恋愛騎士物語4~孤独な騎士のヴァージンロード~

凪瀬夜霧

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17章:シュトライザー家のお家騒動

7話:家という檻(アーサー)

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 マリアとの交際を両親に打ち明け、結婚の許しを貰いにいったのは出会ってから半年ほど経ったくらいだった。
 厳格な両親だが、マリアの人柄を見てもらえばきっと分かってくれると思っていた。清廉で美しく、聡明で明るい。そういう女性なんだと。

 だが両親が見たのは、そもそもそんな部分ではなかったのだ。

「どういうことです父上! マリアの何がいけないのです!」

 両親はマリアを屋敷に入れる事すらせずに突っ返し、アーサーだけを入れた。その態度に怒りを露わにしたアーサーに、父はなんとも冷めた目で見るばかりだった。

「マクファーレンなんて地方貴族の娘など、我がシュトライザー家に相応しくない」
「そうですよアーサー。貴方は四大貴族家の一つ、シュトライザーの跡取りなのですよ」

 父の言葉を肯定するように、母も呆れた顔をする。
 意味が分からなかった。確かに家の格としてはマクファーレンは下ではある。だが立派な貴族家であり、領地を保有し栄えている。決して劣るなんて思っていない。
 だが両親にとっては「地方貴族」というだけで相応しくなかったのだろう。

「お前にはもっと立派な相手を用意してやる」
「そんな者はいらない! 私はマリアを愛しているんだ!」
「子供みたいな事を言うな。お前の相手は私が決める」
「勝手な事を言っているのは父上だ! 大体、会ってもいない相手の何が分かるのです! マリアは清廉で聡明で、明るくとても美しい女性です。とても優しい……」
「そんなものを求めているんじゃない」

 まったく、とりつく島もない状態に愕然とする。
 どうして話が伝わらないんだ。どうして気持ちが伝わらないんだ。どうして、分かろうとしてくれないんだ。

「まぁまぁ、旦那様。そのようにしてはアーサーが可哀想ですよ」

 呆れながら笑う母の言葉に、アーサーは多少なりとも希望を見た気がした。母は分かってくれたのかと、そう思った。
 だが次に飛び出した言葉は、アーサーを更に突き落とすものだった。

「そんなに好きならその女は愛人になさい。それなら地方貴族の娘でも構いませんわ」
「なっ!」

 驚きすぎて言葉に詰まった。その後は、怒りに震えた。

「そうだな。大貴族である我が家の当主だ、愛人の一人や二人囲っているくらいでいいだろう」
「そうですわよ」
「ふざけるな!!」

 話にならない。アーサーは震え、唇を噛みしめたまま踵を返し乱暴に扉を閉め、家を出て行った。


 家を出たアーサーを悲しげに笑い迎えてくれたマリアをシルヴィアに任せ、ジョシュアの隠れ家に向かった。あの男はあちこちに隠れ家を持っているが、友人が集まるのは決まった部屋だった。

「やぁ、アーサー。酷い顔だね」

 今日、両親に話をする。それを知っていたジョシュアは隠れ家で待っていてくれて、とても苦しそうに笑って迎えてくれた。

「――やっぱり、そうなったか」
「分かっていたのか?」
「なんとなくね。アーサーの両親は頭が硬いから」

 一通り話し終えた後、ジョシュアはそう言って苦笑し、ワインを注いでくれる。それを一気に飲み込み、アーサーは苦しく息を吐いた。

「ダメなんだろうか」
「まぁ、説得は無意味だろうね」
「お前の家は……いいな」

 気分が最悪だから酔うのが早い。普段は口にしない言葉を紡ぐと、ジョシュアは苦笑した。

「家は結束が必要だから、恋愛推奨なんだよ。命じられて結んだ絆よりも、選んで決めた絆の方が切れない。後ろ暗い家だからね、裏切りはタブーなんだ」
「それでも今は羨ましいと思う。お前の両親なら家がどうとか言わず、マリアに会ってくれるだろう」
「家の格は気にしないね、確かに。でも、よほど根性がないと背負いきれない家でもあるよ」
「シルヴィアのようにか?」

 問いかけると、ジョシュアはほんの少し頬を染めた。
 アーサーとマリアの裏で、ジョシュアとシルヴィアもまた親しくなり、交際を始めていた。そしてそろそろ、婚約という運びになりそうなのだ。

「羨ましい」
「アーサー」
「なぁ、ジョシュア。俺はどうしたらいいと思う? 両親を説得するべきか、あるいは……」
「そんなの簡単さ、アーサー! 愛した者の手を取って二人で好きな所に行くがいい!」

 ふと戸口でした芝居がかった声に、アーサーは面倒くさく顔を上げる。長い銀髪の男がにっこりといい笑顔をこちらへ向けていた。

「コーネリウス」
「シュトライザー家が受け入れないなら、マクファーレン家に受け入れてもらえばいいじゃないか。あちらも一人娘だろ? 入り婿大歓迎だよ!」
「コーネリウス、そんな簡単じゃないだろ? 怒ったアーサーの両親があちらに何かをするかもしれない」
「ジョシュア、分かっていないな。マクファーレン家は地方だが家柄は古く陛下の覚えもいい家柄さ! しかも当主は獅子と言われる勇猛な御仁。簡単には折れないよ!」
「争う事を前提に話をしないように」

 ジョシュアは呆れた。だがアーサーは悪くないと思った。別に家に固執しているわけではない。財産が欲しいわけでも、爵位が欲しい訳でもない。
 いや、両家に迷惑がかかるならいっそのこと違う国に渡ったっていい。小さくても家を構え、細々とでも生活していけるなら。マリアと二人ならきっと、それでも幸せだと思える。

「……マクファーレンに、行ってみようかな」
「アーサー」
「ジョシュア、本気なんだ。こんなにも愛した人はいない。命尽きるまで彼女を思う事ができると、神に誓いを立てる事だってできる」

 しっかりとした目で伝えると、アーサーは困った顔をしたまま頭をかいた。

「お前の両親をあまり侮るなよ、アーサー。最悪マリアが危険に晒される」
「守ってみせる」
「お前の力が及ばない所で何をするか分からないぞ」

 ジョシュアが何を懸念しているのかは、分かっているつもりだった。

 そう、つもりでしかなかった……

◇◆◇

 両親には内緒のまま旅立とうとしていた矢先、ジョシュアの隠れ家にシルヴィアが突如殴り込んできて、アーサーを見るなりフルスイングで平手打ちをしたのは、マリアを紹介しようとした日から約七日後の事だった。

 明日にはマリアを連れてマクファーレンへと向かおう。そう思い、両親に気づかれないようにジョシュアやコーネリウス、アラステアが旅の準備をしてくれていた。
 その最中の出来事に、ジョシュアもコーネリウスも目を丸くした。

 軽く床に尻餅をついたアーサーの胸ぐらを掴み揺するシルヴィアの目には、苛立ちや悔しさや怒りが表れていた。

「アンタ、マリアを愛しているんじゃないの!」

 開口一番そう怒鳴りつけられ、アーサーは目を白黒させる。勿論愛している。だからこそ家を捨てる覚悟もしたのだ。

「シルヴィア落ち着いて」
「ジョシュアは黙ってなさい! アンタね、マリアをどれだけおとしめればいいのよ!」
「何の話だシルヴィア」
「とぼけるんじゃないわよ! アンタの家の執事がバカみたいな大金持って何度もマリアの元を訪ねて、別れるよう迫ったのよ!」
「な!!」

 驚いて目を丸くしたアーサーに、シルヴィアは更にまくし立てた。

「婚約が決まって、週末にも結婚だって言って! マリア傷ついて、それでも信じてたのにさっきシュトライザーのクソババァが来て大金叩きつけてわめき立てて帰って行ったわよ!」
「そんな事知らない! 婚約なんてしていないし、俺は明日にでもマリアを連れてマクファーレンへ……」
「遅いわよ! マリア、ずっと悩んでたのに……さっき馬車で家に帰ったわよ!」
「っ!」

 パニックだった。勿論この数日のうちに何度も顔を合わせた。少し、元気はなかった。けれど彼女は「少し風邪気味で」と言って、心配しないようにと言っていたのだ。
 知らなかったし、ありえない。
 驚いたまま動けないアーサーの肩を叩いたのは、ジョシュアだった。

「アーサー、追いかけるよ」
「ジョシュア」
「シルヴィア、そのお金をマリアは受け取ったかい?」
「はぁ? そんなわけないでしょ!」
「まずいな。ポーズだけでも受け取っておいたほうが安全だったけれど」

 言いながら強く奥歯を噛むジョシュアを見て、アーサーの中の不安は一気に膨れ上がった。
 ジョシュアの家で馬を借り、マクファーレンへと向かって走り出した。あちらは馬車で、こっちは単騎。追いついたのは夕刻、丁度峠の険しい道へとさしかかった頃だった。

「……そんな」

 そこは人が大勢集まり、忙しくしていた。馬車が一台、崖下へと転落したというのだ。

 いても立ってもいられない気持ちで馬車へと向かおうとするアーサーの腕を、ジョシュアは掴んで離さなかった。

「ジョシュア!」
「……無残なものを見る可能性もある」
「そんなことはない! マリアは!」
「人の事に絶対はない。後は俺がやるから、お前は帰れ」

 そう言って出ていくジョシュアの背中を、アーサーは呆然と見ていた。辺りが暗くなってもその場から動けずにいた。
 やがて現場に行っていたジョシュアが、手に一枚の布きれを持って戻ってきた。沈痛な面持ちで、血がべったりとついた知っている布きれを。

「あ……」
「ダメだった」

 膝から崩れ落ちたアーサーの慟哭が、事件現場にいつまでも響いていた。


 だが、地獄は終わらない。ジョシュアによれば馬車の転落事故で生き残った者はなかったらしい。
 せめて葬儀に出たいと言ったが、遺体はマクファーレンに運ばれたと言われ、肩を落とした。
 この事に両親が関わっているかもしれない。彼女を、殺してしまったようなものだ。きっとマクファーレンの当主も受け入れてはくれないだろう。それに、自分が行けば更に迷惑をかけてしまうかもしれない。

 このまま、いなくなってしまおうか。ジョシュアの隠れ家にいるアーサーは何度もそう思い、いっそ死んでしまおうかとも考えて……出来ずに崩れた。

 事件から三日後、隠れ家のドアを蹴り破った複数の男がアーサーを捕らえ、縛り上げて馬車に放り込んだ。向かったのは実家で、ついて早々に妙な薬を嗅がされた。
 意識が朦朧としている中、メイド達が何やら体を触っている。そしてそこに現れたのは、赤に近いブラウンの髪を結った女だった。

◇◆◇

 意識が戻った時、アーサーはベッドに足を固定されていた。いつの間にか着ていたタキシード。そして現れた女を見て、アーサーは強く眉根を寄せた。

「あら、起きていましたのね旦那様」
「誰だ」
「随分なお言葉ではありませんこと? 私たち、先ほど夫婦になったのですよ」

 見知らぬ女は高慢な笑みを浮かべてアーサーへと近づく。ベッドに腰を下ろし、指で顎を撫でて。きつい香水の臭いが鼻についた。

「止めろ!」

 強く手を払いのけると、女はきつい緑色の瞳をつり上げる。そして、見下すような目でアーサーを見た。

「死んだ女に操を立てようなんて、無意味ですわよ旦那様」
「なん……だと?」

 勝ち誇ったような女の笑みを凝視して、アーサーの声は震えた。まるで全部を知っているような口ぶりだ。
 心臓がドキドキと嫌な音を立てる。吐き気がしてくる。この女は何者で、何を知っていると言うんだ。

「バカな女ですわ。さっさと金を受け取って引っ込めばいいのに。愛だの何だのおままごとみたいな事を言って。義母様もとてもお困りでしたわ」
「……どうして、マリアの事を」
「さぁ? 何故でしょうね? 知りたい?」

 妖艶な笑みを浮かべる女が近づいてくる。アーサーはそれを睨み付けた。

「貴方がさっさと私の旦那様になってくれたら教えて差し上げますわ。まぁ、もう書類上は夫婦ですけれどね」
「どういう意味だ」
「まんまよ、可愛い旦那様。先ほど、貴方は婚姻の届けに印を押しましたわよ」
「そんなはずはない!」
「お可哀想に、悲しみで呆然としておりましたのよ、きっと。でも、本当ですわ」

 女の持つ紙には確かに、アーサーのサインと血判が押されている。それを見て、アーサーの心に青い炎が燃えた。

「さぁ、夫婦なのですから今宵は一緒に……」
「ふざけるな!!」

 腹の底から出た声は空気を震わせる。そして、近づいてきた女へと側にあった燭台を突きつけた。
 蝋燭を立てる為の鋭い針が、女の首元へと向けられている。

「出て行け。二度と私の前に姿を現すな」
「そんな事を言っていられるのも今のうちですわ」

 女の顔に苛立ちが見え、立ち上がって部屋を出て、外から鍵をかける音がした。
 窓の外を見て、ここが実家の端の部屋だと分かった。
 そこから、アーサーは一晩をかけて足かせを外した。燭台の硬い部分で鎖を打ち付け、手をボロボロにして打ち砕き、ベッドや机をドアの前に置いた。決して開かないように、タンスも全部積み上げた。

 壁に寄りかかり、膝を抱えて、空腹を感じながらも抵抗するのは決して屈する事がないようにだった。例えここで飢え死にしても、両親の思い通りになりたくなかったからだ。あの女の、思い通りになりたくなかったからだ。

 腹の虫が五月蠅い。窓から陽光が入り込んで、朝を知った。表側から鍵の開く音がしたが、ドアはタンスで塞いで、更には机やベッドで完璧にバリケードをしている。入ってなんてこられない。
 ドアの外で「バカなことは止せ!」だの、「死にたいの!」だの、耳障りな声がする。
 そう、死にたいのだ。自分の配慮の足りなさでマリアを死なせてしまったのだから。せめて死んで、お詫びがしたかった……。


 どのくらい経ったのだろう。意識は朦朧として、動く事もままならない状態で倒れていた。
 そんな中、コツコツと窓を何かが叩く音がして、次には新しい風が吹いてくる。動けないまま呆然と目だけを開けていたアーサーの前に、困った顔のジョシュアが立っていた。

「ごめん、助けるのが遅くなって」
「ジョシュ……ア」
「さぁ、行くよ」

 強い手が腕を掴み、引き上げる。そのまま担ぎ上げるジョシュアを助けるように、他の影も見える。
 頬に感じる風は冷たかった。

◇◆◇

 目が覚めたのは、暖かな屋敷の中だった。見たことのある内装をぼんやり見ていると、そこにジョシュアが心配そうに近づいてきた。

「目が覚めたかい、アーサー」
「ジョシュア」
「まったく、飢え死にを選ぶなんてまともじゃないよ」

 苦笑するジョシュアの手が冷たいと、初めて感じた。だがそれが心地よくてたまらない。

「気持ちいい?」
「あぁ」
「熱があるからね。体もまだ回復しきっていない」
「そう、なのか」

 自分がどんな状態なのか知らないままで、アーサーは身を任せる。ここは、休んでいい場所なんだと思える。

「ごめん、異変に気づいた時には遅くてさ。その後は門前払い。知り合いを集めてたら時間がかかってしまった」

 苦笑するジョシュアに、アーサーは首を横に振る。コイツが謝る事なんて何もなくて、アーサーは感謝しかない。

「アーサー、まずは休んでちゃんと回復しなよ」
「ジョシュア」
「ここなら例え君の両親でも手出しはできない。そんな事をしたら、四大貴族家同士の戦争状態になる。タブーだからね」
「すまない、迷惑を……」
「いいさ。友人を助けるのに面倒くさい事は抜きにしよう。うちの両親も了承してくれた」

 ではやはり、ここはヒッテルスバッハ本邸なのだろう。確かにここは不可侵だ。

「ジョシュア……マリアが」
「うん、分かってる」
「私は、彼女になんて酷い事を……」
「大丈夫だから、今は」
「無理矢理結婚させられて……死んで彼女に合わせる顔もない」
「アーサー」

 少し回復すると、体は辛くなる。熱と怠さと空腹、頭痛に胃痛にと色々と感じながら、アーサーはただひたすら苦しい胸の内を吐き出していた。


▼ファウスト

 アーサーの話を一晩中ファウストは聞いていた。それほどまでに壮絶な過去があったことなど、知らなかった。
 隣ではルカが目に涙を溜めて震えている。

 板を打ち付けてある窓の隙間から、微かに朝の光が差し込んでいた。

「……若く、幼稚で、愚かだった。己の立場や両親の事を、本当には理解していなかったのだ」
「父上」
「ジョシュアがいなければ今頃、私は死んでいただろう。まぁ、それも良かったのかもしれないが」

 呟いたアーサーが、見たことの無い自嘲気味な笑みを浮かべる。

『マリア!!』

「!」

 不意に響いた慟哭に、頭の中が揺れたような衝撃があった。ズキリと痛み眉根を寄せると、ルカが声をかけてくれる。それでも、突如頭の中に流れ込んだ映像はズキズキと痛みながらも止まらない。まるで、刻み込むようだ。

 事切れた母を抱いた父が泣いている。強く、穏やかで、優しい父の壊れてしまいそうな声。目が溶け出してしまうのではと思える程に涙を流して、震えていた。

「っ! うっ」
「ファウスト!」

 こみ上げる吐き気に体を丸めるしか出来ないファウストを案ずるように、アーサーが側にくる。ルカが寝かせるようにして、外に声をかけようとしている。

「しっかりしろ、ファウスト!」

 見下ろす心配そうな目を知っている気がする。熱を出したファウストを撫でる手を、知っている気がした。

「父……様……」

 咄嗟に出た言葉は、一度も呼んだことがないはずの呼び方。なのにどこか安心できて、ファウストはそのまま気を失った。
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