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1章
5話 アスナ村魔物化事件(2)
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◇◆◇
馬車一台につき十人が乗り込み、加えてルークは単騎で随行する。馬車二台からなる遠征軍がアスナ村へと向かったのは、初夏の長雨の中だった。
幌を打つ雨音は何処か落ち着かず、休憩でも馬の世話や用を足す者以外は外に出ず。物資と人を詰んだ荷台は体格のいい騎士が十人も乗れば閉塞感がある。
息が詰まるような行軍に、クリスの表情は徐々に暗くなっていった。
雨もあり、可能な限り宿を取る事になった。
軍の施設があればそこで。なければ宿屋に分散して。手足を伸ばせるとあってこの時ばかりは皆、活き活きとした顔をした。
明日にはアスナ村に入れる。
梅雨の晴れ間は空気が澄んで空は高く、雲間からは星が煌めいて見える。
テントを張って火を焚き、数人で番と見張りをする。
温かな焚火の側に座り火かき棒で掻き回し、爆ぜる鱗粉を見ているクリスはふと、近付いてくる人影に顔を上げた。
「ルーク団長」
水浴びでもしたのか、しっとりと髪を濡らした人が近付いて火の側に座る。いつものように雑な拭き方に溜息をつき、クリスは後ろに回って艶やかな黒髪を拭いた。
「初夏とはいえ、風邪を引きますよ」
「そんな柔じゃない」
「そういう人から死にます。病魔というのはいつ忍び寄るか分からないんですよ」
そう、突然だ。母も突然だった。この人と同じような事を言っていたのに。
思わずクシャリと握ってしまうと、ルークは驚いたように振り向く。その顔を見て……酷く母を思い出してしまった。
「どうした?」
「……病気、気をつけてください。貴方が頑丈なのは分かっていますが、それでも」
「……誰か亡くしたか?」
「……母を」
互いに躊躇いながら口にするから、咄嗟には声が出ていない。でも、何故だろう。クリスは話せる気がした。ずっと心に溜めていた事だった。
「お前の母は、平民出だったか」
「ですね。勝手なものです。綺麗だからと無理矢理囲ったくせに……子を、生ませたくせに。それでポイしたんですから」
父を、許せないのも当然だ。恋など幻想だと思って当然だ。心が冷えていくのを感じる。
その指先にふと温かなものが触れるから、ハッとして現実が見える。こちらも見ずに、ルークはタオルを持つ手に触れていた。
それだけでどこか気持ちが解れる気がして、クリスはまた彼の髪を拭いていく。
「突然だったんですよ。少し顔色が悪くて、咳をしていて。案じたら、大丈夫だと言って。なのに大丈夫ではなかったんです」
倒れたのは、翌日。亡くなったのは一週間後だった。子供心に何が起こったのか分からない。ただ、病気だったんだとは思う。
何より、この状況でも救いの手を差し伸べてくれなかった父が憎かった。
なのに、見た目が美しいからと自分を利用しようとする利己的な部分が大嫌いだった。
「……安心しろ、俺はお前よりも早くは死なないさ」
「え?」
不意にした声に驚いて見ると、ルークは真面目にそう言っている。
クリスの手からタオルを取って、残りは自分で綺麗に拭いて。そして、こちらを真っ直ぐに見てくる。
「お前も、簡単に死ぬなよ」
「縁起でもない」
「そういう場所にこれから向かうんだ。何が起こっても不思議じゃない。ここにいる仲間以外、信用もできない」
むしろ、村にいる人が人である保証もない。
ゴクリと唾を飲み込み、表情を強ばらせるクリスの頬に手が触れた。甘やかすのではない、真っ直ぐ強い目が見つめている。
「一番の任務は生き残る事だ。格好つけでしくじるなよ」
「そんな事しませんよ」
溜息をついて、そうしたら肩の力も抜ける。苦笑して、隣に座って空を見上げて。
少し開けた木々の隙間、煌めく星がやっぱり綺麗だなって、ぼんやりと眺めた。
◇◆◇
アスナ村は、どこにでもある小さな村だった。
十世帯くらいがいて、小さな畑と周辺の森から取れる恵みを大事にして暮らしている。まだ若い村だった。
質素な家の煙突からは煙があがり、村の中を子供が駆ける。
その光景を、クリスは呆然と見た。
「これ、話は本当ですか?」
今回の話を聞いていたハロルドもまた、呆然と見ている。それはあまりに長閑な、どこにでもある普通の光景だったからだ。
今回の本当の目的は、ルークとハロルド、そしてクリフしか知らない。他の者は「魔物被害が出ているので調査をする」と言ってある。人が魔物になる、その実験場かもしれない場所の調査なんて知れば混乱するばかりだ。
だからこそ、この光景の違和感は三人にとって強烈だった。
「……村長に話を聞きにいく。他は村の周囲に野営を立てろ。村には入るな」
「「はっ」」
全員がルークの命令に従い、ルークはハロルドだけを連れて村へと入っていく。けれど……嫌な予感がしてクリスはルークの手を握り、そこに魔力を込めた。
「!」
「お気を付けて」
この村、暗いんだ。浄化魔法に目覚めてから、嫌な空気を色んな方法で感じるようになった。耳にノイズが聞こえたり、異臭がしたり、首筋がピリピリ痛んだり。その中でも顕著なのは視界だ。穢れがある場所は黒い霧が立ちこめたようになっているのだ。
この村は暗い。それに、物が腐ったような臭いがする。
だからって今のこの光景に違和感はない。子供達の様子もよくあるものだし、男は働き、女は炊事などをしている。老人が散歩し、声も。
もしかしたら彼らは難を逃れたのではないか? 実験に気付かれた貴族派が手を引いたのではないか? そんな事まで浮かぶくらい、何も掴めない状況だった。
一方ルークは村長の家へと向かった。こちらには事前に「魔物の被害が周囲であり、その調査に訪れる」と伝えてある。
レンガと木材の素朴な家の木戸を叩くと、六十代と思われる白髪の小柄な老人が出てきて、身分を伝えると穏やかに招いてくれた。
室内も普通だ。暖炉とテーブルセット。奥は寝室だろう。
「このような辺鄙な場所に騎士団の方が来てくださるとは、嬉しいことですよ」
「この辺りはガトイン伯爵家の領地だが、伯爵の兵などは見回りに来ないのか?」
「何せこんな小さな場所ですからなぁ」
苦笑……だろうか。それでも、言葉以上の悪意などは感じ取れなかった。
「団長、ここ、ちょっと」
側に居るハロルドはやや顔色が悪い。気持ち悪そうなのだ。
「どうした」
「なんか、臭い?」
「臭い?」
だが、臭いのするようなものはない。台所も綺麗なもので、残飯などもない。
ハロルドがそっと耳元に口を寄せた。
「物が腐った臭いがします」
「……」
それが何を意味しているのか分からない。だが……違和感はあった。
「村長、この辺りに出る魔物はどのようなものだ」
「狼ですかね。熊もたまに」
「……ところで、水瓶の水が干からびているようだが、大丈夫か?」
そう、見えたのだ。台所にある大きな瓶は水を貯めておく場所。そこが綺麗に干されている。この老人だけで使うなら一週間程度は保つだろう大きな瓶なのにだ。
老人の方がピクリと揺れる。だが、はははっと彼は声を上げた。
「独り身ですからねぇ。忘れてしまいました。後で汲んでこなければ」
「……そうか」
確かに違和感がある。この場所は、人が生活しているにしては何処か寒々しい。言うなればハリボテだろうか。生活の痕跡が薄すぎる。
「では、警戒しつつ森の警戒に当たります。村には入りません」
「そんな。よければ家を提供しますよ。皆様ゆっくりとお休みになられた方が」
「いや。我々は野宿も訓練している。気遣いだけ頂こう」
なんだか、肌がピリピリする。勘というものに頼りたくはないが、こういう事は大抵当たる。主に、悪い方向にだ。長居はしたくない。
村長の家を辞し、改めて村を見回す。子供が遊び、男性は仕事をし、女性は家の事をする。何処にでもある光景の違和感は何か。それを探すように。
「……動物の姿が見えない」
「え?」
そうだ、これも一つだ。村にいれば当然いる家畜や動物、虫が見られない。農耕をするなら馬や牛が、卵があるなら鳥が、犬や猫の一匹くらいいるものだ。それこそ虫などはそこらにいる。途中までは蝶も見えていた。
それが、声すら聞こえないのだ。
「……野営の場所を予定よりも離し、一箇所に固める。守護結界を二重に張る」
「分かりました」
どうにも嫌な感じがある。ただの魔物じゃない、もっとドロリとした悪意のようなものが渦巻いているように思える。ここは、もはや生者が立ち入るべき場所じゃないのかもしれない。
急ぎ村を離れたルークとハロルドは野営地を村からかなり離した。そして鳴る子などの原始的な警戒罠まで設置し、宿舎から
馬車一台につき十人が乗り込み、加えてルークは単騎で随行する。馬車二台からなる遠征軍がアスナ村へと向かったのは、初夏の長雨の中だった。
幌を打つ雨音は何処か落ち着かず、休憩でも馬の世話や用を足す者以外は外に出ず。物資と人を詰んだ荷台は体格のいい騎士が十人も乗れば閉塞感がある。
息が詰まるような行軍に、クリスの表情は徐々に暗くなっていった。
雨もあり、可能な限り宿を取る事になった。
軍の施設があればそこで。なければ宿屋に分散して。手足を伸ばせるとあってこの時ばかりは皆、活き活きとした顔をした。
明日にはアスナ村に入れる。
梅雨の晴れ間は空気が澄んで空は高く、雲間からは星が煌めいて見える。
テントを張って火を焚き、数人で番と見張りをする。
温かな焚火の側に座り火かき棒で掻き回し、爆ぜる鱗粉を見ているクリスはふと、近付いてくる人影に顔を上げた。
「ルーク団長」
水浴びでもしたのか、しっとりと髪を濡らした人が近付いて火の側に座る。いつものように雑な拭き方に溜息をつき、クリスは後ろに回って艶やかな黒髪を拭いた。
「初夏とはいえ、風邪を引きますよ」
「そんな柔じゃない」
「そういう人から死にます。病魔というのはいつ忍び寄るか分からないんですよ」
そう、突然だ。母も突然だった。この人と同じような事を言っていたのに。
思わずクシャリと握ってしまうと、ルークは驚いたように振り向く。その顔を見て……酷く母を思い出してしまった。
「どうした?」
「……病気、気をつけてください。貴方が頑丈なのは分かっていますが、それでも」
「……誰か亡くしたか?」
「……母を」
互いに躊躇いながら口にするから、咄嗟には声が出ていない。でも、何故だろう。クリスは話せる気がした。ずっと心に溜めていた事だった。
「お前の母は、平民出だったか」
「ですね。勝手なものです。綺麗だからと無理矢理囲ったくせに……子を、生ませたくせに。それでポイしたんですから」
父を、許せないのも当然だ。恋など幻想だと思って当然だ。心が冷えていくのを感じる。
その指先にふと温かなものが触れるから、ハッとして現実が見える。こちらも見ずに、ルークはタオルを持つ手に触れていた。
それだけでどこか気持ちが解れる気がして、クリスはまた彼の髪を拭いていく。
「突然だったんですよ。少し顔色が悪くて、咳をしていて。案じたら、大丈夫だと言って。なのに大丈夫ではなかったんです」
倒れたのは、翌日。亡くなったのは一週間後だった。子供心に何が起こったのか分からない。ただ、病気だったんだとは思う。
何より、この状況でも救いの手を差し伸べてくれなかった父が憎かった。
なのに、見た目が美しいからと自分を利用しようとする利己的な部分が大嫌いだった。
「……安心しろ、俺はお前よりも早くは死なないさ」
「え?」
不意にした声に驚いて見ると、ルークは真面目にそう言っている。
クリスの手からタオルを取って、残りは自分で綺麗に拭いて。そして、こちらを真っ直ぐに見てくる。
「お前も、簡単に死ぬなよ」
「縁起でもない」
「そういう場所にこれから向かうんだ。何が起こっても不思議じゃない。ここにいる仲間以外、信用もできない」
むしろ、村にいる人が人である保証もない。
ゴクリと唾を飲み込み、表情を強ばらせるクリスの頬に手が触れた。甘やかすのではない、真っ直ぐ強い目が見つめている。
「一番の任務は生き残る事だ。格好つけでしくじるなよ」
「そんな事しませんよ」
溜息をついて、そうしたら肩の力も抜ける。苦笑して、隣に座って空を見上げて。
少し開けた木々の隙間、煌めく星がやっぱり綺麗だなって、ぼんやりと眺めた。
◇◆◇
アスナ村は、どこにでもある小さな村だった。
十世帯くらいがいて、小さな畑と周辺の森から取れる恵みを大事にして暮らしている。まだ若い村だった。
質素な家の煙突からは煙があがり、村の中を子供が駆ける。
その光景を、クリスは呆然と見た。
「これ、話は本当ですか?」
今回の話を聞いていたハロルドもまた、呆然と見ている。それはあまりに長閑な、どこにでもある普通の光景だったからだ。
今回の本当の目的は、ルークとハロルド、そしてクリフしか知らない。他の者は「魔物被害が出ているので調査をする」と言ってある。人が魔物になる、その実験場かもしれない場所の調査なんて知れば混乱するばかりだ。
だからこそ、この光景の違和感は三人にとって強烈だった。
「……村長に話を聞きにいく。他は村の周囲に野営を立てろ。村には入るな」
「「はっ」」
全員がルークの命令に従い、ルークはハロルドだけを連れて村へと入っていく。けれど……嫌な予感がしてクリスはルークの手を握り、そこに魔力を込めた。
「!」
「お気を付けて」
この村、暗いんだ。浄化魔法に目覚めてから、嫌な空気を色んな方法で感じるようになった。耳にノイズが聞こえたり、異臭がしたり、首筋がピリピリ痛んだり。その中でも顕著なのは視界だ。穢れがある場所は黒い霧が立ちこめたようになっているのだ。
この村は暗い。それに、物が腐ったような臭いがする。
だからって今のこの光景に違和感はない。子供達の様子もよくあるものだし、男は働き、女は炊事などをしている。老人が散歩し、声も。
もしかしたら彼らは難を逃れたのではないか? 実験に気付かれた貴族派が手を引いたのではないか? そんな事まで浮かぶくらい、何も掴めない状況だった。
一方ルークは村長の家へと向かった。こちらには事前に「魔物の被害が周囲であり、その調査に訪れる」と伝えてある。
レンガと木材の素朴な家の木戸を叩くと、六十代と思われる白髪の小柄な老人が出てきて、身分を伝えると穏やかに招いてくれた。
室内も普通だ。暖炉とテーブルセット。奥は寝室だろう。
「このような辺鄙な場所に騎士団の方が来てくださるとは、嬉しいことですよ」
「この辺りはガトイン伯爵家の領地だが、伯爵の兵などは見回りに来ないのか?」
「何せこんな小さな場所ですからなぁ」
苦笑……だろうか。それでも、言葉以上の悪意などは感じ取れなかった。
「団長、ここ、ちょっと」
側に居るハロルドはやや顔色が悪い。気持ち悪そうなのだ。
「どうした」
「なんか、臭い?」
「臭い?」
だが、臭いのするようなものはない。台所も綺麗なもので、残飯などもない。
ハロルドがそっと耳元に口を寄せた。
「物が腐った臭いがします」
「……」
それが何を意味しているのか分からない。だが……違和感はあった。
「村長、この辺りに出る魔物はどのようなものだ」
「狼ですかね。熊もたまに」
「……ところで、水瓶の水が干からびているようだが、大丈夫か?」
そう、見えたのだ。台所にある大きな瓶は水を貯めておく場所。そこが綺麗に干されている。この老人だけで使うなら一週間程度は保つだろう大きな瓶なのにだ。
老人の方がピクリと揺れる。だが、はははっと彼は声を上げた。
「独り身ですからねぇ。忘れてしまいました。後で汲んでこなければ」
「……そうか」
確かに違和感がある。この場所は、人が生活しているにしては何処か寒々しい。言うなればハリボテだろうか。生活の痕跡が薄すぎる。
「では、警戒しつつ森の警戒に当たります。村には入りません」
「そんな。よければ家を提供しますよ。皆様ゆっくりとお休みになられた方が」
「いや。我々は野宿も訓練している。気遣いだけ頂こう」
なんだか、肌がピリピリする。勘というものに頼りたくはないが、こういう事は大抵当たる。主に、悪い方向にだ。長居はしたくない。
村長の家を辞し、改めて村を見回す。子供が遊び、男性は仕事をし、女性は家の事をする。何処にでもある光景の違和感は何か。それを探すように。
「……動物の姿が見えない」
「え?」
そうだ、これも一つだ。村にいれば当然いる家畜や動物、虫が見られない。農耕をするなら馬や牛が、卵があるなら鳥が、犬や猫の一匹くらいいるものだ。それこそ虫などはそこらにいる。途中までは蝶も見えていた。
それが、声すら聞こえないのだ。
「……野営の場所を予定よりも離し、一箇所に固める。守護結界を二重に張る」
「分かりました」
どうにも嫌な感じがある。ただの魔物じゃない、もっとドロリとした悪意のようなものが渦巻いているように思える。ここは、もはや生者が立ち入るべき場所じゃないのかもしれない。
急ぎ村を離れたルークとハロルドは野営地を村からかなり離した。そして鳴る子などの原始的な警戒罠まで設置し、宿舎から
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