ある日僕は宇宙に落ちた

みら

文字の大きさ
1 / 1

ある日僕は宇宙に落ちた

しおりを挟む
僕はあったかいおふとんで寝ていたはずなのに草の香りで目が覚めた。
手には少し湿った土を感じる。
手をついてゆっくり体を起こしてみると、僕が暮らしている村にそっくりだった。
草が生えた草原があるし、小川があってみんなが暮らしてる小屋もある。
でも見える景色は全然違ってた。
村を囲んでた山はなくて太陽がなくて見えるのは数え切れないほどの星。
綺麗なのにどこか寂しい。

誰かいないか小屋を見て回るけど誰もいない。
ポーッ
汽車の音だ!
誰か乗ってるかも扉を勢いよく開けて外に飛び出る。
汽車が見えないか右左慌ててみるのに見えるのは地平線と星空だけ。
気のせいだったのかな……
少し残念に思いながら家に入ろうとくるりと向きを変えたとき
ポーッ
また音が聞こえました。
パッと振り返ってみるけど汽車は見当たらない。

不思議に思ってこれはどうゆう事だろうと上を見上げると
なんと空から汽車が降りて来ているところだった。
汽車はゆっくりと降りてきてしばらく地面を走ると止まって、ちょうど目の前で止まった車両の窓が開いてヒョコッと顔が出てきた。
ぱっちりした大きい目に赤色の唇、肌は透き通るような白。綺麗な長い黒い髪で麦わら帽子を被ってる。
その女の子は今まで見た誰よりも綺麗で可愛かった。

「ねぇ、遊ぼうよ」

その声につられて頷くと、窓からヒラリと飛び降りて地面にストンと着地してくるりと一回周ってこっちを見るとてててと寄ってきてぽんと腕を叩かれた。

はい、タッチ!あなたが鬼ね!
そう言い終えたと同時に走り出す女の子。
いきなり始まった鬼ごっこ。
女の子に見とれていて少し出遅れたけど、僕は村で1番走るのが速かったからこのくらいすぐに追いついてタッチできる。

満天の星空の下女の子に追いつこうと全力で走る。
あと少しで捕まえられそうってところで女の子は右に左にヒラリ、ヒラリと交わしてしまう。
後少しっ!そこだっ!

はい、タッチ!

あーあ、捕まっちゃった
そう言って女の子は草の上に寝転んだ。
僕も隣で一緒に寝転んでみると、星がいーっぱいみえてすごく綺麗だった。手を伸ばしたら届きそうなくらいの位置にある気がする。
なんとなく星に手を伸ばす。

なに?星が欲しいの?

なんか掴めそうだなって思って

じゃあ次は星を捕まえて遊ぼうよ

えっ、そんなことできるの?

うんできるよ。

そこから楽しい時間が始まった。
草原を走ったり落ちてきた星を捕まえたり、夜空を走ったり。

2人で笑い転げて一息つくと女の子はじゃあもうそろそろ行くね
と汽車に乗っていく。
いきなりすぎてびっくりした。もっとこのこと一緒にいたい。この楽しい時間がずっと続いて欲しい。どうしたらいいのかな……

あっそうだ!一緒に汽車に乗ったらもっとずっと楽しいんじゃない?

ダメだよ、ここから先はあなたは行けないの。バイバイ!

まるで女の子のバイバイが発車のベルみたいにいきなり走りだして、僕を置いて行ってしまった。汽車が行った後もずっと見てたけど、だんだん眠くなってきた。でも眠ったら全て忘れてしまいそうで怖い。眠りたくないのに……もう起きてられない。

ふと気づくといつも暖かくて安心するお布団の中にいた。
暖かいはずなのにとても悲しい気分になってなんとなくぼーっとしていましたが、ずっとこの思い出を覚えておきたいと思い日記を書きました。

日記の名前は「ある日僕は宇宙に落ちた」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です* 最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!

mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの? ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。 力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる! ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。 読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。 誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。 流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。 現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇 此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

悪女の死んだ国

神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。 悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか......... 2話完結 1/14に2話の内容を増やしました

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

理想の王妃様

青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。 王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。 王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題! で、そんな二人がどーなったか? ざまぁ?ありです。 お気楽にお読みください。

【完結】誰かの親切をあなたは覚えていますか?

なか
児童書・童話
私を作ってくれた 私らしくしてくれた あの優しい彼らを 忘れないためにこの作品を

処理中です...