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11章:バロッサ盗賊捕縛作戦
16話:すれ違う気持ち(シウス)
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荷は確保した。加担した商人達もその事実を突きつければ観念した。後は、王都を抑えれば全てが終われる。
シウスは重苦しく息を吐き、古い洋館の前に立った。
既に第三師団がこの洋館を取り囲み、忍び込んでいるラウルが内部の様子を伝えてくる。
そのシウスの横で、ファウストは機嫌悪そうに何度目かの溜息をついた。
「まったく、後悔するならばどうして言葉を選ばぬ」
「それは」
「お前の心配や焦りはよう分かる。じゃが、言いようがあろう。お前の言葉は間違いなく、必死に努力するあやつの心を折ったぞ」
「っ」
これにはシウスも溜息をついた。
キングス港の事件はラウルが伝えてくれた。直ぐにファウストが向かい、事なきを得たはずだった。だが、明らかに二人の間の空気が違う。ランバートは、それこそこいつを諦めそうになっていた時と同じ顔をし、ファウストはそれについてなんと声をかけていいか分からぬ顔をしていた。
気になって問いただせば、どうやら予想外の事が起こりランバートが攫われそうになっていたそうだ。
スノーネルの一件もあり、ファウストは特に敏感になっていた。そこでこれだ。
確かにランバートの単独行動は多少問題がある。だが同時に、その機動力はこちらも欲する。何でもかんでも状況を見ずに報告、命令待ちなどされては遅すぎる事もある。今回のキングスの一件もそうだ。スピードこそが必要だった。
第一、ランバートが所属する第二師団はこうした判断が生死を分けるし、任務達成の有無を分ける。必要な能力であり、冷静さと連絡は欲しいものの咎める事はできない。事実、それぞれに人が割り当てられた場面で本部に連絡などして部隊を編成していたら間に合わなかった。そしてランバートは、ゼロスに事を説明してから出てきた。
この一件、シウスはそれほどの違反があったとは取っていない。むしろ一人を鎮圧、雑魚を確保、荷も無事に確保できたのだから奴の能力の高さを褒めるべきだ。そこに乱入者さえ現れなければ、ジェームダルに繋がる人物を確保できたかもしれない、大手柄だったのだ。
「謝っておけ」
「……俺の言葉を、聞いてくれない」
しょぼくれた軍神など猫の手程も役に立たない。シウスは溜息をついた。
「お前が追い詰めたからであろう」
「だが!」
「運が悪かった! むしろ奴の着目点や機転のよさは我ら宰相府が欲しいくらいぞ。それを使いこなしてこそのお前であろうが」
言えばビクリとでかい体を竦ませ、再び項垂れる。誰か掃除しろこいつ。
「使えぬな」
「シウス」
「私ならばあの坊やの能力を存分に引き出してやれるというのに、なんと勿体ない。よいか? 囲おうとするな。お前が育てるべきは多々あるのだぞ。武力一辺倒に奴を育てればよいわけではない。今回の事件で私が何故あれらを組ませたか分かるか」
「チーム戦を学ばせる為だろ?」
「それもある。だが、ランバートとの相性を見ておったのだ」
それが一番だったのだ。
ランバートの動きは確かに単独が過ぎる。だがその根底にあるのは誰かを思う気持ちであり、事件の早期解決を願う心だ。今回の件、ランバートは情報や状況をよく拾い、可能性を拾っていった。それこそがランバートに求める能力だった。
だが時間的な猶予の無さや、他を思うあまりの突出した行動はやはり心配だ。だがこうしたものはある程度抑制できても、根本的には直らない。だからこその周囲だ。あれを冷静に落ち着かせ、動きを整理し、判断を迅速に行える能力を持つ者だ。
そこでゼロスに目をつけた。奴は単独の武でもなかなかに目を引く。そして判断の迅速さと素早い頭の回転がある。そして基板は第一師団の集団の戦闘だ。
この二人をくっつける事で、ランバートの行動を穏やかにしようと思っていた。
事実、かなりの面でそれは成功している。ランバートはゼロスには大人しく従い、だが対等な姿も見せる。相性は良かったはずだ。
もしキングスに向かわなければという緊急事態の場に、ゼロス以外の誰かがいればきっと、ゼロスはランバートにその者をつけただろう。そしてランバートもそれに異論はなかったはずだ。
微妙な所で上手くいかなかった。だが、だからこその訓練なのだ。
それを、ファウストが根底から折るような事を言ってしまったのだ。
「まったく、過保護。どうするのだ、これでランバートが自信をなくし、最悪退団なんて事を考えたら」
「そんなこと!」
「ないと言い切れるのかえ?」
押し黙った。当然だ。全くない話ではないのだから。
「ファウストの背を守る」
これはランバートがファウストの恋人となって自らに課した目標だ。その為に努力をし続けた。そして、着実に力をつけていった。
それに精神面も昔程無謀ではなくなった。ファウストの為に、自らを軽んじたりはしなくなった。
そこを崩されたら、足元が崩れる。おそらく、別れを言われたと感じる程のショックを受けただろう。
何度目かの溜息をついた時、侵入していたラウルが戻ってきた。
「中は二十人くらいの客と、オークションを取り仕切る人物、護衛が三十人、そしてシーザー・バインズがいます」
「ご苦労であった。荷は無事かえ?」
「はい」
ラウルは明るく言って、再び洋館へと戻っていく。
港で抑えた荷は正しい査定を改めて行い、荷札を移してそのままこの洋館へと送った。この荷がなければマーケットが行われないからだ。
この場所の特定は、ミネルヴァとフォックスが抑えてくれた。おかげで、スムーズに包囲ができたのである。
「さて、頃合いか。ウルバス、突入の合図をせよ!」
「はい!」
かくして洋館を取り囲んだ第三師団が一斉に動いた。全ての入り口を封鎖し、同時に押し入って中の客を抑え、護衛をなぎ倒してゆく。そして、胴元シーザー・バインズを易々と捉えてきた。
シウスの足元に膝をつき、縄を掛けられながらも睨み上げる男を見下ろし、シウスはつまらない顔をした。
「凡庸な」
「なに!」
「偉大な父を持って焦ったか。このような手で父を出し抜き、いい気になったか?」
ギリギリと奥歯を噛むようなシーザーの底から沸く恨み。だがそこにあるものはなんとも浅い。そして、ありきたりだ。
「父は町でも名士で名が通り、商人としても財を成し、その財を惜しみなく町の発展や人々に使う。人格者であり、豪商の器じゃ。だが、その父を見続ける子はなんとも愚かな。お前がすべき事は父を出し抜く事ではなく、素直に父に付き従って自らを磨く事であったのだよ」
「知ったような」
「確かに知らぬ。お主のような甘っちょろい人生など送ってはおらぬ。言っておくが、自らの罪は他の誰も負ってはくれぬぞ」
シーザーはそれ以来何も言わなくなった。そして、シウスもこれ以上は付き合うつもりもなかった。
「連れてゆけ」
伝え、そのまま連れられてゆくシーザーの背中を見る。そして、ファウストに声をかけた。
「後は私で十分じゃ。お前はランバートにフォローでも入れてこい。良いか、フォローだぞ」
「……任せた」
それだけを伝え、ファウストは宿舎へと戻っていく。
「大丈夫でしょうか?」
「ん?」
隣に並んだラウルが、心配そうにファウストの背を見ている。その瞳には、この場にいないランバートも見ているようだ。
「後はなるようにしかならぬ。だが、おそらく双方捨てられぬ。もう、離れる事などできぬよ」
心が真に求める番を引き離せば、心が裂けてしまう。その痛みを、既に二人は知っている。ならばきっと、互いに捨てられはしない。後は互いの心を曝け出し、互いに学ぶ事だ。
遠ざかる背を見つめながら、シウスは重く溜息をついた。
◆◇◆
▼ファウスト
宿舎に戻り、ランバートの姿を探す。辺りを探して、三階のテラスで見つけた。何を思っているのか分からない、遠い視線を外に投げている。
そっと近づき、続くガラス戸を開けた。その音に勢いよくランバートは振り向き、ファウストを見て瞳を揺らした。
「ファウスト様」
「様」という言葉に、距離を感じる。プライベートの時は「ファウスト」と呼び捨てるのに。
「すみません、もう寝ますから」
「待ってくれ!」
色のない顔で飛び出して行きそうなランバートを、ファウストは捕まえる。腕を掴み、そのまま抱き寄せた。
「……すみません、離してください」
「すまないランバート、少しだけ話をさせてくれ」
いい縋った。背中から抱きしめたから、その表情を見る事はできない。だがずっと、体に力が入ったままだ。
「すみません、少し時間を下さい。今は…」
「言い過ぎたと思っている! あの時は……お前が攫われそうになっているのを見て、頭に血が上って、それで!」
「それが、本心だったのですよ」
温度のない声音、崩れない口調。それが、拒絶だと感じた。
そっと抱きしめる腕に手が触れる。そして、力も入っていないのにそっと降ろされた。
「少しだけ、考えさせてください。お願いします」
そう言って去って行く背を追えない。全身から拒絶の空気を纏わせる相手を、どうして引き留めらるのか。
やがて、背は視界から消えてしまった。
シウスは重苦しく息を吐き、古い洋館の前に立った。
既に第三師団がこの洋館を取り囲み、忍び込んでいるラウルが内部の様子を伝えてくる。
そのシウスの横で、ファウストは機嫌悪そうに何度目かの溜息をついた。
「まったく、後悔するならばどうして言葉を選ばぬ」
「それは」
「お前の心配や焦りはよう分かる。じゃが、言いようがあろう。お前の言葉は間違いなく、必死に努力するあやつの心を折ったぞ」
「っ」
これにはシウスも溜息をついた。
キングス港の事件はラウルが伝えてくれた。直ぐにファウストが向かい、事なきを得たはずだった。だが、明らかに二人の間の空気が違う。ランバートは、それこそこいつを諦めそうになっていた時と同じ顔をし、ファウストはそれについてなんと声をかけていいか分からぬ顔をしていた。
気になって問いただせば、どうやら予想外の事が起こりランバートが攫われそうになっていたそうだ。
スノーネルの一件もあり、ファウストは特に敏感になっていた。そこでこれだ。
確かにランバートの単独行動は多少問題がある。だが同時に、その機動力はこちらも欲する。何でもかんでも状況を見ずに報告、命令待ちなどされては遅すぎる事もある。今回のキングスの一件もそうだ。スピードこそが必要だった。
第一、ランバートが所属する第二師団はこうした判断が生死を分けるし、任務達成の有無を分ける。必要な能力であり、冷静さと連絡は欲しいものの咎める事はできない。事実、それぞれに人が割り当てられた場面で本部に連絡などして部隊を編成していたら間に合わなかった。そしてランバートは、ゼロスに事を説明してから出てきた。
この一件、シウスはそれほどの違反があったとは取っていない。むしろ一人を鎮圧、雑魚を確保、荷も無事に確保できたのだから奴の能力の高さを褒めるべきだ。そこに乱入者さえ現れなければ、ジェームダルに繋がる人物を確保できたかもしれない、大手柄だったのだ。
「謝っておけ」
「……俺の言葉を、聞いてくれない」
しょぼくれた軍神など猫の手程も役に立たない。シウスは溜息をついた。
「お前が追い詰めたからであろう」
「だが!」
「運が悪かった! むしろ奴の着目点や機転のよさは我ら宰相府が欲しいくらいぞ。それを使いこなしてこそのお前であろうが」
言えばビクリとでかい体を竦ませ、再び項垂れる。誰か掃除しろこいつ。
「使えぬな」
「シウス」
「私ならばあの坊やの能力を存分に引き出してやれるというのに、なんと勿体ない。よいか? 囲おうとするな。お前が育てるべきは多々あるのだぞ。武力一辺倒に奴を育てればよいわけではない。今回の事件で私が何故あれらを組ませたか分かるか」
「チーム戦を学ばせる為だろ?」
「それもある。だが、ランバートとの相性を見ておったのだ」
それが一番だったのだ。
ランバートの動きは確かに単独が過ぎる。だがその根底にあるのは誰かを思う気持ちであり、事件の早期解決を願う心だ。今回の件、ランバートは情報や状況をよく拾い、可能性を拾っていった。それこそがランバートに求める能力だった。
だが時間的な猶予の無さや、他を思うあまりの突出した行動はやはり心配だ。だがこうしたものはある程度抑制できても、根本的には直らない。だからこその周囲だ。あれを冷静に落ち着かせ、動きを整理し、判断を迅速に行える能力を持つ者だ。
そこでゼロスに目をつけた。奴は単独の武でもなかなかに目を引く。そして判断の迅速さと素早い頭の回転がある。そして基板は第一師団の集団の戦闘だ。
この二人をくっつける事で、ランバートの行動を穏やかにしようと思っていた。
事実、かなりの面でそれは成功している。ランバートはゼロスには大人しく従い、だが対等な姿も見せる。相性は良かったはずだ。
もしキングスに向かわなければという緊急事態の場に、ゼロス以外の誰かがいればきっと、ゼロスはランバートにその者をつけただろう。そしてランバートもそれに異論はなかったはずだ。
微妙な所で上手くいかなかった。だが、だからこその訓練なのだ。
それを、ファウストが根底から折るような事を言ってしまったのだ。
「まったく、過保護。どうするのだ、これでランバートが自信をなくし、最悪退団なんて事を考えたら」
「そんなこと!」
「ないと言い切れるのかえ?」
押し黙った。当然だ。全くない話ではないのだから。
「ファウストの背を守る」
これはランバートがファウストの恋人となって自らに課した目標だ。その為に努力をし続けた。そして、着実に力をつけていった。
それに精神面も昔程無謀ではなくなった。ファウストの為に、自らを軽んじたりはしなくなった。
そこを崩されたら、足元が崩れる。おそらく、別れを言われたと感じる程のショックを受けただろう。
何度目かの溜息をついた時、侵入していたラウルが戻ってきた。
「中は二十人くらいの客と、オークションを取り仕切る人物、護衛が三十人、そしてシーザー・バインズがいます」
「ご苦労であった。荷は無事かえ?」
「はい」
ラウルは明るく言って、再び洋館へと戻っていく。
港で抑えた荷は正しい査定を改めて行い、荷札を移してそのままこの洋館へと送った。この荷がなければマーケットが行われないからだ。
この場所の特定は、ミネルヴァとフォックスが抑えてくれた。おかげで、スムーズに包囲ができたのである。
「さて、頃合いか。ウルバス、突入の合図をせよ!」
「はい!」
かくして洋館を取り囲んだ第三師団が一斉に動いた。全ての入り口を封鎖し、同時に押し入って中の客を抑え、護衛をなぎ倒してゆく。そして、胴元シーザー・バインズを易々と捉えてきた。
シウスの足元に膝をつき、縄を掛けられながらも睨み上げる男を見下ろし、シウスはつまらない顔をした。
「凡庸な」
「なに!」
「偉大な父を持って焦ったか。このような手で父を出し抜き、いい気になったか?」
ギリギリと奥歯を噛むようなシーザーの底から沸く恨み。だがそこにあるものはなんとも浅い。そして、ありきたりだ。
「父は町でも名士で名が通り、商人としても財を成し、その財を惜しみなく町の発展や人々に使う。人格者であり、豪商の器じゃ。だが、その父を見続ける子はなんとも愚かな。お前がすべき事は父を出し抜く事ではなく、素直に父に付き従って自らを磨く事であったのだよ」
「知ったような」
「確かに知らぬ。お主のような甘っちょろい人生など送ってはおらぬ。言っておくが、自らの罪は他の誰も負ってはくれぬぞ」
シーザーはそれ以来何も言わなくなった。そして、シウスもこれ以上は付き合うつもりもなかった。
「連れてゆけ」
伝え、そのまま連れられてゆくシーザーの背中を見る。そして、ファウストに声をかけた。
「後は私で十分じゃ。お前はランバートにフォローでも入れてこい。良いか、フォローだぞ」
「……任せた」
それだけを伝え、ファウストは宿舎へと戻っていく。
「大丈夫でしょうか?」
「ん?」
隣に並んだラウルが、心配そうにファウストの背を見ている。その瞳には、この場にいないランバートも見ているようだ。
「後はなるようにしかならぬ。だが、おそらく双方捨てられぬ。もう、離れる事などできぬよ」
心が真に求める番を引き離せば、心が裂けてしまう。その痛みを、既に二人は知っている。ならばきっと、互いに捨てられはしない。後は互いの心を曝け出し、互いに学ぶ事だ。
遠ざかる背を見つめながら、シウスは重く溜息をついた。
◆◇◆
▼ファウスト
宿舎に戻り、ランバートの姿を探す。辺りを探して、三階のテラスで見つけた。何を思っているのか分からない、遠い視線を外に投げている。
そっと近づき、続くガラス戸を開けた。その音に勢いよくランバートは振り向き、ファウストを見て瞳を揺らした。
「ファウスト様」
「様」という言葉に、距離を感じる。プライベートの時は「ファウスト」と呼び捨てるのに。
「すみません、もう寝ますから」
「待ってくれ!」
色のない顔で飛び出して行きそうなランバートを、ファウストは捕まえる。腕を掴み、そのまま抱き寄せた。
「……すみません、離してください」
「すまないランバート、少しだけ話をさせてくれ」
いい縋った。背中から抱きしめたから、その表情を見る事はできない。だがずっと、体に力が入ったままだ。
「すみません、少し時間を下さい。今は…」
「言い過ぎたと思っている! あの時は……お前が攫われそうになっているのを見て、頭に血が上って、それで!」
「それが、本心だったのですよ」
温度のない声音、崩れない口調。それが、拒絶だと感じた。
そっと抱きしめる腕に手が触れる。そして、力も入っていないのにそっと降ろされた。
「少しだけ、考えさせてください。お願いします」
そう言って去って行く背を追えない。全身から拒絶の空気を纏わせる相手を、どうして引き留めらるのか。
やがて、背は視界から消えてしまった。
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