24 / 31
第23話 それぞれの戦い side:シルヴィ
しおりを挟む
side:シルヴィ
ジークとダンの戦いが始まり、私とおじいちゃんは近寄るためにそこへ向かおうとする。
すると、ダンの仲間の2人組がこちらに近づいてくる。
「おっと、兄貴の元へは行かせないぜ!なぁ、ボリ!」
「おおよ、バリ!お前らはここで俺らに倒されるんだからよ!」
どうやらバリとボリという2人は、私とおじいちゃんがジークとダンの元に行かせないようにするつもりらしい。
「シルヴィちゃんは下がっておってもよいぞ?
儂1人でも………」
「私も戦うよ、おじいちゃん」
「ほっほっほっ、そうかそうか。なら好きにするとよい」
おじいちゃんは1人でもいいと言うが、私はもう決意していた。
「舐められてるな、ボリ」
「舐められてるぞ、バリ」
「よし!俺はあの女の方をやるから、あのじーさんはボリ、お前に任せた!」
「あ!バリ、ずるいぞ!火の賢者の方を避けやがって!」
やはりおじいちゃんよりも私の方が楽だと思われているようで、2人はどっちの相手をするかで揉めていた。
揉めた結果、私の相手はバリ、おじいちゃんの相手はボリということになった。
お互いの邪魔になるだろうということで、私とおじいちゃんは離れて別々に戦うことにした。
私はバリと2人になり、お互いに距離を取って様子見をしている。
「へへっ、悪く思うなよ、お嬢ちゃん。
戦場じゃあ、男も女も関係ないからよ!」
「大丈夫だよ。私だってそのくらいの覚悟はできてる!」
バリは、私のことを完全に下に見ている。
私が女だから勝手に弱いものと判断しているのだろう。
それは別にいい。強いと思われたいわけではなかったから。
そうして睨み合っていると、バリが話しかけてくる。
「でもあいつも馬鹿だよな。あんな捨て子のエルフを助けるために、性懲りもなく兄貴に挑むなんてよぉ!
どうせ勝てもしないのに、ご苦労様だぜ」
この言葉には流石に私も怒りが込み上げてくる。
「ジークやセレナちゃんの努力も知らないで勝手なことを言わないで!」
「そう怒るなよ。
それじゃあ、俺はサクッと嬢ちゃんを倒して、兄貴の応援にでも行くとするか!」
そう言ってバリは、臨戦態勢を整えた。
私はまだ光の賢者になったという実感は無い。
だけど、この力で誰かを、ジークを助けることができるなら私はこの力を使うことに躊躇はしない!
「嬢ちゃん、覚悟しやが………」
「《サンクチュアリ》」
私が唱えると、バリの周りに光の壁が現れる。
光魔法サンクチュアリは指定した領域内を光の壁で覆うという魔法だ。私以外は中からも外からもその壁を壊すことはできない。
「な、なんだ!?この光の壁は!?………出れねぇ!?」
バリは壁を叩き、出ようとしている。
「無駄だよ。その壁は私以外には壊せないから」
「なっ!?ふざけんな!ここから出せ!」
私はバリの叫びを聞きながら、魔力を込めて手を前に出す。
何をしようと察したのか、バリは助けを求め、慌て始める。
「や、やめろ!悪かった!俺が悪かったから!助けてぇ、あにきぃ!」
「ごめんね?《ウィンドブラスト》!」
「ぐふっ!?」
私が放った風魔法によって、《サンクチュアリ》ごとバリを吹き飛ばした。
吹き飛ばされたバリはその場で気を失って倒れていた。
♢ ♢ ♢
バリを倒した私は、おじいちゃんの方を見る。
向こうはまだ戦いが始まっていないのか、お互いに向かい合ったままだった。
「ちっ、バリのやつ。あんな娘1人にすら勝てねーのかよ」
「ほっほっほっ、シルヴィちゃんをなめてかかるからじゃ」
「これじゃあ、俺の手間が増えちまったじゃねーか」
ボリはバリが私に負けたことで、2人を相手にしなければいけない事を嘆いている。
「大丈夫じゃよ。お主の相手は儂1人じゃからのう」
「いいのかよ?随分と余裕だな。いくら火の賢者とはいえ、今は老いぼれ。手加減はしねーぜ!」
バリが私を甘く見てたように、ボリもおじいちゃんのことを甘く見ていた。
「それでいいのかのう?」
「あん?」
「………最後の言葉はそれでいいのかと聞いておる」
聞いたこともないような威圧感のある低い声でおじいちゃんは言った。
「ひっ………!」
「《フレイムノヴァ》」
おじいちゃんが詠唱すると、辺りを眩しく照らす炎の星のような火球が出現する。
先程の言葉で威圧されて完全に怯えてしまったボリは、動くことができないのか、近づいてくる火球を前にして固まってしまっている。
「や、やめろ!やめてくれぇぇぇ!」
ボリが助けを求めて叫び、火球がぶつかる!と思った瞬間、火球が消えてしまった。
私がおじいちゃんの方を見ると、にこにこ笑っている。
「ほっほっほっ、まぁこの辺にしといてやるかのう」
やはりおじいちゃんがわざと当たる直前に火球を消したようだった。
ギリギリまで恐怖を味わったであろうボリは、口から泡を吹いて気絶していた。
無事、バリとボリに勝利した私達は、今だに戦っているジークとダンの方を見る。
ここに来る前にジークに言われていたことを思い出す。
それは『俺とダンが戦っている間は手は出さないでくれ』ということだった。
その時私はあまり乗り気じゃなかったが、ジークの真剣な眼差しにやられて、渋々頷いてしまった。
あの目はずるい。
あんな目で見られたら駄目だなんて言えない。
今、ジークはセレナちゃんのために戦っている。
それを少しだけ羨ましく思いながらも、私は心の底からジークを応援する。
「………がんばれ、ジーク!」
ジークとダンの戦いが始まり、私とおじいちゃんは近寄るためにそこへ向かおうとする。
すると、ダンの仲間の2人組がこちらに近づいてくる。
「おっと、兄貴の元へは行かせないぜ!なぁ、ボリ!」
「おおよ、バリ!お前らはここで俺らに倒されるんだからよ!」
どうやらバリとボリという2人は、私とおじいちゃんがジークとダンの元に行かせないようにするつもりらしい。
「シルヴィちゃんは下がっておってもよいぞ?
儂1人でも………」
「私も戦うよ、おじいちゃん」
「ほっほっほっ、そうかそうか。なら好きにするとよい」
おじいちゃんは1人でもいいと言うが、私はもう決意していた。
「舐められてるな、ボリ」
「舐められてるぞ、バリ」
「よし!俺はあの女の方をやるから、あのじーさんはボリ、お前に任せた!」
「あ!バリ、ずるいぞ!火の賢者の方を避けやがって!」
やはりおじいちゃんよりも私の方が楽だと思われているようで、2人はどっちの相手をするかで揉めていた。
揉めた結果、私の相手はバリ、おじいちゃんの相手はボリということになった。
お互いの邪魔になるだろうということで、私とおじいちゃんは離れて別々に戦うことにした。
私はバリと2人になり、お互いに距離を取って様子見をしている。
「へへっ、悪く思うなよ、お嬢ちゃん。
戦場じゃあ、男も女も関係ないからよ!」
「大丈夫だよ。私だってそのくらいの覚悟はできてる!」
バリは、私のことを完全に下に見ている。
私が女だから勝手に弱いものと判断しているのだろう。
それは別にいい。強いと思われたいわけではなかったから。
そうして睨み合っていると、バリが話しかけてくる。
「でもあいつも馬鹿だよな。あんな捨て子のエルフを助けるために、性懲りもなく兄貴に挑むなんてよぉ!
どうせ勝てもしないのに、ご苦労様だぜ」
この言葉には流石に私も怒りが込み上げてくる。
「ジークやセレナちゃんの努力も知らないで勝手なことを言わないで!」
「そう怒るなよ。
それじゃあ、俺はサクッと嬢ちゃんを倒して、兄貴の応援にでも行くとするか!」
そう言ってバリは、臨戦態勢を整えた。
私はまだ光の賢者になったという実感は無い。
だけど、この力で誰かを、ジークを助けることができるなら私はこの力を使うことに躊躇はしない!
「嬢ちゃん、覚悟しやが………」
「《サンクチュアリ》」
私が唱えると、バリの周りに光の壁が現れる。
光魔法サンクチュアリは指定した領域内を光の壁で覆うという魔法だ。私以外は中からも外からもその壁を壊すことはできない。
「な、なんだ!?この光の壁は!?………出れねぇ!?」
バリは壁を叩き、出ようとしている。
「無駄だよ。その壁は私以外には壊せないから」
「なっ!?ふざけんな!ここから出せ!」
私はバリの叫びを聞きながら、魔力を込めて手を前に出す。
何をしようと察したのか、バリは助けを求め、慌て始める。
「や、やめろ!悪かった!俺が悪かったから!助けてぇ、あにきぃ!」
「ごめんね?《ウィンドブラスト》!」
「ぐふっ!?」
私が放った風魔法によって、《サンクチュアリ》ごとバリを吹き飛ばした。
吹き飛ばされたバリはその場で気を失って倒れていた。
♢ ♢ ♢
バリを倒した私は、おじいちゃんの方を見る。
向こうはまだ戦いが始まっていないのか、お互いに向かい合ったままだった。
「ちっ、バリのやつ。あんな娘1人にすら勝てねーのかよ」
「ほっほっほっ、シルヴィちゃんをなめてかかるからじゃ」
「これじゃあ、俺の手間が増えちまったじゃねーか」
ボリはバリが私に負けたことで、2人を相手にしなければいけない事を嘆いている。
「大丈夫じゃよ。お主の相手は儂1人じゃからのう」
「いいのかよ?随分と余裕だな。いくら火の賢者とはいえ、今は老いぼれ。手加減はしねーぜ!」
バリが私を甘く見てたように、ボリもおじいちゃんのことを甘く見ていた。
「それでいいのかのう?」
「あん?」
「………最後の言葉はそれでいいのかと聞いておる」
聞いたこともないような威圧感のある低い声でおじいちゃんは言った。
「ひっ………!」
「《フレイムノヴァ》」
おじいちゃんが詠唱すると、辺りを眩しく照らす炎の星のような火球が出現する。
先程の言葉で威圧されて完全に怯えてしまったボリは、動くことができないのか、近づいてくる火球を前にして固まってしまっている。
「や、やめろ!やめてくれぇぇぇ!」
ボリが助けを求めて叫び、火球がぶつかる!と思った瞬間、火球が消えてしまった。
私がおじいちゃんの方を見ると、にこにこ笑っている。
「ほっほっほっ、まぁこの辺にしといてやるかのう」
やはりおじいちゃんがわざと当たる直前に火球を消したようだった。
ギリギリまで恐怖を味わったであろうボリは、口から泡を吹いて気絶していた。
無事、バリとボリに勝利した私達は、今だに戦っているジークとダンの方を見る。
ここに来る前にジークに言われていたことを思い出す。
それは『俺とダンが戦っている間は手は出さないでくれ』ということだった。
その時私はあまり乗り気じゃなかったが、ジークの真剣な眼差しにやられて、渋々頷いてしまった。
あの目はずるい。
あんな目で見られたら駄目だなんて言えない。
今、ジークはセレナちゃんのために戦っている。
それを少しだけ羨ましく思いながらも、私は心の底からジークを応援する。
「………がんばれ、ジーク!」
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる