクラウル様の事を団長じゃなくボスと呼ぶのはね、この時の慣例なんだ」
「そう、なんすか?」
「俺達にとって団長っていうのは、何もしない上司を指してた。俺達はクラウル様の事をこの時からボスって呼んで尊敬していたんだ。だから今も敬意を込めてあの人の事をボスという。生き残った奴等は特にね。とは言っても、生き残りはとても少ないけれど」
「ネイサン先輩と?」
「今王都にいるのはリュークスだね。他にも数人いるけれど、両手で足りるくらいかな」
そんなに少ないんだと、改めて残酷な時代だったんだと知る。知らないだけで他の兵府も、そういう時代を経て今に至るのかもしれない。苦労なんて一切思わせないけれど。
「他の兵府も、そんな感じだったんすか?」
問いかけると、スコルピオはやっぱり苦笑して頷いた。
「作戦もなくただ戦えという上司に憤って、シウス様は宰相府を作った。そもそもの戦争を避ける為、戦うならば少しでもいい作戦を練られるように。オスカル様は城の中で貴族が横暴してメイドを食いものにしているのを知って、下品で卑劣で許しがたいと言って近衛府を作った。ファウスト様は戦争で死んでいく仲間の業を背負うように、もっと強く訓練出来ればと悔やんで騎兵府を作った。エリオット様は戦場に医師がなく、死んでしまう人を見て憂えて医療府を作った」
「酷い時代、だったっすね」
「まぁ、カール陛下の時代になってそういう人間が一掃されて、罰も受けたからスッキリしたけれどね」
「だからこそ、まだここにいるんだ」と、スコルピオはニッカと笑った。
「この碑は、クラウル様が建ててくれたんだ。国の為に犠牲になった、墓もない同胞達を俺達が忘れないように。暗府は未だに仕事の前、この碑を訪れる奴が多いんだ。そして俺も月に一回、この碑を建てた日に供えに来てる。俺は、兄さん達が助けてくれなかったらここに入ってたかもしれないんだ」
そう伝えられたら、ゾクリと悪寒が走って不安になった。それはきっと、スコルピオを失う事を一瞬でも考えたからなんだろう。
気付いたら抱きついて、縋っていた。
「嫌です、そんなの……」
「フーエル?」
「俺、スコルピオさんの事守りたいっす。絶対、死なせないっすよ」
その為に強くなろう。同期達はあんなに強いんだ、きっと可能だ。もっと努力しよう。もっと踏ん張ろう。自分の為に頑張るのは時々辛いけれど、大事な人の為に頑張るのはちっとも辛くない。
「……んっ、有り難う。フーエルくらいだよ、そんな事言ってくれるの」
嬉しそうに笑ったスコルピオは立ち上がる。そしてフーエルにキスをした後で、石碑をチラリと見た。
「スコルピオさん?」
「んっ、何でもない。冷えちゃったね、温めてあげるよ」
「……添い寝ですよね?」
「さぁ、どうだろう?」
含み笑う顔はなんとなく肉食を感じる。少し怯えながらもグッと耐えたフーエルは、「よろしくっす!」と気合を込めるのだった。
「悪いね、付き合わせて」
「いえ、それは構わないっすけど……」
時間は十時を過ぎている。こんな時間に訓練用の森に用事なんて……しかも水に花に食べ物なんて。
ランタンを持って前を行くスコルピオは迷いなく森を進んで、やがて端の方へと到着した。
「え?」
そこには小さな石碑が一つ建っていた。この森にこんな物があったことすらも知らなかった。しかもその石碑には、これが一体なんの為に建てられたのかを示す銘が彫られていなかった。
「これ……」
「……名前はないけれど、暗府は『悲しみの碑』って呼んでる」
スコルピオは石碑の前に行くとフーエルから水を受け取り、それを石碑にかける。コップ一杯程度の水はすぐに石碑を滑り落ちていく。花も食べ物もそこに供えて、スコルピオは膝をついて暫く祈っていた。
「……俺が、元暗府ってこの間聞いただろ?」
静かな声で問われて、フーエルは頷く。これについて聞いていいのかどうか分からなかったからあの日以降聞いていない。けれど、気にはなっていた。
「何か、聞きたそうだね」
「え! 俺、何も言ってないっすよ?」
「フーエルは思った事を読み取るのが容易だよ。表情豊かっていうか、素直っていうか」
絶句、その後は恥ずかしい。そんな簡単に読み取られるなんて。
スコルピオは笑って、自分の隣りに招いてくれる。石碑の前で二人で座り、何となく静かな時間が過ぎていく。
「聞きたい事、当ててみようか」
「え?」
「俺がどうして、暗府を辞めたのか」
「……っす」
考えて、肯定した。ずっと気にはなっていた。仕事が嫌になったのかもしれないし、もっと違う理由があるのかもしれない。そもそもスコルピオが現役の時代がどんなものだったのか、当時まだ民間人だったフーエルは知らないのだ。
スコルピオは少し考えたけれど、わりとあっさりと話し始めた。
「怪我もあったし、タイミングもあった。何より俺は、立ち止まって冷静になってしまったんだ。『このままここにいることが、俺にとっていい事なのか?』を問うてしまったら、答えはノーだった」
静かな声には深みがあった。悲しみとか、苦しみとかを溶かし込んだあとで受け止めた声だった。
「俺達は元々地方出身なんだ。時は帝国戦争の終盤で、まだ争いは地方じゃ激しかった。主家に仕えていた男爵家だったんだけどね、扱いは最低だった。兄さんと『いつかここを出よう』と言って耐え忍んで、そのうち戦争で父が他界したのをきっかけに主家を出た。でも、流石に二人じゃどうしたって生きられなくてさ。それで騎士団に頼ったんだ」
「騎士団なら衣食住は保証されているから」と、スコルピオは笑った。けれどそんな笑える話じゃないようにフーエルには思えた。戦争で色んなものが狂ってしまったんだと、フーエルにも伝わった。
「当時の騎士団はとにかく腐ってた。俺達は訓練もそこそこに特殊部隊に入れられたんだ」
「特殊部隊って、なんすか? 暗府の前身って言ってましたけど」
その名前を聞いたことがなかったからずっと疑問だった。まぁ、任務の内容はきっと暗府に近いのだろうが。
スコルピオはとても悲しい目をする。悲しくて、苦しい目だ。
「簡単に言うと暗殺とスパイが専門。けれどそんな訓練されてないような人がわけも分からずに入れられて、『この情報掴むまで帰ってくるな』って言われて出されるから、とにかく生存率が低かった。俺達は行ったっきりが多かったんだ」
スコルピオの目が無名の碑を見る。静かなのに色んな感情を語る緑色の瞳が、とても悲しいものに見えてフーエルは苦しかった。
「今でも暗府はしくじれば死体さえ戻ってこないと言われるけれど、今よりもっと酷かった。数十人……ううん、百人以上の人が死体も戻らず行方不明。行方不明で死んだかも分からないからって、上官は死亡手当も遺族に払わない始末だよ」
「そんなのって! 第一、国は!」
「国は出してるよ。受け取った上司達が懐に入れただけ。これを調査する国の機関も買収されてるんだもん、下っ端は死に損だよね」
無性に腹が立ってしかたがない。今なら絶対に許されない話だし、今はそんな事をする人はいないと思う。全部が信じられるから任せても怖くない。
けれどスコルピオの時代は、そうじゃなかったんだ。
「俺と兄さんは幸い器用だった。色んな意味でね。だから戻って来たけれど、そうじゃない人の方が多くてさ。君が特殊部隊の事を知らないのは、あの当時の人にとってこの名前がある意味禁忌だからだよ。思いだしたら苦しいから」
「俺も今は、その意味が分かります」
俯いたフーエルが伝える。その肩を温めるように、スコルピオが腕を回した。
「それでも、救いはあったんだ。当時の特殊部隊は地方出身や身寄りのない人が多かった。何かあっても周囲から文句が出にくい人を選んで入れていたんだ」
「でも、クラウル様は王都の、しかも名門騎士家ですよね?」
その人に何かあれば、絶対に何かしらの文句があるだろう。けれど暗府の前身ということは関わりがあったのだろう。
スコルピオは嬉しそうに苦笑して頷いた。
「あの人は俺達の有り様はおかしいと、当時の特殊部隊の上官に猛抗議したんだ。そのせいで睨まれて特殊部隊に入れられた。けれどそれは結果的によかったんだ。上官と言っても現場に出る事もしない人よりも、現場に立って自分達なりの模索を重ねて訓練をしていった。おかげで生存率が上がったんだ。何よりも、それまでは捕まったら諦めて自害していたけれど、クラウル様なら助けてくれると信じて待つ事が出来るようになった」
それを聞いて、やっぱり団長という人達は凄いんだと感じた。苦しい中で、同じ平の隊員だったのに考えて、ちゃんと戦ってきた。そういう人が率いているから、今安心して日々を過ごすことができているんだと思う。
「今の暗府がクラウル様の事を団長じゃなくボスと呼ぶのはね、この時の慣例なんだ」
「そう、なんすか?」
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「ネイサン先輩と?」
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そんなに少ないんだと、改めて残酷な時代だったんだと知る。知らないだけで他の兵府も、そういう時代を経て今に至るのかもしれない。苦労なんて一切思わせないけれど。
「他の兵府も、そんな感じだったんすか?」
問いかけると、スコルピオはやっぱり苦笑して頷いた。
「作戦もなくただ戦えという上司に憤って、シウス様は宰相府を作った。そもそもの戦争を避ける為、戦うならば少しでもいい作戦を練られるように。オスカル様は城の中で貴族が横暴してメイドを食いものにしているのを知って、下品で卑劣で許しがたいと言って近衛府を作った。ファウスト様は戦争で死んでいく仲間の業を背負うように、もっと強く訓練出来ればと悔やんで騎兵府を作った。エリオット様は戦場に医師がなく、死んでしまう人を見て憂えて医療府を作った」
「酷い時代、だったっすね」
「まぁ、カール陛下の時代になってそういう人間が一掃されて、罰も受けたからスッキリしたけれどね」
「だからこそ、まだここにいるんだ」と、スコルピオはニッカと笑った。
「この碑は、クラウル様が建ててくれたんだ。国の為に犠牲になった、墓もない同胞達を俺達が忘れないように。暗府は未だに仕事の前、この碑を訪れる奴が多いんだ。そして俺も月に一回、この碑を建てた日に供えに来てる。俺は、兄さん達が助けてくれなかったらここに入ってたかもしれないんだ」
そう伝えられたら、ゾクリと悪寒が走って不安になった。それはきっと、スコルピオを失う事を一瞬でも考えたからなんだろう。
気付いたら抱きついて、縋っていた。
「嫌です、そんなの……」
「フーエル?」
「俺、スコルピオさんの事守りたいっす。絶対、死なせないっすよ」
その為に強くなろう。同期達はあんなに強いんだ、きっと可能だ。もっと努力しよう。もっと踏ん張ろう。自分の為に頑張るのは時々辛いけれど、大事な人の為に頑張るのはちっとも辛くない。
「……んっ、有り難う。フーエルくらいだよ、そんな事言ってくれるの」
嬉しそうに笑ったスコルピオは立ち上がる。そしてフーエルにキスをした後で、石碑をチラリと見た。
「スコルピオさん?」
「んっ、何でもない。冷えちゃったね、温めてあげるよ」
「……添い寝ですよね?」
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